作者:193
2008/12/05(金) 11:14公開
ID:4Sv5khNiT3.
「今まで気付かなかったなんて……」
「うん……アムちゃんもずっと自然だったから気付かなかったよ」
「でも、やっぱり必要だよね……」
アリサ、なのは、すずかの順に三人は一様に同じことを考えていた。
だが、話の当事者たるアムラエルとフェイトの二人にはなんのことか分からない。
そんな困惑する二人を無視して、三人はおもむろに何かのパンフレットを取り出すと――
「これが機能的でいいんじゃない?」
「こっちの方が可愛いと思うの」
「あ、でも同じ機種の方が色々とお得だよ?」
――と好き勝手に何か言い合いをはじめる。
なんだかよく分からないアムラエルとフェイトの二人は、そんなアリサたち三人を不思議そうに見ていた。
しかし、あまりにアリサたちが白熱した談義を交し合っているため、「何をしているのか?」と聞きたくても割って入れない二人。
「……フェイト、ゲームでもしてようか」
「……うん」
結局、よく分からないアムラエルとフェイトはアリサたちを放って、先日発売したばかりのプラスタ3の新作格闘ゲーム『無礼ズ婆チャン5』で遊ぶことにした。
実はアムラエルは普段からゲームをやり込んでいるだけあって、こうしたゲームがかなり上手い。
そしてこのゲーム、卑怯にも先日開催された海鳴商店街主催のゲーム大会で優勝したほどの腕前だった。
それに比べフェイトはこうした手先を使うゲームは苦手で「あ、うっ! えいっ!!」と掛け声と気合いは良いのだが、技が中々出ないためあっさりとアムラエルの連続攻撃に嵌っていく。
まったく手加減と言う言葉を知らない容赦のないアムラエルの攻撃に晒され、自キャラを“空中に浮かされ続け”何も出来ないまま敗退してしまう涙目のフェイト――
素人相手に永久コンボとは……アムラエルも容赦がないと言うか大人気ない。
しかし、ゲームと言えど負けるのは悔しいのか、何度も何度も必死に食らいつくフェイト。
――しかし現実は厳しかった。
「ふっふ〜ん! わたしの勝ち――っ!!」
「ううぅ……」
言い訳は良くないと思ってるのか、勝ち誇るアムラエルに何も言わず、涙目のファイトは黙って画面を見詰めていた。
ジュエルシード事件からおよそ二ヶ月――
時期は七月、そろそろ蝉の鳴き声が五月蝿くなってきた今日この頃、フェイトもこちらの生活にようやく慣れてきたのか、以前よりも随分と良い笑顔で笑うようになった。
それも、アムラエルたちや、愛しのD.S.の存在、それにたまに遊びに来るアリシアや、最近は随分と言葉を交わすようにもなったプレシアとの仲もそんなフェイトの変化に影響を与えていたのだろう。
まだ、みんなと同じように学校には通えていないが、今はこちらの世界のことを勉強しながら色々と準備中と言ったところだ。
「二人とも――自分のことなんだから、話に参加しなさい!」
「……アリサ、主語がないと意味が分からないんだけど」
「……うん」
アムラエルとフェイトは二人とも、アリサに自分の話だと言われても意味が分からない。
――と言うのも「二人ともメールアドレス交換しない?」となのはが話を持ち出し、「う……そう言えば、アムもフェイトも持ってなかった」とアリサが言い、「え……なんでアリサちゃん今まで気付かなかったの?」とすずかが不思議そうに話をしていたのだ。
「これよ! “これ”!!」
そう言ってアムラエルとフェイトの二人に大きなカタログを見せるアリサ。
それは――携帯電話のカタログだった。
そう、アリサが「しまった!」と思ったのはこれだったのだ。
アリサはアムラエルとは知り合った頃からずっと一緒に生活をしてたし――
そこから「魔法だ」「魔導師だ」「ジュエルシードだ」と日常的とは言い難い毎日を過ごしていた。
その上、ここ最近は念話なんて便利な魔法があることも知り、ほとんどそれで連絡は足りていたのだから『携帯電話』なんて物がアリサの頭からすっぽ抜けていても不思議ではない。
「必要なの? それ……」
アリサの説明を受けてアムラエルは思った。念話もあるのにそんなものが必要なのか? と――
アムラエルが連絡する人間など、D.S.やここにいるアリサたち、他には精々あげても忍やアリシアといったくらいだ。
アムラエルには特に必要に思えなかった。少なくとも、市内全域程度なら余裕で念話を通せる自信があったからだ。
フェイトも同じようなものだろう。
そもそも携帯電話を知らないのか、「こんな小さな電話があるの?」と不思議そうにアリサの携帯電話を見ている。
「これだから、魔法オタクどもは……」
「魔法オタクって……これでも天使なんだけど」
「……わたしは魔導師」
アリサの言葉に不服そうな顔を浮かべるアムラエルとフェイト。
だが、それも無理はないのかも知れない。
アムラエルとフェイトには馴染みのない物でも、地球のそれも現代人にとって、携帯電話とは小学生と言えど今は持ち歩く時代。
あって当たり前のものだ。
友達とメールしたり、電話番号を交換したり、インターネットをしたりと、ただの電話ではなく携帯電話は一種のコミュニケーションツールとしての役割を持っている。
当然、アリサだけでなく、なのはも、すずかも持っていた。
私立聖祥大学付属小学校ともなれば、良い家柄の子も多いのでおそらく半数以上の生徒が所持しているだろう。
その説明をアリサから聞いたアムラエルとフェイトは「そうなんだ」と感心したような素振りを見せていた。
「これなんてどう? 音楽も聴けるし、ゲームも出来るわよ」
「ゲ、ゲームできるの!? 電話でっ!?」
アリサの差し出したパンフレットに書かれている一台の機種。それに食いついたのはアムラエルだ。
ゲームが出来るとあっては“ゲーマー”を自称するアムラエルとしては黙ってはいられない。
あまり興味を示さなかった先程までと違い、目を輝かせて携帯電話を見ていた。
「フェイトちゃん、よかったらお揃いにしない? 色違いで――」
なのはに薦められ「お揃い……」と少し嬉しそうなフェイト。
後日、みんなで携帯電話を見に行くことに決まった。
次元を超えし魔人 特別編『魔人と親バカ』(第13.5話)
作者 193
デビットは泣いていた。ひたすら本社の会長室で泣いていた。
――それは少し前に遡る。
現在、アムラエルとフェイトの保護者役は、一応デビットと言うことになっている。
そのこともあって、アリサも渋々、デビットに携帯電話を買いに行くのを頼もうとしたのだ。
本当ならこんなに少女(幼女)たちが集まるイベントにデビットを呼びたくなかったアリサだったが、こればかりはカイとシーンに迷惑をかける訳にいかないと苦渋の選択だった。
それが分かっているのか、デビットは厭らしいほどの笑顔だった。
アリサを見て「ほら、パパになんでも言ってごらん」と言わんばかりの表情でニコニコしていた。
魂胆が見え見えで、出来れば頼みたくないアリサだったが、アムラエルやフェイトのことを思うとそうもいかない。
「パ、パパ……あのね」
その時だった。プレシアがアリシアを連れて尋ねてきたのは――
アムラエルとフェイトが携帯電話を買いに行くと言う話をしたら、アリシアは「わたしも欲しい」と手を挙げた。
それに答えたのはプレシアだ。アリシアの頼みを断るプレシアではない。
そしてアリシアの頼みを聞いたプレシアは「それなら、フェイトの分とアムラエルの分もわたしがだすわ。もちろんD.S.の分もね」と自分から言い出した。
そのプレシアの申し出に感激したのはアリサだったが、涙したのは言うまでもないデビットだった。
もちろん「そんな迷惑を他所様にかけられない」と欲望丸出しでプレシアに抗議したデビットだったが――
「それなら大丈夫よ。フェイトはわたしの娘だし、D.S.はわたしの“ご主人様”ですもの。
主人のために、そしてその使い魔の分をわたしが出すことに何か問題でも?」
と切り返され、デビットは両手両膝をついて涙した。
そして気付いてしまった。ここには自分の味方は誰一人いないのだと――
娘のアリサにまで警戒されていると言うことを、もっと本人は自覚した方がいいのかも知れない。
そして、今に至る。
「会長……仕事して下さい」
「ううぅ……娘が、幼女が……」
秘書の女性に仕事するように言われても、その日のデビットは完全に壊れていた。
こうなってしまったデビットが使い物にならないことは秘書の彼女がよく分かっていた。
だから、一番良く利く“最終兵器”を持ち出すことにする。
そう、最大最強の最終兵器“アリサママ”を――
こんなことでバニングスの未来は大丈夫なのだろうか? ――と思いながらも彼女は電話に手を掛ける。
しかしその選択は、バニングスの“未来”よりも、デビットの“命”の方が先に尽きそうな選択だった。
プレシアは何時になくご機嫌だった。怖いほど笑顔だった。
駅前の携帯ショップに訪れた少女たちは、アレよコレよと携帯電話を見て回る。
小一時間ほど悩み、それぞれ購入する機種を決めたのか、プレシアに各々の電話を見せる子供たち。
「じゃあ、契約を済ませてくるわね」
子供たちから携帯電話を受け取ったプレシアが、その携帯の契約手続きを済ませに店の奥へと消えていく。
「ねえ、アリサ。ゲームってどうやるの?」
「ああ、それはね――」
待ちきれないのか、アリサと同じ高性能な最新機種にしたアムラエルがアリサの携帯電話で教えてもらっていた。
フェイトとアリシアの二人も物珍しいのか、落ち着きなく周囲の携帯電話を手に取り目を輝かす。
子供たちがそんな風に、時間を忘れて楽しそうに談笑をしていると――
人数分の携帯電話の入った袋を手にしたプレシアが戻ってきていた。
その携帯電話を子供たちに手渡すプレシア。
すると――
「ありがとう、母さんっ!」
「あ、ありがとう……母さん」
満面の笑顔でプレシアにお礼を言うアリシア。
フェイトもそれに続き、少し照れた様子で「母さん」と言いお礼を言う。
もう、プレシアはそれだけで満足だった。この時ほど「生きていてよかった」と思えた一瞬はないだろうと本人も思う。
「わたしもお礼を言ってたんだけど……アレだと気付いてないね」
「つーか、アリサ。オレはこんなのいら――」
「持ってなさい! 肌身離さず持ってなさい!!」
「…………わーったよ」
アムラエルは、そんなプレシアを見て一言表現した「親バカ」と――
アリサに恫喝され、渋々携帯電話を受け取るD.S.だったが、正直デザインからしてどうしたものかと思う。
その携帯電話はアリサがD.S.のために選んだのだが、とにかく奇抜なデザインとしか言いようのない携帯電話だった。
緑色のふにゃふにゃした手触りに、握ると「ぷぎゅ」と鳴くのだ。
ボタンは一応腹らしき場所についているのだが、液晶が目から飛び出る空間モニターと無駄にハイテクだった。
しかも、電話の着信音も通話も全部、その“生き物”の口から発せられるのだ。こんなデザインにした製作者の意図が分からない。
正直、こんな生き物か携帯電話か分からないものに、D.S.は耳を当てて通話する気にはなれなかった。
しかし、店頭の商品のどこを見ても同じ携帯電話はない。
どこから持ってきたのかと気になって尋ねたD.S.だったが、アリサから返ってきた答えは「コネよ」とたったそれだけの返答だった。
実はコレ――忍グッズの番外シリーズその名も『でかるちゃーシリーズ★ケー●イくん』と言う。
あるアニメを参考に忍が作った物で、充電いらずの優れもの、使用者の魔力を食って動作すると言う地球環境にも優しい優れものだ。
問題は魔導師にしか使えない物になったことと、時々“おかしなところ”に電話が繋がることがあるのでご注意とのことだが、実はアリサにもその辺りはよく分かっていなかった。
ただ、忍は「絶対に市場にだせないものを作ってしまったわ……」と意味深な言葉を言っていたが「まあD.S.なら大丈夫だろう」と、この日のためにアリサは忍からこの電話を拝借していたのだ。
忍は「大丈夫」と言っていたが、まさか本当に携帯電話として使用登録が出来るとはアリサも思っていなかった。
その辺の抜かりのなさは、さすがは月村重工と言ったところか。
「じゃあ、何か食べて帰りましょうか?」
ご機嫌のプレシアが「みんなに美味しいものをご馳走するわ」と申し出る。
実はプレシアは意外とお金持ちだった。
研究の一貫で今まで手にした技術のいくつかを、デビットを通じて売りにだしていたからだ。
デバイスの概要や、魔力駆動炉などの基礎的な技術の供与など、プロジェクト『F.A.T.E』に関わるような危険性の高いと思われる情報以外を、生活のためにとデビットを通じて企業に売り込んでいた。
プレシアからして見れば、地球も管理局から特例区として認められたことだし、管理世界でも標準的な技術ばかりなので問題はないだろうと考え、デビットに働きかけて売りにだしたのだ。
しかし、実は特例区と認めてからも技術提供を最低限の物に止めて出し渋っていた管理局からしてみれば、このプレシアの行なった技術漏洩はたまった話ではなかった。
少しずつ技術提供をすることで交渉を進めて行き、メタ=リカーナの魔法の秘密や、優秀な魔導師の管理局への誘致など、有利な条件を引き出そうとしていたのだ。
――かと言って、そのことでプレシアを追求することは管理局には難しい。
特例区として認めてしまったと言う手前もあるが、プレシアはすでにメタ=リカーナの魔導師として登録されていて、管轄が管理局にないと言う痛い事実があった。
それに、情報源がプレシアだと言うことを、デビットがもちろん漏らすはずがない。
いつもの調子で「こちらとて、いくらでも他の情報源はあるんですよ」とはぐらかさられるに違いなかった。
「じゃあ、翠屋にいく? アリシアは、はじめてでしょ」
「――翠屋?」
アリサの言葉に首を傾げるアリシアだったが「ケーキが凄く美味しいよ」とすずかに言われると――
やはりそこは女の子なのだろう。表情が明るくなり「行きたい!」と目を輝かせて言った。
喫茶『翠屋』のオープンテラスでは、少女たちがワイワイと黄色い声を上げながら、各々が注文したケーキとお茶に舌鼓を打っていた。
「美味しいね、フェイト」
「うん……姉さん、ひと口食べてみる?」
「うんっ! わたしのもあげるね」
お互いのケーキを交換し合い、仲睦まじくケーキを食べるアリシアとフェイトの二人。
そんな二人を微笑ましそうに見守るプレシアの姿は、どこから見ても“母親”だった。
あの高笑いしていた頃のプレシアと比べれば、今は別人のように違う。
正直、このプレシアの変わりようには、当時のプレシアを知る誰もが“信じられない”と言った顔をして見ていた。
――ガツガツガツガツガツ!!
みんながケーキを食べて和やかな談笑を行なっている間も、D.S.とアムラエルの二人はプレシアの“奢り”と言うこともあって遠慮せずにガツガツと食べていた。
D.S.は「じゃんじゃん、持ってきやがれ!!」と根こそぎ軽食メニューの全オーダーを、アムラエルは「とりあえず、ここからここまで全部っ!」とデザート各種を注文しまくっていた。
二人のテーブルには乗り切らないほどの軽食とデザートが並び、見る見るうちに減っていく。
「アリサちゃん……」
「言わないで……あの二人が来てから、うちの食費が爆発的に膨らんでるのよ」
なんだか凄いものを見たと言う目で訴えるすずかに、アリサは大きな溜息を吐く。
正直、家でいくらでも食べる分には問題はないが、人様の奢りでここまで容赦なく食べまくる二人にはアリサも呆れていた。
自分から「あの二人の分は持ちますから」とプレシアに申し出るアリサだったが――
プレシアは最初から受け取る気などないのか、「大丈夫よ、子供はお金の心配なんてしなくて」とアリサの申し出を断った。
「ちょっとルーシェ、少しは遠慮しなさいよ!?」
「あぁん? “そいつ”はオレのもんだ!
オレのために食事を提供し、貢物をするのは当然のことだろうが!!」
「ふわぁ……“オレの物”だって」
「なのはちゃん、ちょっとドキドキするね」
アリサが少しはD.S.に遠慮をさせようとするが、効果は然程ない。
D.S.のその“らしい”発言に頭を抱えてテーブルに手をつくアリサだったが、なのはとすずかの二人は別のところに反応していた。
最近、男女の仲について少し考えるようになってきた“お年頃”の二人には、少し刺激的な話だったのかも知れない。
「クックックッ! そういや、プレシア!!
若返らせてやってから、その身体見てやってねーな!!」
そう言って、プレシアの胸を鷲掴みするD.S.をアリサが黙って見過ごすはずがなかった。
その時のアリサを偶然見ていた士郎が「――神速!?」と驚くほどの速さで、アリサはD.S.へと距離を詰めていた。
次の瞬間、アリサの『ダイナミック・アリサパンチ』がD.S.の腹部へと決まっていた。
それは、アムラエルが「黄金の右」と称したほどの見事な一撃だった。
アリサの対D.S.用戦闘力はある意味、“御神流”の剣士の域に達しているのかも知れない。
「そう言えば、フェイトちゃんとアリシアちゃん――
二人は学校に行かないの?」
「「学校?」」
なのはの質問に首を傾げる二人。
二人で顔を見合わせ「でも、まだこの世界のこととか勉強中だし」と声を揃えて言う。
それにアリシアはよくプレシアと一緒に海鳴市に遊びに来ているが、実際はメタ=リカーナに家を構えているのだ。
デビットの計らいで二人とも日本とメタ=リカーナを自由に往き来できる立場にあると言っても、フェイトはともかくメタ=リカーナからこちらの普通の学校に通うことは難しいだろう。
それをアリシアがなのはたちに説明すると、「残念だね……」と全員寂しそうな顔をしていた。
みんな一緒に学校に通えれば、もっと一緒に居られる時間が増えるのにと、子供ながらに考えていたのだろう。
それに、なのはもアリサもすずかも、フェイトとアリシアの二人に“この街”のことを、“みんなのこと”をもっと知ってもらって、好きになって欲しいと言う思いもあった。
「学校ね……」
俯き、何かを考え込むプレシア。
フェイトとアリシアの二人が本当に残念そうにしていることから、なんとか二人を同じ学校に通わせてやれないかと考えていた。
ブツブツと俯きながら独り言を言い「……いざとなったら脅……取り引きしてでも」と何やら不遜なことを口にしている。
それを見てアリサが「なのは、アンタのせいよ」と言い、なのはは「あうぅ……フェイトちゃん、アリシアちゃん、プレシアさんを止めて」と二人にすがりつく。
「……こうなったらわたしには無理。ごめんなさい」
「力になれなくてごめんね……なのは」
あっさりと諦めるアリシアとフェイトの二人。
自分の一言が引き鉄となり、何かよからぬことになるのではないかと、なのはは頭を抱える。
プレシア・テスタロッサ――やはり彼女は“親バカ”だった。
……TO BE CONTINUED