ここは全年齢対応の小説投稿掲示板です。小説以外の書き込みはご遠慮ください。

トライデンとグレムリントはとんでもない目にあったようです グレムリンへの悲報
作者:エファト   2012/09/01(土) 11:26公開   ID:38AtSMCu9X6
魔術結社グレムリンの有する施設の一室では、オティヌスと呼ばれる少女がケータイを手にしながら驚愕の表情を露わにしていた。
魔術サイド側は基本的に科学技術を認めていないが、科学を積極的に多用するグレムリンではケータイを使うのは珍しいことではない。

問題は、その報告だった。グレムリンと呼ばれる組織の最終的な目的ではないがトライデントとオーレイ=ブルーシェイクをグレムリンの作戦に引きずり込んだのは万が一にグレムリンの存在が露見しないようにすることや事態を混乱させ、メンバーの脱出の手引きをすることで、目的達成のために必要なキラウェア山噴火をバックアップさせるためにある。
その目的とは、グンニグルの復活。グンニグルとは、北欧神話に出てくる神の使いし槍であるがそれは実在する。神と呼ばれる存在は、異次元に存在する巨大な霊的生命体の一種だ。

故にグンニグルは実在し、それを復活させることを目的の一つとしていることは何らおかしいことではない。ただ問題なのは、グンニグルほどのものになればそれを復活させるだけでも莫大な魔力を要し、魔神と呼ばれる上位の存在であるオティヌスですら復活させることはできない。
そのためにキラウェア山を噴火させることで東洋でいう地脈、教会に言うなら神の息吹と呼ばれる自然界に存在する魔力を噴火させようと画策していたのだが、報告は望んでいたものではなかった。

「キラウェア山の噴火は、失敗しました。」


マリアン=スリンゲナイヤーからの電話の第一声は、そう告げていた。冗談を言うことはこの組織ではないし、その硬い声が事実であることを物語っていた・

「どういう事情なのか説明して。」

「それが・・・・・・・・・・」

マリアン=スリンゲナイヤーも事情のすべてを知っているわけではない。グレムリンが警戒していたのは、事前にラジオゾンデ要塞というグレムリンの空中要塞を破壊したイマジンブレイカー上条当麻を初めとするメンバーであり、キラウェア山の噴火をとめたあの化け物の存在を知っているわけではない。
今日彼女も知らないが、起きたのはこういうことだった。



サローニャ=A=イリヴィカは、輸送機の離陸を待っていた。彼女はロシア正教の魔術師であり、グレムリンの元々の構成要員ではない。しかし、ロシアという国が第三次世界大戦により敗戦し、大国としての地位を失いアメリカや学園都市が大国としての地位を更新させていくことは我慢ができない。
グレムリンに協力しているのは、キラウェア山を噴火させアメリカに打撃を与えるためだ。ロシアという国を思っての協力といっているが、世界にとってはた迷惑としか言いようがない思想だ。
アメリカは世界最強の超大国であり、経済的にも軍事的にも世界の中心的な地位を担っている。イラクやアフガンからは撤退が決まったとはいえアメリカが打撃を受ければテロリストや独裁国家、それ以外にも戦争の抑止を失い世界のパワーバランスは崩れ戦争やテロ行為が頻発し、経済的な打撃は世界の経済と貿易の中核となるドルの発行国であるため複数の国々におよび失業者や倒産する企業が大量に出るだろう。
そんなことも考えずロシアのためといっている彼女は、ただの危険人物に過ぎない。最もそんな思想の持ち主だからグレムリンは陽動のために利用したのだが。


そんな彼女の前にアメリカの守護神といえる男とその男がかるパワードスーツが現れるのは、必然だったのかもしれない。

「レッツパァァアアリリィィィィ!」

その叫びとともに上空から巨大な影が舞い降りる。その巨体は、基地のコンクリート舗装させた道路を破壊しながら地面に墜落といっていい姿で降り立った。
降り立った瞬間、どこからか「流石大統領、紳士な着陸ですね。」という英語が聞こえてきたが、どこが紳士な着陸なのかと万人が問うだろう。

その姿は禍々しいの一言だ。巨大な赤い目玉に悪魔的な衣装の威圧的な姿、その背後にはコンテナらしきものを持っている。
魔術師の使うゴーレムではない。ロシアでの第三次世界大戦で見たパワードスーツを連想させ、学園都市の介入なのかと彼女は思う。
だが、事実は違う。そのパワードスーツはアメリカの誇りにして世界最大最強のパワードスーツ。
この兵器の前では、学園都市のHsps-15だろうがドラゴンライダーも意味がない。
アメリカの誇るパワードスーツメタルウルフだ。それを動かすは、マイケル・ウィルソン・jr。
アメリカ軍における最高の勲章『メタルオブオナー』を受賞したアメリカ陸軍の元少佐であり、父親である故マイケル・ウィルソンも大統領を務めたサラブレッドである。
なお彼の父もアルファワームという大規模な遺伝子変異によって現代兵器にも張り合える危険な生物を尽くす出す寄生虫騒ぎを解決した英雄である。


そこから後は、メタルウルフの無双が展開した。人の脳を操る能力と植物による攻撃を行うのがサローニャ=A=イリヴィカの使う魔術レーシーの効能だ。
精神操作と物理的な攻撃というそれなりに強力な魔術であるのと合わせ、おまけに本体である植物を倒さない限り無限に再生するという能力さえ持っている。
しかし、その程度はメタルウルフに効きはしない。

「何故なら私はアメリカ合衆国大統領だからだ。」の言葉とともに洗脳の効果は効かず、こちらの攻撃は硬い装甲に阻まれ致命的な打撃は与えられない。
それどこから無限に再生する植物の攻撃させ本体に至るまで徹底的に抄訳されてしまった。

「俺のくそをくらいな、くされフォレストが。エコロジーは大事だが、そうも言ってられない。」

「大統領、私一度でいいから森林火災を自分で起こしてみたかったんですよね。」

そんな会話とともに摂氏数千から数万度に達するピンクの工場が放たれ、触手のように動く植物を破壊していく。
某白い悪魔のビームライフルに似ているだけあって対戦車戦闘も前提にしている化け物銃なのだ。
本体が破壊させるまで十分程度しかかからなかった。

呆然とする彼女をしり目にメタルウルフは起爆剤を探すべく輸送ヘリのUH-60ブラックホークに乗り込んでいく。
乗り込んでからしばらくして出てきたが、その様子はがっくりとしていた。

「ジョディどうやら、魔術師どもに一杯喰わされたらしい。ここに起爆剤はない。」

「大統領、それならキラウェア山に向かうべきです。魔術師なんて言う頭のいかれたクレイジーな連中どもは陽動でそっちに起爆剤を仕掛けているんですよ。」

「そのとおりだな、魔術師であれ何であれアメリカ国民は傷つけさせはしないぜ。」

そのまま来た時と同じようにバーニアをふかしながら空へと昇っていく。

アメリカ合衆国第47代マイケル・ウィルソン・jrは軍人という経歴を見てもわかるが元々行動的で活発な人物である。ただ行動的で活発というだけでなく変人的な趣もあるが、ただ椅子に座ってじっとしていられる人物ではない。
その彼は、アメリカ政府内で何らかの動きがあることを察知し、秘書であるジョディ・クロフォードとともに調査を開始していた。
そのハワイで事態を察知した上条当麻達が巻き込まれた騒動を叱咤は彼は、彼らに接触し事態を把握した。

「グレムリンといった魔術サイドが火山の噴火を狙っているだと。アメリカ国民のライフを何だと思っているんだ。」

「魔術サイド相手には、アメリカ軍も無力です。というわけで解決は俺たちに。」

「悪いが同盟国である日本のティーンエンジャーをまきこむわけにはいかない。魔術サイドの一つや二つ倒して見せるさ。」

彼にはほかの大統領と違って戦うための武器がある。それは、彼の軍人としての経歴だけではない。
彼は、かつて行われたパワードスーツ計画を復活させている。パワードスーツ計画とは、テロリストとの戦闘などでアメリカ軍の間に負傷者が多く、訓練された兵士を手に入れるのは困難であるために兵士の個体火力強化のためにアメリカ軍内のグループが実施した計画だ。
作り出されたパワードスーツは生命にとっても難しい二足歩行を日本のロボット技術を背景に再現し、その装甲は主力戦車M1エイブラムスと同等の強度を誇り、数百キロに達する距離を短時間で走破、強力なセンサーとスーパーコンピューターによるアシストで敵を常に事前に捕捉し効率的な手段で殺すことが可能だ。
ただこれによってスパコンの指示に従い兵士が人を殺すことを強要されるあまりに精神的に不安定になったことと偶発的にテロリストを集めその上で殺すというテスト場に迷い込んでいたゴルゴ13により試作機を破壊され、その後の継続的な実験データを手に入れることができず計画は終了した。

それを復活させたのが彼で第三次世界大戦前からパワードスーツを現在のようなテロリストとの不正規戦を行う現在だからこそより必要性を増すといいパワードスーツ計画を復活させた。ただ普通に復活させただけでなく彼の凄いところは大統領もテロに狙われる可能性があるため訓練を積んでいない人間でも応戦することができるようパワードスーツを配置した点だ。
このパワードスーツは世界最強といってよく学園都市を超えており、量産型の機動性重視と火力・装甲重視のパワードスーツもかなわない性能を持っている。
学園都市が世界最強といってもアメリカでは不可能と言われた衛星軌道上へのマイクロ波兵器やレーザー兵器搭載型の衛星をかつてSDI(戦略防衛構想)で実現した通り高度な技術を有している。
メタルウルフには、アメリカの最先端の原子編成技術を用いた強化チタンや超硬質セラミックを中心とした装甲を複数纏わせることで多層化した装甲によって圧倒的な防御を実現し、戦車砲やミサイルに耐えられる性能を発揮、人工筋肉はレールガン開発の過程で作られた試作型の超伝導技術を採用することでビルを破壊できるほどの圧倒的筋力を発揮、動力源は燃料電池と普通だがビーム兵器はコジマ粒子という元々エネルギー純度の高い高エネルギー粒子やそれを利用しての他の粒子を強化したりレールガンに同様の超伝導バッテリーを使用するといった風に単一の電力ですべてまかなわず各種兵装ごとにそれぞれ別途動力を採用、小型のスクラムジェットエンジンを採用し飛行も可能という化け物だ。


どこから取り出したのかメタルウルフを取り出した彼は、「ボーイアメリカをなめてもらっちゃ困るぜ。紳士なのは17時までだ。」と叫ぶやいなや空へとたつ。
その後サローニャ=A・イリヴィカを短期間に倒した彼は、キラウェア山へと、マッハで飛んでいた。

「大統領、国家偵察局に連絡して偵察衛星で確認したところ起爆剤はすでにセットされ爆破寸前です。このままじゃ映画ボルケーノ見たく麓がマグマに飲み込まれますよ。」

「いざとなったらマウンテンごと破壊してやるまでだ。」

そういってるうちにもハワイの名峰にして観光客を楽しませるキラウェア山の堂々たる姿が見えてきた。見えてきたと思うやその山が鳴動する。
噴火が始まったのだ。


「大統領、退避を。火山が相手ではメタルウルフでも危険です。」

「ジョディ、火山噴火から国民を助けられずに逃げ出してUSAプレジデントが務まるか。何よりヘブンのダディが悲しんでしまう。」

「大統領、何を。」

その叫びとともにメタルう婦は加工へと降下しながら飛び込む。目の前からは赤い灼熱のマグマが外界へと飛び出しその猛威を振るうべく飛び出そうとしていた。

「これが大統領魂だ。」

そのマグマへと向けて、彼は人間の作りだした武器を放つ。アメリカ国民を待護為に。
彼の前に一切の常識は通用しない。普通ならマグマにのみつくされるどころだが、その瞬間キラウェア山の加工を中心にすさまじい爆発が巻き起こる。
爆発が晴れた瞬間、キラウェア山はかつての山形をとどめず完全に姿が変わっていた。環境保護団体のみならずハワイ州民が見たら怒りそうな光景だが、完全に噴火は止まっていた。
そしてその爆発の晴れた瞬間には、健在なメタルウルフの姿があった。

「みたか、これが大統領魂だ。」

大統領が勝利の叫びをあげる。だが、戦いはまだ終わらない。
次なる戦いが始まろうとしていた。

ハワイ沖には、輸送船の群れが止まっていた。だが実はこれは輸送船ではない、PMCトライデントの偽装貨物船だ。
その環境では、ある男が一つの名を下していた。

「グレムリンは失敗したようだが、作戦の実施は変わらない。これより我々はハワイへの侵攻を行う。」

「そんなアメリカ軍が健在な状況で戦闘を行うと。無謀です、こちらは火山噴火を盾にした作戦なんで装甲車などはあまりないんですよ。」

副官が男キネシック=エヴァーズを止めようとするが男は目寝つける。元々社内において政治的な権力を握っている男には向かうことはできない。
それが間違っている事でも。
こうしてトライデントは侵攻をアメリカ軍が健在という無謀な状況で開始することになる。


■作家さんに感想を送る
■作者からのメッセージ
作者からのメッセージはありません。
テキストサイズ:10k

■作品一覧に戻る ■感想を見る ■削除・編集
Anthologys v2.5e Script by YASUU!!− −Ver.Mini Arrange by ZERO− −Designed by SILUFENIA
Copyright(c)2012 SILUFENIA別館 All rights reserved.