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マブラヴオルタネイティブ-フォーアンサー 【外伝】ちょっと一息 キャエーデの一日
作者:首輪付きジャッカル   2012/07/04(水) 18:29公開   ID:QFJMn7unLf2
―――午前4時―――
「うぁ〜〜〜眠い」
眠いとは言いつつベッドの上で半身を起こし、時間を確認する。
「・・・くー」
時間を確認するべく首を横に向けたまま、半身を起こしたまま、また寝た。

最終的にはベッドから上半身が落ちてブリッジみたいな体勢で寝ていた。


―――午前7時―――
「おーい、キャエーデ、まだ寝てるのか?」
ブリッジの体勢で寝ていると白銀が部屋まで起こしに来た。
「・・・」
「入るぞ?」
―――ガチャッ―――
「うわ!なんて格好で寝てるんだよ!?」
相変わらずのブリッジ体勢に目を丸くする白銀。
「・・・んにゅぇ?」
キャエーデが薄目を開け、その目が白銀を捕らえる。ものすごくシュールな光景だ。
「んにゅじゃなくて!起きろよキャエーデ」
白銀が一歩踏み出す。すると、
―――カサカサカサカサ―――
突然キャエーデがエクソシストみたいな体勢で黒光りするアレのように近づいた。
「ちょ、何やって・・・!?うわ!」
目の前まで来たところで足をつかまれ、白銀は倒れこんだ。
そしてキャエーデは白銀の足を掴んだまま、ベッドに戻ろうとする。
「おい!キャエーデ!ふざけるのもいい加減に!ちょ、そんな体勢でなんだよこの力!?
うわぁ、やめろぉ・・・」
必死に抵抗し、外に出ようとする白銀の目の前で静かに扉が閉まっていく。これは実は彩峰が閉めているのだが。
「やめろぉ・・・誰か助けてくれぇ・・・」
―――パタン―――
「アアアアアアアアアァァァァァァァァァァッーーーーーーーーー♂」
叫び声があがったのとドアが閉まったのはほぼ同時だった。



―――午前8時―――
「うぬぅよく寝た・・・って何で横で白銀寝てんだ?ハッ!まさか昨日酔った勢いで・・・」
昨晩も月を見ながらPXで貰った酒を飲んでいた。飲み終え、部屋に戻る途中で白銀にあった記憶はある・・・しかし・・・
「そんなことがあった記憶は無いんだがなぁ」
いろいろ考えていると白銀が目を覚ました。
「ひ、酷い目にあった・・・」
「一体何があってお前はここで寝てるんだ?」
「お前が引きずり込んだんだろ!」
「?」
白銀はそれ以上言おうとしないのでとりあえずPXに向かうことにした。


「お〜みんなおはようさ〜ん」
「あ、キャエーデさんおはよ〜」
「タケル、随分疲れた顔してるけどどうしたの?」
「美琴か・・・聞かないでくれ」
PXでは207のメンバーがたむろしていた。どうやら皆食事は済ませてしまったらしい。
「まったく、起きてくるのが遅いよ!」
「すんませんおばちゃん・・・」
「まったく・・・」
食事を取りにいくとおばちゃんに怒られた。その上気持ちご飯の量が少ない・・・
しかしここで文句を言えば最悪食事を取り上げられかねないので黙って席に着く。
「随分と遅い起床だな、キャエーデ」
御剣が詰め将棋の手を止め、声をかけてきた。
「御剣か・・・そこ間違ってると思うぞ?」
「む、そうか?」
日本通のキャエーデ、実は将棋もできる。何度か御剣とも勝負したが今のところ一勝御剣が勝ち越している。



―――午前9時30分―――
「時に彩峰、俺がPXに来てからずっと俺を避け続けてるのは何故だ?」
「・・・え?」
「いや、えじゃなくてだな・・・」
「・・・別に避けてない」
「ちょっとずつ後退しながら言われてもな」
「・・・ばれた?」
そうなのだ。さっきから声をかけても何かと理由をつけて逃げる。
この会話が今日はじめての彩峰との会話だ。
「で、何故に俺を避ける?」
「・・・今朝は白銀とどうだった?」
「はぁ?」
「・・・個室で二人・・・」
「あ〜覚えてない」
「・・・何それ?」
「昨夜から今朝起きるまでの記憶がないんで」
「・・・」
興味を無くしたのか彩峰は立ち去ってしまった。
「実際、昨夜何があったんだろう」
あとで白銀に聞いてみようと誓うキャエーデだった。



―――11時50分―――
「まぁ、こんなもんでいいか」
彩峰との会話の後、部屋に戻り筋トレをしていたキャエーデ。
全身を滝のような汗が流れていく。
時計を見れば既に昼時。シャワーで汗を流し、食事に向かうことにする。

「お、白銀もシャワーか」
「げ、キャエーデ」
「『げ』って何だよ、『げ』って」
「だってなぁ・・・」
二人並んでシャワーで汗を流す。
「はぁ・・・」
「どうした白銀、ため息なんてついて。幸せ逃げるぞ」
「そう思うなら腰にタオルを巻いてくれ・・・」
白銀が恨めしそうに言う。というのはキャエーデの股座
またぐら
にぶら下がっている物
ぶつ
のせいだ。
キャエーデの物は明らかに平均よりでかい。正直横に並ばれると男としての自身を失う。
はじ○の一歩の幕○内とどっちがでかいか比べてみたいぐらいだ。
そんなでかぶつが横にいるのだ。ため息も出てしまうというものだろう。
「いいじゃねぇか男同士だし。それともお前そっちの気があるのか?」
自分が男達の自尊心や誇りを破壊し尽くしていることなどまったく自覚の無いキャエーデが笑う。
そんな笑顔を恨めしそうに睨む白銀であった。



―――正午―――
「いただきます」
―――12時15分―――
「ご馳走様」
「相変わらず速いわねキャエーデ」
榊が呆れ交じりの顔で言ってきた。戦場では早食いは普通だ。戦場でのキャエーデの食事はもっと早い。
「早いけどちゃんと味わって食ってるぜ?」
「そうなの?」
「凄いですねーキャエーデさん」
珠瀬がお茶を啜り一息つきながら言ってきた。
「そうでもねぇって」
今日もPXは平和である。



―――午後12時30分―――
「ふぅ・・・」
結局キャエーデはご飯をお替りした。ご飯だけを。
で、ご飯だけで食べてた。

全員食べ終わり、食器を返しに行く。
「さて、これからどうするかな・・・」
いつもの自分の席に座り、お茶を啜りながら考える。
正直キャエーデは訓練が休みの日と言うのは嫌いだ。やることが思いつかないのだ。
「まぁゆっくり考えよう。趣味の一つでもできればこれからはやることが無くて苦しむことは無いだろうし」
また一口お茶を啜る。腕を組み、やれそうなことを考える。

―――午後12時45分―――
「くかーーー」
考える体勢のまま寝てしまっていた。
―――スパーーン―――
白銀に頭をはたかれ目を覚ます。
「痛いじゃないか」
「痛いじゃないかじゃねぇよ。寝るなら部屋に戻って寝ろよ。風邪引くぞ」
「そうか、そうだな・・・ありがとう」
部屋にとりあえず戻ることにした。



―――午後1時―――
「よし、レポートを書こう」
前の世界の戦闘機の技術をレポートにまとめて香月に提出する。こうすればうまくいけば新しい技術で作られた強力な戦術機なんてものもできるかもしれない。
「ん〜ノーマルACの仕組みでもまとめてみるか・・・」
机に向かい、ペンを握る。



―――午後2時30分―――
「駄目だ、この部分がどうも思い出せん」
途中まで順調に書き進めて行ったのだが途中で思い出せない壁にぶちあたり、手が止まっていた。
「こんな時は体を動かそう。
ペンを放り出し、筋トレを始める。



―――午後6時45分―――
「やっぱり駄目か・・・」
1時間筋トレをし、机に向かい、10分考えて思い出せなかったら再び1時間筋トレ。これを繰り返して最早この時間。
「今は諦めるか」
もはや夕食時。シャワーを浴び、PXに向かう。



―――午後7時30分―――
「ごちそうさま〜っと」
必死に必死に皆の食べる速さにあわせ、皆と同じぐらいに食べ終わる。
席を立ち、おばちゃんのところに向かうキャエーデ。
「おばちゃん、いつもの」
「今日もかい?いい加減体壊すよ?」
「酒は百薬の長って言うだろう?」
「まったく、うまいこといって」
ぶつぶつ言いながら酒瓶をキャエーデに渡す。

「また酒か?」
白銀が声をかけてくる。
「これがないと一日が終わらんのさ」
「毎日毎日よく飽きないですねー」
「子供にはわからんさ。酒の良さってのはさ」
意気揚々といつものように基地の外に出る。
今日も月がきれいだ。
毎日毎日外出許可を取りに来るキャエーデに神宮司教官も半ば呆れているがもう慣れたようだ。



―――午後10時―――
「〜♪〜〜〜♪」
鼻歌交じりに酒を飲む。
今日も一日平和だった。
明日はどんな訓練があるのか。
過去と未来のことを考えながら酒を飲む。
瓶の酒が終わればもう、寝に行くだけだ。
夜空に浮かぶ月に魅せられながらキャエーデの一日(瓶の酒)は終わった。

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