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英雄のセカンドライフ 第6話 扉の先へ2
作者:絶望   2012/12/16(日) 15:38公開   ID:trOZIFtL/GA
扉を通ると冷たい風が頬を撫でた。
ムラサメは手に温かい息を吹きかけ、呟いた。

「ここが、神界か」

そこは橋の上だった。
石造りで、かなり大きい。
少なく見積もっても15人が横並びで歩いても大丈夫そうだ。
次にムラサメは橋の手すりから下を覗きこんだ。
(底が見えないな)
その言葉通り下は見えない。
ただ闇が存在するだけだ。
そして道の先はきれていて道が無い。
ムラサメが考えていると横からドレイクが話しかけてきた。

「神界?ってのは生きてた頃とそう変わらねぇんじゃねえか?
この風にしたって生きていた頃と変わらねぇし何より寒いって感じるしな」

ムラサメが頷いた。

「そうだな・・・だが、すぐに分かる事だ」

そう言うとアランとリリスの方を指差した。
ドレイクとアクアはムラサメの指を指差した方に顔を向けた。
そこにはアランとリリスが並んで立っていた。
それをムラサメ達が見ているとアクアが呟くように言った。

「始まります」

呟きの後、リリスが口を開いた。

「それではぁ、これから大まかに大事なことを話すわねぇ〜
これで説明は最後だから、ちゃんと聞きなさい」

リリスはそう言った後、アランの背中を叩いた。
その意味に気づいたアランは苦笑いを浮かべた。
(・・・言う気がないなら最初から口を出さないでくださいよ)
アランはそう思いながらも口にはださず、説明を始めた。

「それでは、まず1番大切な事をお話します
1つ目はあなたたちについて。
あなたたちは寿命で死ぬことはありません。
年をとることもありません。
ずっと転生した姿のままです」

そこまで聞いた転生者達が歓声をあげた。
だが、その雰囲気を壊すようにリリスが言い放った。

「でも〜死なない訳じゃないわよ〜」

リリスの言葉に歓声が止み、転生者達はリリスに視線を向けた。

「あんたたちは仮にも生き返ったのよ。
転生したんだから。
だからねぇ、簡単に言えば寿命とかで死ぬことはないけど、殺されることはあるってことよ。
わかったかしらぁ」

リリスがそこまで言うと横からアランが話を戻した。

「それが1つです。
そして2つ目。
大罪を犯したした場合、1つ、羽を失うこと事になります。
羽を全て無くした者は<羽無し>とされ、霊体に戻り・・・消滅します」

転生者達は静かに話を聞いていた。
うまい話には裏がある、それがどこにでもある話だ。
ムラサメは話を聞きながら思った。

「最後の3つ目。
天使の階級について。
簡単に言うと実績や能力に応じて階級をあげれます。
階級は大きく分けて下位、中位、上位に分けられます。
これで説明は終わりです」

その言葉を最後にアランとリリスは手を掲げ、何かを呟いた。
ムラサメは耳をすましたが、遠すぎて聞き取れなかった。
その後、アランとリリスの手から目が眩むほどの光が放たれ、辺りを光が包んだ。

(チッ、何も見えない)
ムラサメが心のなかで毒づいているとドレイクの声やアクアの悲鳴が聞こえた。

「何がおこってんだぁ!」
「きゃあ!」

他の転生者達も悲鳴や怒声をあげているのが聞こえる。
数分ほどその状態が続いたが、らちが明かないと思ったムラサメは目をそっと開いた。
ぼやけているが強い光はもうなく、周りが見えた。
しばらく目を馴らした後、ムラサメは再度周りを見渡した。
そこは先程と同じ橋の上だったが、橋の先に無かった筈の道ができていた。

「道が・・・」

アクアも気づき、呟いた。
ムラサメはひざまづいているドレイクを見た。

「目を開けろ、ドレイク」
「あ・・・もう大丈夫か」

ドレイクは目を擦ると前を見て、道があることに気づいた。
他の転生者達も気づいたようだ。
何かを話している。
(・・・行くか)
何にせよ行かなければ分からないだろう。
騒ぎだした転生者達を一瞥したムラサメは道の先に向かって歩きだした。
後ろからこっちに向かってくる足音が聞こえた。
ムラサメが振り向くとドレイクとアクアが肩を上下させながら立っていた。
・・・前にもこんなことがあったな
ムラサメが笑みを浮かべているとアクアとドレイクが口を開いた。

「行くときは言ってください!酷いです」
「嬢ちゃんの言うとおりだ!水くせぇじゃねぇか!」
「ああ、悪かった」

その様子にムラサメは謝った。

「じゃあ、行きましょう!」
「おう!」

異常にテンションの高い二人を横目で見つつ道の先を見た。
白い建物が見える。
もっとよく見ようと目を細めているムラサメに気づかずアクアが手をつかんだ。

「行きますよ!ムラサメさん」

アクアがムラサメの手を引っ張りなかばひきづる形で歩きだした。
3人は道の先に向かった。












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■作者からのメッセージ
第6話書き上げました。
すいません・・・戦闘まで行けませんでした。
自分の頭の回転の悪さに嫌になります。
でも、読んでくれると嬉しいのでこんな駄文ですがよろしくお願いします。
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