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ショコラ・ノワール キャラメルプラリネ 愛の鎖
作者:ひいらぎ 由衣  [Home]  2011/09/23(金) 18:22公開   ID:/dRxfOtg52o
昼休み、私、倉本沙羅は友だちと楽しく話していた。

「ねえねえ、うちのクラスってさぁ、あんまりカッコいい男子いないよねぇ」

机を繋げ、女子高生の定番のガールズトークが始まった。

「でもさぁ、品川君とかカッコよくない?」

とある友だちがそう言うと、本人の品川君が真後ろにいた。

「俺が何?」

少し茶髪の髪に、爽やかな美しい顔立ちの品川君。

「品川君ってカッコいいよねって話してたんだぁ」

私がそう言うと、品川君は。

「女って下世話だな、他に話す事ないのかよッ」

少し、鼻で笑う品川君。

私は高校生になったばかりで、今は髪も染め、メイクをしたり派手な格好をしているが、中学の頃は膝丈スカートに、寝癖でボサボサの髪でよくいじめられていた。

私はそんな自分を変えたくて、ファッション誌を読みあさり、私は変わった。

私は、学校から帰ろうとすると、誰かにぶつかり。

「わッごっゴメン、大丈夫!?」

私はぶつかった相手に謝ると、ぶつかった相手に見覚えがあった。

(ゲッ高城君!)

高城君は、黒髪でボサボサの寝癖で前髪がかかり、顔がよく見えない。
雰囲気もすごく暗い。

中学の頃は屈辱的な同類扱いをされてきた。

だが、高城君は私には見抜きもせず、去っていった。

こんなに変わった私につっこんでこない、上手く高校デビューできてラッキーだけど・・・。



翌日の昼休み、いつものように友だちと昼食を食べながら話していた。

「ねぇ2組の高城って見たぁ?すっげーダサイの!寝癖くらい直せってのッ」

皆ケラケラ笑い始める、皆は私と高城君が同じ中学とは知っている。
だからこそ、昔の自分がバレるのが怖い。

「ねぇ友だちに聞いたんだけどねぇ森の奥に願いの叶うチョコレート屋があるんだって!」

1人の友達がそう言った。

(願いの叶うチョコレート屋かぁ―――ちょっと行ってみたいな)


その日の夕方、私と品川君は日直で教室に残っていた。

「倉本さん、日誌終わったよ」

笑顔でそういう品川君。

「ありがとう、こっちももうすぐ終わるよ」

私は黒板を消しながら、そう言った。

「うわッすごいネイルだな、ちょっと見せてよ」

私の指のネイルを見て、私の手を取る品川君、私は頬を赤らめ、つい持っていた黒板消しを落としてしまい、品川君の制服がチョークの粉塗れに。

「わッ」

「あ・・・ゴメン、洗うよ!制服貸して!」


そして、翌朝、私は家で洗った品川君の制服をカバンの中へ入れ、考え込んでいた。

(あれぐらいで真っ赤になって、絶対ダサイ女と思われた!)

後悔をしていると、携帯にメールが着た。

内容は「好きです。メル友になって下さい。よかったら返事下さい」

私はその内容に驚き、友だちがメールを覗き込んだ。

「うっわー、すっごーい。告白メール!?いいなぁ」

皆うらやましがる。

「これ知らないメアドだし、気持ち悪いなぁ」

私がそう言うと。

「そんなのウチの学校の誰かでしょー、返事してあげなよッ」

それもそうかと思い、お礼の返事を返信した。

放課後、私は品川君に制服を渡した。

「わぁ、綺麗になってる」

「ゴメンね、気をつけるよ」

そう言って、私は帰った。


翌朝、教室に入ると、友だちがキツイ眼差しで私を睨む。

「どうしたの・・・?」

「昨日見たんだよねぇ品川君とイチャついているとこ!ウチらが品川君に憧れてるって、知っててさぁ」

私は慌てて、日直の日の話をしたが、信じてもらえない。

すると、メールが着た。

「返事ありがとう、貰えると思ってなかったので嬉しいです」

昨日の人からだ。私はメル友の方が大事だと言うが。

「どーだか、品川君とメル友どっちとるのよッ」

私は、焦り、メル友にメールを送り、証明させた。

「ねッ?私、品川君とことなんか何とも思ってないよ・・・」

すると、ようやく信じてくれたのか友だちは笑顔に戻った。

「そうだねッ沙羅がウチらを裏切るはずないもんねッ」


放課後の帰り道、再びメールが着た。

「沙羅ちゃんが、好きだ 好きだ 好きだ 好きだ 好きだ 好きだ・・・」

気味の悪いメール。それはメル友からだった。

そして、またメールが。

「沙羅ちゃんを愛してる 愛してる 愛してる 愛してる 愛してる・・・」

(何よこれ!まるでストーカーじゃんッ)

すると、後ろから視線を感じ、振り返ると、高城君がいた。

(何?もしかして、メールしてきたのって高城君?)

そう思うと、友だちが私を呼んだ。

「ちょっと、教室に戻って!なんなのあれ!?」

私は急いで、教室に戻ると、黒板に私と写真が無数に貼られていた。

しかも、それの複数が盗撮されたかのような物。

「あれって全部倉本さん?これってストーカーじゃん」

皆がヒソヒソ話す中、私は、中学時代の高城君とのツーショット写真を発見した。

「あれって、倉本さん?隣の男子って2組の高城だよね?
倉本さん、今と違ってダサくない?」

知られてはならない過去を知られ、急いで写真をはがし、教室を飛び出すと、高城君とぶつかり、高城君が持っていたアルバムが落ちた。

その中には、あのツーショット写真も入っていた。

(高城だッアルバムの写真をコピーして貼ったんだ
自分は地味なままだから、変わった私を妬んで嫌がらせをしたんだッ)

私はふと、あのチョコレート屋の話を思い出した。


森の中を探しまわり、チョコレート色の屋根の洋館を見つけ、看板には不思議な文字で「願いの叶うチョコレート屋 ショコラ・ノワール」と書かれていた。

「あ・・・あの」

店に入ると、ダークチョコレート色のレースや飾りのついたショートドレスを着た
腰まである髪は紫色で、美しい顔立ちをした少女が立っていた。

「いらっしゃい、私はショコラティエの哀川ショコラ」

自分とは歳があまり変わらないようなのに私よりも遥かに大人びた少女。

「わ、私、たくさん願いがあるんですッ
ストーカーを・・・高城をなんとかしたい!友だちとうまくやりたい!昔の自分をなくしたい!」

私は、息切れをしつつ、願いを全部吐き出すと、少女はクスクス笑った。

「そんなに食べてしまったらアナタ自身が壊れてしまうわ
代償はあなたの大切な物、お代は一粒事にいただくわ
ただし、あなたに何が残るかは分からない。私のチョコは高いわよ」

不気味に笑う少女。

「本当の願いが分かったらまたいらっしゃい」

そう言うと、私は締め出された。

私は1人公園で泣いていた。

「倉本さん、戻ろうよ」

品川君が私にそっと歩み寄る。

「いいの!私何てダメなの!私には頼る人なんていない。頑張れない!」

私が泣き泣きそう言うと。

「いいんだよそれで・・・僕に頼ってくれればいいんだよ」

品川君は優しく私を抱き寄せた。私はその言葉に安らいだ。


翌日、友だちに学校の裏庭に呼び出され。

「黒板に写真貼ったのってどうせアンタなんでしょ?品川君に色目使いやがって!」

私は問い詰められる。

(このままじゃ中学の時みたいにいじめられる―――・・・)

すると、高城君が現れた。

「全部高城がやったの!わ・・・私ずっと高城に嫌がらせを受けてたんだからぁ」

私は慌ててそう言うと。

「ふーん、そう言えば、品川君を同情するもんね」

そう言って、やはり信じてくれない。

「やめろよお前ら!一人に寄ってたかって!!」

品川君が現れ、一同は沈黙になった。

「倉本・・・結局お前は、何も変わってないんだな」

高城君がそういい、私は自分の願いに気付いた。


あの店へ行くと。

「さぁ―――・・・あなたの願いは?」

「強く・・・強くなりたい!」

そう願うと、少女はこう言った。

「ではリボンチョコレートを食べなさい」

それは、ホワイト・ミルク・ビターのチョコレートが入ったチョコ。

私はそれを食べると、三つのリボンに包まれた。


翌朝、私は学校へ行くと、黒髪に膝丈スカートで真面目そうな格好をしていた。

皆目を丸くした。

「私は何を言われようとかまわない!流され人を傷つけるくらいなら一人を選ぶわ」

そう言い張ると、クラス中は息をのんだ。

あの店の少女がガラス製の青緑色の小瓶を手にこう言った。

「自分を認めた者は強いわ。いただいていくわね・・・あなたのかりそめの姿」


放課後、げた箱で、誰かに名前を呼ばれハンカチで口をふさがれ気絶した。

気がつくと、手足を縛られ屋上にいた。

「誰!?こんなことをするのは!?」

現れたのは何と品川君。

「あ・・・あなたがすべての犯人!?」

「そうだよ・・・メールも写真を僕らからのプレゼントだよ
沙羅ちゃん、僕は弱弱しく僕に頼る姿が大好きだったのに・・・」

そういうと、粒状のチョコレートを取りだした。

「君もよく知っているあの店で買ったんだ。思いの伝わるキャラメルプラリネ」

一口齧ると、中から出るキャラメルを私の口に押しつけた。

その瞬間、今まで品川君が私にしてきた事が目に浮かんだ。

「こんなの間違ってる・・・ゆがんでるわ」

そういうと、品川君は表情を変えた。

品川君の目線からは私は化け物のような姿をしている。

「うわぁぁぁあああ!」

品川君は、悲鳴を上げ、岩で私を殴ろうとした。

「やめて―――ッ」

すると、高城君が現れ品川君を殴った。

「ばッ化け物が二匹!?」

品川君は逃げた。

「品川ッどこへ行く気だ!?」

品川君は、屋上から飛び降りようとしている。

「品川君ッやめて!」

高城君に縄をほどいてもらい品川君のもとへ走る。

「来るなぁ!」

すると、あの少女がこう言った。

「愛を押し付け束縛するもの・・・黒き闇に堕ちて行きなさい」

そして、品川君は、屋上から落ち、救急車で病院へ運ばれた。

「いただいていくわね・・・あなたの人を見る瞳」


そして、私は高城君にお礼を言った。

「どうして、品川君が犯人だと思ったの?」

そう問いかけると、高城君は頬を赤らめこう言った。

「倉本を見てらば分かるよ」

私はその言葉に驚いた。そして、なぜか顔が真っ赤になった。

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■作者からのメッセージ
13さん

感想ありがとうございます

女の執念は本当に怖いですね

今回は、男性が黒き闇に堕ちましたね

ミステリー系ですね今回は・・・

前回のフォンダンショコラは、中のチョコレートが熱くて火傷するそうです

私も食べましたが、舌が火傷しました

テキストサイズ:7798

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