空にそびえ立つ青き鋼の巨神、その名は勇者王ガオファイガー。
対峙するのは感情を否定する滅びの使徒ゾンダーロボ。
ガイ『EI-75、時雨や取りこんだ物を返してもらうぜ!』
ゾンダーロボ「ゾォォオオンダァァアアア!!」
両者は取っ組み合いとなりその力を拮抗させた。
ガイ『うぉおおおおお!!』
拮抗を崩したのはガオファイガーだった。ステルスガオーVとガオファーのGSライドとゾンダーロボの出力差で徐々に押し出していた。
ゾンダーロボ「!」
ガイ『ゾンダー……いや、Zマスターが否定した命の力……勇気の力をお前にも見せてやるぜ!』
ステルスガオーVのウィングユニットが展開され、取っ組み合いのままガオファイガーとゾンダーロボは海の方へ飛んでいった。
ある程度学園から離れた途端に、ゾンダーロボを海面に叩きつけたガオファイガーは学園から飛んできた『マイナスドライバー』を左腕に接続し展開した。
ガイ『座標軸固定完了、ディバイディング・ドライバァァァアアアッ!!!』
この巨大マイナスドライバーの名はディバイディングドライバー。
GGGが所持する勇者ロボ軍団が使用する特殊作業兵装ハイパーツールの一つである。
その姿をIS学園の専用機部隊が見ていた。
鈴「やっぱりあれって……マイナスドライバーよね?」
セシリア「それより、あの巨大ロボットは何なのですか?!」
この世界では色々なアニメやライトノベルにゲームが存在するが、セシリアはライトノベルなどは知っているがロボットアニメは知らなかったのだ。
一夏「あれは勇者王ガオファイガー。ロボットアニメで『勇者シリーズ』と呼ばれる中での最後のアニメの『勇者王ガオガイガー』の最後の物語である、OVA『勇者王ガオガイガーFINAL』で登場するタイトルネームである主役機勇者王ガオガイガーの後を継いだ2代目勇者王だ」
セシリア「勇者王……?主役機……じゃあ今乗っている獅子王さんは……!」
一夏「そのアニメの主人公だ。因みに今は野営基地にいるシモンさんも、『天元突破グレンラガン』と『劇場版天元突破グレンラガン紅蓮編\螺巌編』の主人公で予想が正しいと軽く千年以上は生きてる筈だ」
千年以上は生きてるという時点で自分がニンジャスレイヤーと同じくらいの規格外な存在と会話していたのかが理解出来た。
シャルル「それより、離脱しなくていいの?あれってディバイディングドライバーでしょ?」
鈴「シャルル……あんたも知ってたんだ」
シャルル「うん、先生達も離脱したから近海にいる艦娘にも声をかけないと」
セシリア「で、ですが支援攻撃を続けないと『無理だ、今すぐに引け』せ、先生!?」
セシリアに織斑千冬からの通信が届いた
千冬『あのゾンダーロボは……やはり獅子王凱たちGGGの機動兵器か、神機使いの神機でないと破壊不可能だ。表面上に絶対防御以上のバリアシステムが確認されている。零落白夜でも効果はない……撤退しろ』
一夏たちは名残惜しくも、戦闘に巻き込まれないように背中に載せて運べる艦娘は乗せて戦闘エリアから離脱していった。
鈴「やっぱりヤモトの言うとおりね……ISって戦場ではオモチャね」
鈴は皮肉を込めてつぶやいた。世界最強のパワードスーツに乗ってるから何でも勝てると心のどこかで根強く残っていた。
あのニンジャ……ヤモトに言われたのに。今や学園は戦争状態になっているのだ……対IS戦闘闘方法やISではどうしようもない超人や巨大ロボットもいる中でISはアリのごとくちっぽけな存在に過ぎなかったのだ。
同時刻、港でも戦闘音が響いていた。
「全滅、全滅、ゼンメツだイヤーッ!」
ジェノサイド「ゼツメツするのはキサマだ!」
ゾンビーニンジャであるジェノサイドが手首から吊るした鎖付きバズソー(丸鋸)で、目の前のロボを八つ裂きにした。彼曰く特殊なエンハウスト・ジツを応用しているらしい。
「サヨナラッ!」
ロボはしめやかに爆発四散。
ジェノサイド「生きてるかお前ら!」
??「あー……生きてるよ」
??「けど、危ないよ〜」
シエル「お二人方は早く離脱してください、五分以内に増援が現れます」
そこにいたのは、ジェノサイドにシエル……軽巡洋艦天龍と姉妹艦である龍田である。天龍と龍田は中破していた。
天龍「着任したと思ったら急に出撃要請で、ロボットと戦えなんてどうかしてるぜ」
龍田「ゾンビと一緒に戦うなんてね……」
龍田は涙目である。ジェノサイド=ゾンビという訳で怖いのだ。実際怖い。
ジェノサイド「……シエル=サン。二人を連れていけ。次の相手もロボ・ニンジャだ。もうニューロンの負担が大きいはずだ。撤退しろ!」
警告に従って、シエル達は離脱するも念の為か天龍の刀と龍田の槍が残されていた。
そして建物を砕きながら2体のロボが現れた。
「アイサツモード重点、ドーモ、モーターヤブです。投降を呼びかけます。オムラは寛大です」
「アイサツモード重点、ドーモ、モータードクロです。ゼツメツモード起動します」
ジェノサイド「まったく、オムラのロボニンジャかよ……まあストレス発散の相手になってもらおう!」
ジェノサイドの目の前に現れたのは、オムラ・インダストリが開発したロボニンジャである《モータードクロ》と《モーターヤブ》である。
あちこちでも爆発が響く……ゾンダーロボ出現と同時にニンジャも現れてたのだ。
ジェノサイド「……カトゥーンのような光景だぜ、まあそれはそれでいいけどな!」
「「投降時間は終了しています!」」
ゼツメツモードへと移行したモータードクロの8本の腕と近接武器に、体中から生やしたミニガンやスシハンドガンにアンタイニンジャミサイル「馬」からなる嵐をかわしながらも、ジェノサイドはモーターヤブに近づいた。
響く金属音と空薬莢。吹き飛ぶ地面、緑色の眼光を移すのはモーターヤブの右腕のガトリング。
天龍の刀を掴み、右腕のガトリング砲を切り落とす。
今度は本体の巨大な筒が割れて、中からガトリングガンが飛び出したが頭頂部に飛び乗り龍田の槍を突き刺した。
「イタタ、イタタタタ……ピガーッ!?」
モーターヤブの電脳中枢神経が粉々にされて自立制御がおぼつかなくなる。
更にジェノサイドはアンタイニンジャミサイル2発をチェーンで縛り付けてモーターヤブに引き寄せた。このミサイルはニンジャソウルで爆発する為にゾンビーニンジャの肉をモーターヤブにくっ付けておいたのだ。
その直後にモーターヤブはしめやかに爆発四散。
ジェノサイド「お前も……サンズ・リバーに送ってやるよ」
「ゼンメツだ、イヤーッ!」
感情も感じられないシャウトをしながら、近接格闘形態で脚が2本となったモータードクロが全体重を乗せて襲いかかる。
ジェノサイド「……そういえばロボニンジャって関節が弱いんだよな?」
ジェノサイドはゾンビーニンジャ特有のカラテである「ネクロ・カラテ」をモータードクロの両腕の関節に叩きつけたのだ。
ネクロ・カラテは不死の体を持つゾンビーニンジャの身体能力を最大限に活かした格闘だ。しかもジェノサイドのニンジャソウルは元の世界では、「黙示録の四騎士」と呼ばれる災厄のニンジャ「ゼツメツ・ニンジャ」本人。その力はありとあらゆるものを粉砕する!
「イタタタタ、イタタ!?」
瞬時にモータードクロの両腕が吹き飛び、胴体からガトリング砲を展開する数秒の間に弱点である頭頂部に飛び乗りその手に持った天龍の刀と龍田の槍を突き刺した。
「サヨ……ナラ……」
すぐにモータードクロは機能を停止した。
ジェノサイド「(ニンジャスレイヤー=サンの話では量産型は腕が2本で脚が4本だったはずだ……だがこいつはニンジャスレイヤー=サンの話で聞いた、初期のモータードクロじゃないか)まったくどうなってんだよ?」
通信端末に連絡が来た
ラオモト『ドーモ、ジェノサイド=サン。ラオモト・カン、デモリション・ニンジャです。そっちは片付いたか?』
ジェノサイド「ドーモ、ラオモト=サン。ジェノサイドです。こっちは片付いた」
ラオモト『ならそこから撤退しろ、ゾンダーロボとかいう奴と獅子王=サンが戦闘するから離れてもらうぞ』
通信を聞きながらも海上で戦闘を続けているガオファイガーを見ていた。
ジェノサイド「了解、すぐに離脱する」
─────────────────────────────────────────────
ディバイディングドライバーを装着したガオファイガーは、ゾンダーロボが沈んだ海底の目の前にドライバーを突き刺した。
ドライバーの側面のメモリが光るとと共に海底……いや海域全体が空間ごと湾曲したのだ。
ディバイディングドライバーは空間を湾曲し戦闘空間を生み出すのだ。ちなみに戦闘空間の展開時間は30分である。小さな防御フィールドなら無制限に張れるが、湾曲空間を作るためには全エネルギーを放出するのでディバイディングドライバーは一度の戦闘に1発しか使えないのだ。
ガイ『行くぞ!』
ゾンダーロボ「ゾォォオオンダァァアアア!」
ゾンダーロボは高速で雪片を振り下ろし、ガオファイガーを真っ二つにしようとしていた。
ガオファイガーは即座に右腕で雪片を払いつつ、膝のドリルニーを雪片に突き刺した。
複羽構成のドリルガオーIIのドリルはいとも容易く雪片を粉砕していた。
ガイ『よし、ブロウクン・ファントム!』
ガオファイガーは腰を落として拳を構えると、コックピットハッチからガオファーも使ったファントムリングを展開してそこに右手を突き刺した。
爆発的な加速とともに右腕がファントムリングを中央に纏いながら飛んでいった。Gストーンに宿るブロウクンエネルギーを纏った腕を放つ「ブロウクン・マグナム」の強化技「ブロウクン・ファントム」である。
ブロウクン・ファントムは真っ直ぐに飛びながらゾンダーロボを目指していた。
レールカノンを撃つ、だが弾丸を粉砕しながら突き進む。
背部のキャノン砲でファントムリングを砲撃する、当たったが無傷であった。
ワイヤーブレードを放出しブロウクン・ファントムを絡めとる、一瞬でワイヤーがバラバラにされた。
左腕のエネルギー手刀を振り下ろした、ブロウクンエネルギーで左腕が吹き飛んだ。
AICを起動した、ブロウクン・ファントムは回転しつつも動きが止まった。
両者が拮抗したその時である!
???「WRYYYYYYY!!!」
空から某吸血鬼の叫びを上げながらオレンジ色のロボットが落ちてきた。
そのロボットはゾンダーロボを押しつぶし、遠くに投げ飛ばした。
ガイ『なんで某吸血鬼の真似をしているんだ?』
???「久しぶりの出番だからな」
現れたのはGGGの超AI搭載マルチロボ「ゴルディーマーグ」である。超AIの元はGGG参報の火麻激で、三つの形態変化を持つ。ビークル形態はゴルディータンクと呼ばれる巨大な戦車だ。
ゴルディー「そろそろゾンダーロボも起き上がって来る……急ぐぞ!」
ガイ『ああ……!』
ツクヨミではゴルディー出撃と共に、ゴルディーマーグに与えられたロックの解除を行っていた。
大河「ゴルディオンハンマー!発動!承認!」
GGG長官大河幸太郎はゴルディーマーグ専用のプロテクトブロックに、《国連事務総長承認》と掘られた金色のマスターキーを差し込んだ。
命「了解!ゴルディオンハンマー!セーフティデバイス!リリーヴ!」
続けて卯都木命隊員が最終ロックシステムを解除した。
《GOLDIONHAMMER》
ゴルディー「行くぜ、システム・チェーンジ!」
ロック解除と共にゴルディーマーグは空へ飛び上がり、頭部を納めた巨大なハンマーと胴体が変形した巨大な右腕に分かれた。
ガイ『ハンマーコネクト!』
通常の右腕をパージしてステルスガオーVに戻しながら、ゴルディーの胴体……マーグハンドを接続した。
ガイ『ゴルディオン!ハンマァァァアアア!!』
マーグハンドで分かれた巨大なハンマーを掴んだとたんに、ガオファイガーの姿が黄金色に輝いているではないか!
これこそ、グラヴィティ・ショックウェーブ・ジェネレイティング・ツール……略して「ゴルディオンハンマー」。
ガオファイガーに与えられた最強のハイパーツールである。そしてこの時ゴルディーとガオファイガーのウルテクエンジンとGSライドが共鳴しゴルディオンハンマーを使うためのエネルギーコーティングによって黄金の輝きを放っていたのだ。
その輝きはIS学園やツクヨミに乗船した艦娘やGGG隊員、野営基地から人工衛星で確認したダークニンジャやIS学園の専用機部隊と教師部隊にも見られていた。
ガイ『ふん!……ハンマーヘル!!』
ガオファイガーはステルスガオーVの高機動飛行ウィングを展開し、高く飛ぶとマーグハンドの車輪からエネルギー製の杭が出てきた。
そこから人間の心臓部分に当たる場所に突き刺した。
ガイ『ハンマーヘブン……うぉおおおお!!』
続いてマーグハンドから杭抜きパーツが飛び出し抜き取った。その先にはゾンダーロボを構成する核となった生物が収められた物体「ゾンダー核」があり、杭が消えると共に左腕に落とされた。核はトゲやクリスタル部分で構成されているが紫色の球体である。
ガイ『ゾンダーよ、光になれぇぇええええ!!』
そして核が抜かれたゾンダーロボにゴルディオンハンマーを叩きつけた。
ゴルディオンハンマーは、波面が垂直に切り立った重力波……重力衝撃波を放出し物体を無限に加速させ瞬時に光にしてしまうのだ。
まさに使い方を誤れば星すら滅ぼしてしまうハイパーツール……扱い方には十分な注意を常に考えないといけないのだ。
それほどの破壊力の結果、ゾンダーロボは形も残らず消滅してしまった。
ディバイディングドライバーを回収しながらガオファイガーはIS学園に戻った。
ガイ『時雨……元に戻してやるからな!』
ディバイディングドライバーの力場……ディバイディングフィールドの消滅の後には激戦のあった場所であるという考えは失われていた。
とある海域では全身が黒い人型機動兵器……主任と同じVACに襲われて全員が大破寸前の金剛型四姉妹が何故かその機体に抱えられて撤退していた。
???『IS学園とやらはここだな……?』
???「アナタはなんで私たちを襲ったのにここまで送り届けるのですか?」
???『気まぐれに過ぎん……だが我々の存在を伝えておけ』
先程まで湾曲空間があった場所に四姉妹を下ろした
???「……金剛お姉様を襲って、しかも深海棲艦も全滅させて……アナタの……いや『貴方たち』の目的はわかりませんね」
???『いずれ理解するだろう……我々の目的を……我々の戦争を!』
この時……金剛型戦艦1番艦の「金剛」は理解していた。コイツらは戦争を引き起こす気だ、世界を巻き込んだ戦争を!
そして金剛四姉妹は早く伝えるために一目散にIS学園に向かった
奴らの名は
死神部隊