第一章は終わったので、今からは第二章が始まります。
今回は御坂美琴視点での内容ですので美琴となろます。
後、時間も撒き戻ります。
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【7月18日・AM9:00・第7学区・学舎の園内・常盤台中学校】
そこは中高生が中心に住む第七学区。
その中でも、一際目立っているのは高級感溢れる「学舎(まなびや)の園(その)」と言われるエリアである。
“学舎の園”内にあるお嬢様が通う五大校の1つ。
それは常盤台中学である。
他4校もそうだが、この五大校は学園都市が誇る名門中の名門。
生徒は皆女性ではあるが、その誰もがレベル3以上。
常盤台中学は、そんな五大校の中でも特に有名である。
何故なら、学園都市の財産とも言える7人しかいないレベル5を2人も所在しているからである。
勿論、その内の1人はレベル5の第3位“レールガン(超電磁砲)”の2つ名を持つ「御坂美琴(みさかみこと)」である。
他にも“エレクトロマスター”や“電撃姫”等とも呼ばれ、皆が尊敬する常盤台のエースなのである。
そして、そのエースはいま常盤台中学のグラウンドにて定期的に行われる、身体検査(システムスキャン)を受けていた。
だが何故かグラウンドのど真ん中には大きな石壁が立っていた。
縦横5mの厚さ1m程の石壁だった。
前日に教職員が用意したのだ。
そして、その石壁から15m離れた所に1人の少女がいた。
その少女の名は御坂美琴と言う。
美琴の周辺には教職員5名と観客の女子生徒数十名がいた。
美琴「……」
私は御坂美琴。
これでも学園都市に7人しかいないレベル5の1人。
周りからは“レールガン”等と呼ばれているわ。
こう見えても私は元はレベル1。
必死に努力をして、レベル5まで登り詰めた。
でも第3位までになるとは思ってなかったわ。
名が知れると注目を浴びて、気疲れするだけだもん。
まあ、それはともかくとして今はシステムスキャンに集中しないと行けないわね。
美琴はス…と手を前につきだした。
その手にはコインが握られていた。
やがて美琴の手にはバリッ!バリリッ!と音を立てて帯電し始める。
生徒A「いよいよですわ」
生徒B「御坂様のレールガンが見れるなんて感激です。」
バリッ!バリッ!
美琴はもう準備万端のようだ。
その美琴を見た教職員達は互いにアイコンタクトを取りOKの合図を出した。
美琴「…あれはOKの合図ね。」
それじゃあ、やりますか!
体内の電撃をコインに集める…
美琴は目を瞑った。
集中…集中……今!
美琴を目を開き、そして電撃をコインに挿入した。
ドキュゥーーーーン!!
その瞬間、激しい音と共に雷を溜めたコインは光線となって真っ直ぐ石壁に向かって行った。
そして…
ドカァーーーン!!
と石壁にぶつかりその石壁は木っ端微塵に砕け散った。
美琴「ふぅ…こんなとこかな。」
地面にはレールガンが通った後がしっかり残されていて、煙が噴いていた。
生徒全員「キャー!スゴーイ!!」
教職員A「判定測定…威力・速力・出力・能力共にレベル5!」
生徒全員「キャーー!」
辺りは歓声が響いた。
ホントならもう少し出力上げれるんだけど、まあこれで十分でしょ?
「あらあら、お姉様。さっきのレールガン…手を抜いていましたわね?」
美琴「う…(汗)」
この子は私の親友、白井黒子。
超能レベルはレベル4。空間移動能力(テレポーター)を使うわ。
どうも黒子だけには手を抜いても見破られちゃうのよねぇ(汗)
黒子「にしても流石ですわ、お姉様。手を抜いてもレベル5。感服ですわ。私なんかまだまだ…」
《お呼びだし申し上げます。白井黒子さん、測定の時間です。たち位置に着いて下さい。》
黒子「それじゃあ、失礼しますわ。」
美琴「うん。」
美琴は黒子の検査を見ることにした。
そして、黒子はたち位置に着いた。
黒子の両手には刺柱が4本ずつ握られていた。
さらにその先には的があり、その的には小さな黒い印が書かれていた。
そして教職員から合図が出た。
黒子「フッ!」
シュババッ!
その瞬間、黒子は両手に持っていた刺柱を全てテレポートさせた。
そして、跳んだ刺柱合計8本は全て的の黒い印に突き刺さっていた。
教職員A「コンマ1mmのズレも無し。測定レベル4!」
生徒全員「わぁぁぁ!」
生徒A「白井様も素敵ね〜。」
生徒B「凛々しいわぁ〜。」
美琴「アンタも充分凄いじゃない。」
本来、テレポートと言うのは能力の中でも、もっとも扱いが難しいと言われてるわ。
空間把握と座標割出の両方を同時に頭で演算しなければいかないからね。
でも黒子はそれが誰よりも速く、そして正確。
だからこそレベル4の検査にも納得がいくわ。
ホント大したものよね。
黒子「お姉様、お待たせ致しましたわ。私達は検査が終わったので、例のとこへ行きましょうですの。」
美琴「そうね。行こっか。」
例のとこ、それはこれから私達が学舎の園を出て、佐天さんや初春さんと一緒に買い物へいくと言う事。
買い物は多い方が楽しいもんね!
そして、美琴と黒子は学舎の外へ向かった。
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【7月18日・AM0:00・第7学区・学舎の園・正面ゲート】
そこに二人の少女がいた。
1人は黒く長い髪に白花のピンがついていて、学舎の園外の学校の制服を着ていて、もう1人の少女に話し掛けていた。
そして、もう1人の少女は黒い短髪に花飾りをつけ、同じ制服を着ていて、受け答えをしていた。
そんなとき、学舎の園から更に二人の少女がゲートを通って出てきた。
そう、美琴と黒子である。
美琴「ごめーん、少し遅くなっちゃった(汗)佐天さん、初春さん。」
佐天「いえ、そんなこと無いですよ(^-^)
私たちも今、来た所ですから♪
ね、初春。」
初春「はいー(^-^)
ほんの5分前くらいですから♪」
黒子「初春、相変わらず時間にはキッチリしてますわね〜」
美琴「良いことじゃない。
私たち何か、どっかの誰かさんのせいで、ギリギリになっちゃって…」
最初に話し掛けてきたのは佐天涙子(さてんるいこ)さん。
元気で明るく、皆のムードメーカー。
初春さんのスカートをめくるのが趣味みたいだけど、本人は嫌みたい。
能力はレベル0って言ってたわ。
そういえば“あいつ”もレベル0なのよね〜
そして次に話し掛けてきた花飾りを頭につけているのが初春飾浬(ういはるかざり)さん。
おとなしく、温厚で優しい女の子。
佐天さんとは昔からの親友みたい。
それと黒子と同じ“風紀委員(ジャッジメント)”でもある。
えっと…確か能力はレベル1で自分に触れている物の温度を、放さない限り保てるって言う能力らしいけど詳しくはわからないわ。
そもそも私たちが遅れたってのは黒子が、買い物に行くのに体操服や制服じゃ味気が無いとかで、服を着替えに寮に戻って着替えていたら遅くなっちゃったんだけどね。
いや、まだそれだけなら良かったんだけど何より黒子が、私の着替えている最中に体に触ってこようとしたから、制裁を加えたりしてたら遅くなっちゃったんだけどね!全く…
美琴は黒子をジロッと睨んだ。
それを見た黒子はヒクッとして、汗を流していた。
そして黒子は「何も知りませんわ〜」みたいな表情を取り、顔を反らした。
初春「どうかされましたか?」
美琴「ん?あ、いや何でもない。」
初春「そうですか…それならいいんですけど…」
うぅ…なんか騙している見たいで心苦しいなぁ。
いや、だからこそ皆をしっかり楽しませないと行けないよね!うん!
美琴「それじゃあ、行こっか。」
佐天「そうですね。」
初春「白井さ〜ん、ちゃんとジャッチメントのお仕事お休み取って来ましたよね〜?」
黒子「もちろん、今日1日は休みを頂いてますわよ。」
初春「それなら安心ですねぇ(^o^)/」
佐天「じゃあ行こう!」
それから私たちはショッピングセンターにいったわ。
そして今は服屋で佐天さんと初春さんが買い物をしてる。
最初はカバン等を見てたんだけど、佐天さんが服屋にも行きたいと言い出したから、店を変えて今ここにいるって感じなのよね。
にしても…
初春「わぁー♪ほらほら見てください佐天さん!
こんな可愛いのもありますよー!」
佐天「おぉ♪絶品だね〜(^o^)/これなんかも良いと思わない?」
初春「あぁ♪確かに可愛いです!」
美琴「あはは…あのはしゃぎ様。
子供みたいね(^-^;
でも、楽しんでくれてるみたいだから良いかな。」
黒子「おっねぇさまー!」
突如、美琴に黒子が抱き着いてきた。
美琴「うわっと…ちょ、ちょっと何よ、黒子(汗)」
黒子「まあまあ。少しお待ちあそばせ。」
黒子は自分の手を美琴のワイシャツと短パンの中に入れた。
ビクッ!
な、なに!?
黒子は何をしようとしているの!(汗)
黒子「これですわね( ̄ー ̄)」
なんなの!今のニヤッとした笑いは!?
ヒュバッ!
美琴「え…?」
その時の私は一瞬固まってしまった。
黒子が服の中に手を突っ込んでから何かをテレポートさせた。
何を?この何かを失った消失感…まさか……まさか!
黒子「あらあら、やっぱりこのようなお召し物を履いて……こっちの方が子供っぽいですわよ、お姉様。」
黒子の手に握られていたのはどこかで見たことのある柄の布だった。
それもその筈。
それは美琴のお気に入りのくまさんパンツだったからだ。
黒子は美琴の服の中に手を突っ込むことにより、下着に触れ、その瞬間に下着のみをテレポートさせたからである。
つまり美琴はいまノーパンである。
勿論、美琴は焦り、驚き、そして照れた。
美琴「な…(驚)え(汗)ちょっ…!(照)」
黒子「そもそもですね。中学生になってもこういったお子様が履く下着を着けていることが間違いなのですわ。
中学生ならもっと大人っぽいのを履いてと常々に申しているのに、それをお姉様ったら…
私なんか…クドクド」
美琴「……」
あれ?何で私怒られてるんだろ?
私はいきなり黒子に抱き着かれ。
いきなり服の中に手を突っ込まれ。
いきなり下着を盗られ(しかも能力で)。
そしていきなり、その下着の否定と注意?
悪いのは私?いや違うわね……フフ…フフフ!
美琴は良く考えれば考えるほど、胸が熱くなり、怒りが込み上げてきた。
そして未だ注意を述べる黒子も、美琴の様子に気付いた。
それはそうだろう。
美琴は感情が高まると電撃を放電しだす。
いままさに、美琴の怒りは頂点。
美琴の体からはビリッ!ビリビリッ!と雷が放電していた。
黒子「お、お姉様…?(汗)」
美琴「黒子ぉ……」
黒子は直感した。
やりすぎた!まずい!このままいくとお姉様に電撃の刑が執行される!と。
どうする?こうなってしまったお姉様はもう止まらない。
かくなる上は!
ヒュッ!
美琴「!?」
黒子はテレポートで逃走した。
ちなみに美琴の下着も手に持ったままである。
美琴「逃がさないわよ、黒子!」
美琴は店の外に走って出ていった。
放電しながら。
最早、冷静さを失っていたのである。
そんなとき、佐天や初春が売場コーナーから戻って来た。
佐天「御坂さーん!この服どう思いますー?
ってあれ?いない。」
初春「どこ行っちゃったんてしょうね?白井さんまで。」
【7月18日・AM2:30・第7学区・中央公園】
そこは第7学区の中央にある公園。
その公園はとても大きい。
横浜スタジアム並の土地で、湖があり、草原があり、くつろぎ場があり、噴水があり、野球が出来そうなぐらいのグランドもある巨大な公園。
子供達の遊び場としては勿論、老人の憩いの場、人やペットの散歩コースとしても人気が高い。
しかも夜になると、設置されたライトが光だし、その光が噴水や湖を照らしとても綺麗である。
その為か、夜はデートスポットとしても有名なのである。
黒子はテレポートで、その中央公園に逃げてきたのだ。
黒子「ふぅ…なんとか命を死守致しましたわ。
とりあえず、これからどうしましょうか…お姉様のお怒りが覚めるまでプラプラするのも良いですわね。
お姉様の下着と共に。うへ…うへへへ(^q^)」
黒子はよだれを滴ながら美琴のくまさんパンツを眺めていた。
美琴「プラプラする必要はないわよ(^-^)黒子ぉ…」
ドキッ!
黒子「お…お姉様……?」
黒子はギギギ…と後ろに振り向いた。
冷や汗を滴ながら。
そこには美琴がいた。笑顔で。
美琴「フフ…覚悟は良い?」
美琴はポンッと黒子の肩に手を置いた。
観念した黒子は冷や汗を滴ながら返事をした。
黒子「は…はい……」
バリバリッ!!
黒子「あああああ!!」
公園中には、電撃の音と黒子の悲鳴が鳴り響いた。
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【7月18日・PM3時00分・第7学区・市街地】
美琴は黒子に電撃の刑を与えてから、電話をしていた。
冷静になって考えてみると佐天・初春の二人を置いて勝手に出てきちゃった事に気付いたからである。
美琴「本当にごめんね!このお詫びは必ず!」
佐天《そんな気にしなくて良いですよ、私達は私達で満喫しましたから。》
美琴「でも…本当ならもっと案内する予定だったのに…何かお詫びはしないと…」
佐天《そんな気を使わないで下さい…(汗)》
初春《そうですぉ。御坂さんは悪くないですよ!白井さんはともかく》
黒子「…面目ない…」
美琴「でも……は!?それじゃ明日、土曜日だし二人とも学校休みじゃない。だから学舎の園を案内するよ!」
佐天《え!でも…特別な許可がないと…》
黒子「その心配はありませんわ。土曜日は一般の人も学園都市のIDを見せれば入れるんですわ。」
佐天《え…それじゃ(喜)》
初春《あの学舎の園に入れるんですね!》
黒子「勿論、入れますわ。」
佐天・初春《やったぁー♪》
美琴「じゃあ明日また連絡するから行こ!」
佐天・初春《はい♪》
良かった。二人とも喜んでくれてるみたい。
明日こそは二人を楽しませないと!
でも、二人とも学舎の園に入るのであんなに喜ぶなんて…そんなに楽しいとこかなぁ?
まあ確かに飲食店や衣類店とかは、世界最高の店が揃っていて、特にケーキ屋に関しては世界一を受賞しているけど、破格の値段なのよ。
そんなに楽しめるとは思えないけど……
ってそう考えると貧乏学生のアイツはもっと合わないわね…(汗)
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【7月18日・PM8時00分・第7学区・常磐台女子寮】
あれから私達は女子寮に戻った。
その際に、黒子と一緒に明日学舎の園に友達を招待するためのIDを作成したわ。
学舎の園の生徒が友達を招待する時、特別IDが発行出来るの。
そうすると、学舎の園内の店の値段が全て3割引で買えるようになるからね。
後は、帰ってからお風呂に入って、ご飯を食べてから今、自分達の部屋に帰って来たって言うわけ。
黒子「忙しい1日でしたわね。」
美琴「誰のせいよ。誰の!とりあえず明日は今日より忙しくなるから早めに寝るわよ。」
黒子「まあ、そうですわね。」
黒子は美琴の布団の入った。
ドカァッ!
美琴「あんたはこっち!」
黒子「ごふっ!そんなごむたいな…」
見事、美琴は黒子をベッドから追い出し、布団に入った。
黒子もしぶしぶ自分の布団へ入った。
黒子「お休みですわ。」
美琴「はい、お休み。」
私達はそれから直ぐに眠った。
次の日の為に。
その次の日、私達は暗く謎の満ちた世界の道の第一歩を踏み入むことになる━━━━━━
【7月18日・PM9時00分・常磐台女子寮・美琴&黒子の部屋・就眠】
『to be continued』
第二章終章。物語は第三章へ。