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運命戦記リリカルEXTRA.AC改 STS編35,戦いの中で
作者:起源くん   2014/01/05(日) 17:29公開   ID:iPZXkClw5L2
ゆりかごから更に離れた丘の上に、アインヘリアルが設置されていた。
そして、発射された砲撃の様子をモニタリングしている二人の女性―――ウーノとドゥーエがいた。

「一先ず、第一段階は無事終わったわね。
後は、彼ら次第だわ」

「そうねウーノ。でも、私達の仕事は終わって無いわ」

ドゥーエがそう言うと、前方から多数の転移反応と敵の反応が現れる。

「来たわね。やはりこれを見逃せないって事かしら」

「防護障壁を破れる兵器は無視出来ない。最も、無理し過ぎてもう撃てないけどね」

「それでも、こちらに注意を向けさせるのにはおあつらえ向きね」

アインヘリアル防衛の真の目的は、敵戦力を引き付ける物であった。
なお、この事実を知らされているのはごく僅かである。

「敵を騙すには、先ずは味方か・・・・・・・・少し悪い事をしているようね」

「それでも勝たなければ、未来は無いでしょ?」

「ええ、その通りだわ」

押し寄せる敵の軍勢を見ながら、ウーノは答えた。
もうすぐ、アインヘリアル防衛戦が始まろうとしていた。




ゆりかごに侵入成功した、ゆりかごチームは、フェイトとトーレ以外はダウンしていた。

「う・・・・・酔った・・・・・」

「気持ち悪い・・・・・」

「正直、生きた心地しねぇぞ・・・・・」

「そうだな・・・・・出来れば、このような乗り物には二度と乗りたく無いものだ・・・・・」

「同感だ」

「・・・・・吐きそう」

「やれやれ、軟弱だな。そんなので、これから戦えるか?」

「そんな事言われても・・・・・トーレさんとフェイトちゃんは平気なの?」

「流石に速かったが、このぐらいは平気だ」

「私としては、楽しかったよ」

「・・・・・・・・流石は高機動組だな・・・・・」

《はい雑談はそこまで、時間は限られているんだから》

突然現れる声、すると船から手のひらサイズのガジェットが二機現れた。
これはスカリエッティが開発した新型で、その名もミニガジェットドローン。略してMGDである。
一号はスカリエッティ、二号はプレシアが操作している。

《これからは私達がサポートするわ。
先ずは、それぞれの任務を確認しましょう》

先ずはフェイトのFチーム。
彼女達の任務は、ゆりかごを覆っている防護障壁の解除と、彼らが所持している自立兵器の機能停止である。
次になのはのNチーム。
彼女達は動力の破壊と、聖王の機動キーにされているヴィヴィオの救出である。
最も、優人となのはの最優先は子供達の救出であるのだが、その事は特に追求されなかった。

《それじゃ、行動開――》

「その前に、客が来たみたいだ」

レイヴンがそう呟くと、おびたたしい数のディソーダーやパルヴァライザーが押し寄せて来た。

「これは盛大な歓迎だな。
どうする?」

「もちろん、凪ぎ払う!」

「待てなのは、ここは少しでも魔力と体力を温存した方が良い。そこで――――」

優人は何やら手のひらサイズの物を取り出し、空中に目掛けて投げた。
それは空中で弾け、銀膜みたいな物をばらまいた。
するとディソーダとパルヴァライザー達がおかしな挙動を取り始める。

《私特製チャフグレネードだ。
短時間だけなら、奴等の動きを止められる代物なんだよ》

「なあ、それならよ。
このMGDも使えなくなるんじゃねえのか?」

《それも大丈夫。このMGDはどんな電子妨害もはね除ける優れ物だ》

「あー・・・・・そうかい」

「ともかく、今のうちに行こうNチームはこっちから行きます」

「Fチームはここから行きます。
Nチーム、御武運を」

「Fチームも」

こうしてNチーム、Fチームは別れ、それぞれの役目を果たす為に行動を開始するのであった。




その頃、アインヘリヤル防衛戦は開始早々混戦状態に陥っていた。
敵味方入り乱れる中、スバルはチームとはぐれてしまっていた。

「しまった・・・・・皆何処だろう・・・・・?」

スバルは辺りを見回すが、この乱戦の中を探すのは困難を極めた。
その時、背後からスバルに迫るディソーダーの姿があった。

「スバル危ない!」

声と共にスバルに襲いかかろうとしたディソーダーを破壊したのは、ギンガであった。

「ギン姉!」

「戦場で余所見しない!」

「ご、ごめんなさい・・・・・」

「反省は後! 次来るわよ!」

そう言うと、四方から敵が迫る。
スバルとギンガはこれを迎撃に当たる。

「ハアァァ!!」

「ウオリャァァ!!」

二人の拳と蹴りが、敵を粉砕する。
しかし、その二人に立ち塞がる女性が現れる。

「・・・・・」

「母さん・・・」

「っ・・・」

二人の目の前に現れたクイント。
しかし、それは母親の面影がない程に機械的な存在であった。

「・・・・・ゼロファースト及び、ゼロセカンドを発見。直ちに破壊する」

無機質な声で良い放ち、構えを取るクイント。
二人も、それに反応するかのように構えを取った。

「スバル、やれる?」

「うん、もう迷わない。絶対に母さんを取り戻すんだから!」

「排除開始」

クイント、ギンガ、スバル。親子三人の戦いが始まった。


一方ヴィランは、乱戦の中でほぼ孤立状態に陥っていた。

(最悪だ、まさかはぐれちまうなんて。他の奴等は何処だ・・・?)

ヴィランは孤軍奮闘しながらも、はぐれた仲間を探しし続けた。
その時、残骸に隠れていたディソーダーがヴィランに襲いかかる。

「しまっ――」

ヴィランは一瞬反応が遅れてしまった。
刃がヴィランに迫るが、ズドンっという音と共に刃は止まり、ディソーダーは崩れ落ちる。

「ふぅー、間一髪ッスね」

「ウェンディか、助かったぜ・・・他の奴等は?」

「うーん・・・正直言って、あたしもはぐれたんッスよね・・・」

「そっか・・・あいつらなら大丈夫だろ。
ともかく、早いとこ合流―――」

言葉は大きな足音によって止められた。
振り向くと、そこには異形の狂戦士。アルバート・バーサーカーの姿があった。

「これは・・・上客が来やがったな」

「うへえ・・・勘弁して欲しいッス・・・」

「腹を括れウェンディ! 来るぞ!」

「■■■■■■ー!!!」

咆哮と共に、A・バーサーカーはヴィランとウェンディに襲いかかる。


戦場が見渡せる高台に一人の射手がいた。
その射手は、何とも退屈そうだった。

「あーあ・・・こんな暇な仕事は無い」

そう呟きながら、また一人撃ち抜いた。
遠方からの狙撃、それがアルバート・アーチャーの仕事であった。

「誰か来ないかなー」

「来てあげたわよ」

するとA・アーチャーの背後で、クロス・ミラージュを突き付けるティアナの姿があった。

「へぇ・・・ここを見つけるなんて、やるね」

「ふざけないで、こんなカモフラージュで隠れたつもりなの?」

「いや、隠れるつもりは更々無いよ。君みたいに、僕の所に来て欲しくて」

「・・・ともかく、貴方を逮捕します。武器を捨てて投稿して下さい」

そのティアナの言葉を聞いたA・アーチャーは、酷く落胆した。

「はあ・・・あのね、ここは戦場なんだよ? そんな甘い事を言っていると―――」

「っ!」

「こうなる!」

A・アーチャーは後ろ蹴りでティアナを蹴り飛ばす。
ティアナは咄嗟に後ろに跳んで衝撃を逃がそうとするが、一瞬反応が遅れてしまい、完全には逃せなかった。

「くっ」

「いくら素養があっても、所詮は本物の戦場を知らない半端者。実に不愉快だよ」

吐き捨てるように言い、ティアナにクロスボウガンを向ける。そして引き金を引こうとした瞬間―――。

「ティアナ!」

アレンが現れ、魔力弾を放つ。放たれた魔力弾は、A・アーチャーの左目を撃ち抜いた。

「があ!」

左目を抑えながらも、A・アーチャーはアレンに反撃をする。その隙をティアナは見逃さなかった。

「クロスファイアー!」

「うぐぅ!」

放たれた魔力弾を数発受けたA・アーチャーは、リングを通り、その場から消える。

「ここで逃がす訳にはいかない! ティアナ!」

「わかったわ!」

二人は危険を承知でリングに入り、A・アーチャーを追撃するのであった。


エリオ、キャロは乱戦の中、ルーテシアとガリューと運良く合流し、周囲の敵と交戦していた。
すると、一匹の召喚虫がルーテシアの所にやって来た。

「え? 何ですって!?」

「どうしたのルー?」

「北の戦線が押され始めているみたい」

「それは不味いよ! 急いで救援に向かわないと!」

「フリード!」

「キュク!」

キャロの言葉に頷いたフリードは、三人を乗せて羽ばたいた。ガリューもその後を追随する。
そして、北の戦線に辿り着いた彼らが見たのは、おびたたしい数のゴーレムであった。

「これだけの数のゴーレムを操れるなんて・・・」

「全部相手にしたら拉致があかない、術者を倒そう!」

「でも、それまでに戦線が持つの?」

ルーテシアの言葉通り、戦線は今にも崩れそうであった。

「それじゃどうする?」

「・・・白天王を喚ぶわ」

「白天王?」

「ちょっと昔に契約した古代虫よ。でも、余りにも強大な力だったから、一度も使役した事は無いけど・・・」

「大丈夫なの!?」

「この際、迷っていられない! 彼処に降ろして!」

「わ、わかった」

ルーテシアの言葉に従い、高台に降ろす。すると、キャロも一緒に降りた。

「キャロ?」

「私も・・・ヴォルテールを喚びます!」

キャロの突然の言葉に、ルーテシアは驚き、慌てて止めようとした。

「あ、あなた! 本気なの!? 古代種の召喚――究極召喚は術者に多大な負荷が掛かるのよ!」

「それは、ルーちゃんも一緒だよね?」

「そ、それは・・・」

「それに、ルーちゃん言っていたよね? “この際、迷っていられない”私も同じ気持ちだよ」

「キャロ・・・わかった。一緒にあのゴーレム軍団をやっつけよう!」

「うん! そういうわけだから、術者をおねがいねエリオくん、フリード」

「わかった。二人とも気をつけて、無理をしちゃダメだよ」

「ありがとう」

「ガリュー、エリオを手伝って」

ルーテシアの言葉に頷くガリュー。
エリオとフリード、そしてガリューは術者を探しに飛び立った。
行ったの確認すると、ルーテシアは召喚虫を使い、周辺の仲間に退避するよう伝える。

「これから究極召喚を行うわ。危険だから退避して」

ルーテシアの言葉が伝わったのか、周辺の部隊は次々と退避していった。

「これで大丈夫ね、準備は良いキャロ」

「うん!」

二人は究極召喚の詠唱を始めた。

「来て! ヴォルテール!」
「来なさい! 白天王!」

二体の古代種が、その地に現れた。




ゆりかごの動力部に向かうNチーム。
道中大した敵も合わず、ここまで順調に事が運んでいた。
そして、開けた場所に出ると、そこには驚きの人物が待っていた。

「え、そんな・・・どうして・・・」

「・・・・・・」

「・・・襲撃事件の時、アライアンスから離反した隊がいくつもあった。
その中には、お前の隊も入ってたな・・・エヴァンジェ」

そこに居たのは、かつての戦友であったエヴァンジェであった。

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■作者からのメッセージ
久々&新年最初の投稿です。
どうにか投稿できましたが、これから先どうなるかわからないので、しばらく不定期になります。それでも、お付き合いしてくれれば幸いです。
それでは、今年もよろしくお願いします。
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