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悪魔と同棲生活(仮) 第2話『悪魔を甚振る俺って……』
作者:蜜蜂親衛隊   2010/12/15(水) 17:38公開   ID:YzyN.C0uTWM
……ふぅ、やっぱり家で吸うタバコが一番落ち着く
断っておくが、おれは一日一箱以上吸わないと、気分が落ち着かないんだ、何か悪いか?


「ケホ……ちょっと、こっちにむけて、煙吐かないでくれる?」

「……温風が一番当たる場所に陣取ったのはお前だろうが」


目の前にいるのは、さっき拾った露出狂疑惑のある見た目小学生
何遍聞いても、家の電話番号教える気がないらしいし、かといって放置して帰るわけにもいかない
結局、俺の家に連れて帰ってきたわけだ

……余談だが、俺の家といっても、厳密には違う
下宿先のアパート、っていえば大体わかってもらえると思う
部屋は三階で、風呂とトイレもちゃんと付いてる
月額?……気にするな


「それで、いい加減に本当のこと喋る気にならないか?」

「だーかーらー、さっきから本当のことしかしゃべってないって!」

「……難しい言葉で言うとな?信憑性がないんだ、お前の言葉には」

「……馬鹿にしてるの?」

「さっきされたからな」


頬を膨れさせるな、突きたくなるだろうが
あと、そんな目で睨んできても、お前の格好で怖さ半減なんだよ


「ま、いいか」


……妥協する癖があるなぁ、俺
いや、面倒だと判断したら、即諦めてるのか?


「で、レーヴィ?答える気も無いやもしれんが、なんであんな場所で、ゴミ箱漁ってたんだ?」

「悪魔がお金持ってると思う?」


通訳──小学生の小遣いでは、弁当買うのですら厳しい
んー……でも、最近の小学生って、結構金持ってるイメージが……
ま、あくまで俺の偏見だけど


ぐぅーーーーーーー……………


なんか、今の音はイラッときた
飯の途中で連行したんだから、何か食えるものでも提供しろってか?
……いかんいかん、少しは冷静になろう、俺よ


「何か食うか?」

「え?作ってくれるの!?」


こういう時って、漫画とかだと目がキラキラしてて、星とか飛んでるよなぁ
ま、つまりは今のこいつも、そんな目をしてるってわけで……


「どうせ、俺も夜食食うつもりだったし……何がいい?」

「なんでもいいよ!それより早く早く!!」


急かすな!
そして、食器くらい出そうとか、手伝う気概をちょっとは見せろ!
もっと言えば、座ったままその場で飛び跳ねるな!
下の階の奴に怒られるのは俺なんだぞ!?


「……じゃ、ラーメンでも作るか」

「えー……私、ご飯ものが食べたーい」


……何でもいいって言わなかったか、お前?
って言うか、ここはレストランなんかじゃねぇ!
しかも、最近やたらと米が高いんだ!
“食わせてもらえる”って言うのを自覚しろ!


「……ラーメンな」

「どっちかって言うと、私は──」

「ラーメンな!」


無言で頷いたな
そうだよ、そうやって素直にしてれば、俺だってこう苛立ったりしないんだ

とりあえず、飯でも食えば、ちゃんと話してくれるだろ
……ハァ、飯を作ってやる最初の相手が、どうしてこんな……


「何か失礼なこと思ってない?」

「思われたくなきゃ、常識のある行動してくれ」


だーかーらー……頬を膨らしたうえに、唇を尖がらせるな
年下に恋愛感情は微塵も抱かないが、こういう仕草されると悪戯したくなる
……敢えて言うが、全年齢対象の範囲内での悪戯だぞ?


「さて……」

「お!もう食べていいの!?」

「3分待て」

「3分も!?」


そのくらい待てるだろうが!
まったく……とりあえず、もう一本吸おう
なんか、こいつとの会話は本気で疲れる


「って、おい!俺のタバコ返せ」

「いーや!だって煙たいんだもん」

「……じゃ、ラーメンは没収する」

「食質!?鬼!悪魔!!」


悪魔はお前だろ?
自称には違いないが……
ってか、食質ってなんだよ……

ま、いいや
渋々ながらも返してくれたし


「……ん!」

「何だよ?」


ベランダ指さして何の真似だ?
……理由は十二分に理解できるが、敢えて聞いてやる


「煙たいの、嫌……」

「我慢しろ」

「だってー……」

「俺は寒いのが嫌だ」

「でもー……」

「嫌なら、お前が外で食えばいいだろ?もう3分経ったぞ?」

「本当!?」


変わり身早っ!
そして、本当に外で食うのかよ!?
なんかゴメン!

カーテン開け放してるからよく見えるけど、そんなに腹減ってたのか?
……ええい、仮にも女の子がそんなにがっつくな!
見てて腹が立つわ!








……………………

…………

……








「あー、おいしかった!」

「そうか、よかったな」


カップ麺ごときに何をそんな感動する?
販売会社からすれば、嬉しい限りだろうが、別に俺は何とも思わんぞ?
……って、おいおい


「口元くらい汚さず食え……ほら」

「わぷっ!〜〜〜〜〜」


ティッシュを数枚出して、無理やり口を拭いてやる
……俺はそう言うの気にする性質なんだ
本気で他意は無いからな!

ちょっと強く拭きすぎたかもしれん……
ま、気にするようなことじゃないか


「ふぅー……ケプ」

「お前なぁ……あー、もういいや、なんか疲れるし」


注意するのはもう諦めよう
俺は言っても聞かない奴に、根気強く指導するような性分じゃない
どっちかって言うと、そう言う奴らが常識はずれなことして、周囲から白い目で見られるのを、ほくそ笑みたいタイプだ


「……で、そろそろ話す気に──」

「いやぁ、温かいご飯までごちそうになっちゃったし、何かお礼しないとね!ね、ね!何か、欲しいものとか無い?」

「─────……はい?」


何が悲しくて、見た目小学生に物を強請らにゃならんのだ!
仮にお前が大金持ちの一人娘とかだったとしても、そう言うのは親とか大人が言ってくるセリフでだな……?


「何でも言っていいよ?空が飛べるようになりたいとか、炎を操れるようになりたいとか……」

「待て待て待て!」


勝手に話を進めるな!
と言うか、欲しいものとか言っといて、挙げる例えがまず間違ってる!
……やっぱりこいつには、現実と空想の区別を叩きこんでやるべきだな


「……よく聞けよ、露出狂疑惑持ち見た目小学生」

「何その酷い名前!?」

「漫画とかアニメとかで、そういった類に憧れるのには何も言わん……でもな、あんなのはあくまで二次元──本とかテレビの中の世界──でしか有り得ないんだ」

「あるぇ?まだ信じてくれてなかったの?」


無意味に舌を巻くな、逆に不気味だわ!
……おい、何を徐に立ち上がる?


「仕方ないなぁ─────……愚かしい人間に、態々見せつけるようなものでもないのに……」


立ちあがっても、それほど大きく見えないレーヴィ
その右手が俺の方に向けられた時、思わず俺は頓狂な声を上げた


「なっ……!?」

「へへへ……どう、信じてくれる?」


いやいやいや……何の冗談だ?
確かに、こんなマジックは見たことがあるぞ?
でも、俺の家にこんな奴招き入れたの、今日が生まれて初めてだ

……じゃあ、何で俺の体は浮いてるんだ?
もっと言うと、浮いてるって言うより、何かに乗っけられて、持ち上げられてるって感覚か?
丁度、レーヴィの右手の動きに合わせるような形で……


「私はれっきとした悪魔だよ?飾りかと思ってるかもしれないけど、この頭の羽は私の一部だし、着てる服とかも殆どが自分の一部分」

「……………………」

「信用してくれたみたいだね?じゃ、降ろすよ?」


右手をひっくり返すような動作を取ったかと思うと、俺の身体は浮いてた位置から急に地面にたたき落とされた
ま、浮いてたと言っても、高々30〜50cmくらいだったし、そこまで激しい痛みはない


「……………………」

「そんな目で見ないでよ、本物だって」

「……いや、そうじゃなくてだな……?」


混乱してるのか、俺?
こんな不可思議な体験しといて、なんで今そこが気になる?
……ま、仮に冷静だったとしても、聞いたかもしれんが


「その……身に着けてる殆どが、お前の身体の一部?」

「そうだよ!だから、さっきの露出狂っていう発言は取りk──」

「つまりは今現在、人間で言うところの真っ裸と一緒じゃねぇか!さっさと服着ろ!」








……………………

…………

……








……これ、何本目のタバコだ?
とりあえず、レーヴィには俺の服を着せてる
羨ましいシチュエーションに思う奴もいるかも知れんが、こっちとしては大迷惑だ

灰皿にタバコを押しつける
火が消えたところで、何度目になるか分からんが、レーヴィを観察する


「……ちょっと、何?さっきから何も言わないけど……?」


まだ混乱してるんだ、そう簡単に言葉なんか出てくるか


「……ひょっとして……惚れちゃったたたたた痛い痛い!」

「寝言は寝て言え」


頭を両手でグリグリグリグリ
本物だって分かったんだ、ちょっと強めでも大丈夫だよな?
ま、そんな訳でグリグリグリグリ

あ、意外と言葉がすんなり出てきた
そういう意味では、こいつに感謝だな


「みぎゃぁ!わ、割れる!頭、割れるぅうぅう!!」

「大声出すな、まだ朝の5時だぞ?」

「私のせい?!どうでもいいけど、謝るからやめれぇぇぇ!」


あんまり煩くされても面倒だし、手を離してやろう
……そんなに痛かったか?
焦点あってないけど……


「……それで?」

「……それで、って?」

「いや、これからのお前のことだよ」


そりゃそうだろ?
悪魔だろうと、ゴミを漁らなきゃならん程困窮してる奴だ
その辺で乾涸びてもらっても後味が悪い

だからと言って、家に泊めておくのもなぁ……
可能なら、今すぐにでも魔界とかいう場所に送り返したいのに……
あー……面倒な奴を拾ったもんだ


「んー……行く予定も当てもないしねぇ、出来ればしばらく泊めてほしいんだけど」


ほら来た
こういう答えが返ってくるのは、ある程度予想してた
……と言うより、これ以外の答えが見当たらん


「暫くって、具体的にはどのくらい?」

「まったく目処が立たないから“暫く”」


計画性ゼロ?!
いや、俺もラノベとかアニメとかそこそこ見るけど、こんな適当な悪魔初めて見たわ!
もともと悪魔とかそういった類の存在全否定だったのに、実際会ってみてこんなって……


「ハァ……ある程度の約束事を護ってくれるなら、いいか」

「約束事?毎日○○○○でもすればいいの?」


…………………………
…………………………
…………………………ハハハハ!


「ちょっ……!?何?何で急にそんな笑顔?!でもなんでそんなに怖いの?!あ、あの……出来れば歩み寄って来ないでくれると、嬉しいかなぁ……なんて……あ、あれ?何も言ってくれないよ、この人間?……ひゃぅう!!そ、そんな部分持つなぁ!頭がちぎれるちぎれる!え、どこに連れてく気?あれ?ひょっとして本当に○○○○させるつもりゃぁぁあああ!!ぐ、グリグリはやめてぇ!割れる!本気で割れr────」


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■作者からのメッセージ
ガチャピンα「黒い鳩さん、コメントありがとうございました。あまり参考にできていないかもしれませんが、注意しながら書いてみました」

蜜蜂親衛隊「ねぇ、徳って当初こんな性格だった?」

ガチャピンα「オチが決まらんからと言って、俺に全部任せたのはお前だぞ?」

蜜蜂親衛隊「だからって、仮にも相手悪魔だよ?その悪魔に対して……まさに悪魔の所業!」

ガチャピンα「いいんじゃない?俺も多分似たような行動とる自信がある」

蜜蜂親衛隊「世間一般では、そういう奴は外道と呼ばれる」

ガチャピンα「……何か問題でも?」

蜜蜂親衛隊「すまない、俺がバカだった」




……すいません、あとがきはこんな感じでフリーダムに会話します。
コメント返しは、上の会話が終わったあとにしようかと考えてます。

ガチャピンα「この作品にコメントをしていただけるような、そんな殊勝な読者様ばかりじゃないだろうに……」

蜜蜂親衛隊「この天邪鬼め……」

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