薄暗い部屋で今日もゼーレの面子は会議をしている。
モノリス越しで表情こそ見えないが全員が一様に焦りを見せていた。

『戦自ファントム……エヴァに匹敵する戦闘力を有している』
『これは不味い。ネルフの有用性を……疑問符が付いた』
『然様、我らが十年掛けて用意したシナリオが破綻しかねない』
『問題は誰があの技術を齎したかだ』
『この資料は本当かね。設計開発主任……赤城ナオコ』

開発主任にマギシステムの開発者赤木ナオコと一字違いの女性に不審感が出てしまう。

『資料では22歳の女性となっているが……顔写真は我々の持つ赤木ナオコ本人の若い時の映像と変わらん』
『未だに表には出ていないのは我々の存在を知っているからか?』
『そもそも実在しているのかさえ不明だ』
『我らの存在を知っているというアピールかもしれんな』
『国連内部でもネルフの存在意義が問われ始めている』

モノリスNo.1――キール・ローレンツ――の声に全員が困っている。

『予算を湯水のように使っていたのに戦自に出し抜かれたなどという陰口もある』
『報告義務のない会計に関しても疑問視しておる』
『あの男が傲慢に物事を進めてきたツケが出てきたというのか?』
『戦自は日重の協力で量産性の高い機体を出した。UN軍も採用しようかという話も出ている』
『各国の諜報機関の動きも厄介だというのに』
『既にこちらも一名失った』

輝きを失ったNo.4――オーランド・ジェイスン――に目を向けてキールは告げる。

『スピリッツを我々の最大の障害とする。約束の時までに排除、もしくは活動を抑える』
『出来るものならしてみるがいい。我々はゼーレの存在を否定する』

突然、輝きを取り戻したモノリスNo.4から男の声が空間に響き渡る。

『薄汚い寄生虫よ、我らスピリッツが貴様らを粛清し、世界を変える。
 世界は老人達の箱庭ではないのだ……人類補完計画、貴様らの醜悪な希望は我らが打ち砕く。
 貴様らの首には死神の刃が何時でも下ろせる事を忘れるな』

澱みなく鮮烈な響きを持って告げるとモノリスNo.4は輝きを失い……再び沈黙する。

『ど、どうやってここに侵入した!?』
『我らの存在を寄生虫だと、生意気な口をほざきおって!』
『人類を救うという我らの願いを砕くというのか!』
『粛清だと、下賎な者達に出来ると!』
『静まれ』

キールの声に全員の注意がモノリスNo.1に向かう。

『向こうが宣戦布告した以上はこちらもそれなりの返礼をする』
『では、日重に配下の者を送り込みますか?』
『無論だ。現在、スピリッツの存在が明確に見えるのは日重だけだ。
 其処を足掛かりにスピリッツを発見して処理する』
『では、こちらの技術の粋を集めたハウンドを使いましょう』
『うむ、所詮はただの人間……戦闘用サイボーグ兵達の敵ではない』

ハウンド――ゼーレの生命工学の粋を結集させたサイボーグ兵。
最強の戦闘力を持つ集団ならスピリッツなど敵ではないと全員が判断する。
実際は「たかがサイボーグ兵じゃ、物足りなくてダメよ〜〜」という暢気な返事が返ってくる事を彼らは知らなかった。


RETURN to ANGEL
EPISODE:13 解き放たれた猟犬
著 EFF


「ふ〜ん、面白い展開になりそうだ」

彼らの通信を聞いていたシンジはハウンドの壊滅は好機だと考えている。
前回は彼らが幾多の敵対組織を壊滅させていた事をシンジは赤い海の記憶から入手していた。
各国の諜報機関にハウンドを向けられると面倒だと考えていたが、スピリッツに向ける事は歓迎だった。
ゼーレ最強の実戦部隊のカードをここで失うのは各国の諜報機関に有利に動くのだ。

「とういう訳で、ホンの少しは歯応えのある連中が死にに来るけど」
「良いじゃない。退屈しのぎにはなるわ」
「じゃあ、ゲームにしませんか?
 最大の数を葬った人にシンジ様と一日デート権を進呈という事で」

サキエルの意見にシンジは頬が引き攣っていた事は言うまでもなかった。

「乗った! これならゴキブリ退治にやる気が出るよ♪」
「賛成、朝から夜まで一緒……負けない」
「シン様のご飯を一日独占か……素晴らしい一日だね」
「分離しての各個撃破ありなら勝ちは揺るぎません」

「良いの? あんな事言ってるけど」
「ま、まあ偶には良いでしょう……私が勝てば問題なしよ。
 条件付なら許可するわ」

シンジとその隣の女性の声に五人の顔が向かう。

「分かってます……キスまでという事で」
「ダ、ダメよ! 絶対ダメだからね!」
「仕方ありませんね……手を繋ぐか、腕を組むで我慢します。
 そういう事でみんな、良いかしら?」

「「「「了承♪」」」」

サキが確認を取って全員に通達すると全員がそれぞれの予定を話し合う。

「……良いわね。流されちゃダメだからね!」

シンジに胸倉を掴んで女性は睨むようにして告げる。

「大丈夫、僕が愛してるの君だから」
「負けらんない……絶対、負けらんないわよ!」

日重内の一画にその女性の声が響き渡った事は言うまでもなかった。


ファントムの訓練生を一堂に集めてシンジはスケジュールの変更を告げる。

「……まあ、幾つかの事情がありまして、みんなの訓練は僕が担当する事になったから」
「何故でしょうか?」
「産業スパイの中でも非常に質の悪い人達が来る事が判明してね。
 その迎撃にちょっと離れる事になって」

戦自に所属するパイロットは一様に相手のスパイに同情している。
美人ではあるが、中身は非常に手強い女性ばかりで口説こうとして大火傷した者もいる。
鼻の下を伸ばして体術訓練を行ったが最後……悶絶するようなダメージを被る者が続出したのだ。

「シンジさん、質の悪いってどんな連中なんですか?」
「武闘派かな……弱いくせに数ばっかり多くて、コソコソ動き回る脂ぎった連中」

シンジの話を聞いてマナや女性職員は顔を顰めている。

「うぇっ、それって台所にいるアレですか?」
「そういう連中だね……潰しても潰して減らないから面倒で。
 もう非合法な連中で火器を装備している連中を殲滅できるって楽しんでいるけどね」
「……つまり、やる気満々?」
「そうだよ。この連中を始末したら、かなり楽になるから張り切っている」

マナの問いにシンジは楽しそうに話すが訓練生達は相手の冥福を祈っていた。
他の五人はそうでもないが、シンジの奥さんは殺ると言ったら必ず殺る……容赦しない人物なのだ。
普段は陽気な女性だが、戦闘に関しては一部の隙も見せないし、だらけた姿をを見せようものなら苛酷な訓練が待っている。
鬼教官という言葉がピッタリ当てはまる人物だった。
本人が言うには「訓練なんてものは過酷な方が良いのよ。その方が実戦に近くなるし、ピンチの時の自分の心を支える芯になるから」と訓練生に告げて実戦と訓 練の違いを話していた。

「上官に支援を要請しましょうか?」

戦自から出向中の士官が聞いてくる。聞けば、かなりの武闘派で過激な連中みたいだから少し心配そうだった。

「厚意には感謝するけど……ちょっと足手まといかな。
 それに戦自が係わっているとなると後々問題になりそうだから」
「しかしですね、女性の方を戦わせるというのもどうかと思いますが?」
「それ……張り切っている彼女らに向かって話せます?」
「…………すいません、自分が甘かったみたいです」

重装備を抱えての踏破訓練も平気でするし、六人がチームを組んだ小隊には勝てなかった。
ペイント弾の使用でサバイバル訓練を兼ねた模擬戦で専門家の自分達があっさりと敗退した。
戦自側四チームと彼女達のチームで24時間という時間を掛けて山中を索敵しながら戦うという訓練だった。
女性六人だから楽勝だと考える者もいたが、その考えは今なら甘すぎると知っている。
……二時間も持たずに全滅してしまったから。

「相手の冥福でも祈ってあげて下さい。みんな、気合が入っていますから」

シンジの声に全員が不運な連中だと憐憫や同情の思いでいた。


「水着か〜〜そういえばスク水しか持ってなかったし買わないと不味いか?」

リンのこの一言に男子はリンの水着姿を妄想してした。
スクール水着姿を見た者はリンのスタイルが良い事を知っているから、修学旅行での水着姿を期待しているのだ。
そしてレイとアスカという二人の水着姿も期待している。
隠し撮りではない、一緒の記念撮影ならリンの写真を入手できる可能性も無くはなかった。

「アスカはビキニにするの?」
「う〜ん、どうしよう。今度は更に大人っぽく……黒のハイレグにしようかな?」
「レイが白持っていたから対照的だね」
「リンが買いに行くのなら私も付き合う」
「じゃあ三人で行こうか?」
「そうねえ……ヒカリ〜〜」

リンの意見にアスカはヒカリに声を掛ける。日直で黒板消しをしていたヒカリは終わらせると三人の方へ向かう。

「どうかしたの、アスカ?」
「今度、みんなで水着を買いに行くけど一緒に行かない?」
「まあ、いいけど……大丈夫よね?」
「なにが?」

この三人と一緒だとトラブルが起きないか心配だった。
三人とも容姿という点で非常に目立つからトラブルが起きないか気になるのだ。

「目立つからトラブルが起きないかと思って」
「大丈夫でしょ」
「そうね、いざとなったら殲滅するわ」
「そ、それが一番心配なのよ」

ヒカリが一番心配するのはリンが過激な行動を起こさないかだった。

「少なくとも、向こうから手を出さない限りは何もしないわよ」
「そ、そう(やっぱり心配だし、行くべきよね)」
「死体がなければ、犯罪にならないから上手く誤魔化すから安心して」
「アンタ、ホントに過激ね……まあ、下手なナンパはお断りだし」
「いや、それは不味いって、アスカ」
「死体がなければ……ただの行方不明、問題ないわ」
「あ、綾波さんまで?」
「冗談よ……面白くなかった?」

焦るヒカリにレイが冗談と言うが、アスカが困ったように告げる。

「それはブラック過ぎて面白くないわよ」
「……ブラック? 冗談には色が関係するの?」
「そうじゃないの。
 言って良い冗談と言っちゃいけない冗談が合って、言っちゃいけない冗談をブラックという意味になるの」
「……良く分からない」
「これは経験がないと判断できない類ね。アンタは経験足りないから」
「ヒゲがもう少しきちんと教育してればね」
「碌な事しないヒゲよね」

リンとアスカがゲンドウの教育の拙さを非難する。

「自分の子供さえ、怖くて育てられないのに」
「なによ、それ?」
「対人恐怖症の臆病者なの。サングラスがないと人と目を合わしてしまうから怖くて人に会う事も出来ないらしいの」
「はん、そんなのが上司なんてサイテ〜〜」
「自分とは違う存在が怖いのね」
「だから、自分で考えずに指示に従う連中しか部下に出来ないの」
「バッカじゃないの! そんな組織なんて、上が居なくなったら使えないじゃない」
「そうなのよね、権力集中型は上がポシャると次のトップが出来るまで動けないもんね」
「アタシの栄光の日々が遠退くわね」
「無理だって、ネルフは非公開の組織だからアスカの活躍は世界に公表されないから」
「あ……そ、そうじゃない! ますますダメじゃない〜〜」

ため息を吐いてアスカは項垂れている。無事、使徒戦が終わっても世界を救った英雄とならないと気が付いた。
英雄願望というほどではないが、褒めて欲しいという気持ちはあるのに表沙汰にならないと知って……やる気も失せる。

「やってらんないわね〜〜。アタシのあの時間はなんなのよ」
「でも、英才教育してもらったんだから、得た知識を上手く使ったら」
「こ、こうなったら、なんとしても元を取り戻してやるわよ!
 さっさと終わらせて…………何しようかな。
 う〜ん……困ったわね。特にしたい事が浮かばないなんて」
「しょうがないわよ。そういう洗脳じみた教育されたんだから」

いざ、何かすると考えると困惑するアスカにリンがあっさりと原因を告げる。
エヴァに拘るように思考操作されたようなものなのだ。その呪縛から抜け出せるかは、自覚したこれから次第なのだ。

「あったまくるわね! ヤケ食いでもしないとやってらんないわ」
「た、大変そうね、三人も」
「まあ、付き合ってもいいけどさ。アスカ、制限受けているから今月ピンチになるよ」
「うっ、アンタは制限ないから良いわね」

アスカの憤慨する様子に一歩引きながら話すヒカリと、今月のアスカの財布の事情を察して話すリン。
大金を持つ事を良しと思わないネルフがアスカの給料の制限を掛けていたのだ。
事前に申請して許可を貰わないと予算を引き出せないようになっている。当然、ヤケ食いの予算など認めない。
アスカにすれば、セコイ事すんじゃないわよと怒鳴りたかった。

「絶対ずるい。なんでアンタだけ制限ないのよ」
「だって最悪の時は日用品全部揃えて独り暮らしだもん」
「そ、そうだった。アンタ、何も持っていなかったんだ」

文字通り裸に近い状態でエントリープラグから出現したのだ。全部自前で揃える必要があった。

「買い物だって初めてだった。リツコお姉ちゃんってセンス良いから助かったよ」
「確かにね、ミサトだったら調子に乗ってなに着せられるか」

お調子者の部分があるミサトなら変なものを着せる可能性も多々ある。

「ちょっと猫好きだけど、無理に押し付けたりしない」
「レイの言う通りね。リツコって猫好きだけど、趣味を押し付けたりしないわ」

自分の使う物には猫柄のプリントされてはいるが、それ以外では個人の趣味に任している。
唯一、問題にすれば犬柄はダメという事くらいかもしれない。
リツコ曰く「猫派と犬派には海よりも深い溝があると力説していた」からだ。

「何よりも家事が出来るという点は大評価するわ」
「なぜ?」
「それはオバサンが出来ないから」
「そう」
「ミサトのカレーを食べたら絶対に理解出来るわ。あれは料理に対する冒涜ね!」
「お父さんも嫌がってたな。あれはカレーじゃない、毒だって」
「つまり葛城一尉にとってはカレーでも他の人にはカレーじゃなく毒物なのね」
「「正解」」

アスカとリンがハモりながらに答える。
側で聞いているヒカリは、そんな人いないって言いたいが、二人の真剣な表情にもしかして本当にいるかもと思い直す。

(ネ、ネルフって一体なんなの? お父さん、大丈夫かな)

父の職場の危険性を感じて心配するヒカリであった。


「どうしたもんかね……日重に潜入してファントムの情報を入手しろとスピリッツの情報を入手せよか」

ゲンドウとゼーレからの指示に加持は頭を痛めていた。
既に特殊監査部の何名かが失敗して……帰って来ない事は知っている。戦自から内調経由で得られた情報はダミーの可能性が高い。以前、自分がしたようにエ ヴァの擬装資料をそっくりそのまま送り返されたように思えて仕方がない。

「……スピリッツ。ゼーレに牙を向けた組織ねえ……正直なところ信じられんな」

世界を支配していると言っても過言ではない組織に反抗する連中が居るとは思えないが……結果を出している。
ファントム然り、ゼーレNo.4暗殺といい、到底考えられない事をしているから興味が出てくる。
オーバーザレインボーで会った女はもしかしたらスピリットのメンバーかもしれない。

(いっそ、スピリッツに接触してこちらの情報を渡して、向こうの情報と交換も悪くないかもな)

自分の知らない真実に到達できる可能性もある。どういう訳か……荷物がアダムである事を知っていた。
真実を追い求めてきた加持にとって危険ではあるが千載一遇のチャンスでもある。
尤も加持の思惑通りに進むという事はない。何故ならスピリッツはゼーレに加担する者に容赦する気がないからである。

(内調ルートから接触してみるか……日重は戦自が関与してるからな)

内調のエージェントとして接触、そして情報交換という手段が比較的安全だと思う。
成功すればネルフ、ゼーレの両方から真実への足掛かりも得られる。
失敗する危険もあるがリスクを恐れては何も得られない事は承知している加持は動き出す。
その行為が……自身にどれ程の危険を招くかを知らぬままに。



暗い夜道を全力で駆ける男がいた。

「ハァ、ハァッ……信じられん。こんなバカな事が……」

ハウンドの日本での活動の支援をする為に拠点を設営する為に先行していたゼーレの機関員達はいきなり強襲された。
狙撃可能な場所は全て押さえていたが定時連絡は途絶え……確認に向かった連中も連絡を絶った。
別の場所に変えると指示を出したチーフの頭は目の前で破裂した。防弾ガラスをあっさりと貫いた弾丸に慌てて身を伏せたが壁さえも貫いて仲間を死へと駆り立 てる狙撃手に恐怖を抱く。
慌てて部屋を脱出しても死神は容赦しなかった。足となる筈だった乗用車に向かう途中で会った少女は鋼線のような赤い糸で仲間の身体と車をいとも簡単に切断 していた。

「さあ、もう少し遊んでもらおうかな……ゼーレのおバカさん♪」

まるで退屈しのぎのように遊ばれているようだった。銃弾を浴びせようとしても撃つ瞬間には数メートルは離れた場所に移動している。飛び交う赤い糸が絡みつ くように全身触れると細切れの死体が出来上がる。

別のルートから脱出しようとしたら、そこにも別の女が周囲に……死を振り撒いていた。

「リズム良く動かないと私の相手は出来ませんよ」

ただ立っているように見えるがその女は銃弾を見切って最少動きで避ける……化け物だった。
無数の銃弾が飛び交っているのにまるで気にしないどころか……舞うように避ける。鼻歌混じりで楽しそうにその手に持つ鉄扇らしいもので近付いては首を刎ね 飛ばしている。軽く振っているようにしか見えないのに人体を軽々と切断する光景に仲間は恐慌状態になり、同士討ちも気にしないように乱射するが、

「ダメですね。乱射で死んでも狩った数に入らないんです」

そんなふざけた事を告げて、鉄扇をブーメランのように投げて首を宙へと跳び回した。

「大人しくこちらの狩りに協力して下さいな、ネズミさん」

無我夢中で背を見せて逃げ出した。
同じ人間には見えなかった……人の姿をした怪物としか言えない気持ちで怖くて逃げ出したくて走り続けていた。
振り向けない……振り返れば、そこにまだ立っている気がして……怖い。
こんな現実離れした世界は知らない……いつもはもっと簡単で楽に敵を葬ってきたのだ。

「こ、こんなバカな事があって堪るか……俺達は新たな神を作る選ばれし者だ」
「残念ですが……ゼーレの作る神に私達、使徒は従いませんよ」
「だ、誰だ!?」

慌てて振り向くと月を背にして、また女が……立っている。
女は自分を一瞥するとその背に光で作られた薄い皮膜状の翅――光翅(こうし)――三対六枚を出現させた。

「し、使徒? そ、そんなバカな!?」

使徒が人の形でいるなんて知らないし……聞いていない。自分達が相手にしていたのは正真正銘の化け物だと感じた瞬間、両手、両足に光の杭が打ち込まれ…… 地面に縫い付けられた。

「少し知りたい事があるので頭の中を掻き回させてもらいます」

使徒は自分に近付き、腰を落とすとその手を自分の頭に……指を侵入させた瞬間、目の前が真っ白になった。

「ギィ、ギュ……ギュォ……グァッ…ギボェ……」

走馬灯のように自分の記憶が無理矢理引き出されると思うと同時に激痛が全身に駆け巡り……。

「ふむ、構成リストは前回と変わりませんね。他の拠点の情報も判明しましたので罠を張りますか」
「それ良いわね。今回始末した人員全てを傀儡にして誘導しましょう、サキ」
「一網打尽にしてまとめて始末するのは効率的ですね」

光翅を収納したサキは隣に現れた女性の意見に賛同する。
足元の男は身体を痙攣させて口から泡を引き出して、意味不明な言葉を呟いている。

「立ちなさい」

サキの声に男はゆっくりと立ち上がるが、その目にはガラス玉のように生気の欠片もなかった。
そして同じように生気の欠片もない男達が集まり始めた。
狙撃地点の確認に向かった連中だった者達もまた生気の無い瞳でラミとキエル(ガギエル)に付き従っていた。

「罠を張って狩場を作るのね」
「良いんじゃない。さっさと面倒事は終わらせて、ご飯ご飯♪」
「現時点でトップはラファ(イスラファエル)ですね。後は僅差ですわ」
「まあ、そんなもんじゃない。ラファが一番雑魚がいる場所を強襲したから」
「負けない……デートは譲れない」
「美味しいご飯を作ってもらって、ア〜ンをしてもらうんだ」

ラミとキエルが自分達の願いを告げる……全てはシンジとのデートという美味しいご褒美のため。

「それでは合流して、網を張りましょうか?」
「そうね、ルフォンが来る前に終わらせないとゴネそうだし」
「う……ルフォンがもうすぐ来るから急がないと」
「ダメ、チャンスが更に少なくなる。早く来て」

ルフォン――サンダルフォン――がもうすぐ来ると言われて焦るラミとキエル。
「ずるい、ずるいよ!」とシンジに話して一日デート権の無効を言う可能性もあるし、デートに乱入する可能性もある。

「サキは焦らないのね」
「私は何度かデートしてますから」

三人の動きが止まる。

「シンジ様と一緒に食材を買いに行くのもデートの一種だと考えます。
 腕を組んだりはしてませんが……一緒に買い物に出かけるのは楽しいですね」
「……盲点だった。サキってちゃっかりしてるのね」

シンジと料理のサポートをサキはしているから台所に立つ事もあるし、食材を買いに行く事もある。
これもデートの一種だと言われれば……そうかも知れないと思う。

「リンちゃんが一緒に食材を買いに行くんだと話していましたから……それをヒントにさせて頂きました」
「あ〜〜ずっこい、私も買い物に行きた〜〜い」
「盲点……うっかりしてた」

キエル、ラミがサキを恨めしそうに見ている。

「うちの旦那はホント……隙だらけなんだから」

苦笑してため息を吐いている。シンジはデートとは思っていないと思うが……これで買い物イベントが増えると予測する。
結果、二人の時間がまた減る可能性が高いから困る。
ハウンドの撃滅よりこっちの方が難物だと思いながら次の準備に取り掛かる。
この苛立ちをハウンドにぶつけて……ストレスを解消してやると決意する。

そんな事は知らずにハウンドは罠に飛び込んでくる……使徒が用意した地獄の釜の中に。
ゼーレはハウンドという最大の実働部隊を失い、更に権威を失墜させる事をまだ知らなかった。



四人は水着の買うためにデパートに来ていた。

「そういえば、アスカのガードの加持さんは?」
「それが監査部の仕事でいないのよ」
「残念ね……たかろうと思ったのに」
「ア、アンタねえ〜でも、それもありか」

リンの意見にアスカは少しカチンときたが、すぐに態度を翻した。

「前にも話したけど……あの人は三足草鞋を履いてるから経費で落としてくれるわよ」
「そうだった」
「全部から給料を貰っているんならアスカより給料上じゃないの?」
「あ〜〜そうかも。今度、ネルフの食堂のジャンボパフェでも奢らせようかしら?」
「いいわね。あれはボリュームあって美味しかったわ」

ネルフの食堂にある最も高い値段のメニューの一つがジャンボパフェだった。
前回は値段に負けて食べる事が無かったので今度こそはと考えていた一品で第十使徒戦でミサトにたかろうかと狙っていた。

「食べたの!?」
「うん、レイと半分こして食べた」
「リンと半分こ……美味しかった」
「う〜〜先越された」
「一人で食べるのはきついと思うよ……あれは三人前はありそうだし」
「あ〜確かにきついわね」

ジャンボの名に恥じないボリュームだった。
特注の器を使い、これでもかというくらいフルーツやクリームなどを使っている。

「なんであんなボリュームで用意したんだろ。完食出来る人って……いるのかな?」
「それこそ最大の謎ね」

規格外の一品なのだ。何処の誰が完食するのか……見てみたいが側で見ていると胸焼けしそうな気もする。

「キエル姉さんなら三杯は軽く食べるけどね」
「そんなに食べるの?」
「うん、私達って太らないから」
「り、理不尽だわ……アタシなんて苦労してるのに」
「わ、私も」

乙女の悩みとは縁のないリンの言葉をアスカとヒカリが悔しそうに聞いている。

「アスカはカロリー計算してご飯作っているから増えるとは思わないけど」
「それでも怖いものは怖いのよ」
「リツコお姉ちゃんは減ったらしいよ」
「それで機嫌が良かったのね」

ここ数日、リツコの機嫌が良いのは食生活の向上と体重の減少に成功したおかげだと気付いた。

「たかが一キロ、されど一キロだって」
「節制は大事な事だとリツコさんは話していた」
「後はストレスを溜め込まないようにすれば完璧かもね」
「ああ、それは無理よ。ミサトもヒゲも無理難題を言いそうだから」
「あ〜あ、この分じゃ修学旅行も戦闘待機で行けないかもね」

水着の試着をしながらアスカは前回ダメだったように今回もダメな気がして憂鬱になる。

「戦闘待機って?」
「洞木さんは知らないけど、一応ネルフは軍事組織でもあるから使徒に対する備えをしないと」
「それが戦闘待機なんだ。じゃあ修学旅行に行けない可能性もあるんだ――ってもう班分けしたのよ!」

修学旅行の班分けは既に完了しているから、色々問題が出るかもしれないと思った。

「明日のホームルームで話すわ。まだ決定してないけど、最悪は女子の班分けのやり直しだね」
「スキューバをしてみたかったけど……この分じゃダメね。
 ミサトの事だから戦自に対抗するためにもエヴァを常に動かせる準備をしてるみたいだし」
「葛城一尉は苛立っている」
「A−17を発動したらお終いなんだけどね」
「赤木さん、A−17って何なの?」

聞き慣れない言葉を聞いたヒカリは確認の為に聞く。

「特務権限A−17――ネルフの権限の一つで日本国資産の凍結と強制運用が国連に承認される権限。
 これをされると日本経済は事実上戒厳令状態になるから最悪は世界規模で経済恐慌が起きかねない事態になる」
「えっと預金封鎖も入るのよね?」

家の台所を預かるヒカリは恐る恐るリンに聞く。

「当然、日本全国の銀行の資産も押さえられる」
「一大事じゃない!」
「落ち着いて、洞木さん。まだ発動するとは言ってない」
「ご、ごめんなさい」

周囲の注目を集めたヒカリは身を縮めるようにリンに謝る。
丁度、試着を終えたアスカがカーテンを開いて水着姿を披露しながら聞いてくる。

「じゃ〜ん、どうよこれ?」
「ちょっと際どくない、アスカ」
「アスカは足長いから更に長く綺麗に見えるわ」
「ふ、ふ〜ん、当然よ♪」

リンのコメントに満足して黒のハイレグ水着でクルリとターンして見せる。
スタイルの良いアスカにヒカリは自分との差を痛感して羨ましいと考えてしまう。

「リン、私は?」
「うん、似合っている。派手さはないけど可愛いと思う」
「あ、ありがと」
「そうね、レイって肌が白いからシンプルな方が良いかも」
「ええ、似合っているわ(綾波さんはスレンダーだから……綺麗ね)」

レモンイエローのワンピース姿の水着のレイに三人は綺麗だと話すとレイは頬を朱に染めて嬉しそうにしていた。

「ところで何を叫んでいたの?」
「A−17の説明を洞木さんにしてたの」
「もうそんな時期なのね」

嫌そうな顔でアスカが前回を回想している。

(サウナに入る気はないんだけど……リツコに期待するしかないか)

前回はマグマダイブして捕獲という面倒な手間を掛けさせられた。
今回はそんな面倒な事がないようにリツコが準備しているから火口で待機らしいが、ミサトの考え次第でマグマダイブ再びかもしれない。

「ア、アスカはA−17ってどう思うの?」
「A−17って何よ?」
「A−17……特務権限の一つ。日本国の資産凍結と強制運用」

レイがアスカに説明するとアスカは不機嫌そうな顔で話す。

「それって経済封鎖じゃない! そんな物騒な権限を発動させる気なの!?」

前回は作戦だけしか聞いていなかったので、そんな物騒な権限を活用していたとはアスカは知らなかったので驚いていた。

「そう、日本の資産を強奪するのが目的かもしれないけどね」
「……碌な事しないわね、ネルフって。
 どうして、怨みを買うような事ばかりすんのよ……って、もしかしてあの停電って?」
「当たり。ちなみに内部協力は加持さん」

停電事件の真相と犯人に気付いたアスカはリンに聞くとあっさりと暴露する。

「加持さ〜〜ん、そんな物騒な仕事しないでよ」
「な、なんだか良く分からないけど……アスカも苦労しているのね」

ガックリと肩を落とすアスカにヒカリはフォローするように声を掛ける。

「多分、レイは留守番だけどヒゲにだけは注意してね」
「……気をつけるわ」

ヒカリには聞こえないようにレイに注意を促しておく。
ユイの姿をした人形を分解してからゲンドウは自分に近付かないし、レイにも近付かないようにしているから一安心だが余計な事をしないとは限らない。なんせ まともな人間ではないから油断はしない方が正解だと思っている。

「全てはリツコお姉ちゃん次第ね。
 この後はお茶でもしましょう」

リンがリツコ次第と締め括る。
ちなみにヒカリは青と白のストライプのセパレートで、リンは青のワンピースの水着であった。


リツコは執務室で作業の様子を確認していた。

「先輩……これって必要なんですか?」
「ふっ、これは科学者の心意気っていうものよ。それに昔から言うじゃない、備えあれば憂いなしって」
「なんか、先輩……ノッてませんか? その……TVアニメの科学者みたいに」

マヤは尊敬するリツコがどうもマッド化しているような気がして心配だった。

「そう、でも一度は言ってみたくない……お約束のセリフを?」
「…………確かに一度は言ってみたいのが科学者ですね」
「このくらいはやらないと……ストレス溜まるのよ。ホント、面倒事ばかり押し付けるから」
「ですね」

納得できる点もあるので深くは追究しない。
実際に技術部長のリツコの仕事は多岐に渡っているので忙しい事は間違いない。
当然、片腕であるマヤの仕事も比例して……増えているのだ。

「ミサトが浅間山に行ったから、これの出番もあるわね。
 エヴァを使うより安上がりだしね」
「火口の中に影があるでしたか……使徒だったら、確かに出番はありますね」
「休眠中だったらこれで捕獲したいわね」
「捕獲ですか?」
「上がサンプルとして欲しがるかもしれないし」
「無理難題を言われても困るんですぅ」

火口に潜って使徒の捕獲なんて危ない行為は絶対にやめたいが……上の命令には逆らえない。

「だから、用意してたの。水中適応の使徒がいたから深海や、マグマの中でも調査出来るようにね」
「なるほど……流石は先輩です」
「ありがとう、マヤ(実際は知ってたんだけどね)」

耐熱、耐圧の強化を施し、観測機器を搭載したマグマキャッチャー一号の出番が近付いていた。



浅間山でミサトは調査作業を行っている。
火口内部で使徒らしき反応が一瞬あり、喜び勇んで来ていたのだ。

『限界深度、オーバー』

「続けて」

研究所内の研究員達の間でざわめきが起る。
民間の研究所では、このマグマの中に入れる観測機はとても高価で簡単には購入できない。
この観測機を失えば、新たな予算が下りるまでは内部の観測は難しくなる。
研究員にすれば、勘弁してくれというのが本音だった。

「もう限界です!」
「いえ、後500、お願いします」

『深度1200、耐圧隔壁に亀裂発生』

「葛城さん!」
「壊れたらウチで弁償します。後200」

だが、ミサトに弁償する気は無く、使徒が発見されたなら徴収してしまえば良いと考えているのだ。
ネルフの権限を思いっきり恨まれる形で活用していた。

「モニターに反応」
「解析開始」
「はい」

『観測機、圧壊』

その報告に研究員達は落胆の表情を浮かべる。
いくら弁償すると告げられても、大量販売されている機材ではなく……注文をしてから作製するのがセオリーだ。
それが届くまでは火口内部の研究は滞るのである。

「観測結果は」
「ぎりぎりで間に合いましたね。パターン青、使徒です」

ミサトに対し嬉しそうに報告するマコト。

「これより当研究所は、完全閉鎖。ネルフの管轄下に入ります。
 今後別命あるまで、研究所における一切の入退室を禁止。現在より、過去6時間での全ての情報を部外秘とします」

研究員達の心情など歯牙にも掛けずミサトは通告するが研究員達には堪ったものではない。
使徒が発見されたと言う事は、観測機も徴収と言う形を取られる事が研究員達には解っていたのである。
それがネルフを知る一般人のネルフに対する認識であった。

「碇司令宛にA−17を要請。大至急」

携帯電話で発令所に連絡するミサト。

『気をつけてください。これは通常回線です』

「解ってるわよ、さっさと守秘回線に切り替えて!」

全く解っていない……シゲルの忠告もあっさり叱責へと代わった。
小声で言っていたシゲルの行動も意味の無い物であったのだが、この事で日本の株価は一時凄まじい下落を見せる事になる。
またネルフに対する怨嗟の声が上がると気付かないミサトであった。



薄暗い司令室でゲンドウが委員会に特務権限A−17の承認を求めている。
強硬過ぎるという冬月の意見もあるが、使徒を捕獲すればネルフの存在を今一度アピール出来る点もある。
戦自のようにただ撃破する為の機関ではなく、研究機関としてのネルフの価値を見せたいのだ。

『A−17の要請か?』
「はい、使徒のサンプルは必要かと思います」
『確かにサンプルは必要だが、セカンドインパクトの二の舞は……』
『然様、その点は大丈夫なのかね』
『いずれにせよ、失敗は許さんぞ』
「承知しております」

ゲンドウの声と同時にモノリスから光が消える。

「本当に良いのか? 日本政府が黙ってはいないぞ」
「正式な権限である以上、文句は言えん」
「確かに表向きは黙るだろうが……裏から何かする可能性もあるぞ」
「問題ない」
「本当にそうだと良いがな」

冬月がため息を吐きながら呟くが、ゲンドウはそれ以上は何も言わない。
静寂だけが司令室に残っていた。


ゼーレの面子もゲンドウを外した状態で会議を続ける。

『よろしいのか……あまり強硬策を続けると国連内部でも不満の種が出ますぞ』
『日本の資産の徴収は不可欠だ。恨まれるのはネルフであって我らではない』
『然様、その為のネルフだ』
『その点は否定しませぬが……一部、煩い連中もおりますぞ』
『ハウンドが始末する。時間の問題だ』

モノリスNo.1――キール――の声に一様に安堵した声が出る。

『では、いよいよ』
『ふん、所詮我らに敵うわけがない』
『大人しく従えばよいものを』
『出来れば技術者はこちらに欲しいものですな』
『その点は申し付けておる』

勝利宣言するような言い方だが、相手が何者か知らない連中の戯言だとシンジ達は思うだろう。
……彼らの想像が破綻し、希望が崩れる日は近い。



初号機と弐号機が浅間山に到着する。

「で、一つ聞いて良い、どうやって使徒を殲滅するの?」

アスカがミサトに尋ねる。
前回は熱膨張という土壇場でのシンジの指摘で勝利した。今回は潜る前に聞いておきたいと思うのは当然かもしれなかった。

「いや、捕獲なんだけど」
「アンタ、バカ〜〜。万が一覚醒した場合、どうすんのかと聞いてんの」
「…………倒すだけだけど」

アスカの指摘にミサトは不思議そうに告げる。

「作戦を聞いてんのよ。マグマの中で身動きが出来ない状況でどういう戦い方で殲滅すんの?」
「そ、そりは〜〜「その必要はないわ」リ、リツコ!?」
「こんな事もあろうかと、マグマキャッチャー一号を用意したわ。
 リンとアスカは火口付近で待機して使徒が覚醒後、冷却弾を詰めたパレットライフルで凍らして迎撃よ」
「流石です、先輩!」
「やるじゃない、リツコ! ミサトとは偉い違いね」

仮設作戦室に観測所の研究員を伴ってリツコとマヤが入ってくる。
お約束のセリフが言えた事にリツコは感激して上機嫌で観測所のスタッフに告げる。

「無事作戦が成功しましたら、こちらのマグマキャッチャー一号は約束通り譲渡しますのでご協力お願いします。
 スペック通りなら今までご使用されていた観測機器より深い深度まで対応出来る優れものです」
「ありがとうございます。これで来期の観測も可能になります」
「いえ、こちらも勝手な事を致しましたのでお詫び申し上げます」

頭を下げて研究員に詫びるリツコにミサトは話す。

「徴収すれば良いじゃない。何で譲渡すんのよ、リツコ?」
「自分の言った事に責任持ちなさいよ。弁償するって言って、権限で黙らせるなんて最低よ。
 仮に国連の権限でエヴァを徴用するって言われて黙っていられるの。
 あなたがしている事は無断使用で強奪したと変わらないわよ……権限を悪用しないで」
「あ、悪用ってなによ! 世界の危機なんだから仕方ないでしょ!」

思わず叫ぶミサトだが、リツコは迷う事なく告げる。

「仕方ないを免罪符みたいに使わないで。
 特務機関だからってやって良い事と悪い事の区別を見極めなさい」

リツコの言いように憤りを感じるミサト。
使徒を倒す為なら何をしても良い様に考えるミサト、そしてそんな考えの友人を疎ましく思い始めるリツコ。
……二人の間に深い溝が出来始めていた。











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どうもEFFです。

オリジナル要素のゼーレ・ハウンド部隊を登場です。
問題は彼女らを苦戦させる事が出来るか……ちょっと難しいかな。
実際は彼女達の出番を書きたいな〜なんて思った次第で。
アニメではミサトさんの細かい作戦指示はなく、シンジの機転でアスカが勝利しました。
では実際にミサトさんは作戦を決めていたのかと思うとどうなんでしょうか?
彼女の作戦は殆んどが後手に回ってから決めているように思えます……威力偵察しませんから。
なんだかな〜と思う次第です。

それでは次回もサービス、サービス♪


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