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many〜たくさんの〜 第1話
作者:ふんわり   2012/12/05(水) 21:37公開   ID:slGMKsOR2QU




温かい。

温もりを感じる。

誰かが私を呼んでいる…。

「…香………め香……姫香!」

目を開けると懐かしい顔が見えた。

「…音也………?」

私の目に写っているのは確かに音也だ。

でもなんで……。

「よかった………」

音也は私の顔を見てホッとしていた。

私は、どうしてたんだっけ?

「此処は……?」

私が困っているとそれに対抗するかのように音也はもっと困った顔をした。

「早乙女学園の保健室だよ」

それを聞いて私は驚いた。

そうだ、私は入学式の途中に気分が悪くなって倒れたんだ。

「そっか……音也、久しぶり…」

私は今ごろながら音也に笑顔でそう言った。

音也は小学校の時の友達で、会うのはとても久しぶりだ。

「うん、久しぶり!!」

私が笑顔になると、音也も私の大好きな笑顔になってくれた。

やっぱり音也は笑っているのが一番良い。

それにしても、入学式はどうなったんだろう。

「入学式は……?」

私がそう聞くと音也はニコリと笑った。

「無事に終わったよ!どうする?姫香はまだ保健室に居る?」

私は音也の言葉を聞いて首を横に激しく振った。

「私も教室行くよ!」

私がそう元気良く言うと音也は「そっか」と言って自分の荷物をまとめた。

それを見て私も周りを見て、自分の荷物を探した。

「あった!」

私は自分の鞄を見つけるとひょいっと背負った。

「じゃあ行こう?」

音也はそう言ってドアを開けてくれた。

「どうせなら急ごうか!」

音也はそう言って私のもとへ手を出した。

やはり音也は変わっていない。

私は一安心してから音也の手をギュゥっと握った。

「うん!」

私が返事をすると音也は猛スピードで走った。

タッタッタ

校舎の外見もそうだけど中身もとても豪華だ。

さすがシャイニング早乙女の学校といったところだろうか。

「姫香は何クラス!?」

しばらく走ると姫香がそう聞いてきた。

「Sクラスだよ」

私がそう言うと音也は寂しそうな顔をした。

「じゃあ、違うクラスだね」

不機嫌そうにそう言うから、私は対応に困った。

「まぁ、近いからいいでしょ!」

そう言うと音也は暗い声で「うん」と言った。

すぐイジケル悪い癖も変わってないらしい。

「じゃあ」

クラスの前まで来ると音也はAクラスの方向へ足を向けた。

「音也ありがとう!」

私が笑顔でそう言うと

「うんっ!」

と今までで一番の笑顔を見せてくれた。


……さてと。

授業中の教室って入りにくくない?

入った時のあの目。

見られると思っただけで寒気がする。

フゥ

だからと言ってずっと立ち尽くしていてもしょうがないため私は覚悟を決めた。

コンコン

「しつれいします!」

私は思いきって教室に入った。

すると、予想通りの目がこっちを見ていた。

「おぉ、入学式の時の白山か。座れ」

先生のところへ行こうとすると、先生はどうやら状況を理解してるらしい。

私は教室全体を見回し、空席を見つけた。

「あそこかな……」

私はそう呟き、席についた。

「じゃあ、仮のペアを作れ!」

先生はそう叫んだ。

どうやらペアを決めるところで話がストップしていたらしい。

どうしよう。

皆の事、何も分からない……。

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