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ロストコントロール 第六話『拠点』
作者:13   2011/04/09(土) 22:39公開   ID:JHZjjd6HxsM
〜九月一日『ガイア』 萌葱〜


 月白が言っていた場所に到着した。

「うわ〜、すごい!! まるでお城みたい」

 萌葱は素直に喜んだ。

「お城より館だな」

 そこには、一軒の巨大な館と思われる建物があった。
 紙に鍵の場所が書かれていてそこにはちゃんと鍵があった。
 中に入ると中世ヨーロッパを思い出させるイメージだった。

「こんな、素敵な家に住めるなんて思わなかった」

 生まれてからまともな家に住んだことがない。
 
「ここは、あくまで拠点だ愛着を持つなよ」

 そんな事を言われても初めての家だ嫌でも愛着のひとつくらいつく物だ。

(ここがあたしたちの家、長女なんだからしっかりしなきゃ)

「お風呂とかあるかな?」

「たしか、大浴場が二つあったな、よしみんなで入るか」

 ローレライはそういって風呂場に行った。
 それを追いかけるように茜たちも風呂場に向った。


 〜『大浴場』〜


「久々のお風呂だぁぁ!!」

 茜は久しぶりのお風呂に喜んでいた。
 大浴場は和のイメージなのかヒノキで出来たお風呂でほのかに心地良い香りが鼻腔を突いた。
 
「それにしても随分と金のかかる設備ばかりだな。風呂は銭湯くらいの大きさだしパソコンは各部屋に少なくとも一台はあるし庭にある畑には野菜がしっかりと作られていたいるし、そしてなにより――」

 ローレライは湯舟に浸かり吐息をつきながら言った。

「窓ガラスは防弾ガラスで壁には五ミリはある鉄板が埋め込まれている……まるで要塞だな」

「それは、安心ですね」

 だが、実際は反転使いや戦争兵器で攻め込んでくるだろう。その程度の備えで大丈夫か怪しいくらいだ。

「肝心のあたしたちが守備の要よ、気を抜かないこと」

「そうね、私がんばります!!」

 茜も張り切っていた。

(あたしもがんばらなきゃ、青を奪還するまで長女として)

「それにしても萌葱ひとつ聞いていいか」

「なにかな?」

「なんで、そんなに小さい?」

「発動条件が成長の停止だからかな?」

 あたしの発動条件は成長の停止、能力が発動している時あたしは成長が停止する。

「それにしても小さすぎないか?」

「それは、常に能力を発動しているからだよ。ほら、対反転装置とかって電子制御だから作動される前にハッキングして基盤を壊したりして作動させないようにするためだよ」

 正確には自分に害のある電波をキャッチすると自動にハッキングを開始するんだけど常時能力を発動しているから成長は止まっている。

「なるほど……辛くないか?」

「かれこれニ十年もこんな生活していたから慣れちゃったよ。まぁ、成長しないから男性(一部を除くけど)の恋愛対象にならないのが残念だけど……どうしよう婚期を逃しちゃそうなんだあたしもう少しで三十路よ」

「安心しろ、私も近々三十路だ」

 以外にローレライと年齢が近かった。

「……そろそろ上がるか」 


 〜『ガイア』月白〜

「着いたぞ、紫紺……どうした!?」
 
 紫紺ががっくりとまるで魂が引っこ抜かれたようにうなだれていた。

「……いつか……罰がくだりんす……」

 なんて、言っているのかよくわからないがとりあえず部屋に行こう


 〜『医務室』紫紺〜

 気持ち悪い、足が地面につかない、目が回る。
 目が覚めるとベットの上だった。起き上がると白い無機質な部屋の中に居た。

「お、目が覚めたか」

「一発くらい殴ってもいいでありんすか?」

 ここまで殺意を持ったのはいつ以来だろう。

「なに言ってんだ、それより大丈夫か急に倒れたから焦ったぞ」

 原因は月白にあるのだが、当の本人は自覚が無いようだった。

「大丈夫でありんす、それよりここはどこでありんすか?」

「ここは、オレたちの拠点でありオレの自宅だ。ここは医務室だ、紫紺の部屋もちゃんとあるぞ」

 それは楽しみだいつ硫酸をかけるか、とこころなかで毒づいた。

「お風呂はあるでありんすか?」

「デカイのがあるぞ」

「それはよかったでありんす」

 ベットから立ち上がると。

「場所はどこでありんすか?」


 〜『大浴場』月白〜


 改めて、自宅は馬鹿みたいに大きいことが思い知らされた。
 
「ここを真っ直ぐ行くと男湯と女湯があるから。じゃあ、オレは夕食の買出しに行ってくる」 

 紫紺とは逆の方を歩きだし玄関に向った。
 外に出ると庭にある家庭菜園を見て買い物に野菜がいらないことを思い出した。
 徒歩で近くのスーパーで米にパン麺類と肉や魚あと調味料などを買った。

(さて、なにを作るかなっと。この材料なら和食も作れるな、いやここは無難に中華系でいくか、いやイタリア料理にするか……)

 と悩みながら歩いていると背中に気配を感じた。
 振り返ると刀を持った男がいた。

「その刀の形状……フェイトか!?」

「『運命』《フェイト》か……出来ればエーテルと呼んでくれ」

 思わず身構えていた。

「まぁ、落ち着け今日は話をしに来た。どうだ? コーヒーの一杯くらいおごるぞ」

「……わかった」

 近くの喫茶店に入るとカウンター席に月白とエーテルは並で座った。
 店内はレトロな雰囲気があり、落ち着いて食事ができそうな場所だった。
 エーテルが店員を呼ぶとコーヒーを二杯頼んだ。

「話はなんだ?」

「これをやる」

 テーブルに紙と電子端末を出した。

「どういうつもりだ?」

「紙には青の居場所と次の移転先の場所と移転日とその時使うルートを書いておいた」

「なるほど、信用できない」

 敵の総大将がこんなことをするわけがない。

「そうだな、いまは、無理に信用しろとは言わない。だがこの端末のデータを見てから考えてくれ」

 店員がコーヒーを運んでくると一瞥していった。

「この端末には何がある?」

 コーヒーをひと口いれてから言った。

「強化遺伝子実験 黒髪 蒼の配偶者と実験結果が入っている」

「そうか、わかった。最後に聞いていいか?」

「なんだ?」

 深呼吸して言った。

「青に惚れたのか?」

「……そうかもしれないな」

「じゃあ、コーヒー上手かったぞ」

「明日、この時間にまた来る答えはその時聞く。あとこの件は口外は無しだ」

 月白は喫茶店を後にした。
 自宅に着くと自分の部屋のパソコンに電子端末をつないだ。
 内容を見た月白は驚愕の表情になった。

「これが本当ならエーテルの協力は間違いないな……」

 そこに書かれていた内容――


 〜『タイタン』蒼〜

 
 荷物をダンボールに詰め車に積み終わった蒼と秘色は緋色のノンアルコールカクテルを飲んでいた。

「どうだい? さっき思いついたカクテルなんだけど美味しいかい?」

「ああ、美味いぞ」

「確かにこれは美味い」

 秘色はこのカクテルが気に入ったようだった。

「それは、よかった」

「そういえば、秘色って奴隷だったんだよな」

「そうだ、でもアイツが生きていればそれだけで幸せだった」

 最後の方が小さくて聞こえないがまぁ、大変だったんだな。

「話は変わるが、今日の夜にここを出る」

「わかった」

「了承した」

 これで六人の兄弟が揃う。いよいよ母さんを奪還する時が来た。
 おそらく、その時に『運命』は必ず来るだろう。


                        第六話終り



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この度はこの小説を回覧していただきありがとうございます。

早速、コメ返し

黒い鴉 殿

毎回コメントいただきありがとうございます。唯一の支えです、コメント数が0ばっかりだったらいたるところにエロ描写を限界ギリギリまで入れまくるところでした。 
実は決戦はこれを含めあと二話くらい先です。あと一話は準備回と余裕があればサービス描写を絡めたいです。
描写の方は出来る限り努力します。としか言えない・・・・
福島の方は最寄のコンビニにある募金箱に諭吉さんを入れた財布ごと思い切り投げ込んでもらえれば幸いですwwww


皆様のコメントを楽しみに待っていますどんな些細なことでも構いませんのでお気軽にコメントしてもらえると幸いです。


ここからは雑談コーナーです。と言ってもリア充にもただの空白にしか見えないのでご注意を




と言うことがあったのですよ

以上



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