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無名(タイトル未定 オリジナル) 研究所編 2話(題名無し)
作者:GireLize   2010/04/18(日) 17:48公開   ID:33E/nA6Ip9Y
-成功作-

私は、何も感じなかった。

私に自我があっても感情をあまり知らないからか・・・他の人間達が見たら [無感情・無表情] と言うかも知れない。
でも、それは私が持っている感情でも表情でもある・・・。
私はそんな感情や表情で、研究者達を虐殺していくのを見ていた・・・。


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-所長-

所長は、両手足が固定台に固定され口を塞がれているのを感じながら、意識が戻った。

「(ここは・・・どこだ・・・?)」

現状を把握するため眼を開け周囲を見回すが豆電球程度の大きさのランプが
真上に1個しか無い為、眼を回してもあまり見えなかった。
少し見まわして隣を見たとき、一緒に逃げていた若い研究員が自分と同じ状態で気を失っていた。
その研究員の名前を思い出し見ていて、少し研究員の顔が青いことに気づいた。

「(まぁ・・・大丈夫だろう)」

と、判断して視線を外し、再びここはどこだろう・・・と考えたがわからない為、
これ以上は、体力の無駄だし少し疲れていた為に体力を回復するのを優先し、意識を手放した。

-若い研究員-

起きた時、少し頭痛がしたけど固定台に手足が固定されてるのに気づいて、頭を抑えられなかった・・・。
少し ぼーっ としていて ハッ! と自分の口が塞がれているのに気づいた。
まぁいいや と思い、少しだけ楽になった為、眼を開けて状況を把握しようとした。
周囲を見回して上のほうに豆電球程度のランプがあることがわかった・・・。
隣にも1つあった為その下を見たら案の定、所長が自分と同じように、両手足固定されている・・・。

「(まぁ所長ですし、大丈夫でしょう。)」

そう思い視線を外した。 それにしても、ここは・・・どこだろう・・・?
「(うーん・・・)」と頭を唸ってみたがやはりわからない・・・。
(考えるだけ時間の無駄ですし、体力も無駄に消費しますね・・・今は疲れを取りましょう)
と判断して意識を手放した。

所長が再び意識を取り戻した時には、口は塞がれてなかった。

(何を考えてるんだ?)

と、思ったが(今は仲間を起こすか・・・)と、隣で意識が今だ無い仲間に声をかける。

「おい、スミダ君」(やはり、同じ状態になってるな)

と、何回か小声で声をかけた。

「あ、所長」

若い研究員ーもとい、スミダは声が出ることに少し驚きながらも、小声で答えながら眼を覚ました。

「スミダ君、君は平気かね?」

「はい、所長。 私は平気ですが・・・」

と、お互いは小声で喋りながら再び周りを見回していた。

「ここがどこかは、スミダ君はわかるかね?」

「いえ・・・暗くてどこかはわかりませんが・・・
研究所内でこんな器具があるとすれば、"保管室"ではないでしょうか?」

「ふむ・・・なるほど、確かにそうだな」

「しかし、 "成功作" は何を考えているんですか?
一応、助けようとしてた "成功作" に殺されるのは勘弁なんですが・・・。
所長はわかりますか?」

「"成功作" が考えたんだ・・・私にはわからない。
だが、あの "成功作" が考えて私達だけは生かされたんだ、我々には選択権などないよ。
しかし、向こうは "破棄" や "処理" の事を知ってやったんだろう・・・
でなければもっと前からやってるはずだしな」

「確かに・・・そうですが、どうや・・・まさか!」

「うむ・・・恐らく、あの時の会話をハッキングして聴いていたのだろう」

スミダは自分の頭が少し青くなる感じがした。 所長達と話してたあの時の会話を全部聞かれた・・・?

(冗談きついです・・・でも、確かにあれを聞かれたらこういう行動に出るという可能性も多少あったはず・・・。)

-所長-

恐らく、 "成功作" は戸惑っただろう、助けようとする我々が居る・・・だが、 "破棄" や "処分" しようと
しているのも事実・・・人間でも戸惑う・・・しかも、 "成功作" は、未熟ながらも自我があり感情もある・・・
その感情を理解出来なく、頭がパンクしたんだろう・・・簡単に言えば迷いすぎて我慢しきれなくなって "キレた" 感じだな。

「こ、これからどうなるんですか所長?」

「私に聞くな・・・ただ、向こうは態々私達を生かしたんだ、
問答無用で殺すことは無い・・・と、思う」

「そう・・・ですね。 殺すならとっくに殺してますしね・・・。
しかも、ご丁寧に我々の傷を全部消してくれましたしね」

「うむ・・・」

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-"成功作"-

私は何故・・・あの2人を生かしたんだろう・・・
私を "破棄" や "処分" しようとした人達なのに・・・何故?
わからない・・・何故、なの?・・・わからない、わからない・・・。

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■作者からのメッセージ
はい・・・今回もありがとうございました。 ギアライズです・・・
本当に誰も聴いてませんね。

まぁそれはともかく、今回は実験体の X-B552473(形式ナンバー) は、
初めて味わう感情に戸惑っています。
作中にあった、所長の思っているところにもそんな感じのが書いてありますね・・・。

自分だったら迷わず、そのまま笑いながら研究者を皆殺にしますがね・・・嘘です。
第一に聞いてませんねそんなこと・・・ゴメンナサイ。

追記
誤字・脱字・質問等がありましたら、どんどん言ってください。
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