秋深し、隣は柿を喰う人ぞ、どうも、みんなの心のオアシス立花隆也です。
年は1996年、季節は晩秋、ところは国連柊町基地。
と来れば今年で二度目となる、まりも・ザ・ブートキャンプの開催季節です。
と言うわけで今回は42名もの参加者が集った国連軍衛士訓練コース。
当然なかには、マブアクア、マブエターナルそしてマブヘタレが含まれている。
つーか、あいつらは強制だけどな。
教壇に立つまりもは相変わらず生き生きしている。そりゃあまあ、自分が育てた衛士たちが全員初戦で生き残り、三度の転戦を得てなお後方に病院送りが1名だけという結果になっているからな。
つまり、死亡者ゼロだ。
後方の病院送りになった衛士は友軍機の救助のため要塞級の群れの中に吶喊して、ぼこぼこにされたらしい。とはいえ、一機で10体近い要塞級を打ち倒して、安心したところを後方から突撃級の体当たり、宙を舞ったところでレーザーの追い打ち、そして墜落したところに要撃級にぼこぼこに殴られたらしい。そりゃ、中身の衛士はもたんわ。内臓がシェイクされたり四肢が骨折したりとかはしたらしいが、かろうじて生きている状態で救出された。
ちなみに救出したのはみちるである。
A−01部隊組は仲間の命が助かったことに安心していたらしいが、その状況を見ていた他国の衛士たちは別のところで戦慄したという。
なにせ普通の戦術機なら数回はスクラップになっているはずの打撃を受けながらも、機体は大破したものの中の衛士の命が無事だという異常事態だ。
この映像を見た各国の戦術機開発チームが悲鳴を上げたとかなんとか。
まあ、確かに撃震参型用の装甲材を使っているせいで強度は従来の戦術機とは比較にならないのは事実だが。
当然国連の機密部隊所属なので公の記録としてはその戦果は発表されていないが、死亡者ゼロという情報はしっかりと浸透している。
この辺りは夕呼の巧みな情報操作のおかげだろう。
おかげで前年の開催に比べて10名も多い人員が集まった。
水月を始めとする、遙、ヘタレの三銃士を筆頭に粒ぞろいの年代だけあって、帝国軍も必死に秋波を送っていたようだが、残念ながらその筆頭はすでにこちら側の人間なのだよ。
ふははは、せいぜい悔し涙を流すがよい。
そうそう、他にも当然衛士育成を行っている学校はあるし、徴兵用の短期間での衛士育成コースもあるのだが、その中でもこの柊町の衛士育成科を卒業した衛士の腕は飛び抜けている。
当然生存率もそれに比例する。大陸への派兵部隊で初陣の衛士の生存率は90%前後だが、柊町の衛士育成科を卒業した者に絞るとか97%以上の生存率をたたき出している。
たかが7%、されど7%だ。
そこに目をつけた斯衛から、斯衛用の衛士育成学科を作成してくれとの打診も来ているらしい。まあ、教官の手が回らないので丁重にお断りしているみたいだが。
そういえば今年から徐々に主戦術機を不知火に転換していくらしい。
一回生用のシミュレータはすでに不知火に換装済みだ。実機も不知火が入っている。
まあ実戦での稼働数で言えば、撃震弐型の方がまだまだ多いんだが、先を見据えて不知火を導入しているとのこと。
撃震参型を発表したらどうなるかは知らない。というか考えたくない。
まあ撃震弐型を使ってきた人間は間違いなく撃震参型を選択するだろうな。
不知火と撃震では大本のコンセプトが違っているから、機種転換に時間がかかるのが難点だ。
代わりに撃震→撃震弐型→撃震参型となると、スムーズに機種転換が行われる。
とはいえ先ほども述べたように不知火も魔改造を施せばそこそこ使い物になる。
などと夕呼と話をしていたら、まりもからあきれたような目で見られた。
なんでも、あのA−01用不知火改修型をそこそこ扱いするような衛士は、戦場にはどこにも存在しない、だそうだ。
どこの国の衛士も、よだれを垂らして欲しがっているそうな。
まあ、一体当たりのコストが高いことを除けば現行量産機の中で最高峰の性能を持っているからな。
といったら、最高峰どころか頭二つ分くらいは飛び抜けている、とまりもが言っていた。
うーん、頭の中の参型があれくらいなので特段気にしていなかったのだが、どうやら世間の評価は違うらしい。
そう言えば、国連経由で技術情報を流せ、機体情報を流せ、とやたらうるさい要請が来ていたな。
面倒くさいので夕呼に一任していたきり忘れていた。多分、夕呼のことだから無理難題ふっかけて、高値で売りつけようと画策しているんだろうけど。
あ、そうそう、そう言えばリヨンハイヴの攻略戦の時期が決まったらしい。
1997年8月前後、ということだ。
なんでも人類の保有す武器弾薬のうち、余剰分の30%をその作戦に注ぎ込むらしい。
スワラージ作戦の時は余剰分の50%近くを投入したので驚くに値しないと思いきや、そうでもない。
現在宇宙での製造工程や製造基地が盛んになっており、武器弾薬の供給量はスワラージ作戦が行われたころの倍近くに及んでいる。
その上での余剰分の30%である。ぶっちゃけると、TNT爆弾換算でスワラージ作戦で投入された総量の実に2倍近い爆薬が投入される。
日本帝国からは毎度おなじみの第十三戦術機甲大隊を筆頭とする二個連隊が参加する予定だ。もちろん国連横浜基地所属のA−01大隊も参加する。その頃には、新人達が加わっているから二個大隊くらいか。
そして歩く戦略兵器、衛士中のまりも、人外無双、乳首の色は初な少女のごときピンクの神宮司まりもも当然参入する。
もちろん、桜色に色づくそのびーちくはおれのものだ。あとなにげにウィークポイントでもある。
いっておくがこれは人類の存亡に関わる機密事項なので口外しないようにな。
もしこの情報が漏れたりしたら、おれの命が危ない。
艦載用電磁投射砲への換装が完了した大和級も2隻ほど参戦する予定だとのこと。あと、日本帝国が保有する宇宙軍から軌道爆撃を仕掛けるのに、爆撃艦が参加するとのこと。
前回のスワラージ作戦の教訓から、他のハイヴからの増援、あと、ハイヴ陥落後の撤退時に追撃を効率的に行えるように作戦の立案も始まっている。
準備万端、やる気満タンといったところか。
ん?オルタネイティブ第四計画としての参加はA−01だけかだって?
本来なら超弩級万能型機動要塞雷雲を投入しようかとしたんだが、ミリタリーバランス的にいらぬ警戒心を植え付ける可能性がある、との理由により却下になった。
夕呼の意地悪め。
まあ分からんでもないがな。正直、あれ一機で米国大陸を蹂躙できるだけの戦力だし。
問題はG元素をバカスカ消費するため、表だっては長期運用はできないことか。
裏だったら長期運用できるのか、だって?いったろうに、柊町ではG元素が精製できるって。従って燃料の問題はまったくなし。
表だってそれがばれると、柊町がやばい、というか色々な意味でやばい。
そのため米国からかっ攫ってきたXG−70aの後継機である、XG−70b「凄乃皇・弐型」の投入が決まっている。これならまあ、各国の追求の目も緩いだろう。
なにせ一応は米国が制御に失敗したとんでも兵器、というだけで日本謹製というわけでもないし。
ちなみに制御ユニットは、ML機関制御用量子電導脳。
あとは00ユニット型量子電導脳も積んでいる。
これにリンクするのは一応おれの予定だ。
危ないことはないかって?
まあ、00ユニットとのリンクについては問題なく行えているし、特に問題は無いはずだ。
最悪の場合、意識が00ユニットと同化して乖離することが不可能になることだが、まあ大丈夫だろう。
おれがいなくても代わりはいるもの。
というのは冗談で、実のところ並列思考のうち一つを00ユニットと同化させるだけなので、日常生活に不便はないのだ。
我ながら何というチート。
戦場の真ん中にいると言っても、凄乃皇・弐型という鉄壁の要塞の中にいるわけだし。気分的には金庫に閉じこもってネットをするような感覚かな。
まあ、周りはドンパチうるさいがな。
それじゃあ今回は黒い幻影の出番はなしかって?ちっちっちっ、甘いんだな、これが。
8月と言って思いつくのはなんだ。あ、いい大人の話じゃなくて、子供にとっての8月な。
そう、8月と言えば夏。夏で子供と来れば夏休み。
来年の4月には日本帝国軍所属柊町高等部衛士育成学科に入学するマブレンジャーたちが、おれの代わりとなって戦場を駆け巡ってくれるだろう。
え?まだ中学生を卒業したばかりの若人に何という試練をだって?
まあね、おれも鬼じゃない。
来年の3月には入学祝いに、ハイヴへの旅行を計画している訳だよ。そう、ヘタレと武にやったやつだ。
これで準備は万端。
マブレンジャー8名が扮する黒い幻影が戦場をひっかき回してくれるだろう。
ちなみにマブデカのマブマダーこと、涼宮茜は今回待機組だ。
何せ気強化が使えないとさすがにきついからな。
そう言えば、マブデカ入りの候補を見つけてしまった。
二回生の宗像美冴、一回生の風間祷子だ。
こいつらもALのサブキャラクタ持ちだった。最近学校の方に顔を出していなかったから気づかなかったのだが、たまたま衛士訓練生用の強化装備の鑑賞もとい、チェック作業をやっていたら目に入ってきた。
月詠真那ちゃんについては、いろいろとめんどくさい性格だし斯衛だということから放っておいたが、この2人はおそらくA−01に入ることになるだろう。
今の内に強化しておくかな。
あ、そうそう、訓練生用衛士強化装備、ちょっとだけデザインを弄ってエロくしてみました。
ええ、臨時教官役のまりもにばれましたとも。
そんなわけで、今はもとのデザインに戻っている。
ちなみに、新しいマブデカ入りの2人を見つけるきっかけになったのがそのエロデザイン衛士強化装備なので、後悔はしていないし反省もしていない。
おれは正しいことをやったのだ!
と開き直ったら、怒りが有頂天に達したまりもにお仕置きされてしまった。
おまけに在庫を含めて全部廃棄の指示が出た。
しょぼーんと落ち込みまくっていたら、
「べ、別に隆也くんがかわいそうで着てあげるんじゃないんだからね」
とまあ、テンプレ通りの台詞を言いながら、恥ずかしそうにエロデザイン衛士強化装備を着たまりもと、着衣プレイでお楽しみできたんですが。