知らない世界 1曲目『2人のアユミ』
作者:なな
2014/01/02(木) 18:13公開
ID:B3B2hWW2S5w
1曲目『2人のアユミ』
「
歩美!」
名前を呼ばれて振り向くと、そこには親友の姿があった。
「あ、
渚ちゃん!」
私も彼女の名前を呼ぶと、ニコっとわらってくれた。
私の癒しである
渚ちゃんの笑顔を見て、すごく幸せな気分だ。
「お昼、一緒に食べよう!」
渚ちゃんからの誘いを受けて、私は元気よく
「うん!」
と即答した。
最近お互いに委員会の仕事が昼休みにあって、一緒にのんびり食べれないという理由でしばらく一緒にお昼を食べていなくて、久しぶりに一緒にお昼を食べることになるからすごくうれしい。
「どこで食べる?」
「うーん」
私たちはしばらく考えた後、よくお昼を食べた保健室へ向かった。
「ゆうちゃんせんせ〜!」
私がそう言って保健室へ入ると、いるはずのゆうちゃん先生がいなかった。
非常に残念だ。
せっかくいつもみたいに3人で保健室で食べようと思ったのに……。
でも、いないんじゃ仕方ない。
「ここで食べよっか!」
先生がいてもいなくてもやっぱりここが一番落ち着くから、
渚ちゃんの意見に賛成した。
「ふーお腹いっぱい」
「うん……なんか眠いかも」
睡魔に襲われた私はノソノソとベットに行き、横になった。
「………授業の前に起こして…」
私は
渚ちゃんにそう言ってから目を閉じた。
「マイペースだねぇ……」
渚ちゃんがそう言った時には、もう私の視界はなくなっていた。
「おい、
亜由美」
名前を呼ばれて振り向くと、そこには小さくてうるさい、私が嫌いな奴の姿。
「なんだ、チビかよ…」
私がそう言うと、チビは
「なんだと?」
と挑発のつもりなのか私を睨んできた。
まったく怖くないんだが。
「で、何の用だよ?」
私が少し不機嫌にそう聞くと、チビは何かを思い出したように私に言った。
「お前、この前のテストの結果見たか?」
チビに言われてようやく思い出した。
そういえば今日はレコーディングテストの結果が掲示板に張り出される日だ。
「見てない。それがどーした」
「…………………………俺様に順位勝っといて何だよ『見てない』って余裕なモンだなぁ…!」
余裕……?
別にそんなつもりはないけど、まあ別に順位が下だとは思っていないから不安に思ってはいない。
「まぁ、私がチビに負けるはずがない」
私がチビにそう言ってやると、すぐに反抗してきた。
「なんだと!?お前なんてすぐ抜かしてやる!お前みたいに女の欠片もなくて性格が超悪い奴に負けるもんか!」
女の欠片もない………?
「は?お前にはこのサイスバディが見えねぇのか?それに現段階で私に負けてるじゃねぇか」
するとチビは言葉を詰まらせた。
やってらんねぇ。
私はクラスを出て保健室へ向かった。
カチャ
「せんせーベット貸して〜」
私がそう言いながら入っていくと保健の先生は不在だった。
「ラッキー☆」
ベッドへ行って横になると、すぐに睡魔が襲ってきた。
今日はサボリ決定だな。
そんな事を思いながら夢の世界へ沈んでいった。
「
亜由美、起きて!」
声が聞こえる。
聞いたことがない声。
でも私を呼んでる……。
パシン!
「ヒャッ!」
突然襲ってきた頭への衝撃に目が覚めた。
あぁ、そういえば
渚ちゃんとお昼を食べてそのまま寝ちゃったんだ………。
でも私の周りには知らない人たち。
……どういうこと?
- ■作者からのメッセージ
-
こんにちは、ななです(^^)
黒バスの小説がスランプ気味だったのでこっちを書き始めました…。
えっと、うた☆プリの方はジャンジャン更新してくのでアドバイスとか感想とかあったら書いてくれると嬉しいです!
まずタイトルについて。
あぁえっと1曲目というのは1話と同じ意味です。
別に1話ごとに曲を作るわけじゃないです。
ふたりのアユミというタイトルの通りふたりのアユミを登場させました。
このふたりがどうやって絡んでいくのか、楽しみにしていてください!
ではまた2曲目でお会いできたら嬉しいです(^^)
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