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黒の異邦人は龍の保護者 # 22 “Love is over ―― 洋紅色の氷花が咲くとき ―― ”『死神の涙』編 S+@
作者:ハナズオウ   2014/05/17(土) 01:39公開   ID:8bOzJd3Dz/.



    ◇

 後の世にネットや学校の至る所で語り継がれる都市伝説――『パンドラ事件』が生まれた夜。

 それは2つの勢力がたった1人の極東の少女を救う為に戦った、1時間に満たない出来事。

 シュテルンビルトを襲った20分の停電から事件は始まった。

 黒の死神はHERO達をすり抜けて製薬会社パンドラの中へと侵入した事より事件は本格的に動き出す。

 唯の製薬会社の中には大量の銃の所持と覚醒兵の存在がHERO TVによって世に知らされる。

 各HERO達がパンドラ内へと入り、契約者たちを撃破していく。

 バーナビー・ブルックス・Jrは神隠しにあった天文学者のニックを救い出す事に成功する。

 黒の死神と接敵していたワイルドタイガーは救出対象の“牧宮蘇芳”を救い出すことに成功する。

 次にドラゴンキッドと折紙サイクロンにより契約者“鎮目弦馬”確保。

 蘇芳を救い出そうとも、事件も都市伝説もまだ終わりには至っていない。


    ◇




 カリーナ・ライルは混乱に包まれてしまった。

 氷の女王のヒーローコスチュームに身を包み、気の強い女性に見える。

 自信満々に導いてきたハヴォックが突如として人体発火し、それを消化するために自身を真空領域へと飲み込んだ。

 ガリガリの身体にボロボロのワンピースを着た赤毛の女性ハヴォックの体中に包帯を巻いているが赤く染まっている。

 発火は鎮火したが、真空領域へと入った事でハヴォックは気を失っている。

 コツン、コツン。とゆっくりと近づいてくる足音。

 カリーナへはそれが死へのカウントダウンであるかのように重く響く。

「おいねーちゃん。“飛ぶ”ぜ?」

 後ろからの突然の声に振り向く間もなく、カリーナの視界は闇に包まれる。

 闇が晴れると、先程までいた通路ではなく監獄の中に変わっていた。

 辺りを見回してみると、床には力なくハヴォックが倒れている。

 急いで駆け寄ると、息も薄く、半分死んでいるかのように体は冷たい。

 カリーナは咄嗟にハヴォックの肩を揺らして生死を確認する。

「ねぇ! ねぇ! ねぇってば! ハヴォック!!」

 何度揺らそうと、ハヴォックは反応を示すことはない。

「揺らすな、そして静かにしろよ、ねーちゃん。

 今かあ……ハヴォックに起きられると面倒になる」

 パニックになりかけるカリーナの後ろから少しきつめの女の子の声が飛んでくる。

 カリーナが振り向くと、脇腹を抑えた黒髪の少女が立っていた。

 少女が来ている白いコートは、手で押さえた所を中心に赤く染まっている。

 少女の息が荒いのに気づいたカリーナは、少女が撃たれた事という事実に気づく。

「あなた……撃たれてるの?」

「ニヒヒ……! 正解だからさ、凍らしてくれね?」

 ニヒヒと笑いながら脇腹から手を放すと、ドポッと赤い液体が床に落ちる。

 カリーナは急いでパーセルの脇腹を凍らせる。

 応急処置としてはさほどいいものではないが、地を流し続けるよりかはマシだろうと、カリーナは丁寧に施す。

 カリーナはこの少女に見覚えがあった。

 トレーニングセンターを襲撃した1人、パーセルである。

「あなた、トレーニングセンターを襲ったわよね?」

「ニヒヒ、昔の事さ。糞パンドラの命令でな……」

「命令って、何のために!?」

「ああ……“記憶”なくしてんだったな……」

 パーセルは自身が動いた事でおきた結果を目の当たりにし、カリーナの顔を見れずに視線を落とす。

 脇腹を突き抜ける痛みより、心に突き刺さる痛みにパーセルの表情は曇る。

「わりい、こっちの話だ。ちょっちあそこの出来事終わらせてくら」

 脇腹が凍ったのを確認したパーセルは、立ち上がり独房の入口へと向かい歩き始める。

 混乱したカリーナは何も問いかける事もできず、パーセルの背中を見るしかできない。

 そんなカリーナの膝に、脚に、全身に音としてではなく小さな小刻みな振動が伝わってくる。

 振動の他に音は聞こえず、カリーナは自身が混乱で震えているのか? という疑問が浮かぶ。

 疑問にまみれたカリーナに襲ったのは、『手』だった。

 バッと手が襲ってきた方向を見ると、震えて怯えるハヴォックがカリーナへ救いを求めていた。

「ッ! …………っうッ、……あ。……っ」

「どうしたの……? ハヴォック」

 カリーナの問いに、ハヴォックは言葉を返せずに言葉にならない悲鳴を上げ続ける。

 カリーナが必死にハヴォックに何が起きているのかを考え、連鎖的に全ての記憶が結びついた。

 かつてハヴォックが語った過去の中に、自身の目の前で起きた出来事が一本のラインで繋がった。

「対価ね……能力を使ったから……」

「正解だよ、ねーちゃん。

 後ろに契約者まい、前には対価に震えるハヴォック……だから起こすなって言ったんだよ」

 カリーナの後ろからパーセルが悪態を突く。

 自身の脇腹に取りつく氷の棘に勢いよく掌をこすり、血を出す。

 足早にハヴォックに近づき、血が出る掌をハヴォックの口へと押し付けようとする。

 それをハヴォックはガシッと握って止める。 

「もう敵が迫ってきてんだよ! 飲めよ!!」

 手から流れる血をハヴォックの口に近づけるが、ハヴォックはそれを頑なに拒否し続ける。

 ハヴォックの中には対価への衝動が嫌悪感よりも圧倒的に支配しているが、ハヴォックは血をすうことはない。

 都市伝説で対価を支払わなければバターになると言われるぐらい、どうなってしまうかわからない中でも変わらない。

 契約能力という化け物を体内に飼う覚悟を持とうとも、対価をいざ払うとなった時にすする嫌悪感が行動を縛っているのだ。

 飲ませようとするパーセルとそれを拒否するハヴォック。

 事態は一向に進まない中、敵勢力きけんは音を立てて近づいている。

 『発火能力』を持つ鏑木舞と多数の訓練された足音。

 焦るパーセルを見て、カリーナは一刻の猶予もない事を理解せざるを得ない。

 それからのカリーナは冷静に素早く行動を起こした。

 小さく発生させた尖らせた氷によって掌を切り裂く。

 ピュッと飛んだ鮮血がハヴォックの肩へと飛びつき、血に敏感になっているハヴォックは一瞬でカリーナへと振り向く。

 その瞬間を見逃さず、カリーナは刹那の間も置かずにハヴォックの口へと傷口を押し当てる。

 信じられないと言わんとするハヴォックの瞳をカリーナはキリッと見つめる。

「飲みなさい! 対価を毛嫌いしてるのもわかったけど……

 ――私があなたを失いたくないの」

 カリーナは自身の掌を切り、傷口をハヴォックの口に押し付ける。

 垂れ堕ちるカリーナの血を、ハヴォックは餓えたように飲む。

 嫌悪感を訴える瞳を力強く受け止めるカリーナ。

「言ったでしょ? あなたを絶対に死なせない。

 私まだ何もあなたから習ってない。

 それをせずに逃げるのはずるいよ」

 カリーナは嫌悪感に震えるハヴォックを力強く抱きしめる。

 ハヴォックの震えはカリーナに吸い込まれるように少しずつ収束していく。

「ねーちゃんすまんけど、ハヴォック頼むわ……。

 オレは舞を止めてくる」

 パーセルは言葉を残し、入り口へと歩いていく。

 一瞥もなく、パーセルは思いつめた表情をしている。

 MEによる改竄された記憶が残る舞を説得するのは至難の業。

 少しの不運でもパーセルは舞の能力で死に至る。

 入り口を出る瞬間、パーセルは大きく息を吸い込み、ゆっくりと吐き出す。

 心音が落ち着いたのを確認し、パーセルは一歩を踏み出し、舞と廊下にて対面する。

「舞、覚えてるか? 俺のこと」

「パーセル……独房を出たら殺せと言われてる……」

「右手はまだ独房にいるから出てねーぜ?」

「…………………」

「なぁ舞、パパは見つかったか?」

「まだ……エリックがもう少しだって」

「そうか……」

 んなわけねーじゃねーかよ……とパーセルは心の奥底に怒りを燃やす。

 冷静に舞に説明しようと口を開くが、出てきたのは激情の叫び。

「舞っ! パンドラにいてもパパはお前を見つけに来てくれない!

 オレと……オレと一緒にパンドラここを出よう!!

 こんな糞みたいなところ」

「違うもん! いい子にしてたらパパが見つけてくれるもん!

 エリックもそう言ったもん!!」

「人に言われて人を殺すのがいい子かよ!

 幼児退行しててもそれぐらい判断できるだろうがよ!! 舞!!」

 ッババッババッババッバアッバアッバッババババ!!!!!

 パーセルによる舞の説得がいい兆しを現した瞬間、舞の後ろからパーセルに向けて凶弾が大量に放たれる。

 パーセルをもとより、舞にも凶弾は襲い掛かり、廊下は惨劇と化してしまう。

 防衛本能が働いたのか、舞は咄嗟に襲い掛かる凶弾たちに対して発火能力を開放し、数発撃たれて以降は凶弾が届くことはなかった。

 それ以上の襲撃は無意味と判断した戦闘員達は銃弾を撃つことはない。

 廊下には、血だまりを作るパーセルと舞が横たわるだけである。

 独房から入り口付近に倒れたパーセルを見たカリーナは怒りと動揺、困惑、悲しみ、混乱その他諸々の感情が爆発しそうに沸騰し始める。

「な……なんで……舞まで……おま」

 消え入りそうな声で発せられたパーセルの声に、カリーナは理解する。

『味方ごと相手は撃ってきた』のだと

 理解した瞬間、様々な感情が沸騰し始めていたカリーナの中で、噴火する火山のように怒りが爆発する。

「何よ……皆好き勝手に

 契約者が何よ。パンドラが何よ。能力? 対価?

 ――――

 ――

 ふざけないでよ」

 カリーナは手の中で震えるハヴォックを強く抱きしめた。

 記憶を理不尽に奪われ、芽生えていた恋心すら失った。

 目の前には意思とは関係なく忌み嫌う能力を強要された人がいる。

 必死に『普通に生きる』事を願う人たちをそうしない鎖が見える。

 仲間を仲間と思わない非常な行いも見た。

 状況に追いつこうとする心と共に、静かに冷静に、カリーナの心は絶対零度の炎が点火した。

 立ち上がったカリーナは冷静と情熱の間の怒りを燃やした瞳で独房の入り口を見ら見つける。

 入り口の外には、血まみれのパーセルが倒れている。

 普段なら爆発してしまいそうになる現状にも関わらず、カリーナの感情は一定以上昇る事がない。

 冷静に腹から声が立ち昇る。

「――――私の氷はちょっぴり cold…………」

 カリーナは冷たく氷のように冷静な言葉を紡いだ。




―――――――





TIGER&BUNNY × Darker Than Black


黒の異邦人は龍の保護者


  # 22 “Love is over ―― 洋紅色の氷花が咲くとき ―― ”


『死神の涙』編 S+@


作者;ハナズオウ







―――――――



 壁に半分体を預けながら進む黒の足取りは重い。

 黒のロングコートは歴戦を重ね、所々が破れかけている。

 パンドラ最深部にいるアンバーを救い出す為に黒は重い足取りを止める事はない。

 蘇芳のゲート粒子を取り込んだことによる身体の内部の飽和感が黒からさらに力をそぎ落とす。

 体の中にあるエネルギーも枯渇し、求めるように痛みを発している。

 非常用に入れていたチョコもなんの足しにもなっていないかのように痛みは止まらない。

 黒の脚が止まらないただ一つの理由、それは『約束』。

 勝手に結ばれた『約束』だが、黒は自身の全てを賭けて果たそうとしているのだ。

 猫の情報によれば、目の前にある部屋を超えれば辿り着ける。

 壁にもたれながらゆっくりとゆっくりと近づいていく。

 部屋に入ると、中央に薄暗い中1人の男が黒を見つめて立っている。

「クックク、待ちわびたぞ……BK-201、いや、黒の死神」

「ハー……ヴェスト」

 男の髪は、白髪のロン毛に頭には電極のボルトが2つ打ち込まれている。

 ボロいマントの下には成人男性の身長はありそうな黒いタンポポがハーヴェストに寄生している。

 口元をニヤリと開けて、にやけている。

 黒は壁から身を離し、腹に力を入れて戦闘態勢へと移る。

「お前がここに来たという事は、あの赤毛の少女を殺したか?

 “ゲートのある世界”を捨て、この世界でもがいた感想はどうだ?」

「…………」

「思考を合理化しろ、黒の死神。

 この世界の能力者は合理的な思考を得ていない。このような世界が合理性のその先を見れるわけがない。

 だから私はこの黒いタンポポの量産させたのだ。

 これから“黒の死神の代替”を使い、この世界を黒いタンポポごうりかで埋め尽くす」

「世界を混乱に落とすのか……」

「違う! 合理的な思考のその先を見るためさ。

 当初はお前の能力を使う為に籠絡しようとしたのだよ。

 お前の正体をヒーロー達に『死神』のお前を教え、記憶を奪い、この世界の居場所を奪った!

 どうだった!? たわいないモノだろう? お前の大切なモノひごうりは」

「……」

 ハーヴェストが話すたびに、黒の腹の底に怒りがマグマのように熱くたぎり始めるのを感じる。

 鏑木虎鉄とはまた違い、ハーヴェストも黒とは正反対な存在であると理解したのだ。

 全てを喪失した黒は黄との繋がりが支えている。

 黄と共にいた事で広がった繋がりは黒は忘れてしまっていた平穏を得ていた。

 それを断たれた時の黒の喪失感は計り知れなかった。

 それを目の前のハーヴェストがやってのけたと言い放ったのだ。

 マオの情報でわかっていたはずが、ハーヴェストの嬉しそうに話す顔に怒りが湧き出たのだ。

「言葉もないか。

 お前が襲撃してきたのはたしかに予想外だった。

 それがなければ数日でこの世界を黒いタンポポで覆い尽くすはずだった。

 未来の記憶”においてお前はあと数日動ける状態ではなかった……しかしちょうどいい。

 この街を覆い尽くすには充分すぎる量をこのビルの屋上に生成し終えている。

 見せてやろう!!! このシュテルンビルトが合理化する瞬間を!!!」

「やはりアンバーはその奥にいるんだな。

 ……お前達の目的は達成させない」

 『止める』そう心に思った時、蘇芳の声と共に体が少し軽くなった気がした。

 粒子となり、黒の中で眠る『蘇芳・パブリチェンコ』が黒の想いに応え

 ――『しょうがないな、黒は』と呟かれた気がした。


「世界に奪われてばかりのお前の何がそうさせる?」

「奪われても残るものもある。

 それに、お前の求めるものはこの世界の誰も求めていない……」

「違うな、誰もが望んでいる。感情という非合理性を排除した世界を見てみたいと!!」

「そうか……」

 ハーヴェストは走りだし、黒との距離を一気に詰めて能力を開放する。

 黒は集中力を極限まで高める。

 ハーヴェストの手が黒の腕を掴む瞬間、お互いをランセルノプト放射光が包み込む。

 お互いの能力に反発するように「バチッ!」と電気と共に音が弾ける。



 追撃とばかりにハーヴェストが残りの手で黒を握ろうと手を伸ばした瞬間、

 ――黒の体からより強いランセルノプト放射光あおいひかりが立ち昇る。

 強い光はコートのポケットに入れていたヒビだらけの“流星核”を媒介に黒の能力は空間へと拡散していく。

 黒を中心として能力はハーヴェストまでも飲み込む。

 ハーヴェストも能力を開放し、黒を分解しようと掴みにかかる。

 黒は避ける事無く、ハーヴェストに右腕を掴まれる。

 能力により分解されるはずが、黒の掴まれた右腕は分解されず、ただ掴まれているだけである。

 ハーヴェストが何度も能力開放し、分解しようと試みるも結果は変わらない。

「なぜだ! なにをした!!?」

 何が起きたのかまったくわからないハーヴェストは狼狽するように叫び、黒へと問う。




 ――数秒の沈黙の後、黒は静かに、強く言葉を紡いだ。

「能力を無効化した。俺が能力を解除しない限り、お前は能力を使えない。もちろん、俺も電撃は使えない」




 黒の宣言が信じられないと、ハーヴェストは集中し何度も能力発動を試みる。

 掴みかかるハーヴェストの手を黒は振り払う。

 振り払った勢いをもって、黒は大きく振り被り、ハーヴェストの右頬に向けて全力で放つ。

「断ち切る事でしか未来を作れないお前に

 ――未来は作らせない!」





―――――――




 薄い蒼のランセルノプト放射光が空間を支配した中、時折空間から小さく電流が走る。

 空間の中には黒とハーヴェストが対峙している。

 ハーヴェストは自慢の能力が発動しない事に動揺している。

 黒は怒りをたぎらせながら、ハーヴェストを睨んでいる。

 怒りは黒に疲労を忘れさせ、枯渇したはずのエネルギーをひねり出す。

「能力が、お前の“全て”か?」

 黒は右腕を掴んでいるハーヴェストの左手に左手を添えて右腕を内側に回す。

 ハーヴェストはまるで合気に掛けられたように体を黒の右腕の回転に沿って回る。

 そこへ黒は流れるように左肘をハーヴェストの米神へと突き刺す。

 脳天をシェイクする衝撃にハーヴェストは体制を何とか整えようと千鳥足で後退していく。

「これは日本の合気というモノらしい。

 “超感覚”の修練の過程で学んだ」

「だからなんだというのだ!」

「“武術”は“力のない者”が“力ある者”へと対抗するために産み出されたものらしい」

 黒は静かに語りかけながら、ゆっくりと距離を詰める。

 ハーヴェストは右ストレートを黒の顔面めがけて放つ。

 黒は冷静に左のクロスカウンターをハーヴェストの米神へと突き刺す。

 くらくらとよろけながらハーヴェストは後退する。

 ゆっくりと距離を詰める黒は、左腕を振りあげる。

 それに釣られ、ハーヴェストは左腕からの攻撃に備え防御を取る。

 しかし、ハーヴェストに襲ってきたのは左脇腹へ突き上げる黒の右回し蹴りであった。

 襲ってくるはずの攻撃は来ず、まったく警戒していない箇所への打撃にハーヴェストは混乱した。

 この混乱を引き出した前提には絶対的に自信がある能力が機能しない状況があるからだ。

 打撃物分解が効かない戦闘などという状況はハーヴェストにとってははじめてに近い。

 黒はハーヴェストの混乱を晴らす事無く、無慈悲に攻撃を繰り出していく。

 本命の攻撃を隠す為のフェイント。

 虚と思わせるフェイント。

 攻撃の先へと対象を移動させるフェイント。

 10撃と経たずに、黒はハーヴェストを自在に操る事が出来た。

 力がない打撃だろうとも全て黒は米神や鳩尾などあらゆる急所へと叩き込んだ。

 小さくハーヴェストに蓄積されてたダメージが視界を歪めている。

「ククく……これだけ打撃を受けても再起不能とならないとは……

 黒の死神よ

 ――そろそろ終わるな」

「まだ終わらない……いや、終わらせない」

 力強い言葉とは真逆に、黒は全身の力を抜く。

「なぜ守る……? 裏切られた続けた世界がなぜ大切なんだ!!」

「俺も世界なんて知らない。いや、俺も世界を憎んでいた。

 だが、それは間違っていた。

 俺が世界をどうこうは出来ない。だが

 ――俺に向けてくれる笑顔を守りたい。

 だから戦う。それが結果として世界を救う事になるのかもしれない」

「なんという不合理!

 契約者であるお前がなぜだ!!

 私達契約者は世界が求めた者ではないか!!

 不合理な思考で飽和した世界が救いを求めて私達合理的な思考をする契約者を生んだ!!

 世界のストレスを発散する場であるようなゲートがないこの世界を少しは正常ごうりかしなければならない!!」

「そんなもの……誰も望んでいない!!」

 言い終わると同時に、黒は音も、空気も全てを置き去りにした。

 神速や音速などという高速で動いたのではない。

 相手の虚の虚に入り込み、黒の言葉に返答しているハーヴェストが言葉を紡いでいる。

 体を沈めた黒に気づかず、ハーヴェストは叫んでいる。

 黒はハーヴェストが何を言っているのか、聴覚からも視覚からも理解していたが、頭がそれを処理せず忘却した。

 ハーヴェストが黒の行動に気づいた時には、黒の攻撃に必要な溜めを終えていた。

 重心を落とし脱力し、右腕をハーヴェストの腹に添えたその姿は、至高の彫刻芸術のように美しさを纏っている。

 足元からドスンっと重くも乾いた音を発して、地面から剄を練り上げる。


 ――黒の足音と時を同じくして、建物内にもう一か所同質の音が響く。


 一部の狂いも、遅れも何もない完璧な発剄が黒の拳を発射口とし、ハーヴェストの体内へと襲い掛かった。

 ガス欠の身体から絞り出したありったけの力を出し切った黒の渾身の発剄。

 全身が年度にでも変わってしまったかのような違和感と脱力感に襲われ、黒は床へと崩れ落ちる。

 まだ生きる事を諦めない体は呼吸を止める事無く酸素を肺に取り込み続ける。

 暗闇に塗り潰される視界が情報を脳へと送信するが、脳は情報を処理する事を拒否する。

 その後すぐに脳は限界を超え、意識をシャットアウトする。




 ――アンバーが眠る部屋まであと数十メートル。

 ――アンバーが望み、ハヴォックが繋ぎ、黄が後押しした黒の進行はここで力尽きたのであった。




―――――――





 敵だと思ってた舞ごとパーセルが撃たれた事に驚いたが、なによりカリーナを支配したのは別の感情であった。

 それは“怒り”。

 虎鉄のように爆発する真っ赤な怒りでも、怒り続けて高温で永遠のように燃え続ける蒼い怒りでもない。

 ――絶対零度の氷の炎、碓氷の怒り。

 カリーナの頭は普段のどのタイミングよりも冴えまくっていた。

 全ての状況を冷静に読み取り、分析し、動きだした。

『守るべき存在が撃たれた。そして、

 相手は仲間ごと撃ち抜いた』

 不思議と激高する事もなく、冷静にカリーナはやるべきこと、なす術を淡々と組み上げていく。

 一歩一歩コツコツと音を立てて戦闘員達と、撃たれて動かないパーセルと舞がいる廊下へと近づく。

 壁から戦闘員に視認された瞬間、撃たれる事は分かっているとばかりに集中を深めていく。

 壁から姿を現した瞬間、カリーナは全力で最大集中力をもって能力を開放させる。

 戦闘員と舞とパーセルの間に高密度の氷を何層も重ねて形成する。

 もちろん、自分と戦闘員の間にも氷の壁を発生させる。

 カリーナが発生させた氷は銃弾が触れた瞬間、銃だが弾いた空気中の水分を凍らせ、戦闘員に氷の矢が近づいていく。

 マシンガンで発砲されて5秒を過ぎた頃、戦闘員の視界を支配したのは凶悪に枝分かれする氷の矢の森であった。

 目の前の光景に一番驚いているのは、能力発動者であるカリーナである。

 全力は振り絞っているが、ここまでの威力は初めて目にする。

 何も冷静な怒りによって覚醒したわけでもない。

 手に持った“流星のカケラ”が蒼く強く静かに光っているのを見て、原理も何もわからないが理解した。

 “流星のカケラこれ”のおかげか……と。

 助けるつもりがまたハヴォックに手助けを受けた。

 カリーナはそれを嫌だとも思わず、『ありがとう』とだけ呟き、集中を更に深める。

「私の氷はちょっぴりCOLD。

 ――あなたの悪事を完全HOLD!」

 カリーナは集中を更に深め、能力を更に開放する。

 ピシピシと空気が鳴き、温度は凍てついていく。

 カリーナは思ってもみない能力の強化に、冷静に理解し、最大限効果的に運用を始める。

「私の氷にひれ伏しなさい」

 戦闘員達は氷の壁を突破し、カリーナを無力化するためにマシンガンを乱射する。

 氷の壁から生えた氷の枝はマシンガンの弾が触れた瞬間に、弾を飲み込み、どんどんと戦闘員へ向かって枝が伸びていく。

 氷は弾に砕かれる事なく、生きているかのように不規則に枝を伸ばしていく。

 枝が戦闘員に触れようとした瞬間、カリーナの持つ“流星のカケラ”が光を失う。

 ハッと感情を取り戻したカリーナは枝が戦闘員達の命を刈り取らせない為に、別の攻撃を仕掛ける。

 何層にも重ねた氷を操作し、拳大の氷を戦闘員に向けて弾き飛ばす。

 飛び出した氷は戦闘員達全員の腹に命中し、戦闘員達は吹き飛ぶ。

 突如襲ってきた衝撃に全ての戦闘員達は意識を失い、頭を垂れるように意識を失う。

 カリーナは氷を即座に解除し、倒れるパーセルの元へと駆け寄る。

「ちょっとアンタ大丈夫?」

「ニヒヒ、ちょっとやべえな。すぐ処置してくれるところ知ってるから飛ぶわ。

 舞の所に運んでくれ」

 カリーナはパーセルを持ち上げ、倒れて動かない舞の元へと運ぶ。

「パー……セル……」

「舞、ちょっとお医者さんの所行こうぜ」

「うん……痛くない?」

「痛くなくなるためにな……じゃぁ、ねーちゃん行ってくるわ」

 パーセルは能力を発動させ、舞と共に消える。

 2人が死んでいなかったことに安堵したカリーナはハヴォックの元へと急ぐ。

「ハヴォック……終わったわよ。

 あなたの娘2人……助けたわよ。ちょっと守りきれはしなかったけど」

「礼を言う……私の大事な友人よ」

 ハヴォックの“友人”発言にカリーナは少し頬を赤らめる。

 両手で頬を隠そうとしたふとした瞬間、手に持っていた“流星のカケラ”が床に落ち、砕け散る。

 欠片は透明な破片にはならず、蒼い光の粒となりカリーナの身体へと入っていく。

 カリーナは自然と顔が天を臨み、瞳は一瞬光を失う。

 瞳が光を取り戻すと、カリーナの瞳からは大粒の涙がいくつも落ちてくる。

 突如落ちてきたカリーナの涙にハヴォックは少し困惑の声を上げる。

「カリーナ?」

「わす……忘れてた。わたし……

 り……李さ。李さんの事……

 忘れて、た……ハヴォック。

 私……」

 ハヴォックは、カリーナに起きた事を冷静に理解する。

 MEによって奪われた『李 舜生リ シェンシュン』に関する記憶を全て取り戻したのだ。

 ハヴォックは大粒の涙を流すカリーナを優しく抱きしめる。

「そうか……思い出したか。思い出さなければ傷つかずに次に行けたのに……

 まったく、うちの魔女は恋愛毎に関しては甘い」

 ハヴォックはカリーナの背中を何度も優しくさする。

 ハヴォックは理解した。

 カリーナに渡した“流星の欠片”には特別な仕掛けがなされていたようだと。

 蒼い光の粒がMEの作用を消した。

 MEは植えつけた記憶は数日で抜け落ちるが、消した記憶は元には戻らない。

 それが戻ったという事は新たに植えつけたか、MEを掛けられる前に戻したか。

 どちらかは判断は出来なかったが、アンバーの思惑はハヴォックには薄らとわかった。

『忘れるのではなく、ちゃんと失恋させてあげたい』

 それがわかったハヴォックも心のどこかで同じ思いがあったのだろう、すぐに理解できた。

 ならば、その思いを達成させてあげようと、ハヴォックは動いたのだ。

「もうわかっているだろうが、お前が恋をした李は名前も全てを捨て裏世界へと消えようとしている。

 アイツは黄 宝鈴をはじめ、お前も、知り合い皆に危険が降りかからないようにしたいようだ。

 だから危険を呼び込む自分を皆から遠ざけようとしている」

「そんな! そんな事しなくても!」

「あいつはお前が思っているよりも危険を呼び込み、そして臆病だ。

 着いて行けば危険と常に隣り合わせ、引き止めれば危険をより呼び込む」

 ハヴォックはそれからカリーナにわかるように黒のこれまでと現状を説明した。

 もちろん、黄の存在と黄の答えなどは伏せている。

 言うとカリーナは黄への配慮で自身が出したい本当の答えを出しはしない。

「これが私が知る限りの黒の話だ。

 ――さて、お前の答えを聞きたい。お前はどうする?」

「え……?」

 突然の選択にカリーナは困惑し、返答に困る。

 視線を浮遊させ、自身の答えを探す。

「ハ……ハヴォック、私、私……どうしたら」

「私に答えを求めると言うという事は、お前は見てるしかできないという事だ。

 まぁ普通はそうだ。あの子が世間知らずというか、若さゆえというか

 ――このしょうぶ、お前の負けだな。

 ハンデがあったとはいえ、“見ている”という答えを出したお前が割り込む隙間はなくなった。

 繋ぎとめに行ったあの子がアイツを繋ぎとめた。

 カリーナ、おめでとう」

「おめで……とう?」

「ああ……あんな料理が巧くて悪い男を手懐けれるのは破天荒な奴くらいだよ。

 そんな奴に引っかからなくて、“おめでとう”だよ

 ――少し頼りない胸だが、思う存分に泣くがいい。泣いた後に進もう」

「うん……ありがとう。ハヴォック」

 こちらこそ……とハヴォックはカリーナの背を優しくさする。

 愛おしそうに何度も何度も。





―――――――




 黒が倒れて数十分後。

 黒がハーヴェストと戦った部屋には、倒れる黒がいるだけだった。

 黒の周りに血は所々に落ちているだけである。

 ハーヴェストも黒いタンポポもそこには姿形もありはしなかった。

 黒を見つけた黄は薄らと笑顔を綻ばせた。

「ようやく、追いついた……ロックバイソンさん、ありがとう」

 ズルズルとロックバイソンの背中から降りた黄 宝鈴は黒の元へと歩みより、ペタンと座る。

「ねぇロックバイソンさん、食べ物ない?」

「あるっちゃあるが……」

「あるだけ頂戴! ボクも師匠も腹ペコだからさ」

 まったくよ……とロックバイソンはスーツから非常食に持っている肉エキス濃縮ゼリーや糖分摂取用の飴をありったけ黄に渡す。

 受け取った黄は飴を砕き、黒の口へと小分けにしながら入れていく。

 エネルギーを貪欲に取り込もうと、黒はどんどんと飴を舌の上で溶かして喉を通す。

「ねぇ、ロックバイソンさん。

 ブルーローズさんとハヴォックは大丈夫かな? 連絡こないんだけど」

「大丈夫だろ、アニエスさんから何も連絡来てないしな。

 それよりも問題なのはお前が犯罪者を助けようとしてるって事だよ」

「ならどんな犯罪したの? ロックバイソンさんの“記憶”以外で……記録で教えてよ」

 黄の言葉に、ロックバイソンは黒の犯罪に関する記憶に強く焼きついたモノは確かにある。

 あるが、記録としてのものは存在すらない。

「記録があるならボクはこの人と一緒に罪を償うよ。

 だからさ、今はそういうの止めよ」

「お、おう……」

 説得しようと思っていたら逆に言い負かされてしまった、ロックバイソンはそれ以上何も言わずに周囲へと注意を向ける。

 黄は貰った食料を黒と分け終えるとペロッと平らげ、黒の胸の上で眠り始める。

 ロックバイソンは周囲を警戒しながら、2人を見守る事にした。


   ◇



 数十分後、カリーナにおんぶされたハヴォックが現れた。

 ハヴォックは黒の元へと運ばれると、カリーナの背から降りる。

 ハヴォックは黒の頬を優しく撫でる。

「おいおい、あと一歩という所でダウンか?」

 少し意地悪そうな声で語りかけると、それに反応して黒はゆっくりと瞼を上げる。

「決着をつけてきてやろうか?」

「いや、俺が行く」

 黒はゆっくりと黄の背中をポンポンと叩き、起こす。

 黄はのそっと座ると、黒の手を握る。

「ありがとう、鈴。

 ――すまないがここからは1人で行く」

「やだよ。ボクも一緒に行くって言ったじゃないか

 それにもう1人で立てないでしょ?」

 立ち上がった黒と黄はゆっくりと最後の部屋へと歩み始める。

 それを追おうとしたロックバイソンとブルーローズをハヴォックとパーセルが止める。

「すまないが、最後はあいつ達に着けさせてやってくれ。

 決着がつけばここに戻ってくるさ」





―――――――




「そうですか、【匣】から零れ落ちた【災厄】を円環に送る役目、ご苦労様です。

 では後ほど私の方もよろしくお願いします、――ブリタ」

 アンバーが眠る部屋の物陰にて携帯で話す男“魏 志軍ウェイ チェージュン”。

 電話の相手は“ブリタ”という女性。

 魏は全ては想定内と笑い、携帯電話をポケットにしまう。

 代わりに細身のナイフを取り出した魏は、慣れた手つきで自身の手首を切る。

 ピュシュ! と鮮血が飛び出す。

 黒へと仕掛けたパンドラの策略全てが魏にとってはどうでもいい。

 魏の目的は黒を殺す事。

 再開発地区で戦えた事で満足はしている。

 追い越したと思った実力は未だ追い越せていなかった。

 ブリタの報告による黒の状態は万全には程遠い。

 狙うならば今だが、それでは殺せてしまえば永久に満足する事はない。

 ならば次の機会を狙うのがベストだ。

 そして、製薬会社パンドラを中心とした組織の敗北はほぼ確定している。

 戦力はほぼ全て削がれた。

 エリックはそれを未だ知らない。

 幾度電子情報にて近況を調べようとしても、エマージェンシーコールが表示されるだけで詳細が一切出てこない。

 CEOのエリック西島はジャミングされていると考えているのだろうが、魏は違う。

 電子情報は全てHERO TVかEPRに掌握されていると読んでいる。

 HERO TVを調べたところ、そのようなアプローチは一切見せないからEPRの仕業であるのは明白だ。

 ならば、ブリタへの電話内容も筒抜けであると考えた方がいい。

 だから回りくどい固有名詞を使用した通信を行った。

「いささか急いだほうがよさそうですね、黒の死神が予想よりも進行している。さて

 ――円環の理へと行くとしましょうか」

 魏は口元を釣りあげて笑いながら、物陰から堂々と歩みだした。

 自身の血を相手に付着させたらほぼ勝利する必殺の能力を持つ魏を隠したエリックは怒鳴りながら魏へと問いかける。

 物陰に隠した理由は奇襲で黒を殺す為。

 それを勝手な判断で魏が反故にしようとしているのだ。

「持ち場に戻れ!」

「ええ……“後片付け”を終わらせたら出ていきますよ。

 ――それでは」

 魏は血が噴き出る腕を上げる。

 エリックを冷たく見つめ、さっと腕を振り下ろす。

 手首から飛び出た血液がエリックの上半身を中心に浴びる。

 エリックは信じられないとばかりに目を見開いて魏を見つめる。

 魏の能力は『血液でマーキングした箇所の局所テレポート』。

 対価は『出血する事』。

 対価と能力が連動して、尚且つかなりの戦闘よりの能力である。

 そのマーキングがエリックに大量につけられたのだ。

 服を脱ごうと既に血液のマーキングが外れる事はない。

 この状況で考えられることは一つ。

「裏切るというのか!! 契約者如きが!!」

「裏切る? 元より忠誠を誓ったつもりはありませんよ

 BK-201とは一応戦えましたし、そろそろ契約者に戻してもらった恩は返したかと……

 ――それでは」

「きさまっ!!」


 エリックの叫び声に被さるように、静かに甲高くパチンと指が鳴る音が響く。

 部屋にランセルノプト放射光が輝き、

 空に浮かぶ一つの星が輝きを増した。


 ――その星はかつて『VI-952』と名付けられた星であった。


―――――――





......TO BE CONTINUED




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■作者からのメッセージ
皆様、お久しぶりです。
ハナズオウです。

一年ぐらい更新できずで申し訳ない限りでした。

思っているよりも筆が進まないのとリアルで自身を取り囲む環境が激変し、家に寝に帰る日々でしたので、更新できませんでした。

なんとか最終話まで完成しましたので、死神の涙編を最後までお楽しみください。


以下、感想返しです。

○13さん

いつも感想ありがとうございます!
ワイルドタイガー対黒に関しては今後も書いていく予定です。
今回は21話にて終了です(笑)

この後のシリーズも書いていきたいですね。

お互い頑張っていきましょう。


○opioidoさん

感想ありがとうございます!
この話を書くに至り、何度もDTBを一期二期、OVAを見返しました。
休みを潰してしまったようで申し訳ないですが、楽しんでいただけたなら嬉しい限りです。
DTBの雰囲気が出ていたのなら努力したかいがあります! ありがとうございます!頑張ってタイバニ色も出そうとしてはいるのですが、どうしてもDTBによってしまいます……

opioidoさんの感想を見つけ、やる気を燃やし、難産でしたが投稿できました。
この話も楽しんでいただけたなら嬉しい限りです。

何度か言いましたが、ありがとうございました。


○1234さん

感想ありがとうございます。
イアンさんへの発言、いざ言われて読み返してみると、鬼畜の発言ですねww
読み返して笑ってしまいました^^

楽しんでいただけて嬉しいです。
この話も楽しんでいただけたなら作家冥利に尽きます。


では、読者皆様。
死神の涙編最終話のあとがきでお会いしましょう。
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