コードギアス反逆のルルーシュR2
              Double  Rebellion














TURN-24 最後の力(後編)


外にいるジノはこれからどうするかを考えていた。
紅蓮を抱えているし、トリスタンも飛ぶのがやっとだ。
このまま戦場に行けば、間違いなく的になるし、ダモクレスの外壁部に機体を寄せたとしても、ルルーシュが勝っていた場合、すぐ捕らえられてしまう可能性も ある。
しばらく考えた後、ジノはなんとか戦場を迂回して撤退する事にした。
万が一の場合は友軍に紅蓮を頼めばいい。
そう決断したジノは、実行しようと機体を操作しようと思ったが、レーダーが示した反応にぎょっとした。
ジノが振り仰いだ先、レーダーが示した先には、ライの天月が最小限の攻撃でダモクレスの外壁部を突き破り、外に姿を現していた所が映っていたのだ。

(くそ……!カレンの紅蓮はスザクのランスロットとの戦闘でもう駄目だ……!それに、私のトリスタンも……。このまま捕まるしかないのか……!)

ライの行動を想像したジノは、歯を喰いしばった。
しかし、ライの天月はジノのトリスタンを一瞥しただけで、すぐに何か探すように別方向に視線を向けた。
身構えていたジノだったが、天月のその不可解な行動に眉を顰めた。

(何だ…?一体何を探している……?)

そう思った矢先、下の雲から突き抜けてくる機体がいた。
急速にこちらに近づいてくる。
いや、正確にはライの天月に向かってきているのだ。

(何だ……速い!?しかも、紅蓮やランスロット以上のスピードだと!?)

そう、計器に示された接近速度はランスロットや紅蓮を軽く上回っていた。


















一方、ライは天月のレーダーで対象を探していたのだが、急接近する機体の反応を見つけ、そちらに視線を向けた。
そして、急接近するその機体こそが、ライの探していた対象だった。

「来たか……」

対象を捉えたライは、天月に蒼焔を構えさせる。
しかし、次の瞬間、対象がスピードを上げた。

「っ!まずい!」

咄嗟にスターエナジーウィングを展開し、横っ飛びする天月。
そして、その直後対象が天月が先ほどまでいた場所に突っ込む。

(速すぎだな……)

距離は結構あったのに、それを一気に縮めてくるあたり、データ通りの性能のようだ。
しかし、隕石みたいな勢いでダモクレスに突っ込んできたため、ライはその被害状況を気にした。

(大丈夫か……?)

しかし、それは杞憂に終わった。
どうやら対象は、当たる直前で思い切り制動をかけ、激突の衝撃をかなりやわらげたらしい。
といっても、こんな事を普通のパイロットが行ったら内臓が潰れるが。
だが、ライはその機体を注視した瞬間、ぎょっとした。
既に敵機は頭部からハドロン砲を放とうとしている。
避けようと考えたライが機体を動かそうとしたとき、アカシックシステムが知らせる周囲の状況を知ってぎょっとして後ろを振り向いた。

「!!」

射線上にトリスタン・ディバイダーと紅蓮聖天八極式がいるのだ。
どちらも戦闘不能の状態で、このままでは巻き込んでしまう。
そして、次の瞬間、極太のハドロン砲が天月に向けて発射された。

















「………」

ハドロン砲を放った悪魔のようなナイトメア『ルシフェル』のコクピットで、操縦者の『カリス』は攻撃が天月に直撃したのかどうか、様子を見守っていた。
今は被弾したのか、防がれたのかはわからないが、着弾時の爆風でその周囲が見えなくなっているのだ。
と、その時、爆風が何かで払われたように晴れた。
そこからは、天月が刀を振り切った状態で依然として存在している。
しかし、エナジーウイングの大きさが少々拡大し、そこからはキラキラと光る粒子が溢れんばかりに放出されている。

「リミッターをはずしたか……」



















「危なかった……」

発射される直前、ライは天月に施されていたリミッターを全て解除し、飛んできたハドロン砲を蒼焔で防いだのだ。
さすがに、弾き飛ばしきるには少々時間がかかったが、ジノ達も巻き込む事なく、無傷で済んだ。
そして、息を整えると、トリスタンへと通信を繋げる。

「ここから早く離れろ、ジノ」

『……何故助けた?』

あの砲撃の様子はジノも見ていたのだろう。
それに、敵であるはずのライが助けた事に対して、眉を顰めているのが画面に映っている彼の顔でわかる。

「この戦いは言わば僕の私闘だ。君達には関係ないからな。それで死んでもらっては目覚めが悪い。それだけさ」

『………』

「早く行け。これ以上は庇いきれない」

ライがそう言うと、トリスタンは紅蓮を連れて空域を離れて行った。

(……これでいい)

ライは相手を見据え、刀を天月に構えさせる。
性能はリミッターを解除した事で、11世代に相当する性能に上がっている。
そして、実は相手のルシフェルも11世代。
性能はほぼ互角。
なら、勝敗を決するのは……。

「互いの技量次第……。行くぞ!」

その瞬間、天月がルシフェルに向けて飛び出した。


























天月とルシフェルの戦闘が始まった。
そして、先に仕掛けたのは、先の通り天月だった。
いきなり左手で輻射波動剣を抜いて迫る。
一瞬で距離を詰めた天月がルシフェルに刀と剣を振り下ろす。
しかし、それを見切っていたルシフェルはデーモン・エナジーウィングで受け止める。

「何っ!?」

受け止められた事に驚くライ。
しかし、相手の動きはそれだけで終わらなかった。
機体に付いていた尻尾で思いっきり横っ面を叩かれる。

「ぐっ!」

ダモクレスのシールド範囲外に吹っ飛ばされる天月。

「くっそ……!」

先ほどまでいた方向を見たライだったが、直後に気づいた。
“敵は後ろだ”。
そして、視線を向けた先には案の定ルシフェルがいた。
天月が吹っ飛ぶスピードよりも先に後ろに移動していたのだ。
そして、次の瞬間、天月は思いっきり後ろから蹴り飛ばされた。
一気に超スピードで天月が下の海面に向けて落ちていく。

「ちぃ……!」

あまりにも超絶的なスピードで落ちていく天月だったが、スターエナジーウィングを制御して海面ぎりぎりで当たる前に機体を滑らせ、方向転換する。
既に後ろには、ルシフェルが追ってきている。
右手には、出力されたブレイズルミナスが剣となったものを握っている。

「これならどうかな?」

天月は刀を水面に付ける。
その際に水しぶきが舞う。
と言っても、既に飛行している影響で水しぶきは舞っているが。

「『水月・逆鱗』」

瞬間、天月は機体を回転させる。
それと同時に刀によって水が巻き上げられ、天月の姿を覆い隠す。
だが、それにかまわずルシフェルはブレイズルミナスの剣を横薙ぎに振るった。
巻き上げられた水が真っ二つに割れる。
しかし。

「手ごたえがないだと……?」

そう疑問に思った瞬間、下から海面を突き破って天月が現れた。

「『水月翔閃』!!」

「ちっ……」

刀で切り上げたと同時に水を巻き上げた斬撃がルシフェルを襲う。
しかし、その奇襲をルシフェルは上体を後ろにそらしてかわした。
と同時にブレイズルミナスの剣を振り下ろして反撃してくる。
それを天月は剣で受け止めた。
そこで、周囲に衝撃波が巻き起こる。
しかし、互いに力は拮抗している。

「ちぃ……!」

「………」

だが、そこに今度は天月がルシフェルに蹴りを叩き込む。
衝撃で吹き飛ぶルシフェル。
それをすかさず追う天月。
と、そこへ天月に通信が入った。

「貴様は何のために力を求める?」

その問いにライは迷いなく答えた。

「僕を信じてくれる友のために!」

「ならば、貴様の望みは何だ?」

「決まっている。友を助け、目指したものへ導く事!それが僕の望みだ!」

互いに目で追えない程の速度で幾度も斬り合う。

「なら、貴様は貴様自身に何を望む?」

「……何?」

そこで、ライは思わず問い返した。
いや、正確には答えに窮したのだ。
そんな事今まであまり考えた事がなかった。
というより聞かれてその答えが浮かんでこなかったのだ。

「やはり貴様は……その程度か」

「何!?」

次に斬りあった瞬間、すぐさま来た二撃目の蹴りで天月は吹っ飛ばされた。

「くっ!」

しかし、すぐに体勢を立て直した天月は、すぐに切りかかってきたルシフェルに逆に切りかかる。
刃が激突し、互いがすれ違う。

「どういう意味だ!?」

「それに答えるつもりはない。そして、それがわからない限り貴様は俺には勝てん」

そして、すぐに両者は振り返り刀を、剣を振るう。

「『弐月豪閃!!』」

「『魔閃』」


ズガアァァァァァァン!!!


二機の絶大なパワーが真っ向から激突する。
だが、そのパワーのぶつかり合いで両者は吹っ飛ばされる。
しかし、天月の体勢の方が悪い。

「もらった」

一気にルシフェルが間合いを詰めてブレイズルミナスの剣を振りかぶってくる。
かろうじて刀を振るって防いだ天月だったが、勢いは殺しきれずそのまま一気に押される。
そして、そのまま直線上にいた大竜胆に叩きつけられた。
今頃大竜胆では、艦の揺れに皆慌てている事だろう。
だが、そんな事を気にする暇もないライは、なんとか刀でルシフェルの斬撃を受け止めていた。

「くっ……」

「反応はそれなりに早いようだな。だが、一瞬たりとも気をゆるめるなよ。あまり早く終わられてはつまらないからな」

左手で斬撃を仕掛けていたので、空いた右手でルシフェルがブレイズルミナスを纏った攻撃をしてくる。
打撃には入るが、もらえば損傷は負ってしまう。
しかし、天月は咄嗟に輻射波動剣を捨て、攻撃を輻射波動の盾で防いだ。

「……つまらないだと?」

その瞬間、ライの口調が変化した。

「笑わせるな!」

天月は鍔迫り合いしていた剣を振り払い、刀を左切り上げで振るう。
咄嗟にルシフェルは避けたが、避けきれず胸部にそれなりの傷を負う。
しかし、致命傷には至らないので、機動には問題ない。

「こっちのセリフだ。手加減されたらつまらねえから……一瞬も気を緩めるんじゃねえぞ!!」

「くっ……ウルフとのシンクロか……!」

そして、追撃のために大竜胆を蹴って天月が刀を振りかぶりながらルシフェルに迫る。
ルシフェルは天月の一撃目の袈裟切りを受け流し、二撃の横薙ぎを受け止める。

「ちっ……!」

勢いで押し負けると感じたカリスは、天月をルシフェルの尻尾で思いっきり打ち上げる。
しかし、天月は追撃にくるルシフェルに左手の輻射波動を掲げ、輻射波動砲を発射する。
ルシフェルはその極太の射線を咄嗟に横っ飛びで回避する。
現行のナイトメアを遥かに凌駕する二機の戦闘はまだ終わらない。























「ライ……」

ルルーシュは今ダモクレスの管制司令室で、ライの天月の戦闘模様をモニターで見ていた。
二機の戦闘は他を隔絶し、寄せ付けないものとなっている。
攻撃する度に、衝撃波を発し、流れ弾が天を割り、海を割る。
巻き込まれたナイトメアは被弾を認識する事すらできない程の超スピードの戦闘。
正直言って、モニターも二機の動きを捉えられていないほどだ。
その様子を見守りながらルルーシュは、ライが天月を作り上げた時の頃、ルルーシュにある頼み事をしに来たのを思い出していた。





「ルルーシュ、話がある」

「どうした、ライ」

ルルーシュは下準備のための作業を一時中断し、後ろから声をかけてきたライに振り返った。

「決戦の時、もし悪魔のようなナイトメア『ルシフェル』が現れたらあれは僕にまかせてくれないか」

「?何だ?そのナイトメアは?」

「僕が天月を扱うにふさわしい人間か、試しにくる者さ」

その後、ライから事情を聞いたルルーシュは、そのナイトメアに対する対応とライがそのナイトメアと決着を着けるまでは世界に勝った事を表明するのを待つと いう事に決めたのだった。
最初、ライは反対したが、ルルーシュがそれでいくと押し通したためにライも渋々納得してくれたのだった。








そんな事があり、今もルルーシュはライの戦闘をずっと見ていた。
これはおそらくライのために必要な事。
ならば、親友であり、戦友でもある自分が最後まで見届ける必要があると思ったのだ。

(ライ……勝ってくれ。絶対にな……)

ルルーシュはそう祈りながらも、モニターを見続けた。





















そして、C.C.もライの戦う様を見ていた。
近くの味方艦の上にランスロット・フロンティアを下ろして、そこから見ているのだ。
と言っても、ほとんど動きを捉えられないので、全体から漠然と見ているのだが。
凄まじい攻防を続ける天月とルシフェルを見てC.C.は呟く。

「ライ……」

心配そうに戦いを見つめるC.C.はこの戦いの意味するものが何か、ライによって知らされていた。
ルルーシュと違うと言えば、ただこの一点である。
そして、C.C.はこの戦いの意味の悲しさとやるせなさを胸に抱いていたが、同時にライの勝利を願っていた。
勝ってくれと。
























天月とルシフェルの戦いは佳境に入りつつあった。
互いに大きな損傷はないものの、所々傷ができ始めている。
互いの刀と剣を交錯しながらぶつけ合っていた二機だったが、距離を詰める際に天月が動きを変える。

「輻射手裏剣」

ライがそう言うと同時に、左手の輻射波動の掌から手裏剣状の大きな輻射円盤が出来上がる。
紅蓮の輻射円盤をさらに手裏剣状に加工したものと考えればいい。
そして、天月はその手をかざし、投擲する構えを見せる。
しかし、ルシフェルも既に攻撃の態勢に入っていた。
持っているブレイズルミナスの剣をさらに長くし、こちらも投擲する構えを見せる。

「雷帝槍」

両者が同時に持っていたものを投げた。
それは互いに激突し、凄まじい衝撃波と爆風を発する。
だが、二機は衝撃波が収まると同時にまた刀と再び作り出した剣を掲げて飛び込む。
また刀と剣が激突し、鍔迫り合いの状態となる。

「……おまえに欠けているものとは何だ?」

「…………」

ライはカリスの問いには答えない。
ただ、先ほどからそのような事を言われて考えてはいる。
しかし、どうしてかその答えが浮かばない。
それを知ってか知らずかカリスは言葉を続ける。

「知力?武力?地位?名声?友情?……違うな。おまえはその手のもので欠けているものはない」

「だったら何だと言うんだ?」

「それがわからないから貴様は弱いと言っている!」

瞬間、天月の刀が払われた。
そして、すぐに二の太刀を振るったルシフェルに右肩部の装甲を持っていかれる。
かわしきれなかったが、駆動部分には損傷がいかなかったため右腕の動作には問題はない。
しかし、今の衝撃で右手の『蒼焔』を落としてしまう。

「!しまった!」

「終わりだ!」

さらに止めと言わんばかりにルシフェルがブレイズルミナスの剣で刺突を繰り出してくる。
この距離ではかわせない。
そう思われたが、ここでライは神がかり的な反応を見せた。
突き出される剣に対して、防ぐのではなく、輻射波動を剣の腹にぶつける事で剣自体を弾いたのだ。

「なに……!?」

その反応に驚くカリス。
一瞬、動きが止まったルシフェルに天月は蹴りを叩きつけ、無理やり距離を取ると、さらに追加されていたもう一本の刀、MVSである『天ノ羽々斬』を右手で 左腰 から取り出す。
天月が構えると同時に刀身のなかった刀から刀身が出力される。
刀身は輝くような白銀だ。
それを振りかぶり、天月は再びルシフェルに攻撃を仕掛ける。

「確かにその答えとやらを知らない俺は弱いのかもしれない!だが、ここでおまえは倒す!」

振り下ろされた刀を体勢を立て直したルシフェルが受け止める。

「ならば、証明してみせろ!おまえのその力と心で!」

一旦互いの武器を弾いて距離を取った二機が、再び高速で激突し合う。
しかし、これまでほとんど損傷を負わなかった戦いとは違う。
互いに斬り出すのを喰らうのを承知で最小限の損傷に止め、攻撃や反撃を繰り出す。
その応酬だった。
どちらか一方が攻撃を繰り出す度に切られた装甲から破片が飛ぶ。

「『蒼破閃・雷』!」

「『魔閃・豪』!」

そして、その終止符として互いに最大級の攻撃を同時に繰り出した。
天月は特殊なMVSを利用した斬撃と斬撃破の電気エネルギーを合わせた攻撃。
ルシフェルはブレイズルミナスの剣を肥大化させ、渾身の力で振るう。
それぞれの攻撃が衝突し、ぶつかり合う。
だが、今回も威力が互角で二機とも吹っ飛ばされてしまう。
しかし、さすがと言ったところか。
すぐに両者は体勢を立て直した。

(このままではどちらも消耗する一方だな……)

(ならば……勝負を決めるにはただ一つ)

ここで両者の考えが合致した。

((相手の攻撃を超える速度と力で技を繰り出すしかない))

その考えに至ったライはカリスに向けて言った。

「さすがにこれ以上続けるのは、お互い無理そうだ。この辺りで決着を着けないか?」

「ふっ……。どうやら貴様も同じ考えだったようだな。……いいだろう」

カリスがライの言葉に応じるとブレイズルミナスの剣を構える。
ライは刀を構える。

(機体のパワーとスピードはほぼ互角。そして、互いの技量もほぼ同等。……ここであいつを倒すにはアレしかないか。俺が持つ最強にして最速の技、総集奥義 『斬月』を。だが…できるのか?今の俺に。……いや、やるしかない)

その技を出す事に決めたライは、刀を持ったまま無形の位を取るという構えを天月に取らせる。

「無形の位……。背水の陣のつもりか?……無謀だな」

「そんな事わかっている。しかし、それでも……命を捨ててでも俺はここで勝たなければならない」

「だから貴様はその程度なんだ」

ライは冷静に相手を見据え、操縦桿を握る。
しかし、そこで自分の状態に気づいた。

(手が震えている……。まさか、恐れているのか……?相手はナイトオブワンでもないのに?)

そう自問自答していると、ライはそこである事に気づいた。

(そうか……俺は死を恐れているのか。今目の前にいる相手の背後に映る絶対の死を……)

今の相手にはそれ程の威圧感と気迫があった。
話さずとも肌でわかるのだ。
互いに全力である以上死はどちらかに決定している事。
それをライは恐れているのだ。

(死を恐れるだと……?あの時から生への執着なんてとっくにない。なのに何故俺は死を恐れる?……恐れるな!)

そう覚悟を決めた瞬間だった。

「死ね!!!」

ルシフェルが動く。
ブレイズルミナスの剣を構えて一気に天月に向けて突進してくる。

「うああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

ライが叫ぶ。
叫びながらライの頭の中には昔の出来事が走馬灯のように蘇っていた。
母と妹を守るために王になった自分。
力を求めすぎた挙句その大切な人達を殺してしまった自分。
そして、時を越えた先でルルーシュ達に出会った自分。
その中で見つけた大切な色、世界が色づいて見えた事。

(!!!!)

そこでライはハッとした。
今までにできた大切な人達の笑顔が脳裏にちらついていく。
ルルーシュ、C.C.、ナナリー、カレン、シャーリー、リヴァル、ミレイ、ニーナ、そしてスザク、ジノ、アーニャも。
敵であった人達の顔ですら浮かんだ。

(俺は……まだ……)

目の前を埋め尽くす程の刺突が、死が、目の前に迫る。
だが、そこで天月が動いた。
持っていた剣を翻し、一気に振るう。

「ぬあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」





















キイィィィィィィィィィィィィン!!!!!




















次の瞬間には二機はすれ違っていた。
互いに距離が離れた所で、刀と剣を振り切った状態で静止している。

「そうだ。それでいい」

口を開いたのはカリスだった。

「あなたは過去に大切な人を含んだ大虐殺をしてしまった事で、己の命すらも軽んじてしまう」

「…………」

「時として死を望んでしまい、自分よりも他人の考えを優先し、その結果それが後悔へと繋がる……」

「…………」

ライは黙って聞いている中、カリスははっきりと告げた。

「生きてください。そして、生きようとする意志は何よりも強い。それを忘れないでください」

「だが、俺は……」

初めて口を開いたライの言葉を、カリスはわかっているというように遮った。

「あなたが自分自身を嫌っている事は知っています。ですが、もう自分に正直になってもいいはずです。そんなあなたを慕ってくれる人達のためにも。もちろん あなた自身のためにも。……自分を愛せない者が他人を愛せる訳がないでしょう?」

「……そうだな」

そして、その瞬間ルシフェルに亀裂が入った。
袈裟懸けに入った傷がじょじょに広がっていく。
勝ったのはライと天月だった。

「……すまない。いくら俺のためとはいえ、おまえの命を踏み台にするような真似をして……」

ライの悲しそうな言葉に、カリスは笑って答えた。

「いえ、構いません。これは未来で後悔する、私の恩人であるライ様のためにと私自身が引き受けた事。気にしないでくださいとは言いませんが、その言葉だけ で充分です」

ルシフェルの被害が広がっていく。
ところどころ各部に小爆発を起こし始めていた。

「ライ様、せめて後悔だけはなさらぬように……」

「ああ、わかってる。おまえのためにも、俺自身のためにも」

「ならば、結構です。あなたの未来に幸があらん事を……」

そして、カリスの言葉を最後にルシフェルは爆散した。
その破片と爆炎が収まり切るまで、ライはその様をずっと目に焼き付けていた。

























ライの最後の戦いが終わってまもなく、戦場である空域にフレイヤ弾頭が撃ち込まれた。
そこに、閃光と共に膨大なエネルギーが奔る。
さらに戦場で生き残っていた全ての航空艦、ナイトメアの通信パネルに撃った人の姿が映った。
ダモクレスの司令室に傲然と立つ黒髪の少年。

『全世界に告げる。私は神聖ブリタニア帝国皇帝ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアである』

ちなみにこの映像と声は世界にも伝わっていた。
それを戦場で聞いていた星刻は、フレイヤによって発生した衝撃波に飛ばされないように機体を制御しながらうめく。
そこには絶望の色があった。

「馬鹿な!ルルーシュがフレイヤを使ったということは!」

続く言葉は画面のルルーシュが口にした。
絶対の自信とこの世の全てを見下す傲慢な表情と共に。

『シュナイゼルは我が軍門に下った。これによってダモクレスもフレイヤも全て私のものとなった。黒の騎士団に私に抵抗する力は残っていない。それでも抗う というのなら、フレイヤの力を知る事になるだけだ』

遠く離れた蓬莱島にある病院の一室では、ブリタニア第二皇女コーネリアも同じ映像を備え付けのテレビで見ていた。

『我が覇道を阻む者はもはや存在しない。そう、今日この日、この瞬間をもって、世界は我が手に落ちた!』

世界の人々が同じ映像を見、そして、悲嘆と憎しみの声をあげた。
そして、ルルーシュは宣言する。

『ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる。世界よ、我に従え!!』

「オール・ハイル・ルルーシュ!」

「オール・ハイル・ルルーシュ!」

「オール・ハイル・ルルーシュ!」

ギアスの奴隷達の讃歌だけが、戦火の収まった戦場にこだましていた。
ライはその様子をナイトオブゼロであるにも関わらず、黙って見つめていた。


























あとがき


大っ変お待たせしました!お待ちだった読者の皆さん、待たせてしまって申し訳ありません!
24話前編、後編をお送りしました!
既に23話更新から約一ヶ月と20日……やっと更新する事ができました!
本当は、一ヶ月程で更新するはずが……時間なくてできませんでした(汗)
1月は正直書く暇すらほとんどない状況で……(汗)
2月は2月でその時点では書けたには書けたのですが、仕上げをする時間が今度はなくて……(滝汗)
一番気になる最終決戦の話だというのに大変待たせて申し訳ありませんでした(汗)
とりあえず、完結まではちゃんと頑張るので、更新が遅くても気長に待っていてくださいね。
もちろん、今後はなるべくペースを維持していきますので、ないとは思いますが。

という事でいつものお話解説です。
今回も、というか最近前編と後編が続いているのですが、前編と後編の二部構成となっています。
前編は原作よりでスザクVSカレンの決着、後編はオリジナルよりでライVSオリジナルキャラのカリスの決戦となっています。
まず前編ですが、ライとアゾネスの因縁の対峙以外はほぼ原作と同じになっています。
はっきり言って、スザクVSカレンのところは原作アニメを小説にしたバージョンと言ってもおかしくないところですから。
という事で今回はライとアゾネスについて。
本編でも書いていた通り、ライを改造人間、主にウルフを仕込んだのはアゾネスです。
ライが実験体で、彼女はライを改造した研究者といった関係です。
ちなみにアゾネスが生み出したり改造した実験体は複数いるという設定で、ライはその5人目の実験体となっています。
ただし、他の実験体は既に死亡または破棄されている場合が多く、生存している実験体はごく少数です。
ただ、そのごく少数の実験体も行方不明ですが。
アゾネスがライのような戦闘に特化している実験体を研究・作り出しているのは、単純に研究したいという欲望からもあるのですが、他に戦闘において最強であ る究極の兵士を作るという野望からきているんですね。
それで、国をひっくり返そうとかどこかの国を乗っ取ろうと考えていたとか。
だから、実験体が複数いるという訳です。
しかし、ライ達が作ろうとしている未来、明日には究極の兵士のような存在は必要ない。
だから、ライは例え自分を否定する事になろうとも、世界の明日のためにアゾネスの研究を止めようとし、結果それを成し遂げたという訳です。
過去の実験体としての自分への決別を兼ねているというのもあります。
後、ナナリーが持っていた折り紙の桜ですが、ルルーシュがライに無事を祈る物として渡しています。
で、ここで疑問に思った人もいると思うのですが、ダモクレスの鍵を渡せと命令しておいて、折り紙の桜も偶然とはいえ一緒に取れるのか?と。
私もこれには非常に頭を悩ませました。
ただ、これはどうしても書きたくて。
そして、考えた結果、かけられた本人が認識する事ができない範囲でなら可能という事にしました。
ギアスは脳神経に介入して、効果を及ぼす能力ですから、本人が認識できていないなら例え命令とは関係ない行動を同時にしていても、命令には反した事になら ない、という訳です。
命令された本人はダモクレスの鍵を受け取ったと判断しているのですから。
もちろん、認識もしくは気づかれる範囲でやるとダメなのは当たり前ですが。
ともかく、そういう設定にして、ライはルルーシュから昔ナナリーと折った折り紙の桜を受け取ったという事にしました。
まあ、あまり突っ込まないで頂けるとありがたいです(苦笑)

続いて後編ですが、ここはライVSカリスがメインとなっています。
技術的には最高の11世代同士の激しい決戦となっており、燃えていただけたら私としても嬉しいです。
本編の決着付近でもありますが、構図としてはカリスは未来のライから送られてきた人であり、過去(現在)のライを試す者であり、刺客という位置づけとなっ ています。
つまり、これはライにとっての最終決戦という訳ですね。
悪く言えば、世界を股にかけた私闘といったところでしょうか。
描写に関しては最終決戦という事で、少々派手めにしています。
カリスやルシフェルは、天月の設定と共にあとがきの後に載せておきますので、そちらを参考にしてください。
ですので、ここでの解説は割愛させてもらいますね。
もう一回言いますが、ライの全力を出し切った戦闘に、わくわくしたり、白熱してくれたら私としてはとても嬉しいです。

さて、今回でほとんどの決着が着いたため、戦闘はもうほぼないです。
ただ、ウルフの本質は何なのかなどの秘密もまだ残っています。
これは一体どういう事なのか?
もちろん、これは今後で明らかになりますので、是非チェックしてくださいね。

そして、次回!
ついに読者の誰もが気にしているであろうあの場面、そして結末!
ルルーシュは果たして死んでしまうのか!?それとも生存するのか!?
スザクはどうするのか!?ライはどう動くのか!?
ついに原作場面でのクライマックス!
ちなみに次回では、感動できる曲をEDに用意して頂けるといいかと思います。
私のオススメとしては劇場版ガンダム00からuverworldが歌う「クオリア」です。
そうすれば、恐らくもっと感動できると思いますから。
少なくとも、私はそうでした。
書いている人として、自分で書いて感動するって痛い感じがありますけど(苦笑)
ともかく、そこは読者の皆様1人1人の判断におまかせしますね。
感動できるかも、個人個人によって違うかと思われるので。
という事で、次回も乞うご期待ください!

今回もまたたくさんのWEB拍手と感想ありがとうございました!
だいぶ長い間待たせてしまいましたが、名前を書いてくれた方には返事をしていきますね。



>> ファルーシュさん
いつも初めに感想をして頂いてありがとうございます。
ライ無双気に入って頂けて何よりです。
気になる点はこの回でおそらく解決するかと思われるので、ここでの解答はしないでおきますね。
体の方は大丈夫ですよ。
心配して頂いてありがとうございます。
まあ、むしろ精神の方がだいぶ参ってたんですけどね(苦笑)


>> あおばさん
感想の方は返事を書いたので、ここでは割愛させてもらいますね。
ちなみに今回は最終回ではありませんでした。
今後も頑張っていきますので、よろしくお願いします。


>> スザクさん
そういえば、前回は感想がありませんでしたね。
まあ、私は特に気にしていないので、大丈夫ですよ。
ドキドキしたり、燃えて頂いて私としては、嬉しいです。
ライの容赦ないところにも反応していただいたようですね。
まあ、こちらは縮図さんという方にはかなりの指摘を受けたのですが(苦笑)

ライとアゾネスの関係は今回でわかってくれたと思います。
私としては、だいぶ引っ張ってきたネタなので、やっと登場したかという感じでしたね。

今回も楽しんで頂ければ、嬉しいです。
企画の方は、まあそんな大それた事をする訳でもないのですが、楽しみにしていてくださいね。


>> COLORさん
感想ありがとうございます。
企画の方はささやかなものですが、期待していただいているという事で嬉しく思います。
楽しみにしていてくださいね。
そうですね、私もそこはわかっていたのですが、そこをあえて……みたいな事でやっています。
しかし、不自然なとこはやめておいた方がいいみたいですね。
今後…ってもうほとんどありませんが、今度からはそういうところはよく考えて書きますね。
シリアスなはずが笑ってしまわれた事に私は予想外でしたが。
ご忠告ありがとうございました。


>> yoshikiさん
初めて感想をしていただいた方ですね。
いつも読んで頂いてありがとうございます。
蜃気楼は個人的に好きなんですよ。
あの防御力とか射撃とかフォルムとか……。
破壊してもしなくてもあまり変わりはないんですけど、もったいなぁという事で破壊はやめさせてもらいました。
共感して頂いた方がいてくれて嬉しかったです。


>> あおばさん
感想とはまた別の質問ですね。
後で、別の方の返事で書きますので、そちらをご覧になってください。
完結記念に買おうかなと思って頂いているのには、大変嬉しく思うのですが。


>> YAMAさん
長い間お待たせしてしまいました。
申し訳ないです。
アーニャに下した審判はまた後にわかりますので、気になるのであれば是非チェックしてくださいね。

はい、予告通りライ無双でした。
燃えてくださってありがとうございます。
これには、好評頂いた方が多かったです。

フレイヤに挑むシーンも燃えて頂いてありがとうございます。
私としても書いた甲斐がありました。

気になっている部分は全て今後や今回で出ているので、ここでの解答はしないでおきますね。
その他にも色々と褒めて頂いてありがとうございます。
本当に嬉しかったです。

今回でまた燃えて頂けたなら、嬉しいです。
まだまだ寒い時期が続きますが、最後まで頑張っていきますね。


>> dyさん
無名で以前から感想をくれていた方だったんですね。
ありがとうございます。
前からの分もまとめてお礼を言わせてもらいます。

どういった結末になるか、それは完結までわからないので、是非今後も見てくださいね。

私としては、新しいギアスアニメは正直見ようか迷ってるんですよね。
もちろん、ギアスは好きなのですが、なんとなく……。
ただ、最近私の見たいアニメ事情が少ないので、見る可能性は高いと思います。
ともかく、ギアスファンの方には楽しみでしょうね。

月下先行試作機の件ですが、dyさんのおっしゃるとおりです。
以前私も調べてみたので、間違いないです。
ちなみにクラブの方は持ってます。
いいですよ、あれは。
それとLOSTCOLORSの続編の情報は私も知りません。
というか、そんな情報があるんですかね?
私としては、あれば嬉しいですが、現在は恐らくないと思っています。
まあ、R2の2次を書いている私としては、微妙でもあるんですが(苦笑)
でも、出てくるのであれば、素直に嬉しいですね。
何度も言うようですが、現在はそのような情報は恐らくないです。

>> あおばさん
こちらは以前掲示板で返信していますので、割愛させてもらいますね。
提案ありがとうございました。



これでWEB拍手の返事は終わります。
今回も色々な方から感想を頂けて嬉しかったです。
もうすぐ拍手数3000!
突破できると嬉しいです。
完結まで後わずか!
最後まで見て頂けると嬉しいです。
そういえば、この作品は今回が今年初めてとなりますね。
随分遅いですが(汗)
ですが、今年も調子を戻して頑張っていきますので、完結まで応援よろしくお願いします!
まだ2月で寒い時期……体調管理には気をつけてくださいね。
では、また次回にて!


















ライの搭乗機体紹介〜第3弾〜&オリジナルキャラ、機体設定紹介


天月(あまつき)
武装:ハイパーブレイズルミナスソード『蒼焔』
   飛燕爪牙
   竜の腕(徹甲砲撃左腕・竜改)
   神剣「フェニックス」(輻射波動剣)
   MVS『天ノ羽々斬』
備考:竜型ナイトメア「星龍」のパーツと紅蓮聖天八極式の強化データを元にロイドとセシルが崩月を強化、一新した機体。
元 々崩月の強化パーツであった「星龍」の「スター・エナジーウイング」と通称「竜の腕」、システムを採用した事で開発期的には第9世代にあたるが、機体の総 合性能では第11世代に及ぶ、最強の機体に仕上がった。
武装も「星龍」が搭載していた「蒼焔」と「天ノ羽々斬」を採用し、接近戦の攻撃力も格段にアップしている。
こ の機体の最もな特徴は動力のサクラダイト起動のために使われているエナジーフィラーを莫大なエネルギーを保有し、稼働する「プラズマフィラー」を採用した 事だ。こ れによって半永久的に動く事が可能。
戦況把握、3本の刀(剣)による幅広い近接戦高速戦闘が可能となり、ライにふさわしい機体として仕上がった。
事実上この時代における最強のナイトメアとなり、ライの専用機。



星龍
備考:未来のライ自身から送られてきた竜型ナイトメア。
この機体は元々崩月として強化パーツとして未来の技術で開発された。
機体には崩月の強化案とこの機体のデータと身近な未来についての記録が搭載されている。
この機体はドルイドシステムを発展させた近未来予測システム「アカシックシステム」があり、それ自身が知能を持っているため自身で稼働している。
このシス テムは天月に移植される。



追加:武装紹介


ハイパーブレイズルミナスソード『蒼焔』

以前使われていたブレイズルミナスソード『蒼月』の発展型。
既に未来で製作されていたが、元はこの刀としている。
従来のブレイズルミナスソードよりも切れ味、攻撃力共に高く、天月の出力の高さも相まって破格の攻撃力を持つ事となった。



竜の腕(徹甲砲撃左腕・竜改)

徹甲砲撃左腕の発展型。
未来で輻射波動の技術をさらに煮詰め直し、開発された。
従来の徹甲砲撃左腕よりも出力、連射性が上がっている。
ただし、紅蓮の徹甲砲撃右腕とは違い、輻射波動機構に重点を置いているため、紅蓮聖天八極式のようにハーケン機構は内蔵しておらず、腕を飛ばす事はできな い。
設定も崩月と同じものがされているため、輻射機能を一時的に封じる事で細かい動作をする時のマニュピレーターとしても使用可能。
ちなみに通称竜の腕と呼ばれているのは、徹甲砲撃左腕を強化する際に、モチーフにしたのが、ある竜の腕だったという事かららしい。



天ノ羽々斬(あまのはばきり)

崩月が天月に強化された際、新しく搭載されたMVS。
未来の技術が惜しみなく使われているため、出力、切れ味共に従来のMVSを凌ぐ。
ただ、MVSとしては特殊で余剰電気エネルギーを刀身に纏わせ、斬撃波として放つ事を可能としている。
刀身は白銀。
携帯時は刀身がなく、使用に際し出現するという輻射波動剣と同じ形を取っている。
そのため、刀身は液体金属製。


スター・エナジーウィング

未来による技術で、エナジーウィングがさらに発展したものの1つ。
出力、飛行速度、加速力の飛躍はもちろん、紅蓮聖天八極式の突撃形態やランスロット・アルビオンが行ったブレイズルミナスの刃を飛ばすといった事を全て可 能とした。
さらにブレイズルミナスの羽を大きく広げる事で、それによる防御も可能とした。
そのため、全ての点においてエナジーウィングを上回る次世代のフロートシステムとなっている。
そして、このスター・エナジーウィングは天月専用に改良されたもので、主に汎用性、機動力の向上に重点が置かれている。
故に運動性能と攻撃の多様性においては11世代の中でもかなりの高性能を誇る。
攻撃、防御のどちらも可能とする汎用性と高機動に赴きを置いた万能発展型エナジーウィングである。







オリジナルキャラ紹介


カリス

未来のライに命を救われた男。
そのため、ライを恩人とあおぎ、敬愛している。
未来で苦悩していたライが、過去の自分に宛てた機体と試練を送る際、自らその試練となる事を志願した。
その計画自体も未来で苦悩するライを見た彼が発案したもの。
性格は、冷静沈着。
恩人であるライのためなら、命を捨てる事すら厭わない程の覚悟を持っている。
過去のライと激闘を繰り広げ、結果敗れはしたものの、過去のライが自分の望みを知った事で彼の役に立てたと満足して死んでいった。




オリジナル機体紹介


ルシフェル
武装:ヘッドハドロン砲
   ブレイズルミナスセイバー
   ブレイズルミナスランス
   テールバインダー
   スラッシュハーケン
備考:未来のライが過去の自分に向けて送った刺客カリスの乗る機体。
天月とは違い、ブリタニア技術中心の機能を発展させた機体でブレイズルミナスの機能が特化された仕様となっている。
そのため、ブレイズルミナスを発生機構が搭載されている両手から形成、持続、剣や槍タイプの武器として扱う事ができる。
事実上形成された武器を失くしても、再び作る事が可能であり、また飛ばす事もできる。
ただし、飛ばす場合持続時間はそうは長くないため、射程はそう長くない。
加えて威力が大きすぎるため、命中精度も低い。
技術が進歩した未来の機体のため、機体そのものの耐久度が上がっており、それにより頭部へのハドロン砲内蔵、搭載を可能とした。
武器全ての威力は天月とほぼ同等性能なので、全てが第11世代並の高威力を持っている。
さらに天月と同様『プラズマフィラー』を搭載、専用の『デーモン・エナジーウィング』を搭載している。
天月と並ぶ現行最強の機体。
悪魔のような姿をしており、機体の色は白と黒がメイン。



追加:武装紹介

ヘッドハドロン砲

頭部に搭載したハドロン砲。
頭部の耐久力が上がった事で搭載が可能となった。
ハドロンブラスターと同じく1点集中型で、威力は申し分ない高さを誇っている。
発射形態をいじる事で多少拡散させる事も可能。


ブレイズルミナスセイバー/ブレイズルミナスランス

ルシフェルの両手の掌にあるブレイズルミナス発生機構から形成される武器。
発生機構自体は今までにない程小型化、高性能化されている。
形成、維持は全てこの発生機構で行われる。
手放しても短時間なら維持が可能であり、飛び道具としても使用できる。
切れ味と威力はMVS並。
刃のように薄く研ぐような形態を保つ事により、たとえブレイズルミナスソードであろうと、そう簡単に破られる事はなくなった。


テールバインダー

ルシフェルに搭載されている尻尾。
実はこれは武器で、先端は高硬度な突起が付いており、相手を拘束したり、叩きつける事などが可能。
さらに内部にはマニュピレーターも搭載されており、細かい作業なども可能。
ルシフェルに搭載されている武装で、最も自由度が高く、柔軟性の高い武器。


デーモン・エナジーウィング

天月と同型の発展型エナジーウィング。
こちらはブレイズルミナスの刃を飛ばす事はできないが、かわりにブレイズルミナスのさらなる高出力化を図っている。
そのため、羽で機体を覆った突撃形態やウィング自身の防御力はスター・エナジーウィングよりも高い。
攻撃や汎用性よりも防御に赴きを置いた防御発展型エナジーウィングである。




※以上で設定紹介は終わりますが、長い間溜めていたせいか忘れがちになっているので、抜けがあるかもしれません。そのような事があった場合は、言ってくだ さるとありがたいです。いずれ完結後にまとめた設定集を投稿する予定ですので、そちらで訂正・追加したのを挙げさせてもらいます。後、恐らくないと思いま すが、この設定に一部書いている事がネタばれになっているかもしれません。もし、そのような事に気づいた時は言わずに暖かな目で見て黙って頂ければありが たいです。設定をご覧頂いてありがとうございました。



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