平和を取り戻したかと思いきや、まだ終わりでないとサクリは言った。彼は、自らの主人が動き出した……と。
サクリは神の境界はネブラ渓谷に近づいていると教え、エストはたちはネブラ渓谷へ向かった。
ネブラ渓谷の頂点の先には……
エスト「お、お前は……!!」
なんと、フライングがいた。
フライング「なぜここが!?フッ、そうか……」
しかし、いつものフライングのではない。なぜならこれまでとは違う殺気が漂っているからだ。
鎧武「フライング!やはりお前、生きてたのか!!」
フライング「ああ、生きていた。だがあの男はもう必要ない。我は、本当の主に従い、準備をしているところである」
ドライブ「その準備ってなんだ!!」
フライング「決まってるだろう。この世界を絶望と恐怖に染め、支配をするためのことだ。
だが貴様らは邪魔をする……だろ?」
ジバニャン「もちろんだニャン!お前の好きにはさせないニャン!!」
他のヒーローたちもフライングを否定した。
フライング「そう思ってたぞ。主のためなら我はどんな手段も選ばぬ!」
エスト「おい待て!その主ってなんだ!?」
エストは主は誰なのか問う。すると、フライングからこんな言葉が出た。
フライング「主?ああ、サクリというゴミではない。我の本当に従っているのは、神を越えし存在、博麗想磨!!」
ディケイド「……想磨!?」
ベルト「やはり、フライングも想磨に従っているのか!!」
フライング「その通りだ。主は父親に裏切られた憎しみの深さはブラックホールのごとく!だが、主は貴様らには止められぬ。なぜなら、主は絶大な力を得ているからだ!!
それに対し、サクリ・ハクレイは馬鹿で愚かな男だ。我を信用してもない男が、ヒーローに負けるなど我を失望させたからなぁ!!」
エスト「サクリさんを侮辱するな!!あの人は、僕に希望を、勇気をくれたんだ!!」
フライング「ククク、魔法少年など我の手駒に過ぎぬ。魔法少年どもを殺した貴様らには、この我が邪魔をさせぬと共に叩き潰してやろう!!この力でな!!
はああぁぁぁぁぁっ!!!」
すると、フライングは凶悪な怪物の姿へと変わった。
フライング「我は、境界を貫きし者!フライング・アビス!!この手で貴様を残らず抹殺してくれる!!」
エストたちは武器を手に取り、怪物へと化したフライングに立ち向かった。フライングの力はサクリよりも遥かに強く、近くにいるだけで吹き飛ばしてしまう程だった。
だがエストたちは諦めず、戦うがやはりフライングの力は強すぎるあまり、大きなダメージをくらってしまった。
フライング「我は元々、神界の精霊だった。しかし光の戦士が邪魔をし、我を滅ぼした。その時に手をさしのべてくれたのが主である!主は我を魔法少年として転生させ、我に絶大は力を授けてくれたのだ!だから、我は貴様らヒーローには負けぬ。この力で地獄へ葬ってやろう!!」
すると、フライングは魔力の弾丸を無数に撒き散らし、エストたちを地面に叩きつけた。これが、フライングの本気であるというのなら、この世界は確実に滅ぶ……。そうはさせないとエストたちは何度でも立ち上がる。
鎧武「お前は何が目的なんだよ!!」
と、鎧武はフライングに尋ねた。
ウィスパー「鎧武様!敵の挑発に乗ってはいけません!!」
ジバニャン「そうだニャン!やられちゃうニャン!!」
二人の妖怪は鎧武に注意したが、フライングは鎧武の質問通りに答える。
フライング「我は、主のために動く存在。主が望むものなら、我は何があってもこなす。
……では、貴様らヒーローは何なのだ?」
ディケイド「平和を守るため、戦うに決まってるだろ。お前はそんなことも知らないのか」
フライング「そうか……。平和を守るために戦うのか。
フハハハハ!実にくだらん!貴様らヒーローは本当に愚かな意思を持ってるのだな!!
こんなくだらぬ雑草は、この我が全て刈り取ってやろう!!」
フライングは言葉通り、エストたちヒーローを片腕だけで吹き飛ばした。
エスト「ぐああぁぁっ!!」
ウィスパー「ちょっと、私まで!?」
ジバニャン「ひ、卑怯ニャン……」
ウィスパーとジバニャンまで吹き飛ばしてしまう彼の姿は、まさに悪魔とも言えるだろう。
しかし、エストたちはそう簡単には諦めなかった。
エスト「まだだ……。まだ諦めない!僕たちは、全力で前へ進む!!」
すると、エストたちは前と同じ、ステッキを虹色に輝く剣に変え、大きな魔法陣が浮かび上がると、虹色に輝く巨大な剣が現れた。
「「「レインボー・セイバー!!!」」」
4人が同時に叫ぶと、その巨大な剣は大きく振り下ろされる。
巨大な剣はフライングの歪んだ心ごと突き刺さった。
フライング「ぐあぁ……ば、バカな……」
強力だったフライングをなんとか倒したエストたち。
フライング「フフ……強い、な……だが貴様らは絶望する……。
ああ、想磨……様……」
やっとフライングは哀れな結末で幕を閉じた。
ウィスパー「これで魔法少年に全員勝ったと言えるのでしょうか?」
ディケイド「そうだな」
しかし、境界らしき空間がどこにも見えない。すると、かつて魔法少年の王だったサクリが顔を出した。
サクリ「皆さん……」
鎧武「サ、サクリ!!」
サクリ「この境界は、貴方たちの力が必要です。さあ、その力を使い、道を切り開きなさい」
エスト「分かりました!」
エストたちは、それぞれのグリモアチップを上に掲げた。
サクリ「神の境界を切り開く4つの力!運命、法王、正義、そして星よ!神の境界に道を!!」
すると、境界が破れ、その穴から空間ができた。
ウィスパー「おぉ!すごいでうぃす!」
鎧武「あとは、ここに入るだけだな」
ディケイド「この先に想磨が……」
ドライブ「行くしかないか」
エスト「よし、行きましょう!」
エストたちは光の道に足を踏み入れ、神の境界に入った。そう、世界のためにも、この戦いは逃れられないから……。