ここは全年齢対応の小説投稿掲示板です。小説以外の書き込みはご遠慮ください。

ネギま!―剣製の凱歌― 第二章-第12話 修学旅行一日目・上
作者:佐藤C   2012/06/16(土) 13:41公開   ID:fazF0sJTcF.



「やっほーーーっ!今日は待ちに待った……修学旅行の日だ―――っ!!」

「うるさいわねー…、まだ朝早いじゃない」
「ネギくん張り切ってるなー」

 朝からやかましいネギに起こされて明日菜と木乃香も、もそもそと布団から這い出てきた。

「実は教員は早めに行かなきゃならないんです!」
「ほな、おむすびでも作ったげるな♪」
「しおり持った?保険証は持ってる?ほら襟ちゃんとして…もう」
「えへへー、すいません。荷物はちゃんと全部持ってますよ!一昨日から準備してあるんです!!」えっへん!

 ネギはわくわくという擬音が聞こえてきそうな笑顔ではしゃいでいる。

「じゃあお先に行ってきまーす!二人とも遅れちゃダメですよーーっ!!」

「はいはい頑張ってね先生。…あのはしゃぎ様、まるで遠足ね」
「んじゃアスナ、ウチらも準備しよかー」


 ・
 ・
 ・


「うわー、本当に楽しみだなあ。
 日本の古都の京都・奈良に五日間も行けるなんて、修学旅行ってなんて素晴しいんだー♪」

 すると走るネギが背負うリュックの中から、使い魔のカモが現れて肩に乗った。

「しかし兄貴、関西呪術協会の長への親書ってのもあるし油断すんなよ」



『先方が京都行きの修学旅行に難色を示してきおった。先方―――関西呪術協会と我が関東魔法協会は仲が悪くてのう。
 そこでじゃ。ネギ君には東西友好の特使としてこの親書を届けてもらいたい。向こうの長に渡してくれるだけでよろしい。
 道中妨害があるやもしれんが……やってくれるかのう?』



「うん、父さんの住んでた家っていうのも探したいしね!」



『京都へ行ってみるがいい。何処かにナギやつが一時期住んでいた家があるはずだ。
 奴の死が嘘だというのなら、そこに手掛かりがあるかもしれん』



「これは就任以来最高に忙しくなるぞーーー!!」
「おーーーー!!」

 こうして、ネギの波乱の修学旅行が幕を開ける。




 ◇◇◇◇◇



 その日の朝、埼玉県大宮駅には多くの麻帆良女子中三年生がごった返していた。

「それでは皆さん、各クラス点呼をとってからホームに向かいましょう」
「では1班から6班までの班長さんお願いしまーす!」

 しずな先生の指示を受け、ネギは生徒達に声を飛ばした。


 3−Aの修学旅行生は以下の6班編成である。

 1班、チア部三人娘+双子。(柿崎、釘宮、桜子、風香・史伽)

 2班、「超包子チャオパオズ」組と陸上部と忍者。(チャオ、葉加瀬、五月、古菲、美空、楓)

 3班、お嬢様'sと地味'sと報道部。(あやか、千鶴、千雨、村上、朝倉)

 4班、ファザコンと保健委員と水泳部とバカピンクと巫女スナイパー。(明石、和泉、大河内、まき絵、真名)

 5班、図書館探検部の四人とバカレッド。(夕映、ハルナ、のどか、木乃香、明日菜)

 6班、剣士とピエロと吸血鬼とロボ。(刹那、ザジ、エヴァンジェリン、茶々丸)…この班キャラ濃過ぎない?

 しかしエヴァンジェリンは麻帆良に封印されているため参加できず、茶々丸と共に不参加である。
 よってザジは3班に、刹那は5班に編入された。
 すなわち…。


「あ……せっちゃん、一緒の班やなあ」

「あ………。」

 ……木乃香と刹那が、同じ班になったのだった。



《JR新幹線あさま506号――――まもなく発車致します》




 ◇◇◇◇◇



 ネギ達が新幹線に乗り込んだのと同じ頃。
 麻帆良女子中の屋上に、ほけーっとした少女が腰を下ろして声を漏らした。

「今頃やつらは新幹線かあ。」

「マスターは呪いのせいで修学旅行に行けず残念ですね」

「…オイ何が残念なんだ? 別にガキどもの旅行なぞ…」

「いえ、行きたそうな顔をしていましたので。違いましたか?」

「アホか」


 ―――チチチ……。

 屋上から望む青空には、仲良く空を飛ぶ二羽の鳥が見えた。


「…お前は行ってもいいんだぞ?行きたいだろう」
「いえ。私はマスターのお傍に」

 茶々丸は迷う事なくそう答えた。

「…ふん。………まあ、それはそうとしてだ」
「……………はい」

 茶々丸には、主の次の言葉が容易に予想できていた。


「あの学園長ジジイ、士郎を京都へ送りよってからに―――――――――――!!!!」


 エヴァンジェリンの従者、衛宮士郎。
 今回お暇を頂きまして、実家京都に帰省します。









 第二章-第12話 修学旅行一日目・上









 京都の前にまず東京へ向かう、あさま506号の車内では。

 "―――ワイワイ、ガヤガヤ…"

 自ずと聞こえてくる騒がしい女子中学生達の声を、隣りの車両で努めて聞き流す青年がいた。


『士郎や、しばらく婿殿の所に顔を出しとらんじゃろう?
 丁度良い、修学旅行の生徒達と一緒に京都に行ってくるとええとじゃろ。向こうには話を通してある。
 向こうでゆっくりしてくるといいんじゃないかのう?』


(………なーに企んでるんだか)

 麻帆良学園・修学旅行生の隣の車両に座っているのは衛宮士郎。
 彼はペットボトルのお茶を側に置いて新聞を読みながら、祖父のわざとらしい提案を思い返していた。

詠春とうさんまで巻き込みやがって…でも、ホントになんのつもりなんだ?)

 関西の動きが気になるならそう言えばいい。今みたいにコッソリ生徒の後をつけて行けばいいだけだ。なのに何故か回りくどく「帰省してこい」などと言ってきた。


(……ま、考えてもわからないか。取り敢えず今は京都旅行を楽しもう)


 そんな事を考える余裕が持てるのはこの時までだったと、彼は知らない。




 ◇◇◇◇◇



『キャーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!』
『いやぁああーーーーーーーー!!!』

 修学旅行という、日常から少しだけ飛び出した楽しげな時間。
 その中の一幕として流れる平穏なひと時に、突如として湧き上がった凄絶な悲鳴。
 少女達は恐怖し、慄き、車内に出現したその存在に震え上がる。

 年端もいかぬ幼気いたいけな少女達に根源的な恐怖を想起させる、その邪悪の正体は……!!


「―――ゲコ。」(・ω・)


 …カエル。

 カエルだった。


『ゲコゲコゲコゲコーーーーーーーーーッ!!!!』

「な、なんですかこのカエルの団体さんはーーーーっ!?」
「なんかそこら中からいっぱい出てきたのよ―――っ」
「助けてネギ君―――!!」

 前触れもなく現れた大量のカエル達。
 緑色の合唱と少女達の悲鳴が入り乱れ、車内は阿鼻叫喚の渦に包まれた。
 この混乱の渦中において、ネギは必死で冷静に努めようとする。

(………魔力のようなものを感じる。このカエルの大量発生…まさか魔法?これが妨害…!?)

 ネギ先生、考えるのはいいんですが早く何とかしてください。
 あなたの生徒が何人か気絶してますよ。


 ・
 ・
 ・


 隣の車両から聞こえてくるけたたましい悲鳴は、当然士郎にも届いていた。
 新聞をガサリと下ろして、気配を感じた足元を見やる。

「……ゲコッ」(・ω・)/

 そこには隣の車両からやってきたと思しき、一匹のカエルがいた。


 ―――キャァァァーーー!!
 ―――嫌ーーーーーーーーーーっ!!!


「………放っとくのは流石にアレか。陰陽術は専門外なんだけどなぁ…」

 士郎はスッと、カエルに右手を伸ばして触れた。

「―――同調、開始トレース・オン

 ――――基本骨子、解明。
 ――――構成材質、解明。


(…紙型を使ったオーソドックスな式神か。だが…)


「甘いな、呪符使い」


追跡ウェスティーゲム

『…ッ!?』

 式神の向こう・・・で術者が、驚愕に息を呑んだ。


 "ブツッ…"


 右手に触れるカエルは、いつの間にか白い紙型になっていた。

「…解いたか。賢明だな」

 呟いて耳を澄ますと、隣の車両のカエル達も姿を消したようだった。
 術者は逆探知を瞬時に察知して式神を解除したようだ。未だこの紙型には術者の痕跡が残留しているが……士郎の腕ではこれ以上は不可能である。
 だがそれで充分。術者がこの新幹線の車内に乗っている事は既に判った。

「…さて、"式"とは穏やかじゃないな―――」

 もはや警戒を怠る事はできまい。士郎は物憂げに溜め息を吐いて席を立った。


 ・
 ・
 ・


「しずな先生が失神してるーーー!!」
「ほ、保健委員は介抱を!いいんちょさんは至急点呼をお願いします!!」
「ハ、ハイ!ネギ先生♪」
「保健委員も失神してるよーーー!亜子ちゃん大丈夫!?」
「………きゅう」←亜子

 ようやく混乱の元凶が姿を消すも、3−Aは事態の収拾に大童おおわらわになっていた。

(ちっ!一般人を巻き込むたあ下衆な!!
 兄貴、騒ぎに乗じて親書を狙ってるかもしれねえ、ちゃんと持ってるか?)

(うん、ここに――)


 ―――ヒュッ――ぱしっ!!


「あっ!?」

 眼前を黒い影が横切ったと思うと、ネギの手から親書が消えた。
 咄嗟に視線を追うと…そこには飛び去っていくツバメの姿が見えた。

「ま、待てーーーっ!!」

「兄貴!ありゃ式神だ!」
「式神!?」
「おうよ、日本特有の使い魔ファミリア・マジック!あれは無生物…紙製だからペーパーゴーレムってとこだな!
 近くに術者もいるハズだ、そいつを探せ!!」

 親書を咥えて見る間に小さくなっていくツバメを追い、ネギとカモは駆けだした。



「…あら?」
「どしたの、いんちょ」

「ああ、アスナさん。桜咲さんがいませんの」
「…桜咲さん?」




 ◇◇◇◇◇



「それで、何をしているのですか士郎さん?」

「いや、その…………観光旅行?」

 修学旅行生の車両から幾つか後部の車両、そのトイレ付近の通路。
 そこで黒いコートを着た青年と、中学の制服を着た少女が向かい合って立っていた。

(お嬢様の事は私に任せると言っていたのに………)むすぅ〜…っ

 ただし一見して、力関係は少女の方が上であった。
 ジト目で睨まれたと思ったら、今度は口を尖らせて目を逸らされる。
 明らかに拗ね始めた刹那の雰囲気を察知して、士郎は慌てて理由を話し出した。

「ま、待て刹那、お前の事を信用してないわけじゃないんだ。
 何か知らないけどじいちゃんに京都に行くように言われたんだよ」

 すると刹那の不審な雰囲気はすぐに霧散し、彼女は疑問の表情で士郎を見上げた。

「…学園長に?ならばやはりお嬢様や他の生徒の護衛という事では?」

「いや、どうも違うっぽい。言い方がやけに回りくどかったし……だからといって爺ちゃんが俺に何をさせようとしてるのかはさっぱりだけどな。
 だから刹那、木乃香のこと頼んだぞ」

「はい。このかお嬢様は命に代えてもお守りします…!」

「いや、命って。意気込みは買うけど…」

 愛刀"夕凪"を握り締めて勇む刹那に、士郎は呆れた声を出した。


(刹那は木乃香の事になると、木乃香以外なんにも見えないからな……。
 女の子なんだし、自分の体くらいは大事にしてほしいんだが)

 士郎がそんな、自分の事を思いきり棚上げした思考をしていると。


 ―――ヒュッ――

「お」

 ―――チャキ…


 ――――――キンッ!


 飛来したツバメの式神を、刹那が居合いで斬り伏せた。

「…もう二つ目が来たのか。カエルの次はツバメ…ったく、まだ西日本にも入ってないってのに」

「…士郎さん、これは?」

 紙型に戻ったツバメの側に落ちた封書を刹那が拾い上げる。

「ああ、それは多分、関西呪術協会への親書だ。ネギが持ってる」

「……早速奪われたという事ですか」

 気抜けした様な刹那の声に、士郎はハハ、と乾いた苦笑いを浮かべた。

「なかなか優秀なヤツなんだが、どっか抜けててなー」


『待てーーーっ!!』


「と、来たか。俺は隠れるからな。ネギや3−Aアイツらに見つかると面倒だ」

「わかりました。お嬢様の事はお任せください!」

「ああ、お前も怪我しないようにな」



 ――プシュー。

「待っ……ってあれ?桜咲さん?あ―――っ!!僕の親書!!」

 士郎が去った直後に丁度、ネギがカモを頭に乗せて走って来た。
 それを見て刹那は何も無かった体を装って親書を渡す。

「あ…先生の持ち物でしたか。落ちていましたよ。
 気をつけたほうがいいですね先生、特に…向こう・・・に着いてからは。……それでは」

「あ、どうもご親切に………」

「オイオイ兄貴!ご親切に、じゃねーだろ!!床を見てみろ!!」

 刹那が3−Aの車両に戻った後、カモが声を張り上げて床を指す。
 そこにはツバメを模った紙型が真っ二つに斬られて紙片となった姿があった。

「これはさっきの式神だ、さっきの奴が術者だったんだよ!!
 あの女、西からのスパイかもしんねーぜ!!」

(…そんな、桜咲刹那さんが西のスパイ………!?)

 ネギは息を呑んで、刹那が出て行ったドアを見つめた。




 ◇◇◇◇◇



 京都の山奥に、「R毘古社かがびこのやしろ」と呼ばれる古い神社がある。
 社の名前を刻んだ石碑から続く、石の階段と千本鳥居。そこを抜けた先に建ち並ぶ無数の寺社こそ「R毘古社」の本殿……木乃香と士郎の実家である。

 少々長い階段を上って行くと途中から傾斜がほとんどなくなり、少し長いだけの普通の参道を歩いているように感じられる。
 士郎は勝手知ったる風に歩を進め、視界に入った大きな山門と………自分を出迎える大勢の巫女達に顔をヒクつかせた。


『お帰りなさいませ、若様』

「…………………慣れないんだよなぁ」


(……まあ、子供の頃の「坊ちゃま」よりは改善されたと喜ぶべきか………)


「長旅お疲れ様でした、士郎様。奥で長がお待ちです。
 ですが執務が滞っておりまして、若のお出迎えはできないとの事でございます。
 荷物はお持ちではありませんか?それでは早速、執務室までご案内いたします」

「あー、その…若ってのやめてくれないか? 俺はもう近衛家の人間じゃないし」

「何を仰います、私共にとって士郎様は今でも若様で御座います。
 そのような事をお気になさらず(にっこり♪)」

「……………。」

 士郎はまだ知らぬ事だが…彼女達は、関西呪術協会の掌握が完全ではない詠春が信頼する、詠春に忠誠を誓う巫女達である。
 つまり同時に、その息女である木乃香と養子である士郎にとっても味方であり。


(ず…ずるいですよ鍋島さん!若とお言葉を交わすなんて!!)
(何を言いますか、私はただ士郎様から問われたのでお答えしただけです。
 ああ坊ちゃま、随分と凛々しい顔立ちになられて…♪)

(アンタらそこまでにしときやす。ああ、ウチは早よう木乃香お嬢様にお会いしたいどすなぁ…)
(でもそうなったら姫様、詠春様を見てご心配されてまうんやないでしょうか?
 詠春様の激務は私達も見ていて辛いどす…)


 彼女達は、知らぬ所で彼らのファンクラブを結成していたりするのだった。
 知らない方が幸せな事も…世の中にはあるのである。




 ◇◇◇◇◇



 その後は何事もなく、3−A一行は無事に清水寺に到着した。


桜子「京都ぉーーーーーーーーーーー!!」わっはー♪

裕奈「ここが噂の飛び降りるアレ…!」ごくり…
風香「誰かっ!飛び降りれっ!!」
楓「…では拙者が……」…すっ
あやか「おやめなさいっ!」
千雨(テンション高けーなー、コイツら)


「ここが清水寺の本堂、いわゆる「清水の舞台」ですね。本来は本尊の観音様に能や舞いなどの踊りを楽しんでもらうための装置であり、現在は国宝に指定されています。有名な「清水の舞台から飛び降りたつもりで……」の言葉通り江戸時代には実際に人が飛び降りる事件が234件もあったと記録されています。しかし生存率は85%と意外に高く………」

「うわっ!?ヘンな人がいるよ!?」
「夕映は神社仏閣・仏像マニアだから」
「「………ほぉ…………。」」

 ハルナが言う傍から夕映は、つらつらペラペラと途切れることなく清水寺の知識を吐き出している。
 そんな彼女の様子に驚く裕奈だが、その側ではインテリ外国人二名(ネギと超)が顎に手を当てて夕映の説明に聴き入っていた。

「ああ…この歴史ある木材の肌ざわり……すりすり」

「「……………。」」

 しかし流石に、これには誰もついていけなかったが。


「天気よくて良かったよねー」
「ホントー」

「わースゴイ、京の街が一望できますねー!」
「はしゃいで落ちないでねネギ」
「ネギ先生に喜んで頂けて良かったですわ」

「そうそう、ここから先に進むと恋占いで女性に人気の地主神社がありますよ」
「え♪」
「恋占い!?」

 トリップから帰還した夕映の言葉に、まき絵と委員長が露骨に反応を示しまくる。

「あとそこの石段を下ると有名な「音羽の滝」に出ます。
 その三筋の水は飲むとそれぞれ、健康・学業・縁結びが成就すると…」

「縁結び!?」
「それだ!!」

「ほらネギ君行こ行こ――――っ!!」
「わわっ」
「コラまき絵さ…そこの人達!抜け駆けは…いえ団体行動を守りなさ――」

 まき絵と鳴滝姉妹に背中を押され、急かされる様にしてネギはその場から移動した。
 ……委員長が何やら騒ぐ声を背中に受けながら。


 ――このあと地主神社で遭遇する災難と、音羽の滝で起こる事件をネギは知らない……。

 詳しくは原作を読め!(おいっ)




 ◇◇◇◇◇



 士郎が通された和室では、白い狩衣に身を包む、眼鏡をかけた壮年の男性がその手に筆をとっていた。
 和室用の、黒い漆塗りの低い机。それに体を向ける男性が士郎の方を振り返る。
 彼は士郎を目にすると、穏やかに笑みをこぼして口を開いた。

「久しぶりですね、士郎。元気そうで何よりです」

 彼こそ士郎の養父であり、木乃香の実父にして関西呪術協会のおさ
 20年前、士郎の師ラカンやネギの父親・ナギと同じ「紅き翼アラルブラ」に属した伝説の剣士。
 "新世界"において「サムライ・マスター」の異名を誇った熟練の剣聖――――近衛詠春。

「ああ、お陰で俺は無病息災だよ。そういう父さんは顔色悪いな、仕事忙しいのか?」

「いえ、私の要領が悪いだけですよ。
 どうにも時間をかけて数をこなさないと業務が進まなくてですね」

 詠春は苦笑しながら、部屋の隅から座布団を差し出す。
 士郎はそれを受け取って、その上に胡坐をかいて腰を下ろした。

「ていうかさ、何でまだ若様扱いなんだよ。
 俺はもう近衛家の人間じゃないだ、そんなヤツを若様なんて呼ばせるのはみんな嫌がるだろ」

「ははは、いや、安心しなさい。彼女達はそのようには思ってないですよ。
 それに君は私と違って近衛の分家筋なのですから、敬われるのはある意味間違ってないと思いますが?」

「他の分家連中が黙ってないだろうに……」

 そう言って疲れたように溜息を吐く士郎と対称に、詠春は密かに笑みを漏らしていた。


(本当に……随分と感情が顔に出るようになりましたね)

 思わず詠春は、昔……士郎を引き取ったばかりの頃を思い出していた。


“―――士郎は、人間らしくなった。”


 ……故に、だからこそ詠春は躊躇わざるを得ない。
 ようやくここまで心を取り戻した士郎に、この話を聞かせる事を。

(…全く、お義父さんも厄介な役目を押し付けてくれたものだ―――)


「……なんだよ?」

 どうやら詠春は、無意識に士郎を見ていたらしい。
 怪訝な表情で自分を見る養子むすこに、詠春はニコリと微笑んで答えを返す。

「いえ。息子の成長を見て喜んでいただけですよ」

「………何だよいきなり。俺、そんなに変わったか?」

 士郎は照れくさそうに詠春から視線を逸らして頭を掻く。
 その姿に頬を緩めながら、詠春は再び思考する。


(……いえ、士郎ももう一人前でしょう。これはいつか必ず…話すべき時が来る話です)


 しかし果たして、それが今なのかどうかはわからない。
 だが願わくばこれが…彼のさらなる成長に繋がってくれれば。

 詠春は意を決して、目の前に座る息子を見やる。

「士郎。君に……大事な話があります」



「君の実の父親………、―――衛宮切嗣について」





 ◇◇◇◇◇



 その建物の外観はまさしく和風旅館であり、流石は歴史ある京都だと思わせる佇まいをしている。
 ネギ達は夕方頃、宿泊先であるホテル嵐山に到着した。
 するとネギは、そこで明日菜に呼び止められる。

『ちょっとネギ!何が起きてるの? 変なカエルとか落とし穴とかさっきのお酒とか!
 ……えーーーっ?私達3−Aが関西の変な魔法団体に狙われてる!?』

『しょうがないわね、ちょっとなら手伝ってあげるわ。
 ふふ、どうせまた助けてほしいって言うんでしょ?』

『ア、アスナさん…!(うるうる)』


 ・
 ・
 ・
 ・


 ……と、そんなやりとりを思い出しながら、ネギはゆっくりと息を吐いた。


「ふぃ〜〜〜〜〜…………。」


 湯煙り漂うホテル嵐山の露天風呂。
 現在は教員の入浴時間で、ネギがカモと風呂に浸かってのほほんとしていた。

「気持ちいいねえカモ君」
「ああ、極楽だぜ……」


 ―――カポーン……。


「これで桜咲刹那の件がなけりゃなぁ」

「桜咲さん、剣みたいなのを背負ってたよね……。うう、魔法使いに剣士は天敵だよ〜」

「式神使ってた所を見ると術の心得もあるっポイしな。ホント厄介だぜ」

 あ゛ぁ〜…、と腑抜けた声を出しながらカモが言った。
 ネギの不利は、例えて言うならネギvsアスナの様なものだ。ネギが呪文を唱える前に殴られて終わりである。

「…でも、本当に敵なのかなあ?
 桜咲さんって、このかさんとシロウの幼馴染だって聞いたことあるよ」

「ん?ちょっと待て兄貴!
 このか姉さんと旦那の幼馴染ってコトは…桜咲も京都出身じゃねえのか!?」

「…あ。そーいえば名簿に京都とか書いてあったような……」

「決まりだな!!アイツは関西呪術協会の刺客だぜ!!」

 ばしゃっと水音をたててカモが拳を振り上げた。

「う〜ん、でも…なんか違う気がする……」


(確かに刹那さんは修学旅行中、時々こっちを見てたけど…でも、魔法使いボクを見てるって感じじゃなかったと思うんだよな…)

(僕じゃなくて、他の誰かを見ていたような…)


 ――カラカラカラッ


(兄貴、誰か来たぜ。)
(誰だろう?瀬流彦先生とか新田先生かな?)

 妖精である事を隠しているカモと共に声を顰め、浴場に入って来た人物を窺う。

「!?」

 その特徴的な、黒髪を左側頭部で一纏めにしたサイドポニー……。

「ふぅ…」

 入って来たのは、刹那だった。


(うおおおおおおおおおーーーーーーーーっ!!?)Σ(▼Д▼;)カモ
(ななななんでーーーーーーーーっ!?)Σ(◎Д○;)ネギ

 思わず二人は岩陰に隠れて、刹那の様子を盗み見る。

(しまった兄貴!!ここはたぶん混浴だ!!)
(そ、そんなのがあるの!?でも今は先生が入る時間だよ!?)
(んなもん知らねえよ!!)

 刹那は入浴する前にかけ湯をして一息ついた。
 剣士として鍛えられたその体は引き締まってスラリとしている。
 浴場を仄かに照らす黄色い光の中にあっても、彼女のその白い肌は美しく際立っていた。

(わ――…、背は小っちゃいけどキレーな人だなー……。お肌まっしろ――)
(こーいうのを大和撫子っていうんだろーな……♪)


 ………………。


(――って、ハッ!?これってもしや覗き!?)

(お、おおう兄貴、見惚れてる場合じゃなかった!
 姐さん抜きじゃ桜咲にゃ勝てねえ、ここはとっととずらかるぜ!!)


「…フム、参ったな…。
 ネギ先生は優秀な魔法使いだと聞いていたから何とかしてくれると思ったんだが……」

(っ!?)

 覗き魔よろしくコソコソと脱衣所に引き返そうとしたネギは、そこで思わず動きを止めた。

(僕が魔法使いだって知ってる!?やっぱり敵のスパイなのか……?)


「!! そこに居るのは誰だ!?」

(わっ!バレっ、ばれたーーーーーーー!!)

 狼狽しながらも、ネギは隠し持っていた携帯用の小型杖を取り出し、刹那も同じく隠し持っていた野太刀を構える。
 言っておくがここは風呂である。お前らどっから出したソレ。
 ド●えもんも真っ青な収納力…ってアイツは元から青かったか。


“―――――神鳴流奥義・斬岩剣!!”
“―――『風花・武装解除フランス・エクサルマティオー』!!”


 ―――バシンッッ!!

「…!!」

 ネギの魔法によって野太刀が刹那の手から弾かれ、彼女は僅かに目を瞠る。
 ――しかしそれもほんの一瞬。「剣が無い」など、神鳴流剣士が不利になる理由にならない。

 “―――"神鳴流"は、得物を選ばず…!”

「えっ、わっ!?」

 弾かれた剣を意に介すことなく、刹那は速度を落とさず疾走してネギの眼前に迫り来る。
 腕を捻り上げられ杖を落とし、ネギは一瞬で岩壁に押しつけられて無力と化した。

「――ふぎゃっ!?」

「貴様…何者だ。答えねば………って、え? …ネ、ネギ先生?」

 刹那は自分が小競り合った人物の正体に気づくと、きょとんと目を瞬かせた。

「や…やい桜咲刹那!!てめえ関西呪術協会のスパイなんだろっ!?ネタは上がってんだこの野郎!!」

「!? な、え!?」

「あわわわわわ…!!」

 カモが啖呵を切り、それに刹那が困惑し、彼女に怯えて涙目で震えるネギ。
 その浴場では妙な三角関係が出来上がりつつあった。

「さぁとっとと白状しろいっ!!」

「なっ、ち違うっ!!誤解だッ!誤解です先生!!
 私は敵じゃない、3−A・15番、桜咲刹那!一応先生の味方ですっ!!」


「「………え?」」


『ひゃあああーーーーーーーーーーっ!!!』


 ネギとカモが呆けた声を出した直後、女性側の脱衣所から布を裂くような悲鳴が響いた。

「今の悲鳴は―――このかさん!?」
「このかお嬢様っ!?」


「「………………お嬢様?」」


 刹那の台詞に、ネギとカモは再び口をポカンと開けた。








<おまけ>

 新幹線の車内に突然沸いた蛙の大群。何とも不可解で理解し難い謎の事件。
 しかし修学旅行で起こったハプニングの一つとしてそれを、嬉々としてフィルムに収める赤茶色の髪の少女がいた。
 彼女の腕に付けられたるは、誇り高き「撮影班」の腕章。…そう!
 彼女こそ麻帆良学園報道部突撃班のパパラッチ――――朝倉和美である!!

「あちゃー、和泉はさっそく気絶しちゃったか。おっ、しずな先生も失神!
 このあられもない姿をブロマイドにしたら男子学生に高く売れる!もっとこう際どい角度で…激写激写っと♪」パシャパシャッ

「ん、くーちゃんはフツーにカエル捕まえてるね。いつも通りで逞しいなー。
 古菲部長がカエルで涙目、なんて撮れたら高く売れるのに」パシャ

「あ。アスナー。カエル捕まえようとするのはいいけどパンツ丸見えだよー。
 アスナは………需要無いか」スッ…

明日菜「あんたもいい加減手伝いなさいよ朝倉っ!!!(怒)」

 朝倉さんは今日も絶好調であった。



〜補足・解説〜

>6班、剣士とピエロと吸血鬼とロボ。
 「ピエロ」ではなく「悪魔っ娘」と書きたい衝動を何とか抑え込みましたよ私は。
 この時点ではまだその辺が判明していないですからね…。

>“追跡ウェスティーゲム
 原作でフェイトが唱えていた追跡魔法の呪文。原作中で『治癒クーラ』や『戦いの歌カントゥス・ベラークス』に並ぶ便利呪文だと思います。
 本当は過去編で士郎に「追跡魔法、かけてやったぜ……!」って言わせたかった…。

>士郎の腕ではこれ以上は不可能だ。
 士郎は通常の魔法の腕前は平凡ですので。ネギだったら車内の誰が術者か、という所まで判別可能だと思われます。
 「だったら士郎が紙型をネギに渡して追跡させたら良かったんじゃ」と思うかもしれませんが、士郎は現時点のネギが「新幹線車内の人混みの中からたった一人の術者を特定できるほどの精度で追跡魔法が使える」ほど優秀だと思っていなかったので、その発想自体がありませんでした。
 ……こう書いてみるとネギってスゴイですね。

>術者がこの新幹線の車内に乗っている事は既に判った。
 新幹線の上とか外壁に張り付いている可能性(漫画だからこその可能性w)もあった訳ですが、普通に車内に乗っているという所までは察知しました。 

>詳しくは原作を読め!(おいっ)
 原作展開の適切な取捨選択であり、決して手抜きではありません。ただし丸投げとは言うw

R毘古社かがびこのやしろ
 「R」の文字が表示されない場合があるようですが、「火玄」←こういう感じです。
 そして「R毘古」とは火の神・火之迦具土ヒノカグヅチの別名だそうな。

>関西呪術協会の掌握が完全ではない詠春
 ……だって、ねえ? 勝手に動く人達や反逆者染みた人がいる時点で……ねえ。
 婿養子だから舐められてるとかありそうで不憫。頑張ってください詠春さん。

>ず…ずるいですよ鍋島さん!
 旧・剣製の凱歌で「キャラ設定を作っておきながら名前だけの登場に留まり、本人は未登場に終わった悲しきオリキャラ」だった―――「鍋島柚衣」さんのご登場ですっ!!(笑)
 やった……出せた……!!(泣) 設定は下部に記述します。

>筆をとっていた。
 文字通り「筆」。外部に対する書面などは流石に万年筆やワープロ打ちにしていると思いますが、関西呪術協会内部のやりとりは未だに筆と墨を使っている印象を作者は持っています。

>他の分家連中が黙ってない
 (たぶん)呪術協会の長を務める一族ですし、さらに貴い血筋らしいので、本家ひとつしか家系がないという事はないと思われます。
 「近衛」は「近くそばまもる」、「衛宮」は「宮を衛る」。すると他の分家にも「衛」の文字は入っていると自然かなーとか、同じ近衛姓の家系が幾つかあるのかな、とか考えてました。
 近衛秀一郎、近衛啓丞、兵衛龍善、鈴衛音姫……。まあ彼らが本編に出ることはないので、近衛分家オリキャラの設定案は中途半端に作ったまま放置中です。

>例えて言うならネギvsアスナの様なもの
 もちろんマジックキャンセルは考慮しておらず、また現時点でのネギと明日菜を対決させた場合の話です。
 この時点ではまだ「完全魔法無効化能力」という名称すら作中に出てませんしね。

>でも今は先生が入る時間だよ!?
 原作でしずな先生が「教員は早めにお風呂を済ませてください」、明日菜が「5班(ウチ)もすぐおフロだし」と言っていたことから、おそらくネギがゆっくりし過ぎて、刹那が早めに来過ぎてしまったという事だと思います。
 というか女子中の修学旅行で入浴時間を分けるわけですから、男性教諭の肩身が狭過ぎると思うんですが…。

>ド●えもんも真っ青な収納力…ってアイツは元から青かったか。
 昔の彼は黄色かったという秘話は、何度もTV放送している所為で割と常識になっている気がします。

>「貴様…何者だ。答えねば……
 原作ではネギの急所()を握り潰そうとしていた刹那ですが、この小説ではそんなこたぁ無かったよ。
 だって!刹那が男の急所()を鷲掴みしている描写なんて書きたくなかったんや!!(;ω;)ぶわっ

>神鳴流剣士が不利になる理由にならない。
>"神鳴流"は得物を選ばず
 …と原作で言っていますが、その割には剣が無いと本領発揮できてませんよね。
 おそらく「神鳴流は得物を選ばず」=「剣が無くても戦える(ただし本気は出せない)」という意味なんでしょう(笑)

>激写激写っと♪
 勿論、レディーススーツスカートと、パンストに覆われた太腿と、その上に位置するショーツの三つから成る絶対領域の構成を瞬時に行っております(爆笑

>くーちゃんはフツーにカエル捕まえてるね。
>カエル捕まえようとするのはいいけど
 しかしこの後、彼女達はこのカエルが紙に変わっているという狐につままれたような体験をする。そしてその誤魔化しは魔法先生・瀬流彦が行ったという隠れ設定w

>アスナは………需要無いか
 天真爛漫で根は良い子なので密かな人気があるかと思いきや、「乱暴者で馬鹿力で頭が馬鹿」というマイナスイメージが強過ぎるため、麻帆良男子内ではアスナ人気が無いと作者は思っています。
 イイ子なのにねー。…だからといって殴られたり飛び蹴り喰らったら堪ったもんじゃないですが。


キャラ設定:

巫女ズ
 詠春及びその子女である士郎と木乃香に忠誠を誓う、関西呪術協会所属の一部の巫女達。呪符使い。
 若い人材の割合が圧倒的に多いが熟練の陰陽術師も所属しており、戦力的にも充分強力な集団である。ただし詠春が御しきれていない派閥に属する術士たちと比べると、やはり実力者の数が少ない事は否めない。
 ちなみに彼女達の通称は"近衛巫女衆このえかんなぎしゅう"。巫女長一名、その補佐二名、その他の巫女で構成されている(※この部隊で言う「巫女長」は、関西呪術協会の巫女全体を統べる役職としての巫女長ではなく、あくまで部隊長、師団長という意味合いである)。 

>通称は"近衛巫女衆"。
 正式名称は「R毘古宮司之近衛巫女衆かがびこみやつかさのこのえかんなぎしゅう」。ただしこの部隊名を正しく呼ぶのは詠春派や詠春派に対する穏健派のみで、敵対している派閥は「巫女ども」「長の巫女」、果ては「詠春の女ども」などと蔑まれている。
 部隊員は全部で四十七人おり、基本的にはその戦闘能力で四十七階位の序列を決定している。例外では詠春の補佐として優れた事務、政務能力を持つ巫女が上位に立つ場合がある。そのようなシステムがあるものの隊員同士の仲は良好で結束も固い。
 ………あれですね。組織名とか部隊名って難しいっすね(滝汗) 作者のセンスの無さが晒されたぜ…げふっ(吐血)
 そしてこの部隊名は「R毘古社の宮司に傍で仕える巫女達」という意味です。

鍋島柚衣(なべしま-ゆうい)
 肩まで伸びる黒髪を後頭部で結い上げている、メタルブルーのフレームの眼鏡をかけた女性。2003年5月時点で25歳、数え年で26歳。
 黒髪のFateセイバーに青い縁の眼鏡をかけた感じと言えばイメージし易いと思われる。身長も彼女と同じだが但し、バストは柚衣の方が10cmほど大きい。
 関西呪術協会で上の下程度の腕前を持つ呪符使い。まだまだ実力に伸び代があり、いずれは高位の術者になるだろうと期待されている。近衛巫女衆の序列十二位。
 過去話Tの直後から、木乃香と士郎が麻帆良に行くまでの三年間で士郎の世話係を務めていた。当時14歳の少女だった彼女は前髪で顔を隠し、大きな丸眼鏡をかけた引っ込み思案な少女だった。しかし士郎と接するうちに励まされ、成長し、自分を変えてくれた彼を「坊ちゃま」と(密かに)呼んで溺愛している。
 ここまでの設定があるのに本編でほぼ出番がないという不憫なキャラ。ごめんよゆーいさん。


 次回、「ネギま!―剣製の凱歌―」No.24


「ひゃぁぁあああーーーーーーーーーーー!!!」

 木乃香の悲鳴の正体は?

『詠春、僕は馬鹿だった。
 「正義の味方」なんて夢物語で………そんなものになれるわけなかったんだ。
 その時、やっと気づいたんだよ』

 士郎の父・切嗣の過去とは?

「……ククク、流石はあのバカの父親だな!!」

(ああ、マスターがあんなに楽しそうに………)

 真実が明かされた時、エヴァンジェリンは何を思う…!?


“正義の味方を目指した男はいつしか、天災として完成していた――――”


 「第二章-第13話 修学旅行一日目・中」
 それでは次回!


■作家さんに感想を送る
■作者からのメッセージ
 誤字脱字・タグの文字化け・設定や展開の矛盾点等お気づきの方は感想にてご一報ください。

 今回から「第二章・京都修学旅行編」が始まりました。
 どうぞお付き合いください。

 それでは次回。

2012/7/27…原作設定の引用の誤りを修正しました。
テキストサイズ:27k

■作品一覧に戻る ■感想を見る ■削除・編集
Anthologys v2.5e Script by YASUU!!− −Ver.Mini Arrange by ZERO− −Designed by SILUFENIA
Copyright(c)2012 SILUFENIA別館 All rights reserved.