7月10日。ホワイトレジスタンスの隊員たちはブリーティングルームに集まっていた。
白い魔法使い「諸君、これから大事な話に入る。良いな?」
エスト「はい!」
ウィスパー「うぃっす!」
ジバニャン「いつでも準備は出来てるニャン!」
ディケイド「ほいよ」
他の隊員たちも頷き、白い魔法使いは重要な話を始めた。
白い魔法使い「では、今から君たちには鎧武の救出を行ってもらう」
ウィスパー「おーーー!!ついに…ついに!!鎧武様を我々の手で……!!」
エスト「ほ、本当なんですか!?」
エターナル「ええ、本当よ。マッハが教えてくれたの!」
マッハ「まあね」
ジバニャン「でも、その場所はどこニャン?」
マッハ「場所は、魔法少年たちのアジトだぜ」
エスト「ま、魔法少年!?」
マッハ「おいおい、あんたならこんなの余裕っしょ!?」
エスト「は、はい……」
白い魔法使い「よし。これから役割を発表する。まず、サイガ、イクサ、マッハはアジトを調べること」
サイガ「イェス!」
イクサ「了解」
マッハ「はいよ」
白い魔法使い「そして、エスト、ディケイド、ウィスパー、ジバニャンは鎧武の救出に専念しろ」
エスト「…はい!」
ディケイド「はいはい」
ウィスパー「お任せを!!」
エターナル「私は、ナビゲートしておくわ。もし困ったことがあったら聞いてちょうだい」
エスト「はい!」
白い魔法使い「では…、ホワイトレジスタンス、出動!!」
「「「ラジャー!!」」
こうして、ホワイトレジスタンスの隊員たちは急いで魔法少年のアジトへ向かった。
___魔法少年のアジト
星空都市からだいぶ離れたところにあった魔法少年のアジト。ここに鎧武がいる。
エスト「ここが、魔法少年のアジト……」
ディケイド「鎧武さんはここにいるってことか」
イクサ「我々は調査をする。君たちは鎧武を早く見つけるんだ」
ウィスパー「了解しました!!」
ジバニャン「ニャン!!」
サイガ「では、健闘を祈りマース」
エスト「はい!!」
ディケイド「おい、あんたは何も言わなくていいのか?」
と、ディケイドはスマホいじってたマッハに尋ねる。マッハは声に反応するとスマホの素早く電源を切った。
マッハ「あ、ああ!お互い頑張ろうぜ!」
どこか焦ってるようだがマッハはお互い頑張ろうと言った。そして、ついにエストたちは魔法少年のアジトに踏み入れる。
エスト「よし、いきます!」
いよいよ彼らは魔法少年のアジトへ…!!
エスト「うわぁ…暗いな……」
アジトの中は暗く、何も見えないことはないが、やはり不気味である。
ディケイド「よし、いくぞ」
ウィスパー「我々は何度も鎧武様に助けられたのですから。今度は我々が助ける番です!!」
ジバニャン「鎧武様、待ってるニャン!!」
エストたちは暗いアジトを慎重に進んだ。アジトには魔法少年のしたっぱが各エリアを見張っており、それをエストたちは倒した。何しろカギやら暗号などか必要だったからだ。
どんどん道を切り開き、最下層まで来たエストたちは、一度エターナルに連絡をとつた。
エスト「エターナルさん、おーい、エターナルさん!」
『ハーイ、呼んだかしら?』
エスト「今、僕たちは最下層まで来ました!」
『あら、すごいじゃない!これでもうすぐ鎧武を助けれるわね!』
ジバニャン「でも油断は出来ないニャン!だからここからも気を引き締めていくニャン!」
『ええ、油断は禁物よ。どんな敵が来るかわからないわ』
エスト「はい、僕たちが必ず鎧武様を助けます!!」
『ええ、頑張って!』
エストはエターナルとの連絡を切り、また慎重に進めた。時にはエターナルに道を聞いたのだが。だがそんな彼らは様々な魔法少年たちと戦いを繰り広げ、道を突破し続けた。
ディケイド「ブエルにディンゴにコンドルと…、色々と大変だな」
ジバニャン「でも、なんとしても鎧武様を救い出すニャン!」
そして、ついにエストたちは最後の扉を開いた。
エスト「そこまでだ!へんてこども!!」
ウィスパー「私たちがあんたたちを成敗します!!」
ディケイド「てかお前、へんてこどもって…」
ジバニャン「あ!鎧武様!!」
ジバニャンは囚われの鎧武に指をさす。鎧武は弱っており、全身の力が抜けていた。
ウィスパー「ああ…!なんてお姿!!」
鎧武の姿に言葉を失うエストたち。哀れで、汚れており、なんという姿だっただろう。
エスト「そんな…、一体誰がこんなことを……!!」
「私ですが、それが何か?」
すると、鎧武の前から赤い髪に不思議な鎧を纏った少年と、白いローブを身に包んだ中性的な少年が現れた。
ディケイド「誰だお前ら」
「はじめまして、私はロイミュード・マギカと申します」
と、白いローブの少年のロイミュード・マギカは丁寧に挨拶をする。続けて、赤い髪の少年も自己紹介をする。
「俺はオーバーロード・マギカだ。お前らのようなひょろい奴がここまで来るとはなぁ!」
ジバニャン「二人とも魔法少年かニャン!?」
ロイミュード「ええ、以下にも」
エスト「鎧武さんを返せ!!」
オーバーロード「ああ、いいさ。だが……」
ロイミュード「まずは貴方たちの命を頂きましょう!!」
と、二人はエストたちに襲いかかってきた。エストたちも武器を抜き取り、攻撃の態勢をとる。
エスト「やっぱりこうするしかないんですか!!」
ディケイド「だな」
ウィスパー「ええと、私はその間に鎧武様のお助けを……」
ウィスパーは鎧武に近づこうとした。しかし、牢屋に触れた途端、電撃が走ってきたのだ。
ウィスパー「あががががががが!!!」
ジバニャン「ウィスパー!大丈夫ニャン!?」
オーバーロード「ガッハハハ!無駄だ、この牢屋には結界が張られている。だから、救おうなんて不可能だ!!」
ウィスパー「そ、そんな……」
牢屋には結界が張られ、簡単には救うことは出来ないようだ。
一方、エストたちはロイミュード・マギカとの戦いを繰り広げていた。
エスト「はぁっ!スターソード!!」
ロイミュード「無駄です!サイコフリーズ!!」
エスト「うあぁぁっ!!」
エストは星の剣、スターソードで対抗したがロイミュードが仕掛ける多彩な攻撃に苦戦していた。ディケイドもライドブッカーソードで攻撃したが、すぐに弾かれてしまう。
ロイミュード「貴方たちの力、手応えもありませんねぇ……。もうここで終わりにしましょうか?」
ディケイド「…まだ、だ……」
オーバーロード「諦めの悪いやつだな。多少は強いと思ったけどな」
もはや勝ち目は無い。その様子を見ていたウィスパーとジバニャンは見るしかなった。
ウィスパー「もう、無理なんでしょうか……」
ジバニャン「ウィスパー……」
ウィスパー「どうしました?」
ジバニャン「何諦めてるんだニャン!オレっちたちは、鎧武様を救うんじゃなかったのかニャン!!」
ウィスパー「ジバニャン……」
すると、ウィスパーは鎧武を助けたいという想いに火がついた。そして、ウィスパーとジバニャンは鎧武に向かって叫ぶ。
ウィスパー「鎧武様がいない世界なんて見たくありません!鎧武様!!目を覚まして下さい!!」
ジバニャン「鎧武様ー!!」
オーバーロード「無駄だ。そんなことでは何も起こらない!!」
しかし、二匹は必死で鎧武のことを叫び続ける。そして、ついにその想いは届いた…!
((起きて…鎧武……))
鎧武は優しい声に意識を取り戻す。
鎧武「…誰だ、この声……」
その声を聞いて鎧武は、はっと思い出した。そう、かつて旅で出会った精霊の声だ。
鎧武「…!まさか、舞!?」
精霊の名前を口に出す鎧武。舞は美しい姿で鎧武の前に現れ、金色に輝く光を抱えていた。
舞「鎧武…貴方は法王として、英雄として立ち上がらなければならないわ。でも、貴方は魔法少年たちによって力を奪われている。だから、この力を使って」
舞は金色の光に手をかざすと、その光はひとつの鍵のようなものに変わった。
鎧武「これは…!ロックシード!?」
舞「それはヴィーナスロックシード。貴方が最後の戦いの時に使い、消滅したはずのもの。でも、今度はこの力で彼らと共に戦うのよ」
鎧武「…分かった。この力、使おう!」
ウィスパー「鎧武様!!鎧武様!!」
ジバニャン「鎧武様!!」
一方、二匹は鎧武の名前を叫び続けた。だが、そろそろ限界を感じたようだ。
ジバニャン「鎧武…様ッ……」
ウィスパー「やはり、無理だったのでしょう……」
しかし、彼らは気づいてない間に、鎧武のベルトにヴィーナスロックシードがはめ込まれた。
『ヴィーナス!ロックオン!!』
そして鎧武はむくりと立ち上がり、ロックシードを切る。
『ソイヤ!ヴィーナスアームズ!!黄金・ラヴステージ!!』
オーバーロード「なんだぁ?」
その音声にオーバーロードとロイミュードは気づく。
ロイミュード「ふざけた音声ですね。ならば、一撃で壊してあげます!!」
と、青い光の弾を鎧武に放った。鎧武はこれで終わっただろう、と誰もが思っていた。しかし、それは違った。
なぜなら……
ウィスパー「鎧武様…!!」
鎧武は新たな武器、オレンジヴィオラを奏でながら平然と立っていたのだ。
ジバニャン「鎧武様、復活ニャン!!」
鎧武の復活に喜びの笑みを浮かべる二匹。そして、鎧武は魔法少年の二人を睨みつける。
鎧武「お前たちの企みは、終わりだ!!」
『ヴィオラ・カタナモード!!』
オレンジビオラは刀に変形し、引いていた弓も武器へと移り変わった。
ジバニャン「すごいニャン!!バイオリンが刀になったニャン!!」
ディケイド「いいや、あれはヴィオラ。バイオリンより大きい弦楽器だ」
エスト「すごい…鎧武さん、やっぱりすごい!!」
ロイミュード「ほざけている……貴方はほざけている!!」
ロイミュード・マギカは怒りを露にし、光弾を放ちまくった。しかし、鎧武は弓でそれらを全て断ち切った。
鎧武「……!!」
ロイミュード「な、何ぃ!?」
オーバーロード「ふざけやがって!!このクソがぁぁぁぁ!!」
オーバーロード・マギカも殴りかかろうとしたが、鎧武はオレンジヴィオラで防ぎ、そしてオレンジヴィオラで弾き返した。
オーバーロード「ぐぁっ!何だこの力は!!」
鎧武「これは、みんなを救いたい想いが詰まった力だ!!」
すると、鎧武の体から青い光が放たれ、鎧武はそれを受けとる。その光はステッキに変わった。
ウィスパー「おおっ、これは…!!」
ジバニャン「エストたちと同じニャン!!」
鎧武「ここからは、俺のステージだ!!青き法王の力よ、今ここに!!スカイキングダムタクト!!」
青いステッキ、スカイキングダムタクトを手に取った鎧武は、グリモアチップをセットし、大きな魔法陣を描く。
鎧武「慈愛の法王の力を受けてみろ!アクアマリン・ラヴァース!!」
青い光で放たれた必殺技は二人の魔法少年を包みこむ。二人は身動きも取れず、そのまま消えてしまった。
そして、これで鎧武を救出したと言えよう。それだけではない、鎧武は新たな力も手にいれたのだから。
ウィスパー「鎧武様〜!!」
あまりの嬉しさに鎧武にとびつくウィスパー。ジバニャンも嬉しくて鎧武にとびついた。
鎧武「お、おい二人とも!!」
ジバニャン「鎧武様、本当に無事でよかったニャン!!」
鎧武「それは良いとして……」
と、鎧武はエストに振り向いた。
鎧武「エスト、助けに来てくれてありがとうな。けど、俺は大丈夫だ。これからも法王として、お前たちの仲間として世界を救ってみせるよ」
エスト「え?仲間……?ということは……」
ウィスパー「まさか、鎧武様……」
鎧武「ああ、俺もお前たちの力になろう。これも法王命令だからな!」
ジバニャン「にゃんと!!」
ディケイド「よかったよかった」
こうして、鎧武は無事に救出し、エストの仲間にもなった。
一方、その頃…
イクサ「クッ……」
サイガ「うぅ……マッハ……サン」