作者:エビス
2012/10/20(土) 19:50公開
ID:NWP4dXCBBS.
俺はある日の昼休み、『魔法少女』と出会った。
その出会いは全くの偶然であり、彼女、八神はやてからしたら事故以外の何物でもなかった。
しかもそのことは一般人には秘密にしなければいけないことであり、
俺は昼休みに出会った八神はやてに加え、高町なのは、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンの
3人から秘密にするよう釘を刺された。
しかしこれが悪いことかと思いきやそうでもない。
これをきっかけに、3人と友達になれた。
出会い方こそどこか歪でまだ付き合いも浅いけど、仲良くできたらいいな。
……と、ここまでが俺の昨日の出来事。思い返すと濃い一日だったよ。
今日は週末。のんびりと過ごして月曜から頑張って行きますよ!
○
「というわけでひたすら歩いていこう、ヴィータ!」
「いや、ひたすらってなんだよ……」
ちなみに俺の隣を歩いているのはヴィータっていう女の子。
散歩中によく会うので知り合いになった。連れて歩いている犬はザフィーラって名前で
青い毛を持っている珍しい犬だ。……犬なのかなぁ?
「なんか由乃テンション高くないか?いいことでもあったのか?」
どこかイタズラっぽい顔で言ってくる。
「ま、ちょっとね。学校で女の子と知り合ったんだ」
「へー、珍しいこともあるもんだな。てっきり由乃はヘタレかと思ってたけどな」
おおう……、何気なくキツイとこを突いてくるなこの嬢ちゃんは……。
「べっ別に今までだって女友達がいなかった訳じゃないんだからねっ」
「うへっ、何だその言い方気持ち悪いぞ」
おう、だろうな。こんな物言いされたら手が出る自信があるね。男限定だけど。
「ヴィータ。この後どうせ公園でじいちゃんばあちゃんとゲートボールだろ?
景気づけにジュース奢ってやるよ」
「お、本当か!?由乃がそんなに奢りたいって言うなら奢られてやってもいいぜ」
こいつ犬だったら今頃尻尾ブンブン振ってるに違いないと思いながら自販機に金を投入。
俺は優越感に浸りながらほくそ笑んでいた。随分品の無い顔をしていただろう。
「そうだ!せっかくだから見て行けよ。これでも結構上手いんだぜ?」
「痛い痛い!分かった。分かったから!見ていくから!背中をバシバシ叩くを止めろ!!」
「ああっと、済まないな。ごめんごめん」
こんな細い体でどっからこんな力出してんだ?見たところ筋肉も目立ってないし……。
というか、妹がいたらこんな感じなんだろうか。少し勝気過ぎる気もするけど。
「ほら由乃!あっちの公園だ。早く来いよ!!」
「はいはい……。ザフィーラよ、お前も大変だな。飼い主が元気すぎて」
せわしなくダッシュしていったヴィータを追いかけながらザフィーラと並んで歩く。
リード持たなくてもついてくるなんて、結構お利口なんだな。吠えないし。
それにさっきの俺の言葉に頷いたように見えたのは気のせいかな?
○
そんなわけで現在公園。本人が自負するようにヴィータは周りの老人方に負けず劣らず、
見事にゲームをこなしていた。あとヴィータがちやほやされていて微笑ましかった。
「へっ、どうだ。見事なもんだろ?」
一段落終えたヴィータがこっちに向かってきてジュースを一口飲んだあと俺に言った。
「おー、結構やるもんだな。簡単そうに見えるけどこれって難しいんだろ、実際」
「まーな。所詮公園だからデコボコばっかだし、当然ならされてもないし。
最初は思うようにボールが潜らなかったけど今じゃ朝飯前さ」
スゲーなこの子。どう転がるかを読めてるってことだろそれって。
「でも、じいちゃんばあちゃん達がそれを利用してわざわざ変化をかけて
ボールを潜らせるのだけは納得がいかねぇ!!」
え、なにそれすごい。長年この公園でゲートボールを楽しんできた年寄りの特権ってやつですか?
もしくは年の功か。でもなヴィータ
「もらった和菓子をモグモグしながら喋るのだけはやめなさい。行儀が悪い」
「う、うるせぇ!!」
この時ザフィーラがお父さんのような目をしていたことを俺は見逃さなかった。犬なのに。
あと、帰り際ヴィータにお菓子を分けてもらいました。美味しかったよ。