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長き刻を生きる 第十八話『勝利の炎上・敗北の凱旋』
作者:大空   2009/01/22(木) 01:35公開   ID:2p.tHeJD/NA

 ―――激痛は二つ。

 一つは自身の右腹部に突き刺さる小刀によるもの。
 もう一つは奇跡的に右肩を貫いただけで済んだ赤黒い剣によるもの。

 だが一つ目の凶刃の使い手が一番の問題であった。


「……ふふふ……疑心に満ち溢れた者ほど良く扱える」


 その声はいつも慌てているような少女のものだが、その少女がとるとは考えれない行動であった。

 ――― 己が主を刺す

 そんな行動を取れる子ではない……むしろ護身用にと小刀を手渡れた時にとても慌てていた程なのだ。
 それ程の慌しく、同時に優しい少女であり、太公望軍の小さな軍師”諸葛亮”ここと朱里が取れるわけが無い。

 されど今この少女は自分の主君を刺し、その傷口から刀身へと滴る血をまったく恐れていない。

 誰もが呆気に取られる中


「朱里殿を取り押さえてください! 彼女は操られています!」


 彼女が操られていると知っている干吉の叫び声が響く。
 即座に左慈や恋と言った面々が取り押さえようと一斉に襲い掛かるが、朱里は小柄な身体を生かして回避する。
 体術に関しては最低限の力量しかない彼女が、武術の達人達を相手にしてこれらを避けるなど不可能だが。

 厳に朱里と言う少女は素早く小刀から手を離して、取り押さえようとした手達を避けた。

「愛紗! 鈴々!」

 左慈の叫び声に唖然としていた二人の意識が驚愕の世界から引き戻される。
 取り押さえようとした面々を避けた朱里は、丁度二人の正面に位置する場にいた。
 即座に猛将二人が反応が僅かに遅れた朱里を取り押さえる。
 だが二人の力で下手に取り押さえると朱里自身に大怪我させかねない為に、力を抜いたのがいけなかった。

「ダメです! 力を抜いては」

「甘いですね…………お嬢さん」

 メキッ・ゴキッと言った歪んだ音がした。
 朱里は取り押さえられた姿勢から身体を脚の反動だけで大きく回転させ、二人の拘束を振り解く。
 更に二人の服を力強く持ち、回転の勢いを利用して二人を地面へと叩きつけ、拘束から抜け出し距離を取る。
 朱里の腕は悲鳴をあげていた、腕は振るえ、おそらく衣服の下の両腕は内出血などでボロボロであろう。


「甘いですね”大いなる者”……味方が敵にならぬとでもお思いですかね?」


 誰も居なかった筈の場所に、その老人は悠然と佇んでいる。
 砂色の髪を腰まで伸ばし、その顔は初老の老人、身体も細々く弱弱しく腕の細さは骨ほどしかない。
 肉が無く、骨と皮だけの弱弱しい腕で自身の元に居る朱里の頭を撫でていた。

「爺ッ!」
「ご老人……いえ……南華老仙ッ!」

 ボロボロの衣服を身に纏い、顔はフード状の布によって隠されて見えない。
 見えるのは今にも壊れてしまいそうな身体のみ。
 されど彼こそ『道標』に協力している外史の監視者の一人である『南華老仙』本人である。

「フォフォフォ、強さに怯え、欺瞞に踊らされ、見えぬ真実と見える虚実から生まれた”裏切り”は格別よのぉ
  本来ならばまったく対抗しえぬ者に対してもあの動きと力を見せ、更にはその驚愕に満ちた顔
  実に良い……”裏切り”こそ戦場の華であり、これこそが人間を人間と確率させる偉大な存在」

 老仙は笑っていた。
 それは朱里と言う重臣を操り、味方を裏切らせ、仲間達に驚愕を生ませた喜劇に対して。

「大いなる者……今は太公望と呼ぶべきでしょうな?」

 付け加えるかのように「我が二つの刃の味は格別でしょう」と。
 完全に太公望を見下した言葉であり、その二つの刃によって苦しんでいる太公望をあざ笑っていた。
 これは勝利者の悦だ……下種染みた悦であるが、これは完全な彼の計略勝ちとしか言えない。

「まさかその少女を庇い負傷するだけではなく、その少女を貫き殺す為に放った剣の軌道すら咄嗟に書き換えるとは……
  愚かッ! 実に愚かッ! もう利用価値も無い人形を庇い貴重な肉体に重傷を負わせるとはッ!
  我等が新たなる皇である『道標』様にその無様な姿を晒すのも通りッ! 無様無様無様ッ!」

 老仙は狂い笑う。
 月と言う少女を人形と嘲笑し、太公望と言う弱者を見下し、その無様な姿を嘲笑う。
 彼が指を動かす度に朱里が踊り、自身の手についている太公望の血を見惚けながら舐める。
 その姿は幼き外見からは想像出来ないほど面妖なれど美しく見え、全くの別人とまで思わせてしまう。

「貴様ぁ! ご主人様を傷つけるだけではなく朱里まで手にかけるかぁ!」
「月が人形だと……人形にしてくれた貴様等に言えた事かぁぁぁ!」
「――――――殺す」

 猛将たちの裂帛の気合や殺気を前にしても、目の前の老人は笑いを止めない。
 明らかにこの場に居る者達全てを馬鹿にした行動出ると同時に、自身の強さを誇示していた。

「ならば君達の大切なご主人様とやらご愛着のこの子が相手になるそうだ?」

 指を動かす。
 それに合わせて朱里が死んでいる白装束が持っていた剣を両手に持ち、愛紗達に襲い掛かる。

「朱里! その腕でこれ以上戦うな!」

 愛紗を相手にしても全く引けをとらない戦いを演じる朱里。
 小柄な身体から来る脚を中心に狙った怒涛の攻撃、更には愛紗の反応の速さを逆手に取った斬り帰し。
 幾度も火花が散り、迂闊に攻撃の出来ない愛紗が次第に押され始める。

「張遼……頼めるかのぉ」
「本気なんか?」
「―――ワシが出なければ」

 それは愛紗が押され、恋と華雄が老仙に襲い掛かる中であった。
 張遼は太公望の願いに躊躇っていた……刺さっている小刀を引き抜いて欲しいと言うのだから。
 幾等急所を逸れている、刀身がとても短いからと言って、突き刺さっている剣を引き抜けばどうなるかは理解出来る。

 出血による死が訪れる。

 なのに太公望はその死が待っていると判っていても引き抜くと、張遼に引き抜けと頼んでいる。

「あれも『道標』の配下だと言うならば……ワシが出なければならぬのだ
  ワシの所為でこうなってしまっているのならば、ワシが納めねばならぬ
  それに朱里は操られている……そう言った呪術ならばワシや干吉でなければならぬ
  ワシは……ワシは本当の信頼を持たせれなかった、部下にワシを信頼させる事が出来なかった
  じゃがこの傷を朱里を、いつも慌しくも優しい朱里を利用したアヤツを許す訳にはいかぬのだ」

「それは男としてか? あの子の主君としてか?」

「――――――判らぬ」

 太公望の答えは弱弱しいものだった。
 あの時感じた化物の風からは考えも出来ないほど、躊躇いや弱さを露見させた発言。
 常人ならば死んでもオカシクナイ傷を抱えながらも、倒れる所か懸命に前に出ようとしている。
 全てを自分の責務と抱え込み、立ち上がり前に進むことで強くあろうとする誇張者。
 何故だかは判らないが……張遼には不思議と太公望に対して感情が生まれていた。

「弱いなら気合い入れぇや! いくでぇ!!」

 腹部に突き刺さている小刀の柄に手を掛けるが、それ彼女以外にもう一人、柄を握る者がいた。

「……あと少し押せばワシは死ぬぞ? 憎くは無いのか、ワシが?」

 月……董卓と言う少女は無言で首を横に振るう。
 言葉も無く、血の滴る柄を握り締め小さな手に懸命に力を入れる。
 そしてその虚ろな眼は隣に居る張遼を見ている、決意を示しているから。

「あぁもう! 月がやるなら僕もやるよ! だけど月が救いたいと思っているからだ!
  本当なら僕は一気に突き刺してアンタを殺してやりたい所だよ! ……引き抜いても死ぬかもね」

「―――詠もウチも、月には勝てんな」

 更に柄を握る手が一つ増える。
 その主は詠、言葉では憎い憎いと言いつつも、親友である月の行動と思いを汲んで行動を取る。
 だがその眼には微かに涙が浮かんでいる、親友である自分でも届かなかったモノが目の前の男のものは届いた。
 嬉しさと悔しさが混ざっているのだろう。

 ―――三つの手によって剣が引きぬかれる。
 ―――噴出す血・太公望の意識を一気に刈り取る。


「ワシを―――『  』を舐めるなぁッ!!」


 誰にも聞えない、聞えてはならない彼の真名。
 そしてその力は傷口を即座に塞ぎ、出血を無くし、無くした筈の血すら再生し作り出す。
 肩に突き刺さった剣を自力で強引に引き抜き、その傷口を即座に修復して完全に塞ぐ。
 多くの者達から『神』と謳われた者の力を断片を見せつけ、剣を引き抜き多くの血を流しながらも立ち上がる。
 
「ワシは負けぬ、誰にも…何者にも…ワシ自身にも!」

 倒れる事・挫ける事・立ち止まる事を自ら許さない決意。
 何よりも負ける事を―――敗れる事を許されない道へと踏み込んでいる事への意志。
 されどそれは支えられる者が誰一人いない棘よりも酷で残酷な道のりへと歩く事。
 
 ―――最強は到達点である『果て』

 ―――無敵は誰も居ない『喪失』

 ―――無双は並べる人が居ない『孤独』


「左慈! 鈴々! 貂蝉!」


 三人の道士の名を呼ぶと同時に、自らの肩を貫いた赤黒い剣を老仙に投擲する。
 既に取り押さえられている愛紗と朱里の頭上を通り抜け、戦っている恋と華雄の間を駆け抜ける。
 流石の老仙も猛将二名の怒涛の攻撃を捌きながら、太公望が投擲した剣を避ける余裕は無かった。
 投擲した剣は彼の耳を奪い取り、それによって音による平衡感覚の喪失とバランスの維持が困難と化す。

「オラァァァァァァァァァァァァァ! 左慈ちゃん! 張飛ちゃん!」

 彼の丁度真後ろにいつのまにか回りこんでいた貂蝉が、これまた何処からとも無く大岩を持ち出し投げ飛ばす。

「気色悪い声で言うな!」

「呼ばれるとぞっとするのだ」

 投げ飛ばされた大岩を左慈が蹴り砕き、程好く砕かれた岩を鈴々が蛇棒でかっ飛ばす。
 飛来する砕かれた小石達は避け場の無い弾幕を作り出し、大きな物は直接左慈が蹴り飛ばしていた。
 大小様々な岩達が次々と老仙の細々とした身体に突き刺さり、その身体を破壊していく。

「干吉殿、朱里が」
「すぐに術を解きます……あの人は人の疑心などを通して人を操れるのですよ
  そしてその時の強さなどは触媒となったモノの大きさなどに比例していく
  しかし朱里殿が私達の中でもっとも太公望様を疑っていたとは……軍師とは恐ろしい者です
  感情などを押し殺す事に慣れすぎて、いつしか吐き出せなくなってしまうのですから」

 小さな身でありながら操られた際の強さは愛紗達を押すほどの強さになっていた。
 つまりそれほど太公望に対する不信感や疑心が積もっていた事の証明である事を理解するのは四人のみ。
 腕は限界を超えた運動によって真っ青になっており、手には護るべき者の血がベットリとついている。

 救いだったのはこの時の記憶が一切本人に残らない事。

 そして周囲の記憶も後で消してしまえば…改ざんしてしまえば良いと言う事。

「小石程度では仙人の肉体は壊せぬわ!」

 小石の弾幕はあくまで囮。
 本命は既にその刃を振りかざしていた。

「ならば私と恋の一撃はどうかな?」

 人間ならば当たれば即死しかねない領域へと踏み込んでいた恋と華雄。
 二つの戦斧と戟が老仙の身体を切り裂き破壊せんと振るわれ、斧は片腕を切り落とし、戟は首筋を裂く。
 切り落とされた肩口と引き裂かれた首筋から大量の鮮血を噴出し地面へと崩れ落ちる老仙の肉体。
 崩れ落ちた老仙の肉体を止めの一撃とばかりに左慈の蹴飛ばした大岩が押し潰す。
 四散する事も出来ず押し潰された肉体から魂魄が抜け出す兆しは見られない、故に警戒する太公望がいるが。


「まさか傑作の式神の一体が敗れようとは……中々手強い」


 だが老仙は悠々と恋の屋敷の屋根の上に座っていた。

「潰れる寸前に式神とすり替えたのか、手癖が悪くなったな爺」
「逆を言えばお前は詰めが甘い、救うにしろ、戦うにしろ……甘すぎる」

 乾いた音が一つ、指の弾きと共に奏でられる。


 直後、洛陽の街の全てが真紅の業火によって包まれる。


 だが誰も何も言わない。
 正確に言えば洛陽と言う都に居る者達全ての動きが止まってしまっている。
 動けるのは太公望・左慈・干吉・貂蝉・老仙だけ。

「全ては皇の思惑通り、倒すというならばもっと強くなるべきだ……全てを斬り捨てれる強さを持つ事
  そして何処までも容赦なく冷たく止めをさせる冷酷さ、勝つ為に何を成すべきかを見つける強さ
  この程の火勢ならば董卓も”焼死”してもおかしくはない、その子を救うのにも楽になるだろう」

 今まで太公望達を見下していたのとは違う、まるで別人かのような何かを抱えている。
 弱弱しい老人の外見は変わっていない、だが片手にはあの赤黒い剣を携えている。
 何よりも敵対している筈なのに導くかのようなその行動が妙であった。

「南華老仙…あなたは一体何を、どちらの味方なのです」

「我々はいつまでも”正史”の人形だ、だがこの世界はもう判らない
  ならば私は私の願いを叶える為に暗躍させてもらうだけよ……皇すら利用して
  記憶は都合の良いように書き換えました、まだ太公望いえ『伏義』様よ
  貴方には貴方の役割を果たして貰う為に努力して貰わねばなりません」

 時が動き出すと同時に老仙は消えてしまう。
 そして四人の間に何とも言えない静寂が訪れるのを、炎が許さない。

「ご主人様! 董卓軍の残党はけちさせました、急いで脱出を!」
「炎が凄いのだ! 早く恋の動物達と一緒に逃げるのだ!」

 鈴々が平然と恋の事を呼んだのに、太公望が驚く様を他の面々が不自然そうに見る。

「なにやっとんや望ちん! 月や詠も救って目的は果たせたんや、さっさとおさらばするで!」
「馴れ馴れしくご主人様を呼ぶな! ……私だってそんな親しい呼び方」
「ははぁぁん? さては愛ちんは望ちんに……」
「馴れ馴れしく呼ぶなと言っている!」

 老仙の手によって都合良く書き換えられた記憶の絆の下に動き出す太公望軍。
 不自然さなどない、むしろ絆の始まりを既に築き始めている節が見えた。
 更に太公望達の頭の中にも書き換えられた記憶が何なのかが流れてき、理解させられた。

「―――ワシ等は董卓に捕らわれいた椛達の義妹を救い出した! もうこの地に用はない!
  全軍全速力で炎上する洛陽より脱出する! 恋の家族を戦車に乗せて一気に脱出するぞ!」

 本物の董卓である月と董卓軍軍師の賈駆である詠は、捕らわれていた華雄の義妹と言う事になっていた。
 無論本物である事の記憶は消されていない、だが救う理由などが完全に書き換えられている。
 華雄達三人は月と詠を人質に董卓に服従をさせられていたが、太公望軍への参加の条件を義妹を要求。
 太公望達は名声を既に手に入れた事と人道的な理由を持って二人を救出したという書き換えられた記憶。

「ご主人様ぁぁぁぁ、おいていかないでん」
「……ご主人様」
「あれも立派な道士であり今回の救出作戦の立役者よ」

 貂蝉については、左慈と干吉の仲間であり、干吉と共に宮廷に潜入して二人を救出した人物。
 まぁ気色悪い外見については何も言及しないあたりは余裕がないと言う事だろう。

「朱里の容態は?」
「大丈夫でしょう……激戦続きでしたから」
「お主等も気をつけよ」

 朱里については『戦場の空気にあてられた』と言う事になっている。
 董卓軍との激戦に加えて戦車隊の指示から白装束の暗部の反吐の出る策を目の当たりにしたから。
 そんな理由によって朱里が倒れている事になり、腕については健康そのものであった。

 燃え盛る洛陽を駆け抜け次々と脱出していく連合軍の兵士達。

 火勢の強さに巻き込まれて死亡した兵士の数は多く、董卓軍最後の悪足掻きとみなされた。


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 連合軍最後の軍議が開かれた。

「董卓かは判らぬがそれなりに高価に衣服を纏った者の焼死体がこれよ」

 軍議の場にさらけだられた偽董卓の焼死体。
 『道標』達が董卓の背格好を晒していないのが幸いとなり、適当な死体で騙す事が出来た。
 無論、ただの焼死体を董卓と納得させるのは難しいが。

「袁紹よ、ワシはあまり嘘を付くのが得意ではないのだが……」

「わっ判ってますわよ! あの火勢ではどうせ董卓さん達は自滅したに決まってますわよ!」

 あの時の殺気のほんの少し牽制に出して周囲を納得させた、させれた。
 洛陽の街を包んだ炎の勢いは凄まじく、それこそ放った本人達が死ぬであろう程の強さ。
 更にこの火勢によって帝の死体が出来てしまい、更なる衝撃が諸侯を襲う。

「報告! 長安への道中に董卓軍残党と洛陽の民を発見しました!」

 保護された者達からの話はこうである。

 暴虐を尽くす董卓から離反した者達が洛陽の民を連れて脱出、その際に火を放った
 その火によって追撃を回避するつもりだったそうであり、連れ出された民衆からの信頼も厚い
 家を焼かれたと言っても財産は端から持ち出しているため、再建するだけで良いらしい

「残党の処理は処刑は回避します、彼らを殺しても民達の反感を買うだけですわ」
「あら? こんな時は中々懸命な判断が出来るのね」
「ホホホホッ! 私は名家『袁』の当主なのですから当然ですわよ!」

 袁紹が意外にも彼らの処刑を反対したのだ。
 と言うのも彼らは洛陽の民からの信頼が厚く、下手に殺せば民の敵に回す。
 洛陽は都であり豪商などが数多く存在する為、敵に回せば資金源を失ってしまう。

 ―――これから始まる乱世

 ―――その味方の一つを無くす訳にはいかない

 諸侯の中には処罰を口にする者も居たが、袁に言われてはどうしようもない。
 結果として彼らは焼いてしまった洛陽の復興の為に豪商達に雇われると言う形になった。

 だが全員が全員そうなる訳では無い。

 ―――ある者は魏軍に

 ―――ある者は呉軍に

 そうして乱世を見つめて己が場所を求めて四散していく。

 そして連合軍もまた四散していく。

 乱世への風を纏いながら、自らの国へと。


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■作者からのメッセージ
春都様
ご感想ありがとうございます
元が人間と大妖怪ですからね
うぅむ……消化不良とはマズイですね
実は書いている時に良く友達から基礎が悪いと指摘されてます
接続詞ですね、了解しました、努力してみます

ボンド様
ご感想ありがとうごさいます
はい、彼女にとって主人以外は蛆虫程度の存在です
しまった! 四宝剣があれば確かに出来てしまいますね
水と土を分離して戻せば良いのですから
主人公とは災難の化身なんですよ、ハーレムしてる訳ですし
一つくらい不幸があっても問題はないですよ

ソウシ様
ご感想ありがとうございます
原作は結構彼自身は負けてますからね
多分単独で勝っている数の方が少ない筈です
やっと連合編が終わったので、軽い話を入れれそうです
前話の最後はかなり失策しました
決してソウシ様の所為ではなく、作者の未熟さなのでご安心を

兎月様
ご感想ありがとうございます
賢すぎるのは時として誤りを招きます
それが強くて賢明であればあるほど……
もっと疑心などを書くべきでしたね、失策でした
実際目の前で人が死ぬだけで結構価値観とかが壊れますよ
戦場にいてなおかつ目の前には神が戦争している
理解しない者よりも理解しようとする者の方が持たないと言う事ですね

皆様
ご感想ありがとうございました

前話の最後は失策してしまいしました
されどこれからもどうかヨロシクねがいします
それにどんどん恋姫ネタが出てきてますし、前途多難です
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