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真・恋姫バサラ無双 第十章〜旅の始まり〜
作者:鳥鳴き島の蝙蝠   2009/02/03(火) 13:48公開   ID:jNbIpJXFUtU
朱里と雛里が仲間になって、早一週間。

慶次は、部屋中の荷物をかき集めて一刀の部屋に向かった。

「よ、一刀。ちょっと頼みがあんだけどいいか?」

その言葉を聞き一刀は、書類に目を通すのを中断した。

「なんだ?慶次?」

慶次は頭を下げ、その後に手を合わせた。

「わりぃ、一刀何も聞かずに金を少しだけ貸してくれねぇか?」

「いいけど、どれくらいなんだ?」

一刀はそう言いながら財布に手を伸ばす。

「ほんの少しでいいから。」

「これくらいか?」

「ああ、サンキュー助かったよ。 あっそれと・・・愛紗には内緒な。」

一刀を慶次の様子を察したのか頷いた。
ちなみに、慶次は一刀から、現代の言葉を少し教えてもらっていた。

慶次は一刀の部屋を出て、自室に戻り紙に何か書いて、自室を後にした。

「夢吉いくぞ、城外まで全力疾走だ」

慶次は夢吉を連れ、超刀を背負い、街を出たのであった。

そう、慶次は旅を始めたのだ。


〜場所は変わって場内〜

「慶次様。書類をお持ちしまし・・・」

愛紗はドアを開け慶次の書いた紙を見ると、紙を持って皆のところへ走っていった。

「ご主人様、桃香様これを見てください。」

あわてた愛紗の顔を見て、紙を見るとそこには

(ちょっと20日ほど旅をします。探さないでくれ 慶次)と書かれていた。

一刀と桃香が、愛紗の方に顔を向けると愛紗はいつもの三倍くらいの覇気を纏っていたという。

〜一方、慶次と夢吉〜

「今頃怒ってんだろうなぁ〜愛紗。帰った時には恐ろしいや」

日は暮れて、焚き火をしている慶次。草むらの中から物音がした慶次はすばやく構える。

すると、現れたのは黒い馬だった。慶次は馬に駆け寄る。

「よぅ、仲間とはぐれたのか?」

慶次は馬を撫でる、しかし馬は嫌がらない。馬はある方向を見る。

そこには馬の群があった。

「キーキー」

夢吉は慶次を突き、馬が見ている方向を見る。

「行かなくていいのかい?」

馬は首を振る。どうやら慶次の言っている言葉が理解できているらしい。

「きー」

夢吉の声と馬の様子を見て慶次は馬に聞いた。

「もしかして、いじめられてるのか?」

馬は渋々頷く。

「なんなら、飼い主がいないなら、俺達と来るか?」

「フルルルル」

馬は喜んでいるみたいだ。

「そうとなったら、名前が必要だ。 何にしよう。・・・・」

慶次は何か言い名前がないか考える。

「きー」

「おーなるほど、それはいいな夢吉。 よし今日からお前の名前は松風だ。 いいか?」

松風は、嬉しそうに鳴く。

慶次は持ってきた荷物から、大きな鈴を取り出し、馬に着けた。

「そういや、自己紹介がまだだったな。 俺は前田慶次。そんでもってこいつが夢吉だ。 これからよろしくな。」

こうして、旅の初日は松風との出会いで幕を閉じたのだ。

〜近くの村〜

そこは黄巾党の残党が暴れていた。

民は助けを呼び、命乞いをした。しかし、黄巾党は聞く気のしないで、次々と民を殺していった。

日は明けてもまだ、黄巾党は村の民を殺していた。


慶次、夢吉、松風は村に向かって、ゆるりと歩いていた。

「きーきー」

夢吉は、高い声で鳴くそれを見て慶次は夢吉の指した方向を見た。 そこには木にすがっている。10歳位の男の子がいた。あちこち傷だらけだ。

「お、おい、大丈夫か?どうしたんだ?」

慶次は少年の下に駆け寄った。

「僕の村が・・黄巾党の残党に襲われて・・・今も皆が殺されてる。・・・お兄ちゃんお願い村を・・お父さん、お母さん、お姉ちゃんを皆を助けて」

少年はそれを言うと、疲れてたのか眠ってしまった。

慶次は独断で少年をここに置いて行く事にした。村に連れていったところで殺されるかも知れないからである。

「フルルル」

松風は自分の背中を見つめる。慶次はそれを見て、

「乗れってか?いいのか?」

松風は首を縦に振る。慶次はそれを見て直に松風に跨った。

「村の方向は・・・あの煙が上がっているとこだな。行くぞ松風。」

松風は少しずつ走りだす。それはだんだん速くなる。まさに風のようだった。



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