早乙女学園 特別クラス 第2話
作者:ずん
2012/10/16(火) 20:38公開
ID:qIPvIk2sV6k
天才って良いよね。
すごいね。
さすがだね。
私は天才でも、凄くも、さすがでもないのに皆、勝手に私を決めつける。
私は私なのに……。
私は私しか信じない。
自分のために。
皆のために。
ー第2話ー
何故だかさっきから視線を感じる。
翔ちゃんも顔を真っ赤にして…。
どうしたんだろ?
「蘭歌……手…」
しばらくすると翔ちゃんが小さな声が聞こえた。
「あっ、ごめん。嫌だった?……つい癖で…」
そうだよね。
私も翔ちゃんも、もう専門学生だ。昔と同じようになんて扱ってくれはしない。
私がそうしんみりしていると翔ちゃんは焦って
「手なんて、男と簡単に握っちゃ駄目なんだよ!」
と声を張り上げた。
そっか、翔ちゃんは私を心配してくれてたんだね。
「ありがとう、翔ちゃん!」
私はそう言って翔ちゃんに抱きついた。
「バッ////それが駄目なんだって!」
しまった。
私は翔ちゃんに抱きつく癖もあるみたいだ。
直さなくちゃ。
蘭歌がそう悩んでいる間
(蘭歌の天然はどうにかなんねぇのか?)
と翔も悩んでいた。
そんな風にしている間にやっと学園についた。
「うわぁ……♪」
大きな門は勿論、学園長の迫力ある銅像はとても印象的だった。
周りを見渡すと幾つかの防犯カメラが目に入った。
私達はいつでも監視されているらしい。
(気が抜けないなぁ)
でも、頑張りすぎてストレスでつぶれるのが目に見えている。
うぅんと私が唸っていると、翔ちゃんが
「ほら、行くぞ」
と言って歩き出した。
翔ちゃん気づいてるのかな?
気づいていてこんな平然としているならすごいなぁ。
トコトコ
歩いていると、講堂の周りに沢山人がいるのが分かった。
講堂につくと翔ちゃんと私は別れた。
翔ちゃんはSクラス、私はAクラスの方へ向かった。
ガタッ
私が席につくと
「生徒の皆さんはぁ〜、席についてチョウダイ!」
という放送(?)が流れた。
「HAHAHA!Meの学園に入学した皆さん、準備はOKデスカ!?」
と学園長が話しだした。
学園長が適当な挨拶をした後、林檎先生から学園についてのいろんな説明があった。
「じゃあ最後に、大切なお知らせ♪なんと今年から学園に『特別クラス』ができなたのよん♪」
私には疑問が出てきた。
特別クラスは問題児のクラスなのか、天才のクラスなのか。
まぁ、もし私がそのクラスに入るなら『天才』は無いだろう。
「じゃあ、そのクラスの生徒は龍也に言ってもらうわねん♪」
林檎先生はそう言うと、龍也先生にマイクを渡した。
「ゴホン……えぇ…Sクラスから、一ノ瀬トキヤ、神宮寺レン、浜矢蛇竜一、来栖翔」
翔ちゃん?
翔ちゃんがいてSクラスのメンバーならば『天才』の方なのかもしれない。
「次にAクラスから、一十木音也、聖川真斗、四ノ宮那月………神崎蘭歌!…以上だ」
ん?
私の名前呼んだ?
まさかの特別クラス!
どういうクラスなんだろ?
とりあえずは翔ちゃんと一緒だから良いことにしておこう。
「えぇ次に……」
龍也先生は次の話をしだしたけれど、特別クラスのことが気になって全く耳に入ってこなかった。
「……ということで入学式は以上デェス!you達、教室へgo!go!go!」
学園長の言葉で入学式は終わってしまった。
私は、特別クラスの教室がわからなくて、とりあえず翔ちゃんのところへ向かった。
「翔ちゃん!」
- ■作者からのメッセージ
-
やっと入学式です。
なんか翔ちゃん寄りになっちゃいましたね。
一応all目指してます!
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