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Fate/Heroes of mythology〜神域追想呪界〜
樹海
(Fate/stay night×乃木若葉は勇者である)
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勇者御記 ■■■■■■年
       ■■■■記
       ■■済


巴御前に抱き抱えられ、少女に誘導されて炎の海を走り続けて数時間、立香達は見上げるほど巨大な植物の根で出来た壁に行き着いた。
「さぁ着いたぞ」
「ここは・・・一体・・・?」
立香の問いに少女は応える。
「ここが、人が神樹様に護られる安寧の箱庭『四国』だ」
「神樹様?」
「ん? 神樹様を知らないのか? もしかして何処か他の地でいたのか?」
「えっと・・・ヒマラヤ・・・辺り・・・かな?」
実の所、立香は自身がいるカルデアが何処にあるのか良く解っていない。
今言った事は標高の高い雪山に存在しているらしい、という情報からヒマラヤ辺りではないかというただの推測でしかない。
「ヒマラヤ!? あんな遠くからよくここまで・・・他に生き残りは!? 君達の所はどれだけ生存者が? 今もまだ生きているのか!? ここに来るまでで他に生き残っている人々を見なかったか!?」
「え、ちょっ・・・ちょっと・・・」
そんな立香の答えに少女は猛烈な反応を示した。
「質問攻めは後でも良いのではありませんか? アレらの姿がまた、見えますよ」
「あ・・・いや、すまない。『バーテックス』に追われて疲れているだろうに、つい気が逸って・・・こっちだ、来てくれ」
巴御前の制止に少女は我に返り、謝罪すると軽々と壁の上に飛び上がった。
「御前、あの人サーヴァントじゃあ・・・?」
「アレは・・・恐らくは人・・・です・・・かね? すみません、私ではどうとも言えません・・・」
「えっと・・・じゃあ人間って事かな?」
「我々は英霊であればすぐにでも分かりますが、あの方は・・・私では何とも・・・それよりマスター、少々失礼」
巴御前は立香を抱き抱え直すと、一足飛びに壁に飛び乗る。
「御前、ごめんね」
「何を仰います。主を抱き抱えられる名誉を誇りこそすれ謝られる事などありません」
立夏は先の戦闘で魔力の枯渇とリミッターを外しての筋肉の酷使で極度の疲労から動く事が出来なくなっていた。
立香はこんな事はグランドオーダー中何度もあったし、下総国で『酒呑童子だったモノ』に腹を抉られた際も少し休んでからなら動けたのだから、休めば動けると言ったのだが、巴御前がその身体では再度襲撃を受けた際に行動が取れないだろう、と半ば強制的抱き抱えられ今に至っていた。

立香達が飛び上がった先には少女が待っていてくれた。
「その跳躍力・・・やはり貴女も『勇者』なのだな。彼の遠き地よりこちらまで来られた理由が良く解った」
「え・・・勇者・・・あ〜・・・え〜っと・・・」
「ええ、私達は『勇者』です。私は巴、もう一人の方は牛若。我等はこちらの藤丸立香様に忠義立てする者。以後お見知りおきを」
『勇者』
その単語が牛若丸や巴御前に向けられている事に気づき、立香がどう言おうか悩んでいる間に巴御前が素早く自分達の身分を偽って伝えてしまう。
「ああ・・・うん、そう、そうなんだよ」
「では藤丸さんは『巫女』という事に?」
「そうなります」
「ちょっ、御前・・・」
「今は話をお合わせ下さい。何かあれば巴が責を負います」
巴御前が勝手に話を進めるので立香が抗議しようとすると、巴御前は小声で立香を制止した。
「それは良かった。『巫女』は今この四国に居なかったので是非とも神樹様の御意思を聞いて頂きたいのだが・・・構わないだろうか?」
「その前に、貴女のお名前は? 我々は貴女の名前を知りません。知らぬ者の手伝いを主殿にさせるわけにはいきません」
話の途中、何も言わずとも後詰を引き受けてくれていた牛若丸が壁に上がって来て早々に声を挟んできた。

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