‐西暦2200年。地球連邦軍はラグナロク作戦に基づいて各地の軍の指揮系統を再編。
レビル将軍自らが陣頭指揮を取る形でビックトレー級を移動司令部にし、レビルはそこで各地の戦線の情報を仕入れ、指示を下していた。


‐ビックトレー級 会議室

「将軍、仮面ライダーV3から調査の報告が来ました!!」

「来たか!」

普段、冷静沈着な態度を崩さないレビルも、極秘で進行させているフォールド爆弾回収作戦に重大な影響を及ぼす可能性が高いスイス近辺の調査状況が伝えられると、色めき立たない訳にはいかない。何せスイスには虎の子の切り札であるロンド・ベルを向かわせてしまったからである。
ロンド・ベルは現時点でも連邦軍最強戦力であり、それを失うわけにはいかない。レビルもこれには焦りを見せる。

「それでV3はなんと言っているのだ」

「はっ。読みます。フォールド爆弾はスイスの地下司令部に運びこまれた模様。ただし全部では無く、一発のみである……以上です」

「そうか。全弾ではないのが不幸中の幸いというべきか……いや最後の通信では`一発は使用出来る状態だったときいている。その一発か……」

「その確定はまだですが、最悪の事態を想定しなくてはなりません」

「そのために彼等を呼んだのだ。上手くやってくれる事を祈るしか無い」

レビル将軍は最悪の事態に備えて仮面ライダーやスーパー戦隊に助力を乞い、彼等の協力を得ることに得た。それ故に彼等の大いなる力に期待をかけている。そしてサンダーボール作戦に従事しているハルトマンらにこの事項を緊急通達するように指示した。幕僚らはレビルが珍しく焦りを見せる様に、事態の重大さを実感したという。






‐ラー・カイラム 周辺上空


「こちら高町なのはです。今のところは敵影
ありません」

「そうか。こちらのレーダーでも今のところ
反応はない。あと1時間くらいで交代だからそれまで頼むぞ」

「了解です」

なのはは空戦魔導師である都合上、ロンド・ベル内では空戦部隊に配属され、智子共々、ルーデルの配下に収まっていた。空戦魔導師という存在をどう用いるべきか悩んだもの、ルーデルが`ウィッチ同様に扱えばいいと提言し、それ以後はローテーションに組み込まれ、一週間の内の三日を目安に、数時間づつ哨戒飛行をしているのだ。運用単位的にはウィッチと同等とされ、戦略的なパワーを持つため、ある意味ではスーパーロボット並だと首脳陣の間で評判であった。


‐なのはは飛んでいて、空を普通に地球人が造った宇宙戦艦が飛び交っている風景に改めて驚きも一塩であった。

‐そーいえばいかにも戦艦らしい宇宙戦艦と何回かすれ違ったなぁ。アースラとかみたいなのがむしろ珍しいのかなぁ。

なのはは地球の宇宙戦艦と管理局の船の違いを改めて考えてみる。地球連邦軍の艦艇はペガサス級強襲揚陸艦しかり、新マクロス級しかり、先ほどすれ違った主力戦艦級(ドレッドノート級)しかり、かの宇宙戦艦ヤマトしかり。イメージ的には二次世界大戦の時に大海原の王者だった頃の戦艦のそれを引き継いでいる印象が強い。
特に主力戦艦級や宇宙戦艦ヤマトはそれが色濃く表れている。

「地球の宇宙戦艦って、二次大戦の頃の戦艦みたいな形してるのが多いんだよね。ヤマトなんて戦艦大和の残骸をそのまま使って造っちゃったし……考えの違いかな」

管理局の艦船は地球連邦軍の艦艇で言えばエクセリヲンやヱルトリウム級のようなタイプに分類できる。考えの違いだろうが、地球では外観的に少数派であるのか、管理局では主流なのは不思議だ。

「あ、コスモタイガーだ。どうしたのかな?」

なのはの前に別の部隊のコスモタイガーが飛来する。コスモタイガーの中では珍しい三座型で、塗装も現在主流になりつつある旧日本海軍色ではなく、旧来のものだ。レーダードームを背負っている事から、即席で早期警戒機に改造されたタイプだろうか。

「ロンド・ベルへ。こちら第113警戒飛行隊所属`リバディ1`。応答されたし」

『はい。こちらロンド・ベル所属、高町なのは少尉です。ブライト艦長に取り次ぎします

『頼む』

ちなみになのはは地球の機動兵器との通信用に、ウィッチ用の通信機を耳にしている。その方がウィッチなどとの連携に便利だからだ。彼女はラー・カイラムへ通信を取り次ぎする。警戒仕様のコスモタイガーのパイロットはブライトと何分か話す。切羽詰まった事態と言うことはパイロットの息遣いや言葉の調子から分かったが、スイス方面の敵戦力は減衰して、まともな抵抗はないはずと聞いているが……。


『なのは、哨戒が終わりしだい、フリーディングルームへ来てくれ。重大な事が分かった。
厄介な事になった』

ブライトが直接通信してくるから、よほど予想外の事態がスイスで起こったのだろうか。
なのはは不思議と嫌な予感がするのを感じながらこの日の所定任務を務め上げ、取り敢えず後方に回りこみ、着艦用カタパルトに`着艦`した。


‐3時間後 ラー・カイラム フリーディングルーム

「みんな、友軍から重大事項が通達された。現在、スイス方面に我軍が極秘に送り込んだ可変爆撃機`VB‐171が墜落した。この爆撃機には極秘事項だが、新型の爆弾である`ディメンション・イーター`、通常、フォールド爆弾が積まれていた」

「フォールド爆弾だって?例のフロンティア船団が投入したっていう……」

「上はあんな兵器を用意してたのか?」

ロンド・ベルはスーパーロボット乗りやガンダムパイロットなど、名うてのパイロット達が主戦力になっている面があるが、護衛のクラップ級巡洋艦を中心に、RGM‐89`ジェガン、RGM‐122`ジャベリンなどの量産型モビルスーツ、VF‐19Fなどの制式量産機も複数保有しており、そのパイロットももちろんいる。なので実は大所帯である。ロンド・ベルは設立時の目的故に高練度のベテラン勢が集められており、ガンダムパイロットなどを除けば、若年兵はむしろ少数派であった。



「これはスイスを調査していた仮面ライダーV3から通達された事実だ。プリベンターなども動いているが、最悪の場合、敵はそれで自決することも考えられる」

「プリベンター?」

それはなのはには聞き慣れない単語であった。
詳しく説明すると、軍が現時点では外宇宙などの脅威と戦うための組織となっているのに対し、彼等は主に地球圏の火種を抑えるための組織として設立された。これは地球圏の平和を志向する政府内の派閥が、グリプス戦役時のような軍の暴走を抑えるための監査組織を模索していたのと、平時においてはめったに動けない軍に代わり、警察機構では対処不能な事件への対処法を考えていた前大統領が思惑の一致で、任期3年目あたりで設立させた組織。
政府直轄機関なので、表向きは情報部内の部署だが、実質的には過去の戦乱の際にティターンズとは反する思想のもとに戦った特殊部隊の一つではあったもの、最終的には独自の組織化した`OZ`の主要メンバーの多くがこの組織に横滑りするかのように移籍し、ある意味では実力組織の面も併せ持つ。ちなみにガンダニュウム合金を装甲に使うガンダムとそのパイロットもここに属している。

「ああ、政府の機関だよ。俺たちは平時だとおいそれと動けないから、そういう時とか、
ケーサツじゃ抑えられない規模の事件とかに対処するためとかの機関さ」

「そんな機関があるんですか」

「まあ要するに火消しの役目を負った機関さ。
俺たちの戦友もそこにいる」


なのはの隣に座っているシーブックは小学生であるなのはにも分かりやすくプリベンターについて説明してやる。自分の妹のリィズを思い出したのか、シーブックはどことなく懐かしそうな素振りを見せている。

‐このくらいのの子見てるとリィズの事思い出すなぁ。あいつ……元気してるかな?

シーブックはコスモ・バビロニア建国戦争から長らくモビルスーツパイロットを努めてきた。白色彗星帝国戦時からは正式に軍のパイロットになったので、ここ数年は家族と会っていない。ふと、家族の顔が浮かんだのだろう。そして、ブライトの話は続く。




「既に我が隊を追ってヒーロー達が何人かこちらへ向かっている。我々は彼等と協力して事に当たれと上層部から通達が出された」

ブライトの説明は要するにヒーロー達と共同作戦を行う旨のものだ。最も日本に限って何故、そんなにヒーローがいるのか、なのはに限らず、ドラえもんにとっても疑問であった。
スーパーヒーローというのはアメリカがアメリカンコミックで確立させた概念だからで、日本にもチャンバラ映画の主人公などが似たような役目であるが、現代的ヒーローが現れるのは戦後の事だ。ブライトの説明が終わり、各自、解散する。なのははドラえもんを引き止めて雑談に入った。

「ドラえもん君、どうして日本に限ってヒーローがこんなにいるのかな?」
「ヒーローねぇ。のび太くんは興奮しまくってるよ。のび太くん、ヒーロー大好きだから。ぼくもまんざらじゃないけどね。日本に限っているってのはおもしろいけど」

「のび太くんもそういうところはやっぱり普通の男の子なんだね♪」

「そうか、なのはちゃんは大長編モードの勇ましいのび太くんしか見てないからねぇ。普段のおっちょこちょいで、ノロマなのび太くんを見せてあげたいよ」

「ドラえもん君って結構キツイよね……誰かから言われない?」

‐ドラえもんくんってたしか子守り用のロボットだったよね?それでいいのか、未来デパート!

なのははドラえもんが見せる子守り用ロボットとは思えぬシビアかつ毒舌な一面に突っ込まれずにはいられず、心の中でツッコミを入れる。
なのはもドラえもんの可愛い外見とは裏腹のシビアな一面にハワイの戦いの時に面食らったが、普段から素であの調子なのだろうか。


「のび太くんからは常々言われてるよ。ぼく自身、口下手なのよ。思った事をズバリと言っちゃうんだよね」

普通にサラッと自分の口下手ぶりを言うドラえもん。やはり自覚はあるのだ。そしてその毒舌が時にはのび太を落ち込ませてしまう事もあれば、奮起させる事も多い。子守り用ロボットとしては大いに問題があるとしか思えないが、それは彼の個性である。



「お、なにやってんだよドラえもん」

「なんだよキッド」

ドラ・ザ・キッドが二人の話に加わってきた。
どうやらドラえもんがなのはと話をしているのをからかいにきたらしく、ほくそ笑んでいる。

「何笑ってんの」

「別に。そーいえば他の奴らと連絡は取れたのかよ」

「まーね。今のところ何人かには伝えたよ。
ドラえもんズ全員集合はまだまだかかりそうだけど」

「そーいえばドラえもんズって7人くらいいたんだよね?あたしがアニメとか見始めた頃のは5歳くらいからだったし、アニメの本放送自体はあんまりみなかったんだ。だけどお兄ちゃんとかお姉ちゃんが昔のDVD持ってて、それで見たからある程度わかるよ。」

‐作品そのものは同じはずなのに、昔のほうが大人とかに人気あったってお兄ちゃん言ってたなぁ。どうしてかなぁ。

なのははかつて、自身に兄が言ったことを思い出す。兄も姉もリニューアル後はあまりドラえもんのTVを見なくなったが、その理由がおぼろげながら理解できたのだ。
‐彼女の生まれた年代はおよそ1990年代末頃。物心が完全についてアニメを見始めた頃にはドラえもんのTV作品はリニューアルが行われたという。ドラえもんはその辺の事情は聞いていたが、リニューアル後の映像をあるルートから入手して見てみたが`自分の声ではない自分`というのも変な感じだと思ったとの感想を残している。それは美琴も同様で、この場にいるドラえもんの声のほうがなんとなく可愛いとの感覚を覚えているとか。

「ああ。俺たちゃ7人だよ。王ドラ……ドラニコフ、ドラメッド三世……ドラリーニョ……エル・マタドーラ、それと俺たちで7人さ。結構いろんな事件を解決したよな」

「ぼくはいなかった事も多かったけどね」

「そーだな。一番最近の時は食い過ぎで腹壊したっけ」

「あれ?ドラえもん君達の胃袋って原子胃袋でなんでも溶かすんじゃなかったっけ?」

「そうだけどよ、人間と同じで、大きくなったり、限界点っつーのがあんのよ。コイツは俺たちの中でも一番の大食いだからそれを無視して食っちまう」

「ああ、恥ずかしながらのび太くんの部屋一杯分のドラ焼きを食い尽くしたし、大食いコンテストで優勝したし……」

ドラえもんズの中でもドラえもんはおそらく一番の大食い小僧だろう。それを暗示させるような武勇伝の数々に唖然としてしまうなのはであった。










‐シャーリーとルッキーニは同じ世界から来ている加東圭子のツテを頼り、彼女のもとに身を寄せていた。そこで、ハルトマンが特別任務を帯びて行動している事を知らされた。

「ハルトマンが特別任務?」

「ええ。上の方から直接言い渡されたと聞いてるわ。彼女も大変なのよ、いろいろと」

「政府の方も動いてんのかよ?」

「一応ね。地球は銀河連邦に加盟したばかりで新顔だからそっちの方にお偉いさんの関心はいってるけどね」

「なんじゃそりゃ」

「お偉いさん方は宇宙規模の外交戦で忙しいってこと」
「やれやれ…」



‐銀河連邦。天の川銀河にある常設国際機関で、地球で言うところの旧・国際連合に相当する。地球はガミラス帝国・白色彗星帝国を撃破した功績が高く評価され、新加盟国でありながら非常任理事国に選出された。だが、それらの正式な手続きは鉄人兵団との戦争終結後とされ、政府は早期終結を急いでいるのだ。先立って国交を成立させたバード星に援助を要請していたもの、伝説の宇宙刑事達の
母艦が戦闘で損傷してしまい、ボラー連邦という銀河系の新興大国との戦争が行われている事も鑑みて、地球への援助は物資・情報面などの援助に留まったという。そのため地球連邦軍は依然としてほぼ独力で戦うことを余儀なくされていた。


「それであなたのストライカーだけど、P-51は入手出来なかったから紫電改で我慢してね」

-P-51Hはまだ本国に優先されてるからいくらシャーリー用って言ってももらえなかったしなぁ……。

圭子はいささかシャーリーに対してバツの悪そうな表情を見せた。圭子としてはマスタングを回してやりたかったが、空軍の将軍からは`無理だ〜!`と断られた。なので、山西航空機から試作型の紫電改を99式20ミリ5型と共に回してもらったが、時速は700キロにはまだ届かない。紫電改で690km程度なので、スピード重視のシャーリーには物足りないだろう。だが、格闘性能はマスタングを上回る良好なものだ。これで満足できないのは九六式や零式の時代を忘れられない古参兵くらいなものだ。

「十分だよ。格闘性能はある程度あればいい。
それに元々あたしたちのユニットは普通の飛行機より小回り効くからな」

「扶桑は一撃離脱戦法の普及が遅れたからなぁ……坂本は未だにブーたれてるらしいし……みんなが心配してるっつーのに……アイツ……シャーリー、あなたみたいだなのがいると楽なんだけどなぁ」

圭子は扶桑皇国海軍の上層部や古参兵の間に根強い格闘性能重視、いや偏重とも言える有様に呆れと同時に同情を感じていた。陸軍が扶桑海事変で若手下士官を中心に大損害を被った経験から、二式飛行脚`鍾馗`以降のストライカーや戦闘機に重戦的性格を求めるようになったが、海軍は零式のストライカー、戦闘機の双方が格闘性能で大戦緒戦の旧型ネウロイに対して大戦果を挙げた事で、格闘性能至上主義とも言える考えを根付かせてしまい、後継機の開発遅延の主原因となってしまった。宮藤芳佳の父であった宮藤一郎博士の愛弟子達が烈風の開発の際に海軍の無理難題ぶりにうんざりしたという逸話も陸軍に伝わっている。

「ゼロの大成功は良かったことでもあって悪くもあったって事じゃないのかなぁ?あたしもこの間、試しに動かしてみたけど、少佐が惚れたのわかる気がするよ。だけど五二型は少佐が使ってた型とは別物って感じ」

ルッキーニもシャーリーに続いて言う。ルッキーニはこの世界での移動の際に零式の二二型と五二型を動かしたらしいが、五二型は機体構造の強化と引換に航続距離や旋回性能が悪化が生じ、扶桑海軍のベテラン勢からの受けは総じて悪いという評には疑問があるようだ。

-うじゅ……少佐ってドックファイトにこだわってるところあるんだよね〜最近はやっと紫電改に乗り換えたみたいだけど。

ルッキーニはルッキーニなりに扶桑のストライカーが世界第一線級の性能を持つ事は理解していた。501での上官を客観的に見るとドックファイトでの技量を特に重視しているというのが普通だろう。なので`思うように曲がれない`紫電シリーズを評価していないのも頷ける。だが、その旋回半径は欧米機より優れてはいるので、ルッキーニにしてみれば`ゼータクだよ〜`と言いたい。

「あの子はリバウとかを生き残るうちに零式の血統フェチになっちゃったからなぁ……。
三二型があまり生産されなかったってのは坂本始め、当時の第一線張ってた連中がぶーたれたせいだって言うし……」

「結果的に海軍も三二型で次世代機の方向性を決めたけど、一線で使われたのは短かったっけ。それで二二型がバカ受けして、それで最終型の五四、いや六四型に行き着いたんだっけ。坂本はある意味、虜にされちゃったのよね」



零式は戦時にしては異様に使い古されたモデルと言える。大日本帝国海軍が後継機の遅れから終戦のその日まで第一線で使用していたのもそうだが、戦時ではモビルスーツにしても、戦闘機、戦車でもそうだが、世代交代のサイクルが早まり、戦争中に2,3世代ほど兵器が交代していく事も多いのだが、零式の場合は未熟なウィッチでも容易に扱える点が用兵側の要求に合致し、後継機と目される機体が現れても一線で使われているのだが……性能的には六四型でさえ、新鋭機の前には二線級でしかない。

-坂本はそれを烈風の代替として要求したそうだけど、無茶すぎる……。

圭子は坂本の零式フェチぶりにいささか呆れを感じると同時に元の世界にいる芳佳に全てをかけるしか無いとため息をつく。紫電改を坂本が使用するかは愛弟子である芳佳のパワーに期待するしか無いのだ。上手くやってくれることを祈るしかなかった。


「加東少佐!!大変です〜!!」

黒田那佳が息を切らせながら執務室に駆け込んできた。よほど重大なことらしい。

「どうしたの、那佳」

「光太郎さんが普段働いてるおじさんの会社ありますよね?」

「あるけど?」

「クライシスが茂君とひとみちゃんを誘拐したそうです!霞のジョーから連絡が入りました!」

「ボスガンめ!卑怯な手をっ…!でもここはヨーロッパよ、どうやって……?」

「運悪く、家族で光太郎さんを見舞いに行く
途中でさらわれちゃったらしいです」

「あちゃ〜……こんな時に限って……!あ、光太郎さん!!目がまだ治りきって無いのに……!」

窓から光太郎がバイクを吹かして、叔父夫婦の子供達を救出しに向かったのが見えた。いくら光太郎が仮面ライダーとは言え、目が治りきっていない状態で戦えるのだろうか。

「7人ライダーはデルザー軍団との戦いで動けないし……どうする……!?」

圭子は取りうる手段が殆ど無い事を歯噛みして悔しがった。7人ライダーに頼ろうにもデルザー軍団が動いている現状ではRXの救援を頼めそうにない。自身は一応飛行隊長の任を負っているので、おいそれと出向くわけにもいかない。シャーリー達も休息が必要であるし、那佳のユニットは整備日だ。かと言って、光太郎の縁戚である佐原兄弟を見殺しには出来ない。まさに打つ手が無いとはこういうことだ。

「RXの救援は俺達に任せてくれ!」

「ひ、洋さんに……一也さん!?日本にいるはずじゃ!?」

執務室に`待ってましたと言わんばかりに入ってきたのは日本の防衛についていたはずの筑波洋=スカイライダーと沖一也=仮面ライダースーパー1であった。それともう一人……。

「彼等は私が連れてきた」

「あ、あなたは……かざ……じゃなくって、ええと、その格好はジャッカー電撃隊の……」

「番場壮吉。よく間違えられるんだよね、V3と」

「一応、三つ子じゃない……んですよね?」

「ああ。よく似てる他人だよ。まあそれを逆手にとる時もあるけど」

圭子は風見志郎や新命明、そして番場壮吉の三つ子としか思えない容貌に改めて驚きつつも、事情を察している3人にRXの救援を依頼。
クライシスの野望を打ち砕くため、スーパー戦隊の戦士らも呼びよせ、番場壮吉=ビックワン一行はいざ、RX救援に向かった。



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