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Chance 第十三話「告げる・告げられる」
作者:ひいらぎ 由衣  [Home]  2011/09/14(水) 18:01公開   ID:k1thGKoNjk6
昨日の愛蘭の言葉で、救われた気がした。

『諦めないで』

私は、控室にある大きめのテーブルに座り頬杖をついて考えていた。

SHOWさんと、裕也の話を聞いて

「茉莉香の事は好きじゃない」

そう裕也が言っているところを見てしまい落ち込んでいたが
裕也の姪の愛蘭が、アドバイスをくれた。

だが、自分自身に自信があるわけではない。

見た目も、性格も男っぽくて、男子と取っ組み合いのケンカまでした事がある。

とにかくネガティブな考えをしてしまう私。

「何キメェ顔してんだよ!?」

考え込む私の頭を軽く叩いた兄貴の真斗。

私は急な事で、思いっきりビクッとなってしまった。

「何女らしい顔してんだよっ」

ヘラヘラ笑いながら、言う兄貴。

正直、ムカッときた。

「女だもん!?」

椅子から立ち上がり、バンッとテーブルを叩いた。

「どこに?どこに女がいんだよ」

兄貴は動じることなく、再びヘラヘラと笑い始めた。

いつもの事だが、やまり人がこんなに悩んでいる時、からかわれると腹が立つ。

「ヤメてよっ人が悩んでる時にそういう事すんの!?」

私がビシッと言ってやると、兄貴は表情を変えた。

「裕也の事だろ?どうせ・・・」

それは、真剣でさっきとは全く別人。

でも、なぜ兄貴がそんな事を知っているのか・・・。

「兄貴、どうしてそれを・・・」

私は気になり、身を乗り出して聞いてみた

だが、兄貴はスタスタと歩き始めた。

「待て!兄貴教えてくれ!?」

私は止めようと、兄貴を追い、兄貴は少しの間立ち止り。

「何年一緒にいると思ってんだよっ」

振り返り、その顔は二カッと笑っていた。

兄貴は全部気付いてたんだな、そういう気がした。

(もしかして、さっきのも私を元気づけようと・・・?)

いつもは、私の邪魔ばかりする兄貴だが、どことなく男らしいところはある。

(昔っから、そうだったし・・・)

自然と、懐かしい昔の事を思い出した。




数日後、私は偶然、近くの広場で裕也とばったり会った。

「あっ、裕也」

私は声をかけた。裕也はいつも通りの笑顔で返事をしてくれた。

私には、どこか悲しげに見えた。

「どうしたの?散歩?」

優しい声で問いかける裕也、私はコクリと頷いた。

やはり、気まずい空気。

私は、気持ちを伝えたいが、この状況じゃ無理だよね?。

「どうかした?」

暗くなる私に気づいてか、裕也が心配そうな眼差しで問いかけた。

優しくされればされるほど、好きになっている。

涙が出そうになった。

「あの、ね、裕也・・・私・・・」

そう言いかけた瞬間、裕也が口を開いた。

「そう言えば、SHOW・・・茉莉香の事好きらしいよ」

冷たい声で、言う裕也。

(え・・・なぜ、それを今?)

私は頭の中が混乱し始めた。

裕也は知ってか知らずか、私の告白を中断した。

「言ってたんだ。この間・・・SHOW本人が・・・」

何を言っているかが分からず、ただ呆然とする私。

「何で・・・言うの?私の話・・・」

胸が熱くなり、泣きそうな目。

「・・・ゴメンね」

まだ何も言ってないのに、フラれた。

裕也はそう言い残すと、立ち去った。

取り残された私は、その場に膝をついた。

(裕也、どうして?どうして、裕也らしくない)

頭の中で考え込みながらいると、頭上で男の声がした。

「茉莉香・・・どうした?」

見上げると、SHOWさんだった。

SHOWさんは、笑いもせず、ただ真剣そうな顔だった。

「いや・・・何でも」

私は必死にウソの笑顔を作った。

「無理しなくていい。さっきの話、全部聞いた」

SHOWさんは、私の前でしゃがみ込み、真剣な顔でそう言った。

私はそう聞くと、自然と涙がこぼれた。

「さっきの事、本当なんだ・・・」

(え?さっきって・・・)

私は裕也の言葉を思い出した。

『SHOW・・・茉莉香の事好きらしいよ』

私はハッとした。

「俺、茉莉香の事好きだ。俺じゃダメか?」

SHOWさんの以外な言葉に、驚きを隠せずにいた。

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■作者からのメッセージ
ハウズオウ様

描写は少し量を増やしてみましたが、まだまだですね

前よりは増えたと思うのですが・・・どうでしょう?

真斗のキャラが生かせる文章が書けた気がします。今回

それぞれの人の言葉や行動が、分かればいいなぁとは思うんですけどね

裕也が1番難しかったです

なかなか動きがよくわからないと言うか・・・

茉莉香は、喜怒哀楽がスムーズに出来るのですが・・・

主人公だからでしょうか?

次回は、もっと上手く書けたらいいなぁと思います


黒い鳩様

今後は、返信も感想をくれた人と同じくらいの量と言うのでしょうか、同じくらいの気持ちで返信させて行きたいです

最近、家の事情で、時間がなくなりつつあります

更新がなかなか出来なくなるかもしれませんが、ご了承願いたいと思います

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