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Chance 第八話「ライバル登場か?」
作者:ひいらぎ 由衣  [Home]  2011/09/09(金) 17:48公開   ID:k1thGKoNjk6
今日から、また仕事の日々が始まります
今日は土曜日なので、学校は休み
朝が弱い私は、ボサボサの癖っ毛が直らず、そのまま兄貴のバイクに乗せてもらい事務所へと向かった

事務所へ行くとまず会うのが愛蘭
「茉莉香ちゃん・・・いつも以上にすごい髪の毛で・・・」
愛蘭は驚いたのか目を丸くして、苦笑いをした
いつもは、ちょっとハネるくらいだが、今日はワカメのようにウネウネしていた
「直した方がいいんじゃない?」
私の髪の毛先を触りながら言う愛蘭
「直んねぇんだよ!」
不器用の上に、朝が弱いせいでブローしてもなかなか直らない
それに、バイクに乗ったせいか、家を出る前よりもすごい事になっている
「じゃあ、私がやってあげるよっ、こういうの得意だし」
握りこぶしを胸に当て、自慢げに言う愛蘭
心配だったが、器用と言えば器用だ
私は、愛蘭に髪を直してもらうことにした
愛蘭は、私をイスに座らせ、ミストを髪にかけ、ブラシでといていく

数分後、鏡を見ると、綺麗にまではいかないが、いつも通りになった
「ありがとう・・・愛蘭」
少し、目を潤ませ、お礼を言った
「おい、茉莉香、そのうっとおしい髪は直ったか?」
振り向くと、兄貴と裕也がいた
兄貴は、ケラケラ笑いながら、言っていた
「うっせぇよ」
好きな人が目の前にいるのに、男言葉になる私
直したいが、これが執着していてどうにもならない
「お前さぁ、高3になって、癖毛くらい自分で直せよ」
また、ニヤニヤ笑いながら言う兄貴
すると、どこからか、声が聞こえた
「本っ当、そうだよなぁ」
その声の主は、肩の上くらいまである金髪で、耳にはピアスをしている
服装は、ビジュアル系で私より少し年上の男
「だ、誰?」
私は驚きながらも、そんな事をボソッと言った
「え?茉莉香ちゃん知らないの?SHOWさんだよ」
眉をひそめながら、愛蘭は言った
「SHOW?」
全く知らない私は、疑問口調で言った
「この事務所の先輩バンドのPlanet≠フボーカルのSHOWさんだよ」
笑顔を見せつつも、不安そうな顔つきので、目はうつろな裕也
「俺の事すら知らねぇなんて、言語道断だな
お前、それでも、バンドのボーカルか?」
嫌みったらしい口調の上に、上から目線で言うSHOW
私はその言葉にカチンときて
「何それ!?テメェ、自分が1番偉いとでも思ってんのか!?」
頭ごなしに怒鳴る私
「はぁ?何もそこまで言ってねぇよ。ただ、お前の歌がつまんねぇだけだろ」
再び、嫌みを言われ私の怒りは頂点へ達した
「んだよっ、貴様何様のつもりだよ!?私の歌がどうしたって・・・」
そう言いかけると、SHOWは表情を変え、こう言った
「お前の歌、確かにいいが、前よりも質が落ちてるし
感動も何もない。そんなんじゃ、バンドはやっていけねぇぞ」
ズバッと言われ、何を言っているかが分からなくなった
「それに、後ろで演奏している奴らも全然音が出てねぇし・・・」
そう言うと、愛蘭たちは悔しそうな表情を見せる
3人の事を悪く言われ、さっきよりも、大声でこう言った
「お前なぁ、私の事を言うのはいいけどっ・・・
コイツらの事を悪く言うのは許さねぇぞ!?」
事務所内は、私の声で、ざわめき始めた

「・・・ふーん、メンバーの事は考えてるようだな」
クスクス笑いながら、ソッと私に近付き
「だが、歌は最低だ。お前が俺を感動させる歌が出来るまで
俺は、お前を認めたりしない」
耳元でそう囁くと、どこかへと行ってしまった
私は悔しくて、服の裾をギュッと握りしめた

一体アイツは何を言いたかったのか?
そう考え始めた

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