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ネギま!―剣製の凱歌― 過去話\、麻帆良編 そこは運命が始まる場所
作者:佐藤C   2012/05/31(木) 21:45公開   ID:KMxakc4y6G2



 ―――1996年12月24日。薄く積もる雪で白く染まった、冬の麻帆良。

 義妹いもうとが暮らす女子寮からの帰り道で―――少年は、黒い異形達に襲われた。
 しかし彼は臆して怯む事はなく、冷静な判断で彼らに背を向けた。その「何か」から必死に逃げる。
 そんな努力を嘲笑うように、翼を広げた異形達かれらは走る少年に容易く追いつく。
 月明かりを遮る陰でそれを知った少年は、背後へ振り返るその瞬間に己の死を覚悟した。


 ――――透き通った音が、聞こえた。

 異形は、氷の彫像オブジェになっていた。

 次いで鳴るのは、何かが風にはためく音。
 満月を背負い、黒い外套が揺れている―――其処に悠然と立っていたのは。


 金糸の髪を靡かせて、冬の街に降り立つ小さな魔法使い。


 彼女が何か呟く毎に、光が奔って化け物共が凍りつく。
 封印されている・・・・・・・とはいえ、彼女は圧倒的だった。


『フン、他愛のない。数だけの雑魚が私の手間を取らせるな』


 少年にとって―――その少女は鮮烈だった。
 彼は少女に夢を見て。少女と同じ「魔法使い」になりたいと強く願う。


「俺は…弱い自分が大嫌いだった。大切な誰かを守れる力が欲しかった」

「だから俺は憧れたんだ。エヴァンジェリン・A・K・マクダウェルの強さに。
 いつか彼女のように、いつか彼女に……並び立てるような存在になりたいと―――」





 ◇◇◇◇◇



 1998年、過日……雪降り頻る12月25日。


『私が憎ければ追って来なさい…………魔法世界ムンドゥス・マギクスまで』




 そして2001年、8月末日。


「………フ…フハ―――ハハハハハハハハハハハッ!!
 見事、見事だコノエシロウ! まさかあの少年がここまで成長して来るとは!!」


 聖剣と摂理の鍵で地面に縫い付けられ、脱出も再生も出来ない吸血鬼はただ叫ぶ。
 ……後はとどめを刺すだけの、死に体の男の姿だ。


「いいだろう私を殺すがいい!!しかし努々忘れるな。私は人間ではないが…君が一人の命を奪うことには変わりない!!
 歓迎するよシロウ!君もめでたく人殺しわたしの仲間入りだ!!
 殺すことで君のその手は血濡られて、奪った命で君の心は縛られて、犯した罪で君の魂は穢れるだろう!!
 君は決して―――私の呪縛から逃れられない……っ!」


 カリバーンとデュランダルを新たに一本ずつ投影し、吸血鬼の頭と心臓に突き刺した。
 シロウと呼ばれた少年はそのまま一足で後ろへ跳び退く。



君は決して―――私の呪縛から逃れられない。そう、決して!!
 ハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!!



「――――――壊れた幻想ブロークン・ファンタズム


 魔力の暴発で吸血鬼の身体は四散し、その肉体は二度と再生しなかった。




 ◇◇◇◇◇



 数日後……。


 ―――ザァ……ッ

 群青色の海と、それに面した港が見える。港から続くなだらかな斜面に沿って、白亜の建物が建ち並ぶその様は秀麗だ。ヨーロッパの港町のようにも見えるが…実は違う。
 ここは「夢の国」、「魔法の国」、「新世界」と呼ばれる場所。
 魔法が満ちた世界…「魔法世界ムンドゥス・マギクス」である。

 その町の小高い広場、塀の上。そこに腰を下ろして港を眺める赤髪の少年がいる。
 …いや、彼は何も見てはいない。その目に何も映していない。
 心ここに在らず、彼はただ虚空に視線を飛ばしていた。


「ったく、いつまで腑抜けてんだテメエは」


 その声を発しながら、広場の入口から大男が歩いてきた。
 長身で大柄、筋肉質な褐色の体を持つ金髪の男。頭に赤色のバンダナを巻いている。

 その正体は18年前の大戦で魔法世界を救った英雄、「紅き翼アラルブラ」の一人。
 最強の傭兵剣士、「千の刃の男」ジャック・ラカン。
 今は……広場で黄昏れる少年の師をしている。


「………………。」

 少年は師の声に反応を返さない。
 ラカンは困ったように頭を掻きながら、しかし鋭い目で弟子を見やる。

「ハァ〜……重傷だなこりゃ。
 ………だがよ、お前が言ったんだぜ。―――自分てめえが殺るってな」


 その言葉で、少年の瞳に僅かに感情の火が灯った。

 少年がこの世界へ来たのは、友を殺した男を殺す為に。
 そして――――――――その目的は果たされた。


「…………わかってますよ。俺が決めた事です。その為に魔法世界ここに来たんですから」


 だがそれだけ。言葉を止めれば少年は再び生気を失う。
 その様子を見てラカンは懐に手を入れて、用意した物を弟子に差し出した。

「オラ」
「?」

 少年は何か書かれた紙のようなものを受け取った。

「一週間後の午前9:34分……メガロメセンブリアのゲート通行許可証………?」

「確かイギリスの……ウェールズだったか?そこに通じてるのはメガロのゲートだったろ、確か」

「…師匠?」

 師の意図が読めない士郎は、快訝な表情でラカンを見上げた。

「やっぱ世話の焼ける弟子だぜオメーは。師匠の手を煩わせんじゃねぇよ。いいか、今のお前にゃ休息が必要だ。故郷にでも帰って魔法世界こっちでの事は一旦忘れちまえ。
 チケットの代金に利子は付けねえ。――――士郎、必ず返済かえしに来い」


 こうして近衛士郎は、新世界を後にした――――。









 過去話\、麻帆良編 そこは運命が始まる場所









 一週間後…連合国首都、メガロメセンブリア。
 弟子がゲートを通ったのを見届けて、ラカンはゲートポートを出た。


「……よお、これで満足か?」

 ラカンがそう言うと、彼の後ろにスーツ姿の女性が姿を現した。

「ドネット」

 彼女は本国…メガロメセンブリアの魔法使いであり、メルディアナ魔法学校校長の「魔法使いの従者ミニストラ・マギ」である金髪の美女……ドネット・マクギネス。
 ドネットは腕を組んだままラカンに答えた。

「それは貴方が決めることでしょう、私は貴方の相談に乗って意見を述べたまでよ。
 …でも意外ね?貴方なら力づくでなんとかしてしまいそうだけど」

「ああ、普段のオレ様なら一発ブン殴って喝を入れてやるトコなんだが………今のアイツじゃ、それだけでおっんじまいそうな気がしてよ」

 そう言いながら肩を竦める彼にドネットも頷いた。

「私もあの子がこんな所で抜け殻になるのは忍びないわ。
 近衛詠春の養子むすこでジャック・ラカンの弟子………『千の剣ミッレ・グラディウス』の近衛士郎。彼は間違いなく大成する」

「言っとくが、あいつはメガロにゃ付かねーぞ?」

「勘違いしないで。私はマスターの意向に従っているだけよ」

 会話が途絶える。二人は不敵に睨み合い………先にドネットが視線を逸らした。

「そうそう…彼の不法入国記録の末梢と正式な入国記録の偽造、出国申請、チケットの手配……とっても大変だったわ?
 貸し一つにしておいてあげる」

 目を瞑ってそう言うと、ラカンは二ヤッと笑って応えた。

「何だそんなことかよ。だったら今夜にでも返すぜ?」

「結構よ。貴方のお酒好きと女好きは知ってる。飲みにでも行って潰されちゃ堪らないわ。
 それじゃ、また会いましょう千の刃」

 そう言い残し、彼女は颯爽とその場を去って行った。


(……さて……。あの子の心は息を吹き返すかしら)


 赤い髪の少年を思って、ドネットは魔力充ちる空を見上げた。




 ◇◇◇◇◇



 暗い夜には、雲もなければ星もない。
 孤独に佇む満月だけが、街の頭上で輝いていた。


《ぐあぁ!!》


 響く絶叫。異形が一体、また一体と、その白刃に斬り伏せられて還っていく。


「はっ――、は……っ!」


《ふむ、ガキの癖に良い腕しとるのう》

 その異形……明らかに人間ではない存在は、意外と気さくな声を発した。
 四肢と頭を持つ人型の身体、額から生える角、口に隠しきれない牙。
 人間ひととは異なる色の肌、見上げるほどに大きく屈強な体駆………。

《しかし娘っ子一人相手にするのに、こんな大人数で囲むやなんて気分悪いわ》
《しゃーないやろ、それが命令なんやさかい》

 彼らは日本古来の魔性…「鬼」と呼ばれる者達だった。


《嬢ちゃんホンマ堪忍な。しかしな、嬢ちゃんが素直にココ通してくれるんやったらワシらも手ェ出さんで済むんやで?》

「く……!」

 百体ほどの鬼の軍勢を遮るように立ち向かう、たった一人の少女がそこにいた。
 野太刀―――刀身が90cmを越える長大な刀―――を構えて息を切らす彼女の名は、"神鳴流剣士"…桜咲刹那と言う。



 この戦いの舞台は、埼玉県麻帆良市の麻帆良学園にあった。
 世界有数の学園都市…しかしそれは表の顔に過ぎない。

 麻帆良学園の正体は、メセンブリーナ連合の盟主国家「メガロメセンブリア」の下部組織…魔法使いマギステース日本支部。別名を「関東魔法協会」と言う。
 この組織に恨みと因縁を持つ魔法使いや、古来より因縁のある陰陽術師によって…麻帆良はたびたび外部からの危機に曝されていた―――。


(今夜はツイていないな……おそらく偶然だろうが…今日はこの区域に襲撃が集中している………!)

 刹那が戦うこの場所は、麻帆良の端と接する森林。
 その中の開けた場所で、彼女は密かに冷や汗を流していた。


《気ィ抜いとる場合ちゃうで!》

「!!」

 肩で息をするほど疲労し、気づかぬうちに集中力を削がれた刹那は咄嗟の反応が致命的に遅れてしまう。

(しまっ…!)

 数体の鬼が刹那に迫り、先頭の一体が大剣を振り下ろす……!



《………あ?》

 身に起こった光景げんじつに、鬼が呆けた声を出す。
 振り下ろした彼の腕が……肘から先が無くなっていた。
 何かに抉られ千切れ飛んだ。


《なっ――なんやコラぁ!?》


 何が起こったか理解できないその鬼は絶叫し、刹那と他の鬼達は無意識に動きを停める。
 瞬間。片腕を失った鬼に―――


 ―――――ズドォオン!!!


 突如乱入した…落下してきた人物に、その場の全員が呆気にとられた。
 風に揺れる赤い髪、はためく黒いロングコート。
 黒塗りの弓を左手に握る、その青年はいったい何者か。

 先の轟音。それは青年の右手が、自分より遥かに大きな鬼の頭を鷲掴みにして、力任せに地面に叩きつけた衝撃だ。
 その鬼は今、ピクリとも動かない。


「こいつら、全員敵か?」
「………え?」

 突然の闖入者に、突如投げかけられた問い。
 刹那は疑問符を浮かべながらも何とか声を絞り出した。


(………あれ、この人…………?)

 そして同時に彼女は、青年に妙な既視感を抱いた。

「…どうなんだ?」
「え、あ…はい。一応全て、排除すべき敵ですが………」


(――って、ハッ!? わ、私はこの得体の知れない男に何を無防備に……!!)

 困惑する刹那を尻目に、彼女と己を取り囲む軍勢を一瞥する青年。
 直後彼は、刹那を三度みたび絶句させる言葉を吐いた。


「じゃあここにいる化け物全員、倒して構わないんだな」


「………………は?」


 刹那はただ、呆然とした。


《…ナメとんのかごらぁぁああああッ!!!》

 突如として轟く怒声。先ほど青年にやられた筈の鬼が起き上がり、残った左の剛腕を青年目掛けて振りかぶった。

「危な……っ!!」

 結果を言えば、刹那の心配は杞憂だった。


《……な…っ》

 鬼の拳は青年のに阻まれた。備え付けられたナックルガードが人外の剛腕を防ぎきる。
 そして彼はそのとき既に、拳を受け止めた体勢のまま矢を番え――敵の眉間に狙いを定めていた。

 だが「それ」を矢だと思った者は、この場でその青年以外にいなかっただろう。
 彼が番えていたモノはどう見ても――――"剣"だったのだから。


 ―――ドギュア゛ッ!!!


 骨が軋む音。放たれたは当然のように、鬼の頭蓋を貫通した。


「弓使いと甘く見たか?弓術には接近戦用の技がある、それと同じだ…覚えておけ。
 真の弓兵は、接近戦でも負けはしない」

 鬼も刹那も、青年が弓を持つから勘違いした。「彼は弓兵だ、だから接近戦は不得手だろう」と。ただ彼は……弓兵でもない。
 そう、彼は。


投影、開始アデアット

 青年の左手から弓が消え、代わりに身の丈を越えるほど巨大な―――いわおの如き鉛色の斧剣が現れる。
 風穴を空けられた鬼の姿が薄れていく中、未だ様子見に徹している他の鬼達に、彼は右手で手招きして言い放つ。


「来いよ。ちゃんと全員滅ぼしてやるから」


 彼は魔法使い、『千の剣』ミッレ・グラディウスの―――――――――――衛宮士郎。


《…は。よう言った兄ちゃん》
《ワシらをそんじゃそこらの奴等と一緒にすんなや?》

 士郎の挑発に血を滾らせる、千万無量のつわもの達。
 昂る戦意と高揚する気勢が、周囲一帯に熱気となって吹き荒ぶ……!


投影、装填スプレーメントゥム・イルシオー

 九つの斬撃だんがんを装填する。だがそれでは敵の軍勢を殺しきれない。
 ――― 一撃の下に叩き伏せる。九発では到底足りない。


《ウォオオオオオアアアアアアアァァァァァァァッ!!!》

 殺到する軍勢から先駆けて飛び出した数体が、各々の得物を振り被る。
 大英雄の斧剣を握る士郎は、重荷を抱える不利の一切を無視して、一足で数メートル後退する。
 しかし異形の者達も、その程度で標的を逃がしはしない。容赦なく追撃される。


『――――― 一秒』

 再び周囲を取り囲まれ、刀、槍、斧、棍棒…暴力の嵐が士郎目掛けて吹き荒れる。
 だが士郎かれは、回避不可の破壊の暴威を涼しい顔ですり抜けた。
 鬼達かれらは気づかない。それは自分達の攻撃が誘導された結果だと言う事に。
 自分達は、彼がわざと作った隙を突くように仕向けられた…士郎が望んだ場所に攻撃を見舞ったのだという事に。

 士郎は左手に持つ巨重を、抱えた右肩から静かに持ち上げる。


『―――――二秒』

 ヘラクレスの宝具「射殺す百頭」、それを形作るのはヒュドラ殺しの伝承だ。
 ヒュドラは九つの首を持つ…それを同時に全て射殺した故の神速九連撃ナインライブズ
 だがこの神話は、九頭竜ヒュドラは……百頭竜だったとする異説を持つ。

 ――ならば。
 幻想を曲解する。宝具の骨子を歪めて曲げろ。神秘の器を壊して拡げろ!


『―――――三秒』


装填、完了スプレーメントゥム・エクスプレート

 脳裏でガチリと撃鉄を上げる。言うまでもなく、装填数は、百撃――――――――――!!



「―――――――――――――――――――是、射殺す百頭ナインライブズブレイドワークス


 百重の軍勢は、たった一人に駆逐された。





 ◇◇◇◇◇



<殺すことで君のその手は血濡られて、奪った命で君の心は縛られて、犯した罪で君の魂は穢れるだろう!!>


 あれ以来、自分の手が赤黒く見える。どす黒い血の色だ
 あれ以来、鏡で自分を見る度に、昏い昏い影が見える。殺した男の嗤う姿だ


<君は決して――――――私の呪縛から逃れられない>


 怖くて仕方なかった。恐ろしくて堪らなくなった。力を、魔法を、魔術を使うのが。
 人を■せる力が、俺の裡に存在するということが。



“そもそも俺は―――――何で魔法使いになりたかったんだっけ?”



 何処に向かえばいいのかも分からなくなった。

 師匠に言われて……何処に行こうか考えた時。
 士郎じぶんが最初に思いついた場所は………実家の京都ではなく、何故かここ麻帆良だった。


 妙な気配に気が付いた。厄介事だと解っていても探さずにはいられなくて。
 見つけてみれば大量の化け物と、それに立ち向かう女の子の後ろ姿。

 だというのに、俺は怖いままだった。
 この「力」を使ってしまう事が、恐ろしくて堪らない。

 情けなくて唇を噛む。
 目の前で女の子が危ない目に遭っているのに、助けることさえできやしない。
 葛藤のなか立ち尽くしていた時、ふと…その女の子の顔が見えた。



「―――――」



 ――――せつな。刹那。桜咲―――――――刹那。


 瞬時に、無意識に、記憶がフラッシュバックする。

 義妹の木乃香が。幼馴染みの刹那が川で溺れた時のこと。

 実の肉親を失って。でも俺は独りぼっちで生きていて。
 二人が川に流されて、姿が小さくなっていくのを見て――――



 気がつけば、士郎の手には弓とが握られていた。


「………!!」


 怯えていたのは心だけ。迷っていたのは心だけ。
 身体はたとえ一度だって、答えを見失っていなかった。


『何を迷う。例えこの手が血に濡れようが、この魂が汚れようが。その果てに、大切な誰かを。
 大事な何かを守れるならば――――』


 ………戦える。これからも頑張れる。



 士郎は弓にを番えた。
 その剛弓は、少女を襲う巨腕の暴虐を穿ち切って吹き飛ばす――――。





 ◇◇◇◇◇



 青年に向かい大挙して押し寄せる軍勢を見て、刹那が助太刀しようと思った時には……戦いは終わっていた。
 それもそのはず。繰り出されたのは神速の百連撃。攻撃は一秒足らずで完遂した。
 剣戟の余波が生んだ暴風は、既に夜風に変わっていた。


「………すごい」

 思わず声が漏れた。彼女が見つめるその先には何もない。…何も無かったのだ。
 辺り一面を覆う程の、夥しい数の鬼。今それらの姿は何処にもなく、抉られた地面だけが……戦いの残滓のみが残っている。
 その大地を削った青年が、刹那の顔を覗き込んだ。

「ッ!!」

 一足跳びで数メートル後退し、彼女は青年に向かって剣呑な声色で問いかけた。


「……何故助けた、何者だ。貴様のような人間が学園にいるとは聞いていない」

 出来るだけ鋭い"気"を込めて睨みつけるが…青年はポリポリと頭を掻きながら、呑気な声で呟いた。


「ああ、やっぱりそうだ」

「………? 質問に――」

「大きくなったな。刹那」


 青年は―――士郎はそう言って破顔した。


「え………」


(………も…もしかして…………?)


 あの赤毛には覚えがある。そして目の前の、この人懐っこい笑みにも―――。


「…………し、ろう?」


 呆然としながらも刹那は彼の名前を口にする。すると士郎は嬉しそうに笑みを深めた。
 二人の再会は………実に八年ぶりだった。


「はは、当たり。やっぱ気づいてなかったんだなー、俺はすぐ分かったのに。
 それにしても……うん、随分可愛くなったな。いや、美人になった」

(………へ!?)

 彼女の幼馴染みは刹那を見ながら、顎に手を当ててうんうんと頷いている。
 そのなんら飾り気のない直球な言葉に、刹那は自分の顔が一気に熱くなるのを自覚した。

「い、いやそんなウチなんか―――…そ、それに士郎かて背が伸びて格好良くなって……ってウチなに言うとるん!?」

 刹那は髪を振り乱し、顔を真っ赤にして錯乱した。



其処の男、貴様 何者だ?


「「!?」」

 何者かによるその声は、木々の陰から森の中に響き渡った。


(誰だ? 声が異様に高い。女―――いや子供?)

「この声は………エヴァンジェリンさん!?」


 闇から現れ出でたのは。
 月光を受けて輝く金糸の長髪。身に纏うのは漆黒の外套。
 その容姿は…………10歳程度の幼い少女のものだった。


「…で、刹那。いつまでイチャついているつもりだ?」

 彼女はからかう様に刹那をチラリと半目で見た。


「イ…!?な・何を言うんですか!!わ、私は別にイ、イチャついてなど……!!」わたわた

「『ああ、すっかり美人になったな』『アナタもとても格好良くなって……』
 ……ああ吐き気がする。これのどこがイチャついてないというんだ」

「うっ!? うう………」

 全く反論できず、刹那は耳まで真っ赤にしながら涙目で士郎を睨んだ。

(…いや、なんでさ?)

 ただし士郎は、その理由が全く分からなかったが。


「……ではそろそろ本題に入ろうか。―――そこの男。貴様一体何者だ?」

 エヴァンジェリンは殺気を込めて士郎を睨んだ。




 ◇◇◇◇◇



 エヴァンジェリンは森に、自分の近くに大量の"気配"がするのに気づいていた。
 警備の魔法先生や魔法生徒が出張るだろうと静観していたが、何時まで経っても気配が消えやしない。
 今宵が満月―――僅かに魔力が回復する日―――ということもあり、業を煮やして自ら出向いてみれば。

 視線の先には、圧倒的な力で鬼を屠る男。
 彼女はその人物が、久しく見ない"本物"だと直感した。


(……いや、それは色目で見過ぎか。…だがいずれ、アイツは必ず"本物"に届くだろう)


 だが、彼が何者かだけは確認しなければならない。
 機を窺って、エヴァンジェリンは木の陰から声を発した。



 ・
 ・
 ・



「そこの男。貴様一体何者だ?」

 エヴァンジェリンは底冷えする殺気を籠めて士郎を睨む。
 だが士郎はそれに構わず、エヴァンジェリンを食い入る様に見つめていた。


 ―――それは士郎が初めて見た、最初の魔法使い。
 彼女に瓜二つ……いや、間違いなく彼女だと士郎には解った。


(…馬鹿な………アレはもう何年前だと……!? 何であの時のまま―――)


 その答えは、ほんの数日前に士郎が殺した男が持っていた。
 ―――――"吸血鬼"。


(吸血鬼で、少女………子供………!?)

 そこに思考が及んだ時、士郎の頭はその仮説を導き出した。


 最強種"真祖の吸血鬼ハイディライトウォーカー"………『童姿の闇の魔王』。


「………『闇のダーク……………福音エヴァンジェル』………!!」


 呻く様に漏れ出た声は、隠し切れない驚愕に染まっていた。


「ほう?よく気が付いたな。いや誰かにでも聞いたか?
 まあいい…そう!この私こそが悪の大魔法使い―――『闇の福音ダーク・エヴァンジェル』!!
 ふふん、この偉大さが解るか?」

 腕を組み、嬉々とした表情で彼女は名乗りを上げた。封印された弱体状態ロリロリにも関わらず、初見で見破られた(見抜いて貰えた)ことがよほど嬉しいようである。
 しかしその高揚も…彼がとった行動に押し流されてしまうのだが。


 ―――ド…ザッ!


「「!?」」

 刹那とエヴァは思いもよらぬ光景を見る。
 エヴァが誇らしげに名乗った直後、士郎が―――地面に膝をついて土下座した。


「―――お願いします。俺を…貴女の従者にしてください」



 この後、紆余曲折を経て…
 士郎は「従者候補その一」としてエヴァの家に居候を始めることになる。

 そしてこの夜からおよそ一年後、彼は正式にエヴァンジェリンの従者となるのだが―――それはまた別の話。




 ◇◇◇◇◇



 衛宮士郎が麻帆良学園に帰還した。

 彼は幼馴染みの少女・桜咲刹那と再会し、運命の主人・エヴァンジェリンと出会いを果たす。
 現在、2001年9月。
 運命が始まるその時まで………あと17ヶ月。








<おまけ(※長文注意)>
「士郎がエヴァファミリーに馴染むまで」

 今話ラストの直後、エヴァンジェリン邸―――。

エヴァ
「そうだな、お前の寝床はここでいいか」
士郎
「…えと、ここって倉庫…」
エヴァ
「部屋の用意ができるまでだ、我慢しろ」

エヴァ
(封印された今の私の従者になどなっても、利益など無いに等しい。
 どうせすぐに出て行くだろう。ま、ウチに居る間は精々こき使ってやるか)


 ―――三週間後。

エヴァ
「…次は別荘の掃除でもして貰おうか」
士郎
「ああ、わかった」

茶々丸(起動したての頃)
「マスター。士郎さんへ命じる雑事の量が、人ひとりに与える範囲を超過しています。
 一般的に言うならこれは重労働、もしくは苦役にあたります。よろしいので―――」

エヴァ
「………煩い、わかってやっているんだ」

エヴァ
(……すぐに音を上げると思ったんだが。
 むしろ嬉々として家事をこなしている様にすら見えるな………ブラウニーかアイツは)

士郎
「〜♪(キュキュッ)」←鼻歌を歌いながら窓を拭く主夫


 ―――二ヶ月後。

茶々丸
「なるほど…調理次第で臭みのある食材も美味しく作れるのですね。
 いつもご指導ありがとうございます士郎さん、私は味覚をデータとしてしか捉えられないので…」
士郎
「そんなこと気にするなって。さてそれじゃあ、
 アイツが嫌いなネギとニンニクをどう食事に混ぜていくか考えようか」

エヴァ
(………随分と親しくなってるな、あいつら…。
 そして茶々丸がどんどん人間らしく……というか聞こえてるぞ貴様ら)


 ………三ヶ月後。

エヴァ
「…………ふむ」
茶々丸
「………。」
士郎
「………」
チャチャゼロ
「……」

エヴァ
「………うむ、美味い。成長したな茶々丸。
 洋食は完全に士郎を越えたと言っていい。とても美味だった」

茶々丸
「ありがとうございます、マスター(ペコリ)」
士郎
「よかったな茶々丸!…ちょっと悔しいけど」
チャチャゼロ
「ケケケ、ヤッタジャネーカ茶々丸。美味イ酒ノ肴ヲ期待シテルゼ。
 ヨシ士郎、テメーハサッサト祝イ酒ヲ開ケヤガレ」


 五ヶ月後。

エヴァ
「………名前を変えたそうだな。新しい名は……“衛宮”と言ったか」
士郎
「ああ。変えたというより戻したって感じだけどな。
 いつまでも近衛家に世話になる訳にはいかないし、この機会に籍を抜いてきた。
 これ以上迷惑かけてられないよ」
エヴァ
「………そうか」

エヴァ
(…お前は本当に馬鹿だな、士郎)

 ―――近衛詠春に、近衛木乃香。

エヴァ
(アイツらが、迷惑などと思うハズが無いだろうに―――)


 半年後。

エヴァ
「……何だ、今日は遅かったな…、!? おい、お前その血はどうした!?」
士郎
「ん?ああ、ちょっとヘマしちゃってさ、一撃貰っちまっただけだ。
 掠り傷だから心配するな」
エヴァ
「誰がお前の心配などするか!
 茶々丸、地下室に入って右から二番目の棚、上から三段目の瓶を全部持って来い!!」
茶々丸
「わかりました。取り急ぎ用意します(パタパタ…っ)」

士郎
「え、いや大丈夫だって。そんな大袈裟な――」

エヴァ
「黙れ。いいからとっとと座れ。
 世話を焼かれるのが嫌だったら怪我なんぞ持ち帰るな!
 何をボサッとしている!傷口が見えんだろう上着を脱げ!!」
茶々丸
「マスター、魔法薬の瓶を全て持って来ました(ガチャガチャ…)
チャチャゼロ
「ケケケ。オ前ガヘマスルナンテ、ドーセ女デモ庇ッタンダロ」
士郎
「ああ、今日がシフト警備初参加の娘でな。
 佐倉愛衣ちゃんていう将来有望そうな―――」

エヴァ
「……………茶々丸、全部ぶっかけろ」
茶々丸
「イエス、マスター」
士郎
「えっ」

 ばしゃーん

士郎
「――――〜〜〜〜〜ッッぎょわぁぁああああああああああっっ!!?」←傷口に滲みて痛い


 …更に約半年後。
 士郎が「エヴァンジェリンの従者候補その一」になってから一年経った―――仮契約☆直後のこと(笑)

士郎
「………う……ん…?」

エヴァ
(―――びくっ!!)

 士郎に背を向けてソファに座るエヴァンジェリンが、ビクリと肩を震わせた。

茶々丸
「…気が付きましたか士郎さん。どうやらテーブルの角に頭をぶつけて気絶していたようです。
 これを頭の後ろにあててください」

士郎
「ああ、ありがとう茶々丸。痛てて…うわったんこぶ出来てるじゃないか…。
 ……どうしたエヴァ?」

エヴァ
「なっ!?ななな何でもないぞ!!そ、そうだ士郎!ほらっ!!」

 腰を下ろしていた茶々丸から濡れタオルを受け取った士郎は、自分に背を向けてやけに大人しくしているエヴァを訝しむ。
 するとエヴァンジェリンは何故か顔を赤らめながら、ぽいっと放り投げるようにして「それ」を士郎に叩きつけた。

茶々丸
「……あ」
士郎
「これって――…」
チャチャゼロ
「オー」

 それは赤い色調をした、長方形のカードだった。
 赤い革ジャケットと黒いズボンに身を包んだ姿で背を向けて立ち、顔だけが正面を振り返る―――士郎の姿が描かれている。
 ……絵柄の中にアーティファクトが描かれていない真の意味を、この時の士郎はまだ知らない。

 士郎が自分の仮契約カードをまじまじと見つめる隣では、茶々丸がエヴァに生暖かい眼差しを送っていた。

茶々丸
「マスター……(微笑み)」
エヴァ
「っな、何だ貴様その笑みは!何だ!
 何か言いたい事でもあるのかこのロボ子!!(がーっ!!)」
チャチャゼロ
「ケケケ、随分ト乙女ダッタナ御主人」

士郎
「仮契約カード……これでめでたく、お前の従者ってワケだな」

 彼がそう呟くのを聞くとエヴァンジェリンは(頬を染めて)そっぽを向いた。

エヴァ
「…フン。あくまで「仮の」契約だ。使えない奴だと思ったら、いつでも即刻破棄してやる」

 こうして衛宮士郎とエヴァンジェリン・A・K・マクダウェルは、主従の契約を交わしたのだった。


士郎
「ていうか俺が気絶してる間に終わったんだな。
 エヴァがやった仮契約ってどんな―――」

エヴァ「ふんっ!(べちんっ!)」

士郎「…いや、なんでさ?」

 何故かエヴァに頬をはたかれ、士郎は首を傾げるのであった。
 …まあ、威力は微々たるものだったが。


 ―――そして2003年の現在。朝のエヴァンジェリン邸では。

士郎
「おいエヴァ、もう朝だぞ起きろ」
エヴァ
「んん……やだ、眠い…………あぁ士郎、実は今日は臨時休校なんだ…」
士郎
「そんなぺらっぺらに薄いウソを吐くんじゃない。
 ああもう、今日も着替えは後にしよう。抱っこして一階したに下りるぞ?」
エヴァ
「ぅうん……」
茶々丸
『マスター、士郎さん。朝食が出来ました』

エヴァ
「よし。では士郎、行ってくる。行くぞ茶々丸」
茶々丸
「行ってきます士郎さん(お辞儀)」
士郎
「ああ、行ってらっしゃい。二人とも勉強頑張れよー」

 そこに広がる微笑ましい光景は、けっこう色々な経緯いきさつを経ていたのである。



〜補足・解説〜

>彼は臆して怯む事はなく、
 幼少に死線を彷徨った経験から、随分と神経が太くなった士郎少年。彼からすれば、怒った刹那や木乃香の涙の方がよほど堪えるらしい。
 こんな性質の所為か芯までしっかり者なので、麻帆良では教師・生徒問わず信用されており、良くも悪くも周囲から頼られている。…故に貧乏くじを(強制的に)引かされることも。言うなれば白羽の矢がめっちゃ立ってしまう。

>『フン、他愛のない。数だけの雑魚が私の手間を取らせるな』
 満月の日だったので、警備員としてエヴァ出動。そこで彼女は、木乃香と共に麻帆良へ送られた12歳の士郎を助けることに。エヴァが他の悪魔と戦っている間に士郎はその場から逃げたため、記憶を消されませんでした。
 女の子にすべて任せて逃げるとは士郎らしくないかもしれませんが、過去の出来事に起因してこの小説の士郎はそこらへんの思考が冷静です。「自分の様な無力な人間がいても足手纏いになるだけ」と判断しました。
 逃走中に偶然盗み聞きした内容から「近右衛門は魔法使い」という事実に辿り着いた士郎は、彼に「自分も魔法使いになりたい」と打ち明ける。
 このあとみっちり英語の勉強をさせられ、士郎は初等部卒業後にメルディアナ魔法学校に留学することになり―――過去話U〜Wのストーリーに繋がっていく。

>カリバーンとデュランダル
 カリバーンはエクスカリバーと同一視される場合もある剣ということで、ここでは聖剣扱い(捏造設定)にしています。

絶世の名剣デュランダル
 フランスの叙事詩『ローランの歌』に登場する、聖騎士ローランが持つ聖剣。
 決して折れないという逸話から「不滅の聖剣」とも呼ばれている。
 某最強の聖剣が持ち主の魔力に依存して能力を発揮するのに対し、この剣は使用者の魔力が尽きても切れ味を落とさない。
 21世紀を先取りし、環境に優しくエコロジーな省エネ聖剣なのである。

>吸血鬼の身体は四散し、その肉体は二度と再生しなかった。
 ボールドウィン・コーンフィールドさんとの壮絶なバトルは割愛されました。苦情は受け付けません。というかあの人に需要なんて無いでしょきっと。

>群青色の海と、それに面した港が見える。
 言及しておきますと、この港町は原作に登場する「漁港都市ニャンドマ」ではありません。帝国領付近の漁港という設定です。

>私はマスターの意向に従っているだけよ
 ドネットは、士郎を心配する校長の指示で動いてます。
 士郎の動向はラカン→詠春→近右衛門→校長と、実は一部の関係者には実は筒抜けだったという事実。木乃香は本当に心配してたんだよ、士郎…。

投影、装填スプレーメントゥム・イルシオー
 =Supplementum illusio.
 ラテン語で「幻想の供給」の意。

>自分達は、彼がわざと作った隙を突くように仕向けられた…士郎が望んだ場所に攻撃を見舞ったのだという事に。
 士郎は左手で持った斧剣を右肩に載せているという隙だらけな格好なのに、そんな誘導なんてできるのかと言われたら……作者は黙るしかないです。
 …いや、アーチャーから受け継いだ経験・技能と、ラカン師匠に施された凄絶な修行の成果なんだよきっと!

>九頭竜ヒュドラは……百頭竜だったとする異説を持つ。
 九や百どころか、五つしかなかったとする説もあります。やだそれしょぼい。
 というか「一度死んだ首は二つに増えて再生する」という逸話もあるので、ヘラクレスは相当苦労した…じゃなくて。最初は九頭だったのが、戦ってるうちに百頭に増えたとかそういうオチだと思います。
 ちなみにヒュドラの兄弟にあたるラドン(ラードーン)は火を吐く百頭竜。火を吹く兄と毒吐く弟……おい神々、なんてモン育てやがった。

>幻想を曲解しろ。
 Fateで言う魔術って「概念」が重要で、また自己暗示が強く影響するので、拡大解釈やこじつけ等の融通が効くと思うんです。
 特に士郎の魔術なんて、思い込みが強く左右するというか。

装填、完了スプレーメントゥム・エクスプレート
 =Supplementum expleto.
 ラテン語で「供給の完了」の意。

>装填数は、百撃―――――――!!
 公式では「九連撃」なのに、格闘ゲーム等では普通に百連撃(100HIT攻撃)になっている「射殺す百頭」。
 だから二次創作でも(たぶん)許されるハズ…!

>君は決して――――――私の呪縛から逃れられない
 死してなお士郎を囚えようとした男、コーンフィールド。
 しかし刹那への愛で開眼した士郎は見事、彼の呪縛を超克した!!(言い方に語弊がある気がする)

>攻撃は一秒足らずで完遂した。
 それが英霊クオリティ。そしてそれを再現する士郎さんパネェ。

>だがいずれ、アイツは必ず"本物"に届くだろう
 「魔術」という異分子を主力にする士郎は既に邪道を歩んでいると言えますが…「強さ」という点では充分見込みがある模様。

>茶々丸(起動したての頃)
 この頃はまだ、茶々丸が0歳と5ヶ月ほどという時期です。

>士郎「ていうか俺が寝てる間に終わったんだな。
 士郎が気絶しているのをいい事に、その間に「済ませて」しまったエヴァでした。士郎はまさかキスされたとは思ってません。まあ知った所で大して気にしないのですが。
 ※この小説では、仮契約はキス以外にも複数の手段があるという設定です。原作ではそこらへんどうなのかよくわかりません。

>「ケケケ、随分ト乙女ダッタナ御主人」
 いつも通り(原作でネギにキスした時のよう)に軽くキスすればいいだけなのに、要らん事を考えてしまい、エヴァは士郎が気絶してから仮契約成立まで数分かけてしまったという設定。そしてそれの目撃者がチャチャゼロである。
 傍から見て彼女がどんな様子だったか、それは読者様の妄想…もとい想像にお任せしますw



 次回、「ネギま!―剣製の凱歌―」
 物語は遂に原作へと舞い戻る!

 第二章-第12話 修学旅行編 一日目・上(仮)

 それでは次回!

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 今回で過去編がようやく終了です。
 次回から皆様待望(?)の修学旅行編が始まります。ご期待ください。

 それでは次回。
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