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次元を超えし魔人 第15話『天使と鉄槌の騎士』(AS編)
作者:193   2008/12/12(金) 14:01公開   ID:4Sv5khNiT3.



 夏も終わり、季節は秋へと移り変わる。
 肌に心地よい涼しい秋風が色移る紅葉を舞い上がらせ、赤と黄色に彩られた自然の絨緞を敷き詰めていく。
 なのはたちの通う聖祥大付属小学校の制服も冬服へと変わり、少女たちも新しい季節の風を肌で感じていた。
 聖祥大付属小学校は潤沢な施設と広大な敷地を確保するために、市街から少し離れた山郷に建てられている。
 そのため市内からは通学用の送迎バスが出ており、自転車や徒歩で通学する生徒もいるにはいるが、ほとんどの生徒はこのバス通学を利用していた。
 アリサたちもバス停で待ち合わせをして、一緒にバスで通学するのが毎朝の登校風景になっていた。
 そしていつものようにバスの後部座席に並んで座り、皆で談笑をしている時だった。
 アムラエルが「みんなにちょっと話があるんだけど」と話を切り出したのは――

「――病院の友達?」
「うん、前から幸恵と約束してたんだけど、今度その子を紹介して貰うことになったの。
 だから、アリサたちもどうかな? ――って」
「別にいいけど……わたしたちが一緒でもいいの?」

 アムラエルの誘いにアリサは態度を硬直させた。
 ――と言うのも、幸恵がそんな誘い方をしたのなら何か理由があるのだろうし、自分たちが勝手にお邪魔しても良いのだろうかと考えたからだ。
 だが、その辺りには抜かりがないことを、アムラエルはアリサたちに説明する。

 先日、病院で幸恵から頼まれた約束の段取りがつき、今度の日曜日、アムラエルは幸恵を交えてその少女と会う約束になっていた。
 その折にアムラエルは、「友達を何人か連れてきていい?」と幸恵に確認を取っていたのだ。
 目的が“少女に同い年の友達を紹介する”ことにあるのなら、少しでも多い方が良いだろうとアムラエルは考えた。
 幸恵もそのアムラエルの提案に乗った形だが、実は幸恵自身もアリサたちとは顔見知りだったと言うのが背景にある。
 と言うのも、シーンがボランティア(街の仕事)の一環として、夏休みに入った直後から、なのはとフェイトの二人を病院の子供たちの相手をさせるために連れ出していた為だ。
 当然のように二人が行くようになってから、アリサとすずかも何度か病院に顔を出していたので、それで幸恵も顔を覚えていた。
 幸恵としては、いつかはそのつもりだったので、アムラエルから申し出てくれるのであれば、断る理由は特に見当たらなかった。
 彼女たちならきっと大丈夫、少女とも仲良くしてくれるだろうと考えたからだ。

「石田先生が許可してるなら問題ないわね。
 みんなも、それでいい?」

 アリサに問われて、全員「うん」と笑顔で頷いていた。





次元を超えし魔人 第15話『天使と鉄槌の騎士』(AS編)
作者 193





 カイは上がってきた報告書を見て、渋い顔をしていた。
 いつもと違う様子のカイを見てシーンも気になったのか、カイの手元にあった報告書を手に取って目を通す。

「研究所ばかりを狙った襲撃事件?」
「そうだ。それも、日本を中心に最近起こっている事件だ。
 すでに三件、何れも狙われたのは魔法の研究を行っている組織、企業の施設ばかりだ」
「それって……」

 だが、カイが渋い表を見せていたのは別の理由があった。
 普通であれば、魔法技術を掠め取ろうとした組織間の対立や、魔法自体を快く思っていない過激派の犯行のようにも取れる。
 しかし、事件の概要を何度読み返しても、その犯人の行動が不可解でならなかった。
 施設そのものが荒らされたわけでもなく、魔法研究を行っていた関係者が殺されたわけでもない。
 ただ、魔力の保有資質を持つ“自称魔導師”を含む研究者が、意識を失い数日の昏睡状態に陥ったと言うだけの話だ。
 それも、極度の魔力消耗による疲労が原因で――

「そんなことが可能ってことは……魔導師の犯行ってこと?」
「だから、こちらに話が回ってきた。管理局もすでに動き始めているようだが」

 何者かがなんらかの方法を使って、被害者から魔力だけを奪ったのではないかと関係者は見ていた。
 確かに魔法を研究している施設などには、魔導師とまでは言わなくても保有資質を持った人間が少なからず集まってくる。
 そうした人間から魔力を奪うことを目的としているなら辻褄は合うのだが、だとしたら“何の為に”と言う疑問が出てくる。
 日本には特にそうした研究機関、施設が多い。大小を合わせれば百を下らない数の施設が存在するだろう。
 今の日本は諸外国と比べても抜き出た魔法技術を持ち、メタ=リカーナとの貿易の窓口となっているのだから当然とも言えるが、それにしてもこれほど大胆な犯行をカイは見たことがなかった。

「相手は余程のバカか、腕に自信があるってことかしら?」
「こんな無茶を今の日本国内ですれば、メタ=リカーナも当然動くし管理局も出てくる。
 それが分かっていてやっているのだとしたら、余程肝の据わったヤツだな」

 だが、シーンは納得が行かないのか渋い顔をしていた。
 その犯人の手口や特徴からも、ただ無知から無謀なことをしているようには見えなかったからだ。
 狙われた研究施設にしても、メタ=リカーナや日本政府も把握していない地方の施設や、報告漏れのあった研究所などだ。
 それに、手際もあまりに良すぎるとシーンは考えていた。
 恐らくそれらの研究施設には、少なからず高い警備システムが使用されていたはずだ。
 それを誰一人犠牲を出さず、応援が来る前に制圧して立ち去るなど、並みの実力者ではない。

「……それだけかしら?」
「どういうことだ?」
「相手はかなりの手練よ。しかも態々、目立ち難い施設ばかりを狙っている」

 シーラには相手を無能と言い切ることが出来なかった。

「わたしには犯人が焦っているように見えるわ……」
「……焦っている?」
「これだけ頭の回る実力者なら、こんな無茶をする理由が他にないもの。
 もっと時間を掛けてやれば、特定されにくい方法なんていくらでもあるはずよ」

 施設を狙うような目立つテロ行為に走らなくても、魔力を集めるだけなら資質を持つものをだけを探して、時間をかけて気付かれないように集めていく方法もあるはずだ。
 ギリギリまで魔力を奪うようなことをしなくても少しずつ魔力を集めて回り、騒ぎを拡大させないように潜伏することだって出来る。
 だが、この犯人は大量に魔力を集めやすい場所をあえて狙い、リスクを承知の上で行動しているようにしか、シーンには思えなかった。

「なるほど、それで“焦っている”か」
「理由は分からない。でも、なんだか良くない感じがする……」

 こうした件でシーンの勘が良く当たること知っているカイは、その話を聞いて険しい表情をしていた。






 幸恵との約束を守るため、アムラエル、それにアリサたちは翠屋に訪れていた。

「えっと……はじめまして、八神はやて言います」
「はやてちゃん、こんにちは――なのはだよ、高町なのは」
「フェイト・テスタロッサです。はやて、よろしく」
「フェイトの“姉”でアリシア・テスタロッサです。はやて、よろしくね」
「月村すずかです。はじめまして、はやてちゃん」
「アリサ・バニングスよ。よろしくね、はやて」
「はやて会いたかったよっ! アムラエル、アムってよんでね!!」

 幸恵に連れて来られた少女は自分のことを“八神はやて”と名乗った。
 はやては突然アムラエルに抱きつかれ困惑していたが、少しずつ話をしていく内に打ち解けていったのか、自分のことも話してくれるほどにはなっていた。
 はやては現在、外国から出て来てくれた“親戚”の人たちと一緒に暮らしていると言うことだった。
 幸恵が心配していたのは、はやては昔から足が悪く、自宅での通信教育のみで学校に通ったことがなかったことから、同い年くらいの友達がいないことを気にしていたからだった。
 ――と言うのも今年の六月までは、はやてはずっと一人で生活を送っていたのだから無理はない。
 それを聞いたアリサなどは「うそっ! なんで、そんな無茶するのよ!!」と呆れを通り越して怒ってさえいたが、はやての家の事情を聞かされ苦い顔をしていた。

 はやては幼い頃に両親を亡くし、親類もいなかったため文字通り天涯孤独の身の上になった。
 両親の残してくれた遺産に関しては、父親の友人だった人が財産管理をしてくれているお陰で何不自由なく暮らせていると言うことだが、その話を聞いた少女たちは一様に何とも言えない顔をしていた。
 無理はないだろう。それにしたって、子供だけで生活をさせていたなんて、周りの大人は何をしていたんだと思ったからだ。
 しかも、はやては足が悪く、車椅子生活を余儀なくされていると言う。
 そんな状況なのに、その財産管理をしてくれている父親の友人と言う人は、何をしていたんだと考えていた。

「でも、今は寂しくないよ? 家族も、たんと増えたしな」

 本当に今は楽しいだろう。はやてのその笑顔には陰りがなかった。
 それからは学校のことや友達のこと、色々とお互いのことを話し、はやても最後には笑顔で「これからもよろしくな」と皆と握手を交わしていた。

「はやて、よかったら送っていこうか?」
「いや、ええよ。こんな豪華な車――返って恐縮してしまう」

 迎えに来ていた車で家まで送ろうかと誘ったアリサだったが、はやてはそれを本当に困った様子で断った。
 確かにアリサが普段送り迎えで乗っている車は、俗に言う“リムジン”と言う車だ。
 しかも運転手兼執事付きと言うのだから、庶民からしてみれば冷や汗ものだろう。
 幸恵も車椅子を押しながら、はやてのそんな慌てる様子を微笑ましく見ていた。

「それに石田先生にそこまで送ってもろたら、後は家のもんが迎えに来てくれるしね。
 一緒に夕飯の買い物して帰る約束してるから、気にせんでええよ」
「そう? そう言えば、家で待ってくれてる人がいるんだったわね」
「はやて、今度は一緒にゲームでもしようね」
「うん――アムちゃんも今日はありがとな」

 幸恵に車椅子を押されながら帰っていくはやてを、少女たちは手を振って見送った。

「はやてちゃん、いい子だったね」
「でも、あの足じゃ確かに何かと不便でしょうね」

 なのはも最初は喜んでいたが、そのアリサの一言で少し表情を曇らせていた。
 それは他の面々も同じだったのだろう。
 実際にはやてに会って、その話しを聞いた後では素直に喜べないところもある。

「だったら今度うちで、はやてちゃんの歓迎会をやるのはどうかな?」

 すずかは、そんな表情を曇らせていたアリサたちを誘った。
 はやての歓迎会と言う提案を受けて、先ほどまで気にしていた少女たちも「うん」と頷いて話を決めていく。
 そんな時だった。そう言えば、今日もD.S.の姿が見えないと、なのはが今更ながらに気付いたのは――
 それでいつものようにアムラエルに尋ねたのだが、返ってきた答えに今度は別の意味で驚いていた。

「アリサが……D.S.は子供の情操教育によくないからって、家に鎖で縛り付けてきたの」
「うん、ダーシュ……少し可愛そうだった」
「リニスもズタボロにされて鎖で縛られてるD.S.を見て、なんとも言えない顔をしてたよね……」
「「アリサちゃん……」」

 アムラエル、フェイト、アリシアの証言を聞いて、なのはとすずかはなんとも言えない痛ましい顔をする。
 その目は「アリサちゃん、やり過ぎだよ」と言っていた。

「うぅ……そりゃ、ちょっとはやり過ぎたかな? と思うけど……
 でも、ルーシェだって悪いのよ。プレシアやリニスに、あんなっ!」
「「あんな?」」

 リニスがやたらとD.S.の世話を焼くのを気になって、アリサは何があったのかをリニスに問い詰めたのだ。
 渋々白状したリニスだったが、その内容を聞いてアリサの雷は落ちた。
 ――結果は言うまでもないだろう。
 なのはとすずかは気になって、アリサに“あんなこと”の意味を聞いただけなのだが……
 アリサは「そんなの知らないわよ――っ!!」と顔を真っ赤にして走り去ってしまった。

「お嬢さま――っ!!」

 その後を走って追っていく執事の鮫島。
 取り残されたアムラエルとフェイト、それにアリシアの三人は目の前の運転手のいない車に目をやり――

「仕方ない……バスで帰ろう」
「うん……」
「そうだね……」

 アムラエルの提案に頷くフェイトとアリシアの二人。
 結局、アリサが屋敷に戻ってきたのは空が暗くなってからだった。






 それからは色々なことがあった。
 月村家で行われた“はやての観劇会”や秋の“聖祥祭”――
 聖祥祭は、聖祥大付属小学校で行われている秋の文化祭だ。
 保護者主催の屋台が中庭に出たり、子供たちで考えた催しや劇があったりと、今年は病院や施設の子供、老人を招待してのイベントだったと言うこともあって、盛況な賑わいを見せていた。
 病院の子供たちや老人、はやても来てくれたとあって、少女たちにとっても楽しい文化祭になったことは言うまでもない。

 しかしその一方、なのはとフェイトは連日の訓練。
 アリサとすずか、それにアムラエル(まだ続けていた)は塾に習い事。
 ――と、子供たちも何かと大変だった。
 それでも新しい友達が出来て、充実した楽しい毎日を送っていたと言える。



 ――だが、運命の日は訪れた。



 十二月初旬――衣は冬へと移り変わり、冷たい風が身体に堪えだした頃。
 街は月末に控えるクリスマスと大晦日の準備で追われていた。
 それでも市街では夜になると鮮やかなイルミネーションが目立ち、恋人、子供たちにとっては心躍る季節になったことを意識させた。

 そんな賑わう夜の繁華街を、空から見下ろす一人の少女がいた。
 欧州の人形を意識させるゴシック式の赤い衣服をまとい、可愛らしいウサギのマスコットが付いた特徴的な帽子を被っている。
 一言で表せば、まるで“お人形のような”そんな小さく可愛らしい少女だった。
 しかしその手には、少女には似つかわしくない鋼鉄製の大きな槌が握られていた。

「潜伏してやるって言っても、粗方目ぼしいの蒐集しちまったしな。
 それに、あたしらにはもう時間もそれほど残されてねえ……」

 歯痒さを隠そうともせず、唇を噛み締める少女。
 そう、少女は小さいながらも、並みいる魔導師に負けない力を持つ列強の騎士だった。

 名を――“ヴィータ”と言う。

 彼女はここ最近世間で騒がれている“魔導師襲撃事件”の犯人だった。
 すでに三十件以上の施設、研究所がその被害にあって折、管理局とメタ=リカーナの警戒も厳しさを増していた。
 そうした状況もあり、彼女も潜伏を繰り返しながら研究所を襲い続けることは難しくなって来ていた。
 事実、ここ数日は動きを取り辛い状況が続き、目的を上手く果たせない日々が続いていた。

「ここらで一発、でかいのを捕まえられれば……」

 仲間の忠告があったので我慢をしていたヴィータではあったが、悠長に構えていられるほど“彼女たち”には“時間がない”のもまた事実だった。
 管理局が動いていることはヴィータにも分かっていたが、海鳴市に大きな魔力反応がいくつもあることには気付いていた。
 今までは管理局と不可解なこの世界のことを警戒して回りくどい方法を取っていたが、今後は隠れ続けることも難しい。
 であれば、多少の接触やリスクは覚悟の上で、大物を狙いに行くことも考えなくてはいけないとヴィータは考えていた。
 これだけ大きな魔力の持ち主を、みすみすと見過ごすなんてことはヴィータには出来そうもない。
 騎士である自分がコソコソと隠れなくてはいけないと言う現状にも、彼女は不満を抱いていたからだ。

「――見つけたっ!!」

 ヴィータの両目が、市街から郊外へと向けて走る一台の車を捕らえた。
 中にいるのは運転手の初老の男性が一人に、少女が三人。
 うち一人が、大きな魔力を持っていることに気付く。

「封鎖領域を展開っ! 管理局に気取られる前に片付ける!!」

 少女の手に持っていた鉄槌が「Jawohl.(了解)」と返事をすると、少女を中心として数キロの範囲に結界が展開された。






「どうしたのよ、アム――急に車を止めてって」

 アリサは険しい表情をして車外にでたアムラエルを心配して同じように車から降りる。
 すずかもそんなアリサに続いて外にでるが、広がっている異質な空間に驚き声を上げていた。

「アムちゃん、これって――」

 空は淀んだ青紫に色を変え、人気も動物の気配すらしない。完全に外界との繋がりが隔絶された世界へと姿を変えていた。
 ユーノたちが使っていたミッド式の封時結界とも異なるそれに、アムラエルは警戒を強めていた。
 まさか習い事の帰りに、謎の襲撃を受けるとは思っていなかったからだ。

「どうやら閉じ込められたみたいね……しかも、かなり強固な結界みたい」

 覆っている結界の規模と強さからも、おそらく外に出す気も応援を呼ばせるつもりもないのだろうとアムラエルは考えた。
 しかし、狙われる理由がアムラエルには思いつかない。
 管理局がこんなバカなことをするとは思えないし、かと言ってカイたちメタ=リカーナの魔導師とも考えにくい。
 それ以外に、こんな芸当が出来る魔導師がアムラエルには思いつかなかった。

「アリサとすずかは離れてて」
「でも、アムちゃん……」

 すずかは「離れてて」と言うアムラエルを心配するが、アリサはアムラエルの指示通り逃げるように促した。

「大丈夫よ。アムは絶対に負けないわ。
 それより、わたしたちがここにいる方がアムの邪魔になる」
「アリサちゃん……」
「すずか、心配ないよ。アムは――D.S.の使い魔なんだからっ!!」

 アムラエルは心配するすずかに笑顔で答えた。
 それにアリサはアムラエルのことを信じていた。

 そう、アムラエルが負けるはずがないと――

 D.S.の使い魔にして、人智を遥かに凌ぐ力を持つ第五階位の天使。
 その天使の眼差しが、迫る“ヴィータ”の姿を捉えていた。






 その頃、管理局の駐屯施設になっている海鳴市郊外では、リンディが例の魔導師襲撃事件の資料に目を通しながらお茶をすすっていた。
 濃い目に煎れた緑茶に砂糖を数杯、ミルクを少々入れてかき混ぜるリンディ。
 エイミィたちが『リンディ茶』と呼称するその飲み物は、もはや“お茶”と呼べる物かも怪しい。
 大概の人は、このリンディ茶を見てなんとも言えない表情を返すのだが、リンディ本人は本当に美味しそうに飲んでいた。

「ん〜、これだけ好き勝手にやられると、治安を預かる身としては肩身が狭いのよね」
「……ですね。どうしても後手に回っちゃってますし、それに犯人はかなり凄腕の魔導師と思います。
 施設襲撃から撤収まで僅か十数分――その間に被害者から魔力を奪って逃走なんて、手際が良すぎますよ」

 リンディはその資料を見て、対策に頭を悩ませていた。すでに被害件数は三十件以上。
 治安維持のために派遣されていると言うのに、このまま手をこまねいて見ているだけでは管理局の面子の問題になる。
 出来れば、メタ=リカーナ側よりも早く事件を解決したいと考えていた。
 しかし、エイミィの疑問も最もだった。
 いくら狙われた被害者が魔導師とも言い難い素人であっても、研究施設と呼ぶからにはそれなりのセキュリティが必ずある。
 警備している人間の数も装備だってそれなりのはずなのに、犯人はそれをものともしていない様子だった。
 そのことからも、高ランクの魔導師が関与しているのではないかとエイミィは考えていた。

「それに、この手際から考えても複数の犯行の可能性が高いわね」
「ええ……二人、いえ少なくとも三名以上の複数犯――
 もしくは組織だっての犯行の可能性もあります」

 リンディとエイミィ、二人とも同じ意見だった。
 と言うのも襲撃事件の手際があまりに良すぎる為に、そう判断したのだ。
 一人での犯行と考えた場合、どれだけ手馴れている犯人でも死者も出さず、しかも施設に大きな損壊も出さないで、これだけの短時間に犯行を行えるとは考え難い。
 それに念入りに下調べがされている様子からも、バックアップの人間が必ずいると二人は考えていた。
 そうなると高ランク魔導師の複数犯、それも組織だった犯罪と言うフレーズから、二人の頭には“次元犯罪者”と言う可能性が浮かび上がって来る。

「これって、やっぱりうちの管轄ですよね?」
「わたしも、そう思うわ。悪いけど、該当しそうな犯罪者を過去のデータからピックアップしておいてくれるかしら?」
「はい、分かりました」

 リンディはエイミィに指示を出し、「ハア……」と溜め息を吐きながらドサッと背もたれに身体を預ける。
 エイミィが退室したことを確認すると、リンディは提督権限を使用して管理局のデータベースにアクセスをかけた。
 そして、目の前のモニタに映し出された一冊の本。
 そこには第一級指定ロストロギア『闇の書』と、その事件の概要が書かれていた。

「まさか……とは思うけどね。でも、偶然とは思えない」

 魔導師襲撃事件と闇の書に接点があることに勘付いているのか、リンディは表情を曇らせていた。
 ただ目の前のモニタを見て「クライド……」と呟く。

 その時、緊急事態を告げる警報が施設内に響いた。

「――何!?」
『わかりません! ですが市街の方に広範囲の結界を確認!!』

 エイミィから通信を受け、リンディはすぐに状況を確認するためにモニタに目をやる。
 すると、市街を包み込むように広がった半球型の結界がそこに映し出されていた。

「内部の状況は?」
『わかりません。こちら側から解除できないかも試してみているんですが、魔法式がミッド式とも違うらしくて……』

 悪い予感が嫌な方向で当たっていることを、リンディはそれだけで悟った。
 だとすれば、あの結界の中には例の魔導師襲撃事件の犯人が必ずいるはずだと考える。

「クロノと武装局員をすぐに現地に――でも、無理はしないように伝えて!
 最優先任務は“原因の確認”と“被害者の救援”これに止めるわ」
『……え? 犯人の確保じゃないんですか?』
「街に被害を出すわけに行かないでしょ?
 それに結界内の事とは言え、民間人が巻き込まれている可能性が高い。
 民間人の安全が確認できるまで、無茶はしないように厳命して」
『――はいっ!』

 もちろん民間人のことは考慮しなくてはいけない問題だ。
 だが、リンディは今の戦力では犯人の確保は難しいと思う。
 無理をすれば被害が拡大するばかりか、最悪の場合、部隊の全滅すら有り得ると考えていた。
 だが、それでも見過ごすわけにはいかない。
 治安維持が仕事と言うこともあるが、あそこには――

「闇の書……」

 危険度で言えばジュエルシード以上、もっとも警戒すべき危険物。
 第一級指定ロストロギア『闇の書』――
 そしてハラオウンの性を持つ者にとって因縁深い事件になることを、この時のリンディは逸早く悟っていたのだろう。
 その瞳は言い知れぬ不安と悲しみ、そして強い覚悟に震えていた。






 ヴィータは焦っていた。大きな魔力反応があることは分かっていた。
 それを知っていてアムラエルを狙ったのだから――
 だが自信があったにも関わらず、彼女は窮地に立たされていた。

「――後ろが、がら空きよ」
「――ッ! いつの間に後ろに!?」

 防御結界を張ってアムラエルの放った蹴りを受け止めるヴィータ。だが、その表情は苦痛に歪む。
 アムラエルの攻撃はデバイスで魔法を使用しているわけでもないのに、一撃一撃がとにかく重かった。
 その攻撃は魔力を込めた“神秘”と言う名の魔法――
 高位の天使の攻撃は、人間のように魔法を使うのに呪文や儀式を必要としない。
 その身体から繰り出される拳と蹴り、動作の一つ一つが強大な魔力を込めた魔法と言う形で体現される。
 それをヴィータは驚愕とともに事実として、その身で体験していた。

 アムラエルの渾身の蹴りで、ヴィータが展開させた防御結界が打ち抜かれた。
 決して手を抜いたわけではない。アムラエルの攻撃が、ヴィータの防御結界の耐久力を遥かに上回っていたのだ。
 それは純粋に魔力の大きさで、アムラエルとヴィータの間には天と地ほどの差があると言うことを示していた。

「……さっさと襲ってきた理由を話した方が身の為だよ?
 その様子だと狙いはわたしなんだろうけど、でもアリサたちを巻き込んだことを許すつもりはないから」

 弾き飛ばされ近くのビルの壁に叩き付けられたヴィータに、アムラエルは容赦のない宣告をする。
 自分だけが狙われるのであれば、それとなく心当たりがあるので気にはしないアムラエルだったが――
 アリサやすずか、友達が巻き込まれたことには頭にきていた。
 管理局はともかく、メタリオンの人々にはアムラエルを恨んで当然の理由がある。
 素直にやられるつもりはアムラエルにはないが、そうした恨み言があることは覚悟していた。

 しかし、ヴィータはどう見てもメタリオンの住人とは思えない。
 それに直感ではあったが、管理局とも違うだろうとアムラエルは思っていた。
 デバイスなどは次元世界の技術で間違いないだろうが、今までアムラエルが見た、どの魔導師ともヴィータの戦い方は一致しなかったからだ。
 魔法の系統が違うと言うべきか、クロノたち管理局の魔導師が、中距離、遠距離での距離を取った戦い方を好む正統派の魔導師に対して、ヴィータはその攻撃のほとんどが、あの『グラーフアイゼン』と呼んだ鉄槌のデバイスを近接戦闘で叩き込む戦法に特化していた。
 多少の中距離攻撃を織り交ぜはするものの、それはすべて接近するためのフェイントに過ぎない。
 ここまで戦闘スタイルが違うと、管理局と見るよりも別世界の魔導師と考えた方が辻褄が合うとアムラエルは考えていた。

「この世界の子じゃないよね? 犯罪者みたいなことして……
 ん? そう言えば最近、なんか同じような事件の話を聞いたような」

 なんだっけ? と腕を組みながらウンウンと頭を悩ますアムラエル。
 面倒なことはカイとシーン、それにデビットにほとんど任せっきりになっていたので、「気をつけるように」と言われていた魔導師襲撃事件のことも頭から抜け落ちていた。
 慣れない塾や習い事、それに最近プレシアに買ってもらった携帯電話にどっぷりと嵌っていて、そこでしか遊べないゲームに熱中していたと言うアムラエルらしい理由もあった。
 リンディの件で少しは『油断大敵』と言う言葉を覚えたかのように思っていたが、平和な日常にほだされて悪い癖が出ていたようだ。

「アンタ……管理局の魔導師か?」
「……“あんなの”と一緒にされるのは心外なんだけど」

 ヴィータの発言に、本当に嫌そうな顔をするアムラエル。
 正直、今まで見ている管理局の人間で、唯一まともそうに見えたのはリンディくらいだったので、アムラエルの中での管理局の評価は最低だった。
 もっともリンディにも“嵌められた”と言う良くないイメージがあるので、それもアムラエルの私的評価に影響している。

「あたしは負けられないんだ!! こんなとこで――っ!!」
「――!?」

 軽くないダメージを負っているはずなのに、ヴィータは諦めようとしない。
 アムラエルはヴィータの発したその気迫を前にして、表情を強張らせていた。
 それはフェイトと初めてあった時に感じたものと一緒だったからだ。
 
 ――覚悟を決めた目。

 それが正しいことだと信じ、周りの言葉も聞こえない、何も見えなくなっている目だ。
 それほどの意志を貫かなければいけない理由が、ヴィータにはあるのだとアムラエルは悟った。

「――アイゼンッ!! カートリッジロードッ!!」

 バシュンと言う音と共に、二発の薬莢を吐き出すグラーフアイゼン。
 その瞬間、ヴィータの魔力が爆発的に上昇し、グラーフアイゼンの形状が巨大な鉄槌へと姿を変えた。

「うそっ!?」

 ヴィータの身の丈ほどもある巨大な鉄槌へと姿を変えたグラーフアイゼンを見て、アムラエルの表情がはじめて驚愕に揺れた。
 爆発的に上がった魔力からも、あれがヴィータの奥の手だと悟ったからだ。
 さすがのアムラエルでも、あの攻撃は受けきれないと判断したのか、回避行動を取るために距離を取ろうとする。
 しかし、そんなアムラエルの意表をついて、空から何者かの魔力弾が飛来した。

「――え!?」

 突然の介入者の攻撃で上空を見上げるアムラエル。
 そこには“青色の狼”が牽制するように態度を硬直させ、アムラエルを威圧していた。
 だが、アムラエルの防御結界を、その程度の威力の魔力弾で打ち抜けるはずがない。
 しかし、突然の第三者の介入でアムラエルの注意がそれ、僅かに動きが鈍った。
 その隙を待っていたかのように、ヴィータがグラーフアイゼンを構え、アムラエルへと迫る。

「ギガントシュラ――クッ!!」
「――!?」

 ヴィータの最大攻撃。
 グラーフアイゼンのフルドライブモード『ギガントフォルム』から繰り出される最大最強の一撃。
 ヴィータの魔力を吸って更に巨大化したグラーフアイゼンが、アムラエルの防御結界を打ち抜き、はじめて有効打を与えた。
 身体を捻るように回転させて弾き飛ばされるアムラエル。
 背にしていた数棟のビルを打ち抜き、大きな爆音と共に地面へと叩きつけられる。

「……ザフィーラ、助かった」
「いや、礼はいい。それより、あの魔導師はなんだ?
 一見、デバイスも使ってないように見えたが……」
「わかんねぇ……でも、いくらアイツでもアレを食らえば」

 ヴィータと、ザフィーラと呼ばれた狼のような姿をした獣が、アムラエルの弾き飛ばされた先を見下ろしていた。
 モクモクと煙を巻き上げており、遠目にもすぐ分かるほどのクレーターがそこに出来ていた。
 周囲の空間を切り取り外界と隔絶されたこの封鎖領域がなければ、今頃はたくさんの民間人が巻き込まれ大惨事になっていただろう。
 その地面に出来たクレーターの大きさと、弾き飛ばされたアムラエルの身体で大きな穴を空けたビルの残滓がそれを物語っていた。

「お嬢様――危ないです!? 近寄ってはいけません!!」
「でも、アムが――っ!!」
「アムちゃん――っ!!」

 アリサたちの居た場所から数百メートル先の広場に落下したアムラエル。
 そのアムラエルの戦いの様子を遠くから見守っていたアリサたちは、地面に埋まり出てこないアムラエルの安否を気にして駆け寄ろうと走り出した。
 しかし、それを執事の鮫島が身を挺して止める。
 鮫島もアムラエルのことは気になるが、それ以上にアリサの身を守ることが彼に託された職務だったからだ。
 アリサとすずか、二人が傷つくようなことがあれば、アムラエルはきっとそのことで自分を責める。
 二人にも鮫島の気持ちが伝わったのか、今にも駆け寄りたい気持ちを抑え、その場で拳を握り締めた。

「アリサちゃん……アムちゃんは……」
「大丈夫……アムが死ぬはずない。
 負けるはずがないんだから……」

 とてもじゃないが、素人目に見ても無事で済むとは思えない一撃だった。
 こみ上げて来そうな涙を堪え、アムラエルの無事を祈るアリサ。
 すずかも同じ思いだった。両手を組み、アムラエルの無事を祈る。

「魔力ダメージはかなり通ったと思うけど……死んでないはずだ。
 ザフィーラ、今の内に魔力の蒐集を――」
「うむ――まてっ!?」
「アイツ、まさか――!?」

 ヴィータとザフィーラは、アムラエルが落ちた場所に目をやり、空に舞い上がった瓦礫を前にして驚き表情を強張らせた。
 巨大な光の柱を立て、瓦礫を舞い上がらせながら姿を現すアムラエル。
 着ていた洋服は泥だらけで所々破れ、あちこちから血を流して怪我を負ってはいたが、戦意を喪失することなくその場に立っていた。
 そしてアムラエルにしては珍しく、本気で怒っていた。

「……許さない」

 アムラエルの手には真っ二つに粉砕され、完全に壊れた携帯電話が握られていた。
 それはアリサと“お揃い”の携帯電話で、プレシアから買ってもらった“大切”な物。
 みんなとの思い出が、たくさん詰まった携帯電話だった。

 更に補足するなら、アムラエルが楽しみに取っておいた“やりかけのゲーム”が何本かダウンロードされたままで入っていた。
 うちのいくつかには、何日もかけてハイスコアを叩き出したゲームまであった。

「ヴィータ……なんだか、様子がおかしいぞ?」
「うぅ……てか、なんだ? 寒気がっ」

 ゆっくりと翼を広げて、空に浮かぶアムラエル。
 負っていた傷も、アムラエルが魔力を身体に込めると見る見るうちに塞がっていく。
 不思議なことに、着ていた洋服も傷と一緒に復元していた。
 傷が回復したと言うよりも、時間を巻き戻すように元通りの状態に戻っていくアムラエルを見て、ヴィータとザフィーラの二人は目を見開いて驚く。
 自分たちの知る回復魔法でも、そんな強力な治癒術など聞いたことも見たこともなかったからだ。

 それは、ある階位以上の力を持つ天使と悪魔だけが持つ固有の力。
 文字通り“復元能力”と呼ばれる分子レベルでの再生能力だった。
 消費した魔力の回復などは出来ないが、損壊した身体、衣服に至るまでのすべてを分子レベルで組み替え、完全に元通りに戻すことが出来る。
 天使を殺すこと――それは肉体をただ傷つけるだけでも、破壊することでも叶わない。
 肉体、精神、霊魂、この三つの中枢となる生命の心臓、核とも呼べる『永久原子』を砕く事こそが、天使を唯一殺すことが出来る手段なのだ。

 復元能力と言っても魔力の回復が出来ない以上、アムラエルの保有魔力以上の魔力ダメージを与えれば、確かに行動不能までは追い込めたかも知れない。
 だが、人の身でそれだけの魔力を打ち込むことは事実上、不可能に等しい。
 決してヴィータが弱いわけではない。人と天使、その種としての存在にあまりに大きな開きがあった。
 ただ――それだけのことだ。

 アムラエルは、表情を強張らせ警戒を強めるヴィータとザフィーラを睨みつけた。
 先ほどまでとは違い、今のアムラエルには一点の油断も隙もない。
 見た目には完全に回復したように見えるアムラエルでも、ヴィータの放ったギガントシュラークの直撃はかなり効いていた。
 完全に防御結界を破壊し、それも高位の天使、悪魔が身を守るために張り巡らせた“呪圏”とも呼ばれる分厚い障壁を打ち抜き、その身にダメージを与えることなど、並みの魔導師に出来ることではない。
 確かに巨大な魔力を相手に直接打ちつければ、強固な障壁を持つ天使や悪魔にもダメージを与えることは出来るだろう。
 しかし、普通の人間ではまず無理だ。

 アムラエルはなのはやフェイトの訓練に付き合って、何度か二人の最大攻撃をその身で受けたことがあったが、少なくとも呪圏を打ち抜くには、あの二人と同等かそれ以上の魔力が必要だと言うことを知っていた。
 確かにヴィータは二人と同程度の戦闘力を持ってはいるが、純粋な魔力量で言えば、なのはやフェイトの方がヴィータより上だろう。
 だが先ほどヴィータが放った攻撃は、あの二人の魔力を遥かに上回る、強大な魔力を乗せた一撃だった。
 それがヴィータだけの力ではなく、グラーフアイゼンの力で補強したものだとしても、アムラエルに大きなダメージを与えたことには変わりはない。
 だから、アムラエルは目の前のヴィータとザフィーラの存在を認めたのだ。
 自分の前に立ち塞がった“強敵”として――

「……泣いても、許さないんだからっ!!」

 手元の壊れた携帯電話に目をやり、両目に涙を浮かべながら怒りを顕にするアムラエル。
 実は……かなり私怨だったのかも知れない。






 ……TO BE CONTINUED





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■作者からのメッセージ
(08/12/13一部改訂しました)

 193です。
 アムちゃん、大激怒です。無理もないですけどねw
 大健闘したヴィータですが、すでに死亡フラグが立った予感がヒシヒシとします(オイ
 D.S.の出番は!? 主人公なのに影が薄いと思ってるアナタッ!!
 本命は最後まで取っておくものなんですよ。……多分ね。



 >吹風さん
 はい、始動です。もっとも前みたいに半月で完結は無理ですがw
 ちなみに今回ので分かると思いますが、はやてとの遭遇はみんな一緒です。
 もっとも、はやてのリンカーコアは闇の書の中にあるので、この時点でアムラエルは気付きようがありません。
 アムラエルの探知能力は、あくまで魔力の大きさを量る程度なんで。
 まあ、かなりシビアな位置ですけどねw いつバレるか時間の問題ってレベルでしょうけど。

 あまり言いたくないですが、某国(断言するとアレなんで伏せます)と管理局って似てるとこありますしねw
 その分、お互いに相容れないと思うので、足を引っ張り合いそうだと感じました。
 結局、幼女を思うデビットの心と、D.S.ぞっこんラブなシーラと、娘命のプレシアの愛の前では、邪な欲望は淘汰される運命なのだと思ってくださいw
 例外は仰るとおりD.S.くらいですね。ちなみに影が薄いのは表に中々出てこないからです(今回も出番ないし)
 まあ、本命は最後に登場ってことでw



 >ボンドさん
 頑張ります。前回のようなペースは期待できないですけど、半分くらいのペースが可能だといいですね。
 裏で色々としてても、表の顔には一切出さない辺りがデビットたち大人のよいところですね。
 デビットの茶目っ気? は天然と思いますが……

 ちなみに自宅に戻ったのは――まあ、ネタバレは伏せときますw
 フェイトはD.S.に依存してるし、アリシアはプレシアとフェイトが幸せならそれで満足。
 こう見ると上手くバランス取れてますね。成長すると一緒にアリシアもいただかれるんでしょうがw
 まあ、今の魔力駆動炉ではD.S.の全開とまではいきませんよね。
 こう言うのは長い開発期間など、スパンが必要になると思うので、今はこれが限界かと。
 でも、アリサの嫉妬の炎は静まりそうにありません。その上、本人は素直じゃないしね……;

 アムラエルは友達や家族を物凄く大事にします。一度、仲間と認めた者にはとことん愛情を注ぎますからね。
 ある意味で天使らしいのだと思いますよ。
 『はやてと友達になる=管理局への不信感増大』ってパターンが予想されますが、まあ強く生きて貰いましょう。
 この話の決着は一応考えてはいますが、一つだけ言っておくと、闇の書を封印もしくは消滅、管理局と敵対してとかでは解決しない問題だと言うことです。
 今の主である“はやて”の責任ではないにしても、闇の書が多くの悲劇を生み、たくさんの犠牲者をだした事実は変わりないですからね。

 大人組は少女の味方ですからねw
 次元跳躍魔法に関しては、管理局が技術提供を渋っていたのと、デビットやリンディたちがD.S.の件を公にしないで有耶無耶にしてる現状があるので、実際に自分たちが被害を被ったわけではない分、考えが温いところが各国にもあるのだと思います。
 時期にその事実に気付けば、乗って来ざる得ないでしょうけどね。
 でも、それでも質量兵器の有用性を考えたら、某国なんかは秘匿してると思いますよ。
 転送魔法で爆弾投下とかも、怖い発想ですが可能でしょうしね。

 アルフは犬ですね。うん、犬ですw アリサが認めてたしね。
 クロノは正直に言えば戦闘向きではないと思いますしね。まあ、強くなくてもいいでしょう。
 エイミィはわたしも概ねそんな感じで捕らえてますが、彼女は意外と盤面をよく見てますしね。
 そのうち、自分で色々と気付くような気もします。
 リンディさんは……すでに結末を用意してるんですが、まあ敢えて黙っておきますw



 >あびさん
 頑張ってまいりますよ〜
 大人たちは少女に甘すぎますがねw とくにデビットとプレシアは自重して欲しいです。
 リニスの活躍も準備していますのでお楽しみに。
 損をするのは欲をかきすぎるからですね。何事もほどほどが一番なんですが……
 やっと2話で少し物語り動きはじめた感じです。今後の展開をお楽しみに♪
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