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原初であり終焉の魔神の幻想入り 「ZERO人里へ行く!」
作者:肉ダルマ   2017/04/15(土) 17:14公開   ID:OIbenYp6iwM

 これまでのあらすじ

 幻想の存在と人が共存する異界……幻想郷の住人である博麗霊夢は奇妙な物語を見た翌朝に友人達と会話をしていると空間を裂き夢の中で見た巨人が現れた。

 それは世界を裂き、世界を飲み込み、世界を滅ぼし、そして世界を創造した究極の神を超え悪魔を滅ぼす究極の魔神……その名はマジンガーZERO!!



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 暴風にも似た衝撃波を放ちながら名乗りを上げたZEROはとある方を見て、それから霊夢の方を見た。

 
『そういえば人が多い所はあの集落のようだな?』

「っ!!あんた……いやZERO、何をするつもりなのかしら?」


 終焉の魔神……マジンガーZEROが人里へ行くと言ったのを恐怖した霊夢は即座に理由を求めた。ZEROの力は夢の中で見たのでどれほど恐ろしいかは理解している。ZEROが夢の中で見せた力……七つの魔神パワーによって作り出された光景はもう忘れることはないだろう。


 人里。この幻想郷の無武装地帯であり安全地帯であるため人間が暮らす最大エリアだ。最強の妖怪だって人形使いの魔女だってこの幻想郷の賢者でさえ争いを避ける大切な場所だ。


『決まっているだろう……観光だ』

「……は?」


 突然観光と言われて言葉が止まる。そんな禍々しいナリで観光と言われても反応に困るだけだ。だいたいそんな眼力全開にしても観光なんて説明がつかない。


「いやいやデカすぎるからさすがに無理があ……る……ぜ?」


 魔理沙の発言を聞いてからマジンガーZEROの姿が急激に縮だし、大体2メートル半程になり嘗ての50メートルほどの巨人からこんなに縮むとは思わず目の前に腕を組みしてやったりと笑ったZEROがグッグッと唸っていた。


『これで問題はあるまい?』

「まさか体積密度を圧縮したのか!?いやでも……あー!!訳分からないのだぜ!」

『簡単なこと、我が力で体の構造を組み替え、さらに機能も変えずにダウンジングしたのだ。不安定要素を省くために確率も操作したが』

「確率も操作したって…それってまじんぱわーってやつなの?」

『そうだ、これこそ七つある内の一つ、第6の魔神パワー……因果律兵器。認識できるならその発生確率を自由にコントロールする能力だ。そしてもう一つ……第3の魔神パワーである変態を使った』


 魔神パワー……マジンガーZEROが持つ超エネルギー光子力に含まれる特殊能力。全てで七つ存在しているが今回使ったのは第6能力である因果律兵器だ。あらゆる確率、可能性、現象等を手繰り寄せ使役する能力である。

 更に第3の魔神パワーである変態を使用してより細かな調整を行った。この魔神パワーは体の一部から新たな武器を創造することも出来るなど応用が良い。


『他に用はないな?では行かせてもらおう』


 背中の0……Zという文字が変質したようなものだが、それから光が漏れるとふわりと浮かび上がりあっという間に飛んでいってしまった。


「……霊夢、追いかけるか?」

「そうするわ……あんたらは?」

「とりあえずお嬢様に報告するわ。絶対に喧嘩を売らない様にしないと!」

「私もあのお2人に伝えてきます……もしかしたら妖怪の山が吹き飛ぶかも知れませんが」


 それぞれは動き出す。霊夢と魔理沙はマジンガーZEROの行動を知る為、早苗と咲夜は主にこの存在を知らせ騒ぎを起こさないようにするため……。


 ~魔神移動中~


『さて、ここら辺で十分か』


 マジンガーZEROは人里の近くに着地してから歩き出した。さすがに門があるから歩いて入った方がいいと考えていた。少し歩くとどこかの世界で見たことあるような巨大なダニみたいな変なのが酸らしき者を飛ばしているのを見つけた……確かAMI─────。辞めておこう、とりあえず邪魔なので消し飛ばそうとしたがこの生物が死ぬ際に塩酸をばらまき爆発するのを思い出して別の方法で倒すことにした。

 一気に背後から接近、上空に投げ飛ばした後にマスクは割れないような出力で竜巻を吐き出した。


『ルスト……ハリケェェェエエエエン!!!』


 凄まじい酸の竜巻を空に向かって吐き出しダニもどきは灰すら残さず消し飛んだ。

 ルストハリケーン。かつてZEROが戦った機械獣やミケーネの戦力を……並列世界によってはユーラシア大陸を消滅させた天変地異の化身たる滅びの嵐。流石に威力調整はしたので風速30メートルほどの威力に変えた。無論魔神パワー因果律兵器を起動させて二次被害はZEROである。

 静寂が戻り再び歩こうとしたZEROは林の近くで隠れる少女を見つけた。外見的特徴等を因果律兵器で情報を取り寄せて確認した。


『紫の髪の毛に特徴的な髪留め、上級階級の者が着る和服……のアレンジと思われる服装、手に持つ生態調査の巻物……間違いない稗田家9代目稗田阿求。幻想郷伝記等の著作者でもある人物と断定』


 稗田阿求。この幻想郷での知識人であり転生を繰り返す存在……この幻想郷での妖怪の対処法などをまとめた幻想郷伝記を制作した人物だ。恐らく先程消し飛ばしたダニみたいなのを観察したが大方護衛などもいたがはぐれた際に襲われていた……という所だろう。

 転生体という希な存在なので少し興味は湧いたが……我慢する。流石にこの姿は恐ろしいのか微かに怯えている……せめてZになれれば……この姿がこの時ほど恨めしく思ったのは初めてだった。


「食べても美味しくないですよ!?」

『カニバリズムでもないのに人間を喰らうわけないだろう。それに我は妖怪ではない……機械仕掛けの神デウス・エクス・マキナだ。それに仮に喰らったとしても大したエネルギーにはならんだろう』

「何気に酷くないですか?それよりなんで私の名を……」

『話は後だ、人里に行く道を教えてもらおう……なにただの観光だ』


 言うなりZEROは阿求を自身の背中のZEROスクランダーを水平に傾けその真ん中に乗せて移動し始めた。


「貴方も幻想入りしたのですか?」

『幻想入り?違う……我は自力でこの幻想郷へとやって来た。何処かの地平で……どこかの世界でこの世界を見た者達の記憶を元に我はやって来た』

「まるであのスキマ妖怪ですね。もし宜しければ貴方の事を教えて貰ってもよろしいでしょうか?」

『幻想郷伝記に載せるのか?我は構わん』

「そうですか……では」


 それから人里へ行く間に稗田阿求はマジンガーZEROへと話を聞いた。自身の正体、名前、生い立ち、そして今に至るまでの記録を聞いて見て感じ、そして新たな記憶となった。

 見ず知らずの自分を助けた魔神は誰もが悪魔と呼んでも彼女からしたらヒーローだった。

 暫くしてからマジンガーZEROと稗田阿求は人里へと到着した。門番と揉めそうになったが阿求を助けたと言うことで信頼を得ることが出来た。

 ズシンズシンとその足を進めるマジンガーZEROは人里でも一際目立っていた……だがZEROは気にしなかった。ZEROは昔の時代の知識はあってもそれを体験した訳では無い……故に自分が存在した時代より過去の文明でありながら所々にある新しい機器などを見て知識を広げていた。

 故にZEROは満足していた……人里の中でも妖怪もいた。強いと思い戦うのも良いが霊夢が見せた表情から人里で暴れるのは良くないと思い我慢した。ふと考えこの時代系列の教育機関を思い出してそこへと向かった。


 寺子屋……確かそう呼ばれたのが江戸時代などで世界的に高い勉強率を維持させたことなどを思い出しながらZEROは思考の海へと意識を落とした。


~幻想郷伝記~

【原初であり終焉のスーパーロボット】マジンガーZERO
 種族?デウス・エクス・マキナ
 能力『七つの魔神の力を操る程度の能力』
 身長2mから50mほど
 体重250kgから50tほどかそれ以上?
 人間関係・中
 妖怪関係・中
 性格・上から目線かつ面倒見がいい
 使う力……光子力と魔神パワー

 スペルカード
 永劫酸化「ルストハリケーン」
 灰燼滅却「ブレストファイヤー」
 光刃「サザンクロスナイフ」  
 天裂「アイアンカッター」
 人理焼却「ダイナミックファイヤー」
 光導幾千「光子力ビーム」
 「ファイナルブレストノヴァ」


 遥か異なる時空の彼方からやってきた機械仕掛けの神。本来は姿や名前が異なるようだがなぜか戻れなくなったそうだ。正に魔神と呼ぶしかなく言動が上から目線だが何気に物事には正直で知識欲が強い。特徴的なその姿は能力の目覚めとともに本来の姿からムキッとしてしまったらしい。以前よりは収まったものの比較的好戦的だが下手すると星が消し飛ぶなんてことが当たり前らしく命の保証はない。幻想入りではなく自力で来たとのこと。

 魔神パワーと呼ばれる七つの力をコントロールするのが能力だがそれぞれ一つずつ単体能力なので気を付けるように。著者もその力の一端を目撃している為にこれは警告として受け取ってほしい。



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