ここは全年齢対応の小説投稿掲示板です。小説以外の書き込みはご遠慮ください。

風来の闇 第参話 今の
作者:霧露   2009/07/23(木) 16:03公開   ID:yE552F4UG.E
「赤ん坊……? 何で立って喋ってる訳?」
 佐助の問いに黒に身を包んだ赤ん坊がニッと笑う。
「俺はリボーンっていうんだ。宜しく頼むぞ」
「…………答えになってないし。――ま、あんまり深く追求しないことにするよ」
 フッと殺気を掻き消した佐助にそれまで硬直していた三人が解き放たれる。
「こんなことで固まっちまうなんて情けねぇぞ。そんなんじゃマフィアのボスになんて到底なれないぞ」
「なれなくって良いよ!! てかリボーン! この怖い人、お前の知り合いか!?」
 綱吉が赤ん坊――リボーンに捲くし立てるように問うと、リボーンはカチャリ、と黒光りして火薬の臭いのする武器を取り出した。確か織田の嫁が持っていたな……と俺は思い出す。
「な訳ねぇだろ。今の会話聞いてたのか? この駄目ツナ」
「ひぃぃっ! ごめんなさい聞いてました!」
 一気に青ざめていく綱吉を見て俺は苦笑する。俺が笑ったせいか、綱吉は少し驚いた顔をしていた。 ……表情がころころ変わる子だな……。
「――それで?」
「はい?」
「いや、何で俺がこんなところにいるのか、ってことだよ。全く見覚えのない場所に来ちゃって……何も分からないんだよね。説明してくれると嬉しいんだけど」
 俺が言い直すと綱吉は"ああ!"と思い出したような表情を浮かべる。
「えぇと、ですね……」
 綱吉は信じられないような――夢のような話をし始めた。




――以下、回想――
「今日も学校終わったー! 家帰ったら何しようかな……」
 俺が授業が全て終わったという開放感の中、思い切り伸びをして放課後のプランを頭の中で練っていく。まだクリアしていないゲームでもやろうかな。新しく出た漫画の新刊でも買いに行こうか。
「十代目〜!! 帰りましょう!」
「ツナ、行こうぜ?」
「うん、帰ろうか!」
 俺はいつものメンバー……獄寺くんと山本とで下校した。


「いやー、今日も良い天気っすね!」
「うん。授業中眠くなっちゃったよ……」
 他愛も無い会話をしながら俺たちは帰り道を進む。いつも通りの道。いつも通りの会話。そんな"いつも通り"の中に――――
「――うわっ!?」
「十代目!?」
「ツナ!?」
 物凄い勢いで雷が落ちてきた。
 俺の視界は一瞬にして真っ白になり、思わず倒れてしまった。二人が慌てて駆け寄ってくるのが分かる。
「十代目!! 大丈夫ですか!?」
「ツナ!! しっかりしろ!!」
「だ……大丈夫、だと思う……」
 目の前がくらくらするのは雷の強烈な音と光のせいだろう。……情けないな……。
 二人に引っ張ってもらって立ち上がる。コンクリートで出来た塀は粉々に砕けていた。もう少し近くにいたら危なかっただろう。
「怖………ん?」
 俺はよくその砕け散った塀を見てみると――

 一人の、迷彩をまとった青年がいた。


■作家さんに感想を送る
■作者からのメッセージ
 第参話です。
 今に至るまでの状況説明ですね。
 ……なんか山本の影が薄い気がするのは、私だけではないですよね……。


雲井さま>>
感想ありがとうございます!!
ツナくんかわいそうですねww でも慣れれば佐助もフレンドリーになります。きっと(確証は無い/おま)。もっとリボキャラ出すと思います! てか出します!!
こちらこそ宜しくお願いしますvv
テキストサイズ:2286

■作品一覧に戻る ■感想を見る ■削除・編集
Anthologys v2.5e Script by YASUU!!− −Ver.Mini Arrange by ZERO− −Designed by SILUFENIA
Copyright(c)2012 SILUFENIA別館 All rights reserved.