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Chance 第十一話「
作者:ひいらぎ 由衣  [Home]  2011/09/12(月) 12:33公開   ID:k1thGKoNjk6
「茉莉香が好きだ」

大先輩のSHOWさんの言葉に、驚きを隠せない裕也

「俺は・・・」

そう言いかけた瞬間、私達が戻ってきて

「裕也?何してんだよっ行くぞ」

私が声をかけた。裕也は、少し下向きに駆け寄ってきた

「・・・っ」

1人残されたSHOWさんは、腕を組み考え込んでいた

仕事場へ向かうと、兄貴でメンバーの真斗がいた

「何やってんだよっ、遅っせぇぞ!」

手を腰に当て、如何にも怒った表情

「悪りぃ、いろいろあってな」

息切れをしながら、兄貴のもとへ行った

「いろいろって・・・まぁたSHOWさんに絡まれたな」

見抜いたような顔で言う兄貴

「あぁ、まぁね」

癖毛な髪をかきあげる私

「でも、何で茉莉香ちゃんはあんなに有名なSHOWさんを知らなかったの?」

裕也の姪の愛蘭が訊ねた

「私、ビジュアル系バンドってうとくてね」

私はいくら有名な人でもうといんじゃ、知らない

「そんなこと言ってねぇで、行くぞっ・・・裕也?」

兄貴が、裕也の異変に気がついた

「裕也?どうした?」

私が裕也の肩を揺さぶると、ハッと私の方を見た

「どうしたんだよ?ボゥッとしてさ」

裕也らしくない事に私は驚いた

「あ・・・ちょっと、考え事しててね」

いつものように笑顔を見せたが、何だか変だ

(裕也・・・何があったんだろう?)



数日後、いつものように事務所にいると、なぜか裕也の姿がなかった

「なぁ、裕也はどうした?」

気になって私は愛蘭に訊ねた

「叔父さん?あれ?さっきまでいたのになぁ・・・SHOWさんもいないし」

辺りをキョロキョロする愛蘭。一体2人はどこへ・・・?

私は気になり、事務所内を探しまわった


一方その裕也達だが

「なぁ、裕也・・・本当にどう思ってんだ?」

問いただすSHOWさん。その目はすごく真剣だった

「あっ、裕・・・」

その時、私は、2人を見つけ、声をかけようとしたが、緊張感の漂う空気に出来なかった

「何とも思ってない・・・って言ってほしい?」

なぜか、問いかける裕也

「・・・出来れば・・・な」

目をうつろにし、徐々に小声になるSHOWさん。いつもとは表情が全然違った

「そうか・・・」

裕也はそういうと少し深呼吸をして、こう答えた

「俺は・・・ただ、妹みたいに思ってるだけ、別に、好きじゃない」

私はその言葉に、胸が苦しくなった。頭が真っ白になり、顔が熱くなった

私は、その場でうずくまり、少しだけ涙を流した



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