エターナル・チェリーブロッサム 第1話『入学と少女』
作者:パンダぐま
2012/12/09(日) 20:45公開
ID:jYRvxc12sIs
私が
「私が生きている理由はなんだろう」
と問うと、
君は
「生きていることに理由は無い」
と優しく言った。
その時、生きている事に感謝することができた。
私が今でも生き続ける事ができるのは、全部君のおかげーーー
ありがとう。
.+*1*+.
谷山百合《たにやまゆり》、15歳。
私は、今日から早乙女学園の生徒となった。
ヒラヒラと舞う桜たちも、私たち新入生を歓迎してくれて、最初から気持ち良いスタートが切れそうだった。
周りには私と同じ早乙女学園の制服を着るライバル達がたくさん居た。
キラキラ
さすが芸能学校。
一人一人のオーラがすごい。
この中は全員アイドルコースなのではないか。
そう疑ってしまうほど作曲家コースの人にもオーラがあり、自分の存在を情けなく感じた。
「あ、待って!」
そんな声が途端に聞こえた。
ドタン
声の主の女の子は風で舞った楽譜を追いかけ、そのまま転んでしまった。
ピンク色の髪でとても可愛らしい容姿だ。
カサッ
私は舞った楽譜を捕まえて、女の子に声をかけた。
「大丈夫?」
私がそう言うと、女の子は顔をゆっくり上にあげた。
「はい……あっ、楽譜!」
私の手元にある楽譜を見ると、女の子は目を輝かせた。
「これ、貴女のだよね」
そう言って差し出すと、女の子はふんわり笑った。
「ありがとうございます…!」
そう言った時の顔はまるで天使のようだった。
可愛いな…。
そう思ってボーっと女の子の顔を見ていると
「あの、お礼がしたいのでクラスと名前を教えて下さいませんか?」
と女の子がオドオドしながらそう言った。
お礼なんていいのに。
そう思ったけれど、礼儀正しい子なんだなと感じた。
「
谷山百合、Sクラス。お礼なんてしなくて良いよ。それより貴女は?」
私がそう訪ねると女の子は驚いた顔をしたまま口を開いた。
「七海春歌、Aクラスです!」
女の子、春歌ちゃんはそうハキハキと喋った。
オドオドしたりシャキッとしたりして面白い子だなと思った。
「じゃあ春歌ちゃん、自己紹介がせっかく終わったところでなんだけど、もうすぐ入学式だよ?」
私は時計を見て春歌ちゃんにそう伝えた。
すると
「そうですね。急ぎましょう!」
と言って、講堂まで走っていってしまった。
まだ時間じゃないのに。
おそらく必死になると周りが見えなくなるタイプなのだろう。
私の事などお構い無しなようだった。
クスッ
私は、春歌ちゃんが私の姿が見当たらずアワアワするのを想像して笑った。
こんな短時間で人の事を理解して気に入ったのは初めてかもしれない。
トコトコ
私は春歌ちゃんの事を考えて少し早めのスピードで講堂へ向かった。
ザワッ
講堂の中は騒がしくて広くて人がたくさんいて、せっかく着いたというのに春歌ちゃんを見つけるのは難しそうだった。
まぁ、また会えるだろう。
そう思い私は、開式をおとなしく待つことにした。
しばらくするとよくTVで見る有名なアナウンサーがマイクを持ってステージへ上がった。
「ただいまより、早乙女学園入学式を開式します」
アナウンサーがそう言うと、講堂はバァっと盛り上がった。
入学式ということを忘れてしまいそうだ。
「学園長の話」
そう言うとステージがパッと暗くなった。
ザワッ
辺りがザワつくとHAHAHAと笑い声が聞こえてきた。
- ■作者からのメッセージ
-
こんにちわ、うた☆プリファンのパンダぐまです。
今回大好きすぎて小説を書いてしまいました。
これからよろしくお願いします!
さて、今回は春歌ちゃんの登場でした。
公式キャラ一番最初の登場が春歌ちゃんです。
実は私、春歌ちゃんが大好きなんですよ。
本当は春歌ちゃんを悪役にした小説にしようと思ったんですが、とてもじゃないですけど無理でした。
春歌ちゃんは私の理想像です。
そして公式キャラ二番目の登場が学園長(笑)。
まさかの一話、プリンス様一人も登場しませんでした。
自分で驚きました!
まぁ、こんな感じでやっていきますが暖かく見てくれると嬉しいです。
あ、感想くれるともっと嬉しいです!
では、この辺で。
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