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Chance 第四話「茉莉香のヒミツ」
作者:ひいらぎ 由衣  [Home]  2011/09/04(日) 16:37公開   ID:k1thGKoNjk6
「な、何ですか!これ・・・」
私は、ユリさんから手渡された手紙を見て驚いた
「何って、ファンレターやで」
ユリさんは平然とした顔で言った
「ウソー!?」
フ、ファンレターって本当に届くんだ
嬉しい、人生初のファンレター!?
私はすぐに封を開けて、ファンレターを読んだ

「茉莉香さんへ
歌番組で、歌っている姿にすごく感動しましたっ
歌も上手で、曲も素敵でした
これからも、頑張ってください
                 佐藤 詩織より」

う、嬉しすぎる・・・
「何読んでるのぉ?」
私の上に乗っかってきたのは、愛蘭
「ファンレターだよっ」
「へぇ、茉莉香ちゃんの所にも届いたんだぁ」
「愛蘭の所にも来たのか?」
「ううん、バンドの方ではまだだよ」
そっか、声優してるもんね、愛蘭は
「いいなぁ、お前は」
兄貴と裕也も来た
「3人の所には来なかったのか?」
私は聞いた
「俺らは、後ろで演奏してるだけだから、まだ来ねぇよ」
兄貴はそう言った
そっかぁ、私が1番目立つもんねぇ
何か、ボーカルってプレッシャーはあるけど、覚えられやすいかも
「そういやさぁ、茉莉香ちゃんはどうして歌手になりたかったの?」
愛蘭がさり気なく聞いてきた
「実はね、私、5歳まで、心臓が弱くてずっと入院してたんだ」
今まで、誰にも話した事がなかった
「病院に有名な歌手が来てくれて、特別に歌ってくれたんだ
その歌声が綺麗でね。心に響いたんだ」
そう、それから私は歌手に憧れていた
「へぇ、いい話だね」
愛蘭がニッコリ笑ってくれた
「まぁ、その後心臓移植をしたんだ。ドナーは20代前半の東京に住む女性だって」
「へぇ、茉莉香ちゃんその時、どこに住んでたの?」
「愛媛だよ。結構遠いんだけどね」
兄貴が中学に入学する時に、東京に来た
「えっ、愛媛?」
裕也が驚いた顔をした
「どうかしたの?」
愛蘭が聞くと
「なぁ、手術って5月にした?」
裕也が変な事を聞いてきた
「うん、そうだけど・・・」
裕也は考え込むような顔をした
どうしたんだろう?

その夜、私は返事を書いた

「詩織さんへ
お手紙嬉しかったです
これからも、応援よろしくお願いします
                   森田 茉莉香より」

これからも、頑張らなきゃ

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■作者からのメッセージ
今回は、ちょっとした茉莉香の過去が明らかになりました
なぜ、裕也があんな事を聞いたかは
今後で分かるのでは・・・
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