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とある交差の電磁目録(ユニゾンレイド) 【第四章“魔術結社{マジックキャバル}編”2-1】
作者:デュゴス   2011/05/01(日) 17:16公開   ID:Fu2eDL7mREA
【7月20日・AM10時00分・第7学区内・学生寮・当麻の部屋】


7月20日、日曜日。
今日も快晴、日差しが強く雲1つ無い青空だ。

しかし私(わたくし)、上条当麻はそんな晴れやかな朝なのにも関わらず、内心はどんよりと雲がかっていた。

と言うのも、昨日魔術士が俺らを襲った後、御坂から散々【い、一体何なのよ!あいつら(汗)能力者!!?あんたらが言ってた魔術ってなによっ!(汗)しっかり説明しなさいよね!】等と言及されたり、このままでは【御坂に魔術の事がバレてしまう…!】と思った私はその場から消え去るように逃げてきたのだ。

ハァ〜、次あいつにあったらビリビリじゃ済まないんだろうな〜…

とは言え、しかしあの女の魔術士と狙撃してきた魔術士…あとインデックスが言うにはもう1人魔術士がいたとか……

あいつらが何者か、何で俺のイマジンブレイカーのことを知っていたのか、どうして御坂を狙ったのかと色々な疑問は残る。

これはほっとくわけにはいかない。
と言う事で俺はこの事を不本意ながら、ネセサリウスの“ステイル”に電話で聞く事にした。
本来なら土御門に聞く所、なのだがアイツは圏外だったから、仕方なくステイルに聞く事になった。

やはり魔術士に関することなら魔術士に聞くのが妥当だろう。

そして俺は、ステイルに電話をした。

それから10秒間程、コールしたあとガチャ…と電話が繋がった。



「もしもし!ステイルか?」
《……》



あれ?
確かに出れている筈なのに、音沙汰がない…なぜだ?
ステイルの電話番号を打ち込んで、通話開始になっている。なのになぜ?

俺は仕方なくもう一度呼び掛けることにした。
「あのぉ…もしもし?」




《ハァー……この声は上条当麻だね?
一体、君は何の目的があって僕に電話をしてきてるんだい?
そこまで馴れ合ったつもりはないのだけど?》



こ、こいつ!第一声が溜め息な上に、この憎まれ口!
応答しなかったのは、俺と気付いたからかー!
ホントに腹立つなぁ!

俺は即刻電話を切りたい気持ちになったが、それは押さえた。

なぜなら今回は、事態が事態だからだ。
俺や御坂が巻き込まれたり、謎の軍人さんや魔術士の襲撃。
どうみたってただ事じゃあない!だから今は、言い争っている場合じゃないんだ。

だから俺はステイルのムカつく反応を無視して話を進める事にした。



「そんことより、聞いておきたいことがある!」

《その様子……また何か魔術に関する問題でも?》

「あぁ…」



それから20分、俺はステイルに昨日の出来事を全て話した。

軍人がインデックスではなく、俺や科学側である御坂を狙った事。

その軍人が人払いの魔術を使用していたこと。

そのあと、さらに魔術士が二人、遠くに一人いて、もう一人の魔術士が軍人から人払いの符を回収していったこと。

俺自信も不可解な点はいっぱいあったせいか、ステイルに全てを話し切れていない所はある。
だけどそれでも自分が疑問に思っていることは全て述べていた。

その間、ステイルは黙って聞いたままだった。



《なるほどね…やはり予測通りだ》



そしてステイルは口を開く。だがその言葉があまりに意外だった為、聞き直してしまった。



「なに…」



予測通りって何だ…最初からこうなることがわかっていたのか?



《いや、最近ね。ネセサリウスの方でも少しゴタゴタがあってね。
ある魔術結社(マジックキャバル)がうち(ネセサリウス)に、宣戦布告をしてきたんだよ。》

「な…(驚)」



流石に驚いてしまった。
宣戦布告、それは戦争を意味することだ。
一体何の目的で…!



《全く命知らずな魔術結社だよ。“理想郷(エデン)”だなんて聞いた事もない。》

「理想郷…?確かに聞いた事はない。」

《だからこそ、事態は深刻なんだ。
名も聞いた事が無いほど不確定要素になるんだよ。
そして、宣戦布告だなんて無謀…正気の沙汰じゃない。
よほどの自信があるのだろうね。
さっき話してた襲撃も、このエデンが関係しているんじゃないかな?
君もほら、一部では“上条勢力”と言われ、ネセサリウスと協定しているだろ?
襲う理由としては、充分だ。》

「確かに……」



上条勢力。
だれがそうつけたのかは知らないが、俺にはどんな異能でも打ち消すイマジンブレイカーに、ありとあらゆる魔術の原典がつまった十万三千冊の魔道書を記憶しているインデックス、そして神崎率いる天草式に、ネセサリウス等と繋がりがあり、更には科学サイドの超能力者(レベル5)の第3位“御坂美琴”を初め、数々の能力者達や1万近くいる御坂妹(シスターズ)といった、魔術・科学問わず組み合わされた勢力は、不安定で強大な勢力として魔術結社から暗視されているらしい。

もちろん誰も勢力等と言うような仲間意識はない。
俺だってそういうつもりで関係を持ってるわけじゃないからな。

他がそう勘違いしているだけだ。



《理想郷(エデン)には上条勢力もネセサリウスの一部として標的に入っているみたいだね。
その軍人を仕向けた奴らも、その三人の魔術士もエデンの一員の筈だよ。》

「……
違う可能性はないのか?」

《ないね。君の話が正しいなら、その三人の魔術士の内の二人は知っている。
まあ能力をだけど。
まず狙撃したと言うのは、こちらの世界では有名な殺し屋“銃剣の吟醸”。
そして、超音波をはなった女は、始末屋“破音(シェイピア)の恋歌”。
二人とも、危険な奴等さ。》

「なっ…なんつーか、凄い強そうな奴らだな…」

《強そうっていうか強いよ。
しかし、今までどこの魔術結社にも所属しなかった奴等がなぜ今さら……
まあ、せいぜいこちらから応援がいくまで死なないことだね。
あとあの子に何かあったら僕が君の事を殺すから。それじゃ。》



電話は切れた。
ステイルのやつ、最後他人事みたいに言いやがって!
のくせ、自分の意見だけは強調する。
ホントやな奴だよ。こっちは巻き込まれてる身だぞ!
いや、しかしステイルがそこまで言うと言うことは、エデンってのは俺や御坂を狙っているのはわかる。



「…どうする、このままでは俺らだけではなく上条勢力とか言われている皆が標的に……(最悪の事態になりかねないな…(汗))」

「とうま…何か分かったの?」

「インデックス…あぁ、まあな。」



ただまだ疑問が残る。
あの時、インデックスよりなぜ御坂が狙われたんだ?
今までは事あるごとにインデックスが狙われて来たのに…


【7月20日・AM11時30分・第7学区内・レストラン“バーミヤン'S”】


あれから俺とインデックスは、小腹が空いたと言うのと気分転換を含めて、寮から歩いて30分程の所にある、飲食店「バーミヤン'S」へやってきていた。

バーミヤン'S、そこは中々と言っても良いほど、ごく普通のレストランだ。

売っている物は、洋風のもので量もそこそこあり、値段も安い。
学生の財布には、適した場所なのだ。
まあ、その学生が8割を占めるこの学園都市だから、安いのは当然かもしれないが……

ちなみに持ち金は全部で3000円。
なのでこの小さな爆食娘には、遠慮をしてもらわないといけない。
つまり、早めにインデックスには説明しておかないと、大惨事になってしまうのです。俺の財布が。



「なあ、インデッ━━」

「はい♪後、デミグラスハンバーグ・ライス大盛・ドリンクバー・ミックスフライ定食・山盛りポテト・穉鳥とキャベツの盛りにイカのパプリカソースを下さい!
あ、後パフェ全種類お願いします!」

「はい、確かにお受け賜りました。
ご確認しますね。まず、デミグラスハンバーグ・ライス大盛・ドリンクバー・ミックスフライ定食・山盛りポテト・パフェ全種・穉鳥とキャベツの盛り━━━━」


「……(;□;)!!(な、何ですと━━!普段、日本の文字はカタカナやひらがら・英語・漢字が混ざってて、読めない読みにくいとか言っているくせに綺麗な発音でメニューを頼んでやがった!?まるで常連さんのように!!しかもパフェ全種!!)」



さ、流石に遠慮無さすぎじゃありませんかー(汗)
インデックスさん、あなたには気を使うと言う素晴らしきルールがないのですか!?



「ん?どうしたの、当麻??」

当麻「どうしたの……じゃねぇ━━ッ!!
前から言おうと思ってたが、お前どんだけ飯を食えば気が済むんだ!?
お前はあれですか?バキュームですか??!」

「バキュームってなに…?」

「バキュームってのはな━━━━」



その時だった。
俺が、インデックスにバキュームの説明をしようとしていた時に、突如奥の席に座ってたお客が「あれぇ?上条ちゃんじゃないですかー♪」と話しかけてきた。
なぜ俺の名前を知っているんだ?知り合いか?
と心の中で思ってたらそのお客は確かに俺の知り合いであった。

俺に話しかけて来たのは、小萌先生だった。

さらに小萌先生のいた席にはもう1人座っていた。



「小萌先生どうしたんですか、こんなところで。
ん?あっちにいるのって…」

「はい。姫神ちゃんですよー♪」



姫神愛沙(ひめがみあいさ)。
なぜだかいつも巫女装束を来ている謎の電波系少女。

黒く長い髪は足のとこまで伸びていて、少し天然っぽいとこもあるけど、心の優しいやつだ。

姫神には「吸血殺し(ディープブラッド)」と言う特殊な力があり、その効力はなんでも吸血鬼に自分の血を吸わせると灰にして殺してしまうと言う力らしい(アニメ禁書目録参照)。

らしい、と言う曖昧な表現を使うのはその能力を見た事が無いからだ。
姫神自信も、教えてくれないからな。
一応、姫神の力は俺のこの右手「幻想殺し(イマジンブレイカー)」と同じぐらい、希少で異質な能力だと、土御門は言っていた(原作禁書目録参照)。

さらに一応説明しておくと、姫神は小萌先生のとこに居候している。
インデックスとは、仲の良い友達みたいな関係だ。



「あ、愛沙。こんなところで何やってるの?」



いやいやいくらなんでもそれは愚問だろ、インデックス。
ここは飲食店。
物を食べたりする所何だから、食事をしているに決まっている。



「何って…決まっている。符を作っている。」

「……」



…へ?符?

最初俺は、姫神が何を言っているのかわかっていなかった。

いわゆる呆然としてしまったのである。それもそうだ。普通飲食店と言うのは飯を食う場所である。符だなんてだれが想像しえようか?
それにしてもなぜ符?しかも作ってるって?

そんな風に疑問を懐きながら考えてると、インデックスが不可思議な返答を出した。



「符?…ああ!
東洋の術式に使う札の事だね!
それでどんな術式の札を書いてるの?」
「ん、これ」



姫神は手に持っている符を出した。
その符には、筆で「罠」と書かれていた。



「私、よく狙われるから自分の身を守る為の護衛トラップの術式を作ってる」

「そうなんだ〜、でも数多いね。」

「ざっと30枚」



姫神は嬉しそうにブイサインをしていた。
と言うか、あなたたちの会話おかしくありませんか?



「ってか飲食店で何やってるんだー!
先生も先生ですよ!なんで店でやらせるんですか!」

「いや…あのですね…実はぁ〜ゴニョゴニョ」



小萌先生は恥ずかしそうに、指をもじもじしながら真相を述べた。



「ほう、なるほど。
今日この店で行われているデザートフェスタ(お一人様一品までの限定ショコラートケーキ)が欲しいが為に、姫神を連れ出し、数会わせに利用したと?それで多少の事は目をつむってると?」

「り、利用したと言うのは違いますよ(汗)
姫神ちゃんにお札用の筆を買うと言う条件で、来てもらっているのですから、あくまで合法です!(汗)」

「合法って……(汗)」



何だか納得いかないのは俺だけだろうか?
だとしたら俺がおかしいのか?
いやそもそも、姫神も何もこんなところで魔術らしきことをしなくても…
これじゃオカルトにしか見えない。もしくはインチキ霊能使(汗)

小萌先生にも、魔術に関することには触れないようにと言っているのに。



その時、そんな当麻の悩みを裏腹にインデックスと姫神の会話がヒートアップしていった。



「ね!ね!愛沙、これは何!?」



インデックスが手に持っていた符には「恋」と書いてあった。



「あ、それはダメ
まだ未完成な術式だから。」
「未完成?どんな効果なの?」
「それは…(照)」



姫神は頬を少し赤くそめながら当麻の方をちらっと見た。

当麻は「なんだ?」みたいな顔をしていた。

そして姫神はインデックスに耳打ちした。



「これは…ゴニョゴニョ」



そして話を聞いたインデックスは目をキラキラと輝かせていた。



「愛沙、お願いがあるんだけど♪」
「?」


『to be continued』


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■作者からのメッセージ
すいません!投稿に時間が掛かり過ぎちゃいました。

投稿が遅い上に、今回はボリュームも足りないのが悔しいです。

ともあれ今度から四章に入りました。四章は基本、何か大きな動きはありません。
四章は次の五章の前置きみたいなものですから。

五章はユニゾン最初の大きな内容にします。

そしてこの四章から、原作の禁書目録と内容がずれていきます。
気に入らない人もいるかもしれませんが、それでも見て頂けると、私としては嬉しいです。


黒い鳩さんへ


ご指導ありがとうございます。
一つ目の問題は、知らなかったです・・以後気をつけます。
二つ目の問題は、そう言われてみると確かにと納得ができました。
ここは、もうしないようにします!

それと弾類は、自分の予測でやってしまっていたので、完全に調査不足でした。今後は、細かいところも調べながらやろうと思います。
小説は奥が深くて、つくりがいがありますね!




次の配信は、なるべく早めに投稿できるように頑張ります!!
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