トライエッジとの戦いが終わり、無事ドライブも救出出来たはずだった。
エスト「そんな……」
しかし、肉体は滅び、魂だけが残っていた。
急遽エストたちはホワイトレジスタンスに向かい、ドライブの魂をみんなに見せた。
エターナル「そんな……」
サイガ「オウマイガー……」
イクサ「かわいそうに……」
みんなもドライブの魂を見てショックを受けた。当然、最高の味方がこんな悲惨な状況になるのは誰もが落ち込むだろう。
白い魔法使い「とにかく、ドライブの魂は保管しよう」
ドライブの魂は、パイプ菅状のカプセルに保管された。
ベルト「ドライブ……」
ベルトさんは悲しげにドライブの名前を呟いた。しかし、魔法少年たちはすでに動き始めようとしていた……
「にしても、ドライブを殺すなんてすげぇな。サッちゃん」
けだるそうに話す、ギルティ・マギカはかつてドライブを圧倒的な力で倒したサーヴァンプ・マギカに言う。
サーヴァンプ「…俺は当然のことをしただけだ」
するとそこへ、パルキア・マギカが不満そうに同じ言葉を復唱した。
パルキア「妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましいぃぃ!!あんたが一番妬ましい!!」
ディアルガ「さすが七つの大罪を司る12天王の一人。だが僕には及ばないけどね」
ディアルガ・マギカも姿を現し、サーヴァンプ・マギカを褒める。が、自分の方が上だと思っている。
ディアルガ「しかし、なぜ貴方はドライブという雑魚を?」
サーヴァンプ「あの男は危険だからだ。赤い奇跡の光が灯っていたが、まだ弱い。だから大きく光る前に倒した」
ギルティ「なるほどねぇ。だからあんなやつ倒したんだな」
サーヴァンプ「しかし、奴等は新しい弟を殺した……」
パルキア「そ、それで何!?」
サーヴァンプ「だが肉体は滅ぶという設定であり、もう元の仮面ライダーには戻れん」
ディアルガ「ほう、なるほど。ではあいつらも絶望するはず…だね?」
サーヴァンプ「……正解」
と、サーヴァンプから不気味な笑みが溢れた。
その頃、エストたちは……
エスト「むう…」
ベルト「む…」
ジバニャン「ニャ…」
ウィスパー「むむむ…!」
と、ドライブの魂をずっと見詰めていた。
ディケイド「お前ら、いつまで見てるんだよ」
鎧武「あ、あれじゃないか?意識取り戻すと信じているって感じ?」
ウィスパー「ちょっとあんたたち!邪魔をしないでください!!」
邪魔をするなと、ウィスパーは二人に怒鳴った。二人は仕方なく、その場を離れることになった。
ジバニャン「…ニャ?」
「あ…うう……」
その時、ドライブの魂から微かな声が。
ウィスパー「おお!意識を取り戻したのですね!?」
ドライブの魂はわずかだが、意識を取り戻し始めたのだ。
エスト「ドライブさん!」
ドライブ「…エスト?」
ベルト「私だ!ベルトさんだ!!」
ドライブ「ベ…ルト…さん?」
ドライブは徐々に意識を取り戻し、やっとまともに喋れるようになった。
ジバニャン「やったニャン!ドライブの意識が戻ったニャン!!」
その光景に喜び合うエストたち。ドライブの意識が戻ったことが何よりも嬉しかったのだろう。
ドライブ「…俺は……一体どうしたんだ?」
ウィスパー「ドライブさん!貴方は肉体を失い、魂だけが残っています!!」
ドライブ「!!」
エスト「あれ?魔法少年になった覚えはないんですか?」
ドライブ「いや、覚えはある」
ジバニャン「オレっちたちも行ったけど、最後はわからなかったニャン」
ドライブ「じゃあ、俺が話すよ」
ドライブによると、彼はサーヴァンプ・マギカという魔法少年に負け、気を失った。だが目を覚ました時には謎の部屋で拘束されていた。目の前には3人の魔法少年が立っており、その魔法少年たちは呪文を唱え始めた。自分の状態が可笑しくなり、ついにその呪いに侵されてしまった。それから覚えてないという。
ウィスパー「ほほう、なるほど……」
ドライブ「けど、お前たちが助けてくれたおかげでこうやって話すことが出来たよ」
ベルト「だが、君は肉体を失っている。もう私とコンビを組むことは……」
ドライブ「…そうだな」
ジバニャン「そうだニャン……」
しかし、ドライブは既に肉体を失い、もうまともに戦える状態ではない、
エスト「何言ってるんだよ!!」
ウィスパー「うぃす?」
エスト「奇跡だよ!奇跡があればなんとかなるさ!!」
ベルト「奇跡?」
ドライブ「だが、俺の肉体は……」
エスト「大丈夫!体は奇跡を信じればなんとかなるって!!」
ドライブは必ず復活すると信じ、エストはみんなを励ました。
鎧武「エスト……」
ドライブ「…そうだな。奇跡を信じれば、俺はもう一度……」
その時、サイレンが鳴り、赤いランプが点滅した。
ウィスパー「む!これは…!!」
ディケイド「魔法少年か」
エスト「みんな、いきましょう!」
鎧武「ああ!」
エスト「あと、ドライブさんも!」
ドライブ「え?俺も?」
エスト「当然です!」
ウィスパー「私たちがお守りします!!」
ドライブ「…サンキューな」
エストたちは、すぐ魔法少年がいるところへ向かった。
___魔法少年の秘密基地
魔法少年の秘密基地に着いたエストたち。どこか冷たい空気に殺気を感じる。
ベルト「ここは…、かつてドライブが捕らわれの身となったところ……」
「その通りだ…クリム・スタインベルト」
その時、冷徹な少年の声が彼らの耳に伝わった。
鎧武「誰だ!!」
ジバニャン「姿を現すニャン!!」
「……すでにいる」
と、背後からまた同じ少年の声がした。その声は凜としているが、やはり冷たい。少年の声にエストたちは振り向くと、銀髪に赤い瞳をした少年が立って。そう、それが少年の声の正体であり、ドライブを倒した張本人だろう。
ウィスパー「あんた!誰ですか!!」
「サーヴァンプ・マギカ。12天王の一人だ」
そう名乗る、サーヴァンプ・マギカ。
鎧武「お前、ドライブに何をした!!」
すると、サーヴァンプは残念そうに言葉を返した。
サーヴァンプ「誠に残念なのだよ、せっかく弟が出来たというのに……。ドライブにすぐ失望されるとはね。でも、君たちが来たからちょうどいい……。ここで復讐を果たそう」
ウィスパー「復讐ですって!?」
ディケイド「お前はブラコンか」
サーヴァンプ「しかし、ここにいる魔法少年は俺一人ではあるまい。来い……」
すると、三人の魔法少年が突然現れた。一人は、クリスタルのヘアアクセに青い髪をした少年、もう一人は、ピンクの瞳に銀髪の少年、最後の一人は、金髪にロングコートを着た少年。
ギルティ「お目にかかるぜ、エストさんたちよぉ。俺はギルティ・マギカ。第28の魔法少年ってもんだ」
エスト「…なんで!?なんで僕たちの名前を!?」
ディアルガ「僕は第29の魔法少年、ディアルガ・マギカ。お前たちのことは分析済みだ」
パルキア「…ヒツ!?もう俺!?お、俺は…パ、パルキア・マギカ。第30の魔法少年だよ!!」
ディケイド「なんかツンデレって感じだな」
パルキア「てか、あいつら強そうで妬ましい!!」
ディアルガ「相変わらずだな。強さとか美しさを察知して嫉妬するなんてさ」
嫉妬するパルキアに呆れるディアルガ。
エスト「てか、よくもドライブさんにひどいことをしたな!!この最低野郎め!!」
サーヴァンブ「ああ、最低野郎さ。何故なら俺は7つの大罪を司る者だからね」
ギルティ「それより、お前らは邪魔くせぇやつだ。ここで死んでもらうぜ!」
ウィスパー「来ますよ!!」
エストたちはすぐ攻撃体勢を取った。
エスト「いくよっ!スターライトレヴァリエ!!」
大きな白い星を召喚し、それをギルティ・マギカに当てる。しかし、ギルティ・マギカは余裕の笑みを浮かべ、かき消したのだ。
ギルティ「ディメンション・バリア!へへっ、俺は境界を操れるんだぜ?」
エスト「くっ…!」
その頃、ディケイドはパルキアと熱い戦いを繰り広げていた。
ディケイド「耐えられるか?仮面夢想封印!!」
パルキア「吸収の異空間!」
バルキアが放つ小さな異空間でディケイドの技を吸収した。
ディケイド「やるな」
パルキア「あんたが妬ましいんだよ!!」
そして、鎧武もディアルガとほぼ互角の実力で戦っていた。
ディアルガ「クイック・シャワー!」
音速で放たれる氷のつぶてを鎧武はオレンジヴィオラで弾き返す。
鎧武「法王を甘く見るなよ!!」
『ヴィオラ・シンフォニーモード!!』
鎧武はオレンジヴィオラを変形し、音を奏でた。
ディアルガ「フッ、音で攻撃するというわけか!!」
一方で、ウィスバーたちは戦う三人を見守っていた。
ウィスパー「鎧武様、大丈夫でしょうか……」
ジバニャン「オレっち不安ニャン……」
その時、背後から細いてが忍び寄った。それはサーヴァンプの手で、ベルトさんを一瞬の隙も見逃さず奪った。
ジバニャン「あ!ベルトさん!!」
ベルト「サ、サーヴァンプ…!何するつもりだ!!」
サーヴァンプ「君を殺すよ。邪魔だからね」
ウィスパー「あんたちょっと!ベルトさん返して下さい!!」
サーヴァンプ「黙れゲスどもが」
サーヴァンプは風で二人と突き飛ばした。
エスト「ウィスパー!ジバニャン!」
鎧武「くっ、よくも二人を!!」
ディケイド「お仕置きが必要だな!覚悟しろ!!」
三人はすぐ、専用のステッキを出した。
エスト「スターライトステッキ!」
ディケイド「ディスティニータクト!」
鎧武「スカイキングダムタクト!」
それでも目が怒ってる彼らに対し、平然としているサーヴァンプ。彼は既に読み取っているのだろうか。
エスト「グリモアチップ!ホワイトスター!」
ディケイド「ブラックディスティニー!」
鎧武「ブルーラヴァース!」
三人はそれぞれのグリモアチップをステッキにセットすると、大きな魔法陣を描き、強烈な光線を放つ。
「「「三つの光よ、今一つに!フォーチュンスターシャイニング!!」」」
光線は勢いよくサーヴァンプに向かって放つ。しかし、ギルティ、ディアルガ、パルキアの三人が庇い、三人は消滅してしまった。
鎧武「庇ったか……」
サーヴァンプ「ほう、自ら犠牲にして俺を庇うとはね。少しはやるじゃないか。でも、これがどうなってもいいかい?」
と、サーヴァンプはベルトさんを見せた。
エスト「ベルトさん!!」
鎧武「貴様!卑怯だぞ!!」
サーヴァンプ「生きる為には手段を選ばない。それが俺だよ」
ウィスパー「ベルトさんを返してください!!」
ドライブ「そうだ、ベルトさんから離れろ!!」
サーヴァンプ「否定する」
サーヴァンプの口から、冷たい言葉が放たれた。それを見たエストの怒りは頂点に上がり、再びステッキを降る。
エスト「ベルトさんを返せ!!スターライトエボリュウム!!」
しかし、サーヴァンプは星の光を片手で止めた。
サーヴァンプ「星の力…実にくだらない」
ディケイド「くっ、だったらこれならどうだ!?」
すると、また三人は強力な魔法陣を描く。
「「「フォーチュンスターシャイニング!!」」」
この技ならサーヴァンプを消せれると誰もが思った。しかし、サーヴァンプは受けないどころか、技を吸収し、そのまま返した。
エスト「うわあぁぁぁぁ!!」
その衝動にエストたちは一気にぶっ飛ばされた。
ジバニャン「エスト!!」
ベルト「最強の技も効かないのか……!!」
サーヴァンプ「フフフ……。汝、一切の望みを捨てよ…ってね」
エスト「望みを…捨てるもんですか……!!」
その時、エストがゆっくりと立ち上がった。
サーヴァンプ「ん?」
エスト「希望や奇跡を信じれば…、きっと勝てる……。僕はそう信じて戦ってきた!!ドライブさんだってそう、自分の可能性を信じてるから、強くなってる……そんなことをバカにするなんて許せない!!あんたなんか、最低クズ野郎だ!!」
ドライブ「そうだ、俺だって未来を信じて戦ってきた……!!だから、俺は魔法少年を止めたい。そして、ずっと平和な世界を守りたい。
俺に、俺に奇跡を!!くれぇぇぇぇぇ!!!」
その時、不思議なことが起こった。
突然ドライブの魂が光り、カプセルを貫く。そして、ベルトさんに触れると、パアッと光が全体を包み込む。光が消えた瞬間、そこには……
エスト「ドライブさん…!」
仮面ライダードライブの姿があった。
ドライブ「ただいま、ベルトさん」
ベルト「おかえり、ドライブ」
ドライブの言葉に、ベルトさんは優しく返した。
サーヴァンプ「予想外だ…、なぜこんなことに!?」
ドライブ「なんでだろうな?奇跡を信じたって感じかもね」
サーヴァンプ「奇跡?そんなもの関係あるかぁぁぁぁ!!」
サーヴァンプは冷静さを失い、ドライブに突進してきた。
ドライブ「俺の新しい力、新しい奇跡を見せてやる!!」
ドライブはシフトトライドロンを上に投げた。すると、シフトトライドロンは赤いステッキに変わった。
ドライブ「正義の力よ、今ここに!クリムゾンセイバーフルーレ!!」
ウィスパー「おお!ドライブさんに新しい力が!!」
ドライブ「グリモアチップ!ジャスティススカーレット!!」
ステッキ、いや新しい武器にグリモアチップをセットすると、大きな魔法陣を描く。そして、その魔法陣にステッキを差し、技を放つ。
ドライブ「砕け、正義の鉄槌!ジャスティス・インフェルノ!!」
正義の炎が、サーヴァンプを激しく包み込む。
サーヴァンブ「嘘…だ……!死に、たく…ない……!!」
しかし、彼の言葉は叶うことはなく、そのまま消滅してしまった。
サーヴァンプが消えた後、ドライブはほっと胸を撫でおろした。その時、エストたちが飛び付いてきた。
エスト「やったー!悪いやつ、倒しました!!」
ドライブ「ちょ、おい!飛び付くなよ!!」
ディケイド「まあいいじゃないか。一見落着で」
鎧武「そうだな」
その後、ドライブはエストたちと別れ、バスターズ本部へ戻った。
一方、魔法少年たちは……
「チッ、あのナルシストが殺されたか…。これで何度目だよクソがっ」
荒々しい口調でサーヴァンプの死に不満を抱く赤毛の少年。
「まあいいですよ。あんな役立たず、足手まといになるだけです」
と、冷酷そうに言うのは水色の美しいポニーテールの少年。
「ね〜え?フライング先輩、どうするんですかぁ〜?」
ほんわか口調でフライングを尋ねたのは、童顔で小柄な少年。
そして、真ん中に立っていたフライングは……
フライング「フッ…まあいい。いずれ無力だ。ここからは我々、11天王が奴等を潰そう」