ここは全年齢対応の小説投稿掲示板です。小説以外の書き込みはご遠慮ください。

アサミ 第四話「聞いてはいけない」
作者:ひいらぎ 由衣   2012/04/25(水) 17:29公開   ID:LQ8Pd4ylDqI
四月の末になり、もう真夏のような日差しが部屋に差し込む。

苦しいような暑さに高林郁夫はうなされて、まだ六時前だと言うのに目が覚めてしまった。

郁夫はベッドから起き上がると、ベッドの隣にある窓の薄水色のカーテンを開ける。

眩しい朝の光を少しだけ浴びると、のっそりとベッドから降りて六畳半の部屋を出る。

廊下の板張りの床は冷たくて、この気温には丁度良い冷たさだ。

パジャマ姿のまま廊下を歩いていると一階の丁度二階にある郁夫の部屋の真下にある両親の寝室を通りかかる。

郁夫はこっそりとドアを開けて寝室を見ると部屋の中央をしめるダブルベッドの上では父の敏夫と腹違いの妹の梨恵がまだ寝ている。

義理の母親の智恵は朝食の支度か家事をしているのだと思われる。

郁夫は庭に面した縁側のガラス戸を開けてそこに座るとぼんやりと庭を眺める。

ガーデニングが趣味と言う智恵の好みで朝顔やひまわりを育てているのだと言う。

朝顔は綺麗に花を開かせているが、ひまわりはと言うとまだつぼみでもうすぐ咲くころだろうと智恵は言っている。

郁夫が縁側でぼんやりと腰かけていると台所の方から歩いて智恵がやってくる。


「あれ?郁夫くん、もう起きてるの?」


智恵は腰に巻いたエプロンで濡れた手を拭きながら心配そうに首を傾げる。


「もしかして、具合でも悪いの?」

「いや、ちょっと目が覚めてしまって……体調の方は心配しなくても大丈夫です」

「だったらいいんだけど。無理しないでね」

「はい、大丈夫ですよ」


郁夫はかるく笑って、ぽんと自分の左胸を叩いてみせると智恵は安心したように微笑む。

郁夫はこの時胸を少し強めに叩いてしまい、普通に叩いたあたりが痛かった。

智恵が再び台所に戻ると郁夫は朝食までの時間をどうやって潰そうか縁側に座って考える。

この時郁夫の脳裡を揺さぶったのはこの間の榊原志恵留(シエル)の話であった。

二十八年前アサミ≠ニ言ういじめを受けていた生徒が二、三年に上がる頃に自殺をしたと言う話。

都市伝説のたぐいではない事は郁夫にもはっきりと分かった。

郁夫の疑問は郁夫の所属している朝見南の二年三組に未だに顔を合わせた事のないアサミ≠ニ言う生徒がいると言う事だ。

この時に郁夫が考えた解釈はこうだ。

その二年三組のアサミ≠ヘ志恵留の言う二十八年前のアサミ≠ナ本当はクラスにはそんな生徒はいない≠ニ言う事だ。

そしてクラスで志恵留の話をすると皆が顔色を悪くするのは、志恵留が夜見北の三年三組のようにいないもの≠セから。

そしてクラスでは夜見北の三年三組の災厄≠フような事が起きているということだ。

ただ、ここである疑問≠ェ生じる。

仮にアサミ≠ェ本当にいないのなら、どうして?なぜいるもの≠ニして扱っているのか。

本当に夜見北と同じような現象なのなら、志恵留をいないもの≠ノするおまじない≠セけで十分なはず。

もしかしたら、朝見南では夜見北とはまた違った現象が起きているのかもしれない。

郁夫がぼうっと庭を眺めつつもクラスで起きている現象についてを解釈する。


「お、少年。今日は早いんだな」


庭の向こうの塀のほうからそう言う少し聞き慣れた男性の声がして郁夫は塀の向こうを見る。

やはり思った通り、塀の向こうにいたのは郁夫の自宅の向かいのマンションに住んでいるトモさんだ。

トモさんは灰色のスウェットを着ていて、今日は髪はきちんと整っている。

郁夫はゆっくりと立ち上がると塀の方に寄って塀の上から顔を出してトモさんにペコリと頭を下げる。


「トモさんも早いですね」

「三十過ぎると結構早く起きれるんだ、君もあと十年すれば分かるさ」

「あはは、その前に死んじゃうかもですよ」


冗談のつもりで郁夫は「死んじゃうかも」と言うと、トモさんは顔色を変えてゴクリと息を呑む。


「な、なあ……クラスで何かあったか?その……なんて言うか」

「知ってるんですか?クラスで起きている事が……」


トモさんは「はい」とも「いいえ」とも答えずにただしどろもどろに髪を搔き上げる。

郁夫はトモさんの様子を窺うと目を細くして質問を変えてみることにした。


「じゃあ、トモさんって朝見南出身ですか?」

「……まあな、ずいぶん昔の話だけどな」

「じゃあ、トモさんって……」

「一年から三年にかけて、クラス替えがなくて、ずっと三組≠セったよ」


具合が悪そうに俯いたままトモさんは淡々と郁夫の質問に答える。

郁夫はトモさんが三組だったのならアサミ≠フ事はもちろん知っているはずだと思う。


「その、トモさんはアサミ≠フ事は知っていますか?」

「……ああ、もちろん。昔から伝わってる話だからな、僕の姪っ子も一昨年の三組の卒業生だったよ」


トモさんはそう言い残すと郁夫に背を向けて自宅マンションへと戻っていく。

郁夫はトモさんがいなくなると再び縁側に座って庭を眺め始める。

やはり朝見南でも夜見北のような現象が起きているのは明らかとなる。

今日、学校へ行ったら誰かにこの話を振ってみようと郁夫は決意をする。


「なんで?トッチャン、なんで?」


郁夫の隣で聞き覚えのある初々しいような愛らしいような幼い少女の声が聞こえる。

寝起きなのかしきりに自分の目をこすっている梨恵。

前も縁側でぼうっとしていた時に梨恵に同じような言葉をかけられて焦っていたような気がする郁夫。

誰に言ってるんだ?トッチャン≠チていったい何?

敏夫がしょうもない言葉を梨恵に教えるのはたまにある事、郁夫が梨恵と同じくらいの時にも同じようなことをされた経験がある。

今度敏夫に文句を言ってやろうと郁夫は心に決意した。


「なんで?カーザセンシェー、なんで?」

「あのねえ、なんで?って僕が聞きたいよ」


郁夫が肩を落としてあまり言葉の理解ができていない梨恵にそう言う。

もちろん梨恵は全く理解をしていないようで、ニコニコ笑って郁夫の表情を見ている。

トッチャン≠チて何?カーザ―センシェー≠チて何?

あまりクラスとは関係のない疑問にぶつかってしまい、郁夫は混乱し始める。


「あぁもう、頭痛くなってきた……」


郁夫はゆっくりと縁側から立ち上がると、自室へと向かって歩いて行く。








その日の五時間目、今日の五時間目の授業は夜見北の三年三組の担任だった見崎鳴の担当する美術。

1号館の本部棟の二階に美術室があり、クラスは六つのグループに分かれて、それぞれが一つずつ大きな作業机を囲んでいる。

各机の中央には音楽室から借りてきたらしい、トランペットやヴァイオリンやチェロなどが一つずつ置かれている。

これらの題材に静物デッサンをするのが本日の授業の課題だ。

配られた画用紙に2Bの鉛筆を使って郁夫は先ほどからヴァイオリンを描いている。

郁夫の真っ正面には中学が同じだった福島美緒と隣には杉本誠と福島の隣には雪村理奈がいる。

美術部員の福島は郁夫が想像した通りに精密で、影もきちんと描かれていて立体的だ。

意外とこういうので個人個人の性格が表れる。

福島は精密なタイプ、杉本は見た目とは違って意外と大雑把、雪村は結構慎重なタイプだ。

郁夫は自分の描いているヴァイオリンをよくよく見てみるが、自分ではどうなのか微妙だ。

郁夫がふと辺りを見渡すとそれぞれの机の周りを画用紙を見ながら回っている鳴がいる。

二年前とは変わらないシャギーの胸元まであるロングヘアーに色白で華奢な体格。

左目にしている眼帯も変わらず、きちんとつけている。

変わった部分を言うのなら、左手の薬指にしている銀色のシンプルな指輪―――


「ねえ、福島さん……」

「ん?」


郁夫は鳴を見たまま呆然と真剣に描いている福島に問いかける。


「見崎先生って、今も独身?」

「え?あ、知らないんだ。見崎先生去年の末に榊原恒一さんと結婚したんだよ」


やっぱり、と苦笑をする郁夫は「ようやくか」と心の中で呟く。

ここまでにどれだけ時間をかけてるんだと郁夫は思う、中学三年生から去年って十年以上はかかった。

鳴の性格から考えて、榊原恒一もかなり頑張ったはずだ。

郁夫は恒一に同情しつつも、少し顔がニヤけてしまう。

そうこうしているうちに鳴は郁夫のグループの机まで来て杉本から順にデッサンを見ていく。

それぞれに良い点と簡単なアドバイスをすると次の生徒に移る。

郁夫の番になると郁夫は何を言われるか緊張してやけに手元が震えだす。


「形はちゃんとなってるね、もう少し影は曲線を描くように描きなさい」

「は、はい……」


注意された点を考えてヴァイオリンの本体の部分を滑らかに曲線を描くように鉛筆を動かす。

郁夫の次は福島、福島は少し強張ったような表情で頬を赤らめている。

鳴に憧れを抱いている福島にとってはここで何を言われるかが勝負どころ。

郁夫もその点に関してはかなり気になり、描いている手を止めて福島の方を見る。


「なかなか上手いですね、緊張してる?リラックスして描きなさい。そうすればもう少し自然な雰囲気になるから」

「はい……ありがとうございます」


鳴が隣のグループのほうを見に行くと、福島は満足そうに微笑んで鳴の方を見ている。

郁夫は「良かったね」と心の中で言うと福島は郁夫の方を見る。

「えへへ」とまだ幸せそうに微笑んだままだったので郁夫は少しだけ引いてしまった。


「よ、良かったね……福島さん」

「うん、ありがとう」


郁夫が今度は声に出して福島に言うと福島は再び満足そうに微笑んで首を縦に振る。


「さすが美術部だね」


と、これは郁夫の隣に座っている杉本。福島は照れくさそうに頬を赤らめて「うん」と答える。


「福島さんにとって、見崎先生は美術部に入る原点みたいなものだもんね」

「まあねっ」


雪村は描き終えたのか、鉛筆を画用紙の上に置いて福島に言う。

雪村の口調からして福島とは結構仲の良い方だと思える。

前から教室で一緒にいるところを何度も見ていて、シャイな者同士気が合うらしい。

郁夫は鳴の方を見ると隣のグループの七瀬理央が鳴に注意されているのが見えた。


「七瀬さん、あなたのトランペットはどうしてぐにゃぐにゃなの?」

「いや、私のトランペットはこうです!」

「真面目にしなさい」


鳴は七瀬の頭を突っつくと周りにいたクラスメイトがクスクスと笑いだす。

七瀬が一体何を描いたのかが郁夫はかなり気になって今すぐにでも椅子から立ち上がって七瀬の画用紙を覗きに行きたい。


「七瀬は一体何を描いたんだ?」


杉本は呆れ顔で七瀬の方を見ながら疑問気に首を傾げる。

雪村は「あはは」と苦笑をして自分の黒ぶち眼鏡のブリッジを押し上げる。

クラスメイト達が笑っている時、郁夫は志恵留が今日も休みなことに少しだけ落ち込んでいた。

クラスでいないもの≠フような役割なのなら、休みの方が良いと志恵留が考えたのだと郁夫は思う。

その時、郁夫の脳裡では「なんで?」と梨恵に問われていた。









その日の放課後、午後から雨が降り始めて郁夫は「いらない」と言ったのだが、智恵が無理やり持たせた折り畳み傘がカバンの中にあった。

天気予報でも「夕方から曇り」となっていたので、傘を持ってきている人と持ってきていない人と半々だ。

郁夫は智恵に心の中でお礼を言うと下駄箱で靴を履いていると、玄関付近で困った表情の女子生徒が目に止まった。

お下げ頭で黒ぶち眼鏡をかけた色白の真面目そうな女子生徒、雪村だ。

雪村の手元には傘と見られるものはなく、雪村は傘を忘れた人の一人だった。

次々と生徒たちが傘を忘れた生徒を自分の傘の中に入れて帰る中、雪村はそれを羨ましそうに見ている。

雪村の自宅は郁夫と同じ杏里町で、仲の良い福島は部活でいないようだ。

郁夫はカバンから折り畳み傘を取り出すと、困り果てた様子の雪村に歩み寄って声をかける。


「雪村さん、傘ないの?」

「あ、高林くん……うん、大丈夫かなって思ったんだけど」


雪村は郁夫の手に持っている黒の折り畳み傘に視線を落とす。


「じゃあ、一緒に帰ろう。家も近所だし」

「え、いいの?でも、悪いよ……」

「大丈夫だって、僕の家は雪村さんの家のもう少し先だし」

「……じゃあ、お言葉に甘えて」


雪村は郁夫とは目を合わせずに恥ずかしそうに頬を赤らめている。

郁夫は玄関を出ると傘を開いて空を見上げて雨の状態を確認する。

郁夫は何を思ったのか、雪村に何となくあの事≠聞いてみる。


「ねえ、雪村さんって二十八年前のアサミ≠フ話は知ってる?」

「えっ」


雪村は硬直したような表情でビクビクしたような様子で辺りをキョロキョロする。

やはり、そう言うことか。―――郁夫には確信を持つと、覚悟を決めたように唇をギュッと噛む。


「じゃあ、クラスのアサミ≠チて……」

「あー、何か雨酷くなってねえか?」


口を挟んできたのは、体育会系のクラスメイトの青崎竜輝。

自転車通学なので傘ではなく、レインコートを自転車かごに入れているようだ。

青崎が口を挟んできた事に寄って、雪村は少しだけホッとしたような様子が見受けられる。


「青崎くん、君は知ってるわけ?二十八年前の事……」

「……高林、お前ってさ、夜見北出身だよな?」


青崎は歩いていた足を止めて背を向けたまま手に持っているカバンの持ち手をぎゅっと握りしめる。

郁夫は青崎の質問に「そうだよ」と答えると、青崎はようやく振り返って郁夫を睨みつける。


「だったら、察してくれよ。俺らにはお前に言えるような事はない、って頼むから」


青崎は青ざめたような表情で冷や汗をかきながらそう言い残すと再び歩き出す。

郁夫は青崎に「うん」と答えると、この件に関してはあまり首を突っ込まないほうがいいと思った。

志恵留に対しても、これ以上は話しかけたり、志恵留に関する事をクラスメイトに言わないでおこうと思った。

それにしても志恵留が「闇夜の訪問者」で会った時、どうして二十八年前の事を言い終えて今の状況を言わなかったのか。

―――これ以上は私の口からは言えない。

いないもの≠フ志恵留なら、言えるはずなのにどうして志恵留は中断したのか。

やはり、朝見南では夜見北とは違う何か≠ェ起きているのだと郁夫は思った。









『二〇十三年五月十日』

梅雨時になり、蒸し風呂にいるような暑さが郁夫を襲う。

志恵留は四月のあの日から一度も学校へ来ている様子はなく、郁夫も志恵留と会った「闇夜の訪問者」へは行っていない。

志恵留と会うと何か嫌な予感がするから、と言うのが今の郁夫の正直な意見。

郁夫は体調不良もなく、通学路を通って学校へと向かっている途中だった。

杏里町にある緩やかな下り坂道の一番下に交差点があり、郁夫はそこに向かっていた。

朝だと言うのに車はさほど通っている様子もなく、信号が赤でも通ったとしても事故には遭いそうにない。

郁夫は坂の真ん中あたりで、通路の右側を一人でトボトボと歩いていると交差点で何人かのサラリーマン風の男性と若い女性がいるのが見える。

すると、後ろから聞きなれた女性の声がして郁夫は振り返る。


「おーい!高林くん!」

「あ、七瀬さん、八神くん」


郁夫に大きく手を振っていたのは七瀬、そして隣にはクラス委員長の八神龍がいる。

何だかんだ言っていても、この二人は結構仲が良い。

郁夫は立ち止り、七瀬と八神は少し小走りで郁夫の方に駆け寄ると再び歩き出す。


「七瀬さん達の家ってこの近所?」

「そう、皮肉にもコイツとは同じマンションのお隣さん」


七瀬は隣の真面目な委員長に皮肉っぽくそんな事を言う。

七瀬と八神は高校に上がって朝見南へ行く際に朝見山市で実家を離れて香住町のマンションに一人暮らしをしているらしい。

福島も同じマンションで二人の部屋のある階の下の階の部屋だそうだ。


「大変なんだね、一人暮らしって」

「まあね、夜見山から出てきたやつは大抵そうでしょ」

「他にも夜見山出身の人、いるの?」

「ああ、野々村も夜見山。中学は南中だったらしいけど」

「あ、あと、五組なんだけど、内場さんと佐藤くんもこの学校」


夜見北の三年三組だった内場七夏と佐藤俊也の事だ。

意外と夜見山から出てきた人はいるようだ。

郁夫が話を聞いていると、坂の上の方から朝見南の制服を着て自転車に乗っている人物が見える。

おそらく蒼倉町に住んでいる青崎だと郁夫はすぐに分かった。


「あれって青崎くんじゃない?」

「ん?あ、本当だ青崎だ」


七瀬は青崎に向かって「おーい」と手を振るが、青崎は猛スピードで三人を通り過ぎる。


「何アイツ、人が呼んでるって言うのに……」


七瀬はムスッと口を尖らせている、が郁夫は何だか今の青崎の様子が不審に感じる。

今のスピードは普通ではない、あのスピードではいつ何かにぶつかってもおかしくないはず。


「ねえ、なんかまずくない?」

「ああ」


郁夫と八神は青崎の状態を察すると走って青崎の自転車を追いかける。

郁夫はやはり走るのは困難な様子で、八神は必死に走って青崎を追いかけている。

すると、交差点の信号が青から赤に変わり、その瞬間青崎の履いていたスニーカーが飛んできた。

スニーカーは地面で三回バウンドすると、追いかける郁夫の顔面に当たって郁夫はその衝撃で豪快に転んだ。

付近にいた通行人はそんな郁夫を見て慌てているような様子。


「おい、大丈夫か?」

「大変だ、怪我してるぞ」


郁夫はスニーカーに当たった時の頬の痣と手足の擦り傷や痣ができている。

八神は郁夫を気遣う暇もなく、必死に青崎を追いかけていた。


「青崎!」


青崎は交差点の方に走り出し、坂が終わり「これでもう大丈夫」とはいかなかった。

青崎が交差点の道路に飛び出した瞬間、大型トラックが走ってきて青崎を自転車ごと跳ねた。

地面には大破した自転車と大量の青崎の血が広がっていた。

郁夫は自分の全身の痛みを堪えながら交差点の方を呆然と見ていた。

■作家さんに感想を送る
■作者からのメッセージ
青崎くんの部分は、ねえ。

この事故はアニメの「時をかける少女」からです(汗

あちらは電車だったんですけどね。
テキストサイズ:13k

■作品一覧に戻る ■感想を見る ■削除・編集
Anthologys v2.5e Script by YASUU!!− −Ver.Mini Arrange by ZERO− −Designed by SILUFENIA
Copyright(c)2012 SILUFENIA別館 All rights reserved.