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インフィニット・ストラトス・クン・ポケット 第四球 義兄と甥と野球と
作者:作者   2012/07/09(月) 00:43公開   ID:Kj5KwqVsk/2
「一真兄! 外部顧問で男子野球部って!?」

一夏が一真に問いかける。

「そのまんまの……ん? お前はか……なわけないか」
「やんす?」

一真に見られた荷田は首をかしげた。

「まぁ、何だ……千冬ちゃ……千冬だけに働かせて家にいるっていうのもね」
「プロ引退してから仕事してないのか……」
「ま、千冬ちゃ……千冬がお願いしてきたっていうのもあるし……それに……」
「やんす?」

こんどは平次の事を一真は見る。

「まぁ、いい。まあいい、それは後にして……自己紹介だ」

そう言って一真が手を挙げる。

「よし、俺の名前は織斑一夏。野球で天下を取る男だ! よろしく!」
「オイラは山田 平次でやんす」

一夏と平次が自己紹介をする。

「僕の名前は佐藤 純一って言うんだ。よろしく頼むよ」
「……顔で気がついてたが……因果なことだ」

純一の顔を見て一真は一瞬、何かを殺したいのかという顔になる。

「今はいいや……千冬ちゃんもいるし……」

そう言って一真はうつむいた。

「俺の名前は赤坂 将史。よろしく頼む」
「あの赤坂の従弟だそうだな。俺もプロでは苦労させられた。お前も同じようになるべく頑張れ」

一真はうんうんと頷く。

「オイラは荷田 幸浩でやんす。よろしくでやんす」
「おまえはなんか信用できなそうな顔をしているな。あとニキビと……」
「なんかオイラだけ扱いが悪すぎるでやんす」
「気にすると負けだ。というか俺が気にしすぎている」

そう言って一真は名簿に目を回す。

「まぁ、今はこの5人だが近くに4人ここに来るという予定になってはいるが……なんかISに乗れる男が少ないので一年生の9人だけで頑張ることになる」
「9人で、でやんすか」
「厳しいなんて話じゃないなこれは……」

全員がざわつきだす。

「まぁ、いざとなりゃ女子に来てもらうってのもあるんだが……男子野球部って名前が付いてるしなぁ」
「普通に女子の野球部もあるでやんすか?」
「まぁな。普通女子はソフトなんだが……ここは普通じゃないからいろいろあるなぁ」

一真は帽子のつばを騒ぎながら呟く。

「とにもかくにも今日は紹介だけと言うことになるわけだが。あと、男子寮の説明をする」
「じょ、女子ばかりのこの学校に男子寮なんてものがあるんでやんすか!? 女子と一緒の寮で暮らせると思ってたでやんす〜」
「下心全開でやんすね。兄ちゃんはこんなこと言わないでやんす」

平次は荷田のことを見下したように見つめる。

「まぁなんだ、ぼちぼち男も乗れるってことがわかってきたから作ったらしい。世の中うまく回るもんだ」
「ですよね」

一真が言うことによくわからないが一夏はうなずく。

「よくわかってない気がするけどとにかく男子寮に行こう。こっちだ」

そう言って一行は一真のあとについていく。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■【改ページ】

「ここが男子寮でやんすか」
「すっごい豪華でやんす」
「といっても女子量より規模は小さいがなぁ」

男子寮を見て一行は盛り上がる。

「大浴場は女子と違ってないから。それぞれ一部屋でシャワーで頑張ってくれ」
「一人ずつ個室とが豪勢だなぁ」
「まぁ、ISに乗れる男が少ないんだから特別待遇ってやつだな」

そう言いながら一真は帽子のつばを触る。

「てなわけで俺は千冬ちゃんの部屋で暮らす手筈だからここでおさらばだぁ〜」
「一真兄……四歳になる十士郎は?」
「十士郎はとりあえず頼りになる知り合いに預けてきた。ちゃんと面倒を見てくれるらしい」

そう言って一真は振り返る。

「なに、俺の友人にコーチに来てもらう手筈になってる。来たら一時帰るさ」

そう言って一真はその場を去って行った。

「て言うか織斑先生子供産んでたでやんすか!?」
「記者会見と時には既に……」
「驚きでやんす……」

平次は口をあけたまま驚く。

「第二回の後だったかな……俺の誘拐未遂とかあったんだけど未遂で終わってよかったよあれは」
「そんな事件があったでやんすか……」

平次はさらに驚く。

「そんでその後に記者会見で一真兄と結婚して……ドイツに行ったんだったな」
「ドイツに?」
「ああ、なんか俺を助けるのに協力してもらったらしく。一真兄もプロ引退したしついて行ってたかな」
「ほぉ〜でやんす」

平次は不思議そうな顔をする。

「でもなんか一真兄はドイツに何か恨みでもあるかのような感じだったな」
「恨み?」
「なんか大丈夫とか言ってたな」
「大丈夫? それがどうドイツとつながるのかわからないでやんす」

二人は腕を組んで悩む。

「っと、まぁとにかく。部屋に行こう」
「知らぬ間に他の面々は男子寮に向かったようでやんす」

そう言われた一夏はあたりを見回すとだれもいない。

「話が長くなったからかな。じゃあ行こうか」
「でやんす」

そう言って二人はそれぞれ部屋に向かった。



次回に続く

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