と、言うわけでやって参りました魔改造計画の実施コーナー。
え?前話のシリアスな引きはなんだって?
ふん、知らんな、そんな小さなことは!
いま大切なのはまりもの未来!
そのために必要なことは塵芥にすぎぬわ!
そんなこんなで、7歳のまりもの情報は次のようになりました。
基本情報
名前:神宮司 まりも
性別:女
年齢:7歳
身長:120cm
体重:25kg
身体能力情報
筋力:60(140)
体力:120(140)
俊敏:118(140)
器用:102(140)
感覚:82(140+200)
知力:122(140)
精神:113(140)
通常技能情報
・語学:327
・勉学:827
・教養:198
・家事:92
・剣術:91
etc…
特殊技能情報
・狂犬(Ver.Ex)
・狂犬(Ver.AL)
・思考制御
・思考高速化
・思考並列化:LV2
・感覚強化:LV2
『思考制御』はともかく、『思考高速化』と『思考並列化:LV2』を取得させたときのまりもの反応は。
「ふえええ?!?!?!?」
だったが、まあ、気にしない気にしない。
当面の課題は『気錬成』、『気制御』を見つけさせるために、感覚を磨くことなんだが、いかんせん上限値の壁が立ちはだかっているため一足飛びにはいかない。
というわけで、特殊技能『感覚強化』をつけることにした。
もちろん、自分で検証を行ってからになるんだが。
結果として特殊技能『感覚強化:LV1』で消費経験値が1,000、感覚の最大値+100と言う実にしょぼい結果がわかった。
1,000も経験値使って、+100かよ。
そうやって考えると、『身体強化』の破格さがよくわかる。やはり『気錬成』と『気制御』は一刻も早くまりもに身につけさせる必要がある。
とりあえずもう2,000使って『感覚強化:LV2』を取得。
ここでちょっとびっくり。てっきり+100かと思ったら+200になって、『感覚強化:LV1』の効果と重なって合計+300となった。
この法則がそのまま生きてくるなら、『身体強化』とかってすごいことにならないか?
まあ、いい方向によくなるんだからいいんだけど。
というわけで600の経験値を使って、『感覚強化:LV2』をまりもに取得させた。
これで感覚を300まで育てることが可能になった。
よしよし、幸先がいいぞ。
それにしてもいいなあ、おれなんて経験値を3,000も消費したんだぞ。
「ね、ねえ、りゅうやくん。ここってがけの上だよね?」
「おう、そうだな。断崖絶壁の上だな。ここで瞑想すると、感覚と精神が養われるんだ。一石二鳥だぜ!」
「ふえええ、またりゅうやくんがわけのわからないこといってるよう」
そんなこんなで、まりもの修行中だ。
瞑想はいい、実にお手軽に感覚を磨くことができるし、精神も少しだけど成長する。
しかも場所を選べば効果は抜群だ!
『感覚強化:LV2』を身に着けたまりもを、おれは取って置きの修行場に連れてきた。
最初は、
「りゅうやくんとピクニック?うん、いいよ」
とニコニコしていたまりもも、険しい森の中を突き進むにつれ、次第に怪訝な表情になってきた。
そして最後には、
「ね、ねえ、りゅうやくん、あたし帰ってもいいかな?」
と言い出したのだが時すでに遅し。
おれたちは、すでに修行場についていたのだった。
ふふ、まりもくん。君はいつもワンテンポ遅いのが悪いところだな。
「ふえええ、精神集中なんてできないよう。こわいよう、こわいよう」
「大丈夫だまりもん。ほら、おれが隣にいる」
ぽん、とまりもの頭に手をおく。
まりもが座禅をくんでいるよこでおれも座禅を組んでいた。
これが断崖絶壁のまさに崖っぷちで行われていなければ心温まる光景なんだろうけどな…
「う、うん」
たんじゅ、もとい、純粋なまりもはすぐにおれの言うことを聞いてくれた。
まあ、『思考制御』のおかげもだいぶあるだろうけどな。
これらの能力のことは簡単には説明してあるが、詳しいことは説明していない。
何せまだ小学生だ。詳しくし説明したところで完全に理解できるとは思えない。
詳しい説明は、もうちょっと知力があがってからだな。
かたや瞑想しつつ、かたやほかのことを考える。『並列思考:LV2』の恩恵だ。
ちなみに両方の思考を瞑想状態にすると、効果が1.5倍になることが実証済みだ。2倍でないところが意外とせこいな。
もちろんまりもには、すべての思考を瞑想に向けるようにいってある。
『気制御』のためには、武術系、しかも精神制御に重きをおく流派の修行が必要になってくる。
これについても効率のいい方法を探さないとな。
運命の日まであと19年。果たしてどこまで出来るのか、どこまで抗えるのか。
そしておれが運命に抗うことでこの世界にいかなる影響を与えることになるのか。
それが他の不幸の上に成り立つ選択だった場合、おれはその重責に耐えられるのか?
すべては未来の話。確定していないおぼろげな蜃気楼。
いまこのひとときは、それを忘れよう。
手の平から伝わる温もりを守るため、ただそれだけのために。
それだけを胸に。
おれはすべての思考を瞑想に没頭させた。