最も広い空間、それが宇宙。
宇宙にはたくさんの惑星が存在した。
しかし、君はあるひとつの惑星を知っているだろうか。
その惑星は、『宇宙の桃源郷』と呼ばれ、歴史にも地理にも乗っていない不思議な惑星だった。
だが、その惑星には忘れ去られたものやこの世の無いものが存在し、たくさんの種族や技術、そして地球には無いものが存在した。
運動神経と知能が非常に高く、人々を助ける『仮面ライダー』。
あらゆるものにとりつき、人々と共に暮らす『妖怪』。
機械の体を持ち、人々の役に立つように動く『モビルスーツ』。
仮面ライダーの亜種であり、人々に希望を与える『アーマードライダー』。
そして、人々も誰も知らない謎の種族『超次元マイスター』が存在した。
その惑星は『日星』と呼ばれた。
日星はかつて英雄だった法王が闇の魔王を倒し、世界の平和を取り戻したと言われている。
しかし、平和だった世界の歯車は、再び動き出そうとした……。
「来たぞ!!法王鎧武!!」
突如法王の間に現れたのは、貴族のような衣装を身にまとい、マゼンダのマントを羽織った気高そうな雰囲気の少年だった。
鎧武「誰だ…!!」
銀色の鎧を身にまとったアーマードライダーの法王、鎧武は少年に振り向く。法王の間にいた人々は逃げ、残ったのは鎧武とそのオトモ妖怪のウィスパーとジバニャンの二匹だけだった。
ウィスパー「鎧武様!ここは逃げた方がいいですよ!!」
鎧武「いや、俺は法王だ!法王である俺は逃げたりはしない!!」
ジバニャン「鎧武様、でもこいつ危ないオーラが漂うニャン!!」
鎧武「でも、これは俺がやらなければならないことだ!!」
心配そうに鎧武に逃げようと言った二匹だが法王である自分はここで逃げわけに
はいかない、と鎧武は二匹の言葉を否定した。
そして鎧武は少年に尋ねる。
「ほう、貴様…。普通の生き物ではないな。やはりあのお方の
仰る通りだったか」
鎧武「何を言っている…!?」
ウィスパー「そうですよ!あんた何言ってんだか意味わからないんですけどー!?」
ジバニャン「ウィスパーは黙るニャン!」
と、ウィスパーにするどいツッコミをいれるジバニャン。
鎧武は少年の気配に殺気を感じ、素早く武器を抜きとる。
鎧武「お前はこの世界にいてはならないようだな…。だったらこの俺が倒す!!」
鎧武は無双セイバーという刀を握りしめ、少年に切りかかる。
だか、少年は涼しい顔をしてその攻撃を片手で受け止めた。
ジバニャン「ニャニャ!?鎧武様の攻撃が!!」
鎧武「く…貴様、何者だ!!」
「ほう、我のことが知りたいのか…いいだろう!我は、第1の魔法少年であり、負と絶望を司る者、フライング・マギカ!!」
鎧武「魔法少年…だと!?」
ウィスパー「ちょっと、それって…!!」
その言葉に鎧武と二匹の妖怪は驚いた。鎧武によると、魔法少年は非常に危険とされており、仮面ライダーすら手が出せない最強でありながら謎多き種族である。
フライング「魔法少年は仮面ライダーを越える種族…。そう、アーマードライダーである貴様もな!!」
鎧武「でも…俺は怯んだりはしない!!」
フライング「ふっ…生意気な法王だ。大人しくしてもらおう…破滅の宴!!」
すると、フライングから不気味な弾幕が放たれた。その弾幕は鎧武を圧倒的に倒してしまう。
鎧武「ぐああぁぁぁ……」
鎧武はとうとう、膝さえつけなくなってしまった。
ウィスパー「ああ、鎧武様ー!!」
フライング「クク…この程度か、法王鎧武。くだらんやつだ…」
冷たく、鋭いナイフのようなことを口に出すフライング。その言葉にジバニャンの堪忍袋の尾が切れた。
ジバニャン「…お前!!鎧武様によくもひどいことをしたニャンね!!」
フライング「それがどうした、地縛霊の妖怪。貴様のようなクズがこの我を倒すとでも言うのか?」
ジバニャン「鎧武様を侮辱したお前を許さないニャン!くらえー、必殺ひゃくれつ肉球!!」
ジバニャンは必殺技のひゃくれつ肉球を出した。しかし、その必殺技は届かず、呆気なくフライングのデコピンに飛ばされた。
ジバニャン「ニャアァァァーーッ!!」
ウィスパー「ええっ!?一撃で…ぷぎゃぁぁ…」
その後ろにいたウィスパーも吹き飛んだジバニャンに当たり、気を失った。
フライング「…さて、これで邪魔者はいなくなった」
フライングは邪魔者がいなくなったことを確認し、鎧武の方にゆっくりと近づく。そして、華奢な腕一本で鎧武を抱え、去っていった。
その後、このニュースが日星の世界すべてに流された。