魔法少女リリカルなのは『灯の紡ぎ手』 第一話『そのチカラ』
作者:Moon Grass◆91HuPZYTLGI
2012/11/08(木) 12:37公開
ID:jwahdMdOovE
―――最初は、戸惑いしかなかった。
落とされた場所は先ほどまで俺が過ごしていた所とそう変わらぬ姿。
『魔法の世界』というには程遠い『普通の町並み』だったから―――。
第一話『そのチカラ』
『海鳴市』
聞いた事の無いこの名前を電柱に見つけたときにはまだここが『魔法の世界』とは信じられなかった。
只、自分が知らないところに落とされたのだと楽観していたのであろう。
詳しい位置を確認するために地図を見に行くまでは―――。
「ちょ・・・これどうなってんだよ・・・」
本屋にて見つけた地図を手に信じられない気持ちが体中を支配する。
そこには俺の今まで住んでいたあの町が欠片たりとも―――『存在していなかった』。
世界のカタチ。国のカタチにナマエ。
全てが酷似しながらもその一点だけの酷い違いが俺の不安を煽りたたせる。
―――ここにおいて始めて俺は、『魔法の世界』に落とされたという『現実』を実感していた。
いつの間にか本屋を出ていた俺はアイツの言動を思い返していた。
『魔法の世界』
『他の因果』
そして、アイツが手に取っていた、「Magic The Gathering」のカード。
そう、マジックのカード。
思考がそこに向かったとき、頭の中に何かが浮かび上がる。
―――検索を実行しますか?<y/n>
「なんだ・・・これ・・・?」
俺自身の考えの中に突然浮かび上がる別の思考。
あたかも俺の額の右上にポップアップウインドウのように出てきたようでそれはどこかプログラムじみていた。
「カードのことを考えたら出たってことは、これが『魔法の世界』とやらに関係してるのか?」
何気なくこの浮かび上がった思考に興味を覚え、yesと俺は答えた。
―――了解いたしました、検索を実行いたします。
その瞬間―――俺の中に注ぎ込まれる大量の情報。
アルファ。
ベータ。
アンリミテッド。
リバイズド。
アラビアンナイト。
アンティキティー。
レジェンド。
ザ・ダーク。
フォールン・エンパイア。
ホームランド。
アイスエイジ。
アライアンス。
コールドスナップ。
ミラージュ。
ビジョンズ。
ウェザーライト。
テンペスト。
ストロングホールド。
エクソダス。
ウルザズ・サーガ。
ウルザズ・レガシー。
ウルザズ・ディスティニー。
メルカディアン・マスクス。
ネメシス。
プロフェシー。
インベイジョン。
プレーンシフト。
アポカリプス。
オデッセイ。
トーメント。
ジャッジメント。
オンスロート。
レギオン。
スカージ。
ミラディン。
ダークスティール。
フィフス・ドーン。
神河物語。
神河謀反。
神河救済。
ラヴニカ・ギルドの都。
ギルドパクト。
ディセンション。
時のらせん。
タイムシフト。
次元の混乱。
未来予知。
ローウィン。
モーイングタイド。
シャドウム−ア。
イーブンタイド。
アラーラの断片。
コンフラックス。
アラーラの再誕。
ゼンディカー。
ワールドウェイク。
エルドラージ覚醒。
ミラディンの傷跡。
ミラディン包囲戦。
新たなるファイレクシア。
イニストラード。
闇の隆盛。
アヴァシンの帰還。
そして―――ラヴニカの回帰。
今までのありとあらゆるマジックのカードが俺の中へと注ぎ込まれた。
―――検索完了。該当情報は21355件です。
そして検索が完了したときにわかったこともあった。
「これが、アイツのいってた『繋がり』・・・そして『力』か。」
そう―――このカード全ての『力』が俺の『力』。
体内から湧き上がる濃密な感覚。
炉のように燃え上がる『灯』の魔力。
どのように使い、手にするかは感覚でわかる。
この瞬間俺は、人とは違う『モノ』。
『プレインズウォーカー』になったと感じたのだった。
- ■作者からのメッセージ
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またリリなの勢出せなかった・・・。
たぶん次で出せるのでお待ちください(´・ω・)
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