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IS インフィニットストラトス〜黒騎士は織斑一夏〜 第十三話
作者:AST   2012/07/10(火) 21:13公開   ID:GaMBFwOFFuY
 
  
  一夏とラウラ、両者はアリーナで向かい合っている。
 
 
 

 試合が始まるまで__________3
 
 
 
 「一回戦目で当たるとはな。待つ手間が省けたというものだ。」
 
 
 
 ___________________2
 
 
 
          「そうか……なら」
 
 
 
 ___________________1
 
 
 
           「「叩き潰す」」
 
 
 
 ___________________試合開始
 
 
 
 
                   第十四話
 
 
 
 
 「________ッ!!」
 
 開始直後、一夏はスラスターを最大出力にしてラウラへと突撃する。
 
 「ふん。」
 
 対するラウラも、右手を突きだす。
 
 一夏は、事前に得ていた情報からAICが来ると判断した。
 
 しかし、一夏は即座に瞬時加速(イグニッションブースト)によって上へ飛んだ。
 
 「何ッ!?」
 
 真正面から突撃してくるかに思えた一夏の唐突な、軌道変更に驚く間もなく
 
 シャルの構えるアサルトカノン『ガルム』が火を噴き、ラウラに襲い掛かる。
 
 「くっ、小癪な手を!」
 
 「させん」
 
 後退して間合いを取ろうとするラウラを真上から急襲する一夏と両手に持ったアサルトライフルとアサルトカノンで突撃するシャル
 
 だが
 
 「私の事も忘れて貰っては困る」
 
 一夏の斬撃が『打鉄』を纏った箒の剣に止められた。
 
 「シャル!」 
 
 「うん!」
 
 即座に一夏は鍔迫り合いに押し負ける反動を利用して瞬時加速(イグニッションブースト)
 
 それと同時にシャルも瞬時加速(イグニッションブースト)を行う。
 
 互いの位置が入れ替わり、一夏はラウラ、シャルは箒の相手になる。

 更に入れ替わると同時にシャルの両腕にはショットガン『レイン・オブ・サタディ』が握られていた。
 
 「ッ!?」
 
 即座に相手が入れ替わったと思えば、目の前には二つの銃口が向けられている事に箒の顔が蒼褪める。
 
 しかし、そこで終わる箒では無い。

 「くァ!!!」
 
 咄嗟に身を捩り、剣を振って片方の銃を弾いたのだ。
 
 結果として大幅にシールドエネルギーが削られたが、これで墜ちる事は避けた。
 
 「まさか、耐えるなんてね。流石、一夏の相手をしてきただけの事はあるね」
 
 「そう易々と負ける訳にはいかないからな……」
 
 シールドエネルギーを大幅に削られていても箒の気迫は衰えてはいない。
 
 あの時、箒が諦めるか、ただの一般の生徒であったなら終わっていたのだ。
 
 もし彼女が専用機持ちであったのなら、非常に厄介だっただろう
 
 「相手が一夏じゃなくてゴメンね。」
 
 「なっ、馬鹿にするな!」
 
 切りかかってくる箒にシャルも片手に近接ブレード『ブレッド・スライサー』を展開して応戦する。
 
 シャルは一夏から聞いていた箒の悪い癖を利用したのだ。
 
 一夏曰く『箒は感情面での制御が甘い』
 
 故に挑発には乗りやすく、暴走したり、視野狭窄を引き起こしたりして、攻撃も単調がちになってしまう
 
 そこが箒の致命的な弱点である。
 
 戦場では常に冷静な判断が求められる。
 
 対するシャルは冷静に箒の攻撃を捌きつつ、着実にダメージを与えてゆく。
 
 今の箒は頭に血が上って、冷静な判断を下せない状態ではあるが攻撃自体は激しさを増している。
 
 流石のシャルも気を抜けば、即座に剣撃の嵐に呑まれるだろう。
 
 “もう少し待っててね、一夏。”
 
 箒の相手に神経をすり減らしながら、ラウラの相手をしている一夏に胸の中で語るシャル
 
 
 一方の一夏とラウラの戦いも、白熱したものになっていた。
 
 雪片弐型一本のみで、隙あらば切りかかる一撃離脱戦法をとる一夏
 
 AICで動きを止めようにも中々捕らえられないラウラ
 
 「ちぃ、ちょこまかと!!」
 
 六つのワイヤーブレードが一夏に向かって射出され、それぞれが三次元機動を行いながら襲い掛かる。
 
 「無駄だ」
 
 ワイヤーブレードの隙間を掻い潜ってラウラへと突撃する一夏
 
 AICを発動させようと右手を突き出す彼女へ一撃を加える為
 
 一夏は姉にしか出来ない事を行った。
 
 「_____ッア!!」
 
 一瞬でラウラから瞬時加速(イグニッションブースト)で視界から外れた直後に瞬時加速(イグニッションブースト)で彼女の懐に入る。
 
 『二重瞬時加速(ダブルイグニッションブースト)』これは理論上できない事も無いが人体にかかる負荷が半端では無い

 これが出来るのは世界でも千冬、エレオノーレ、シュライバーの三人位なものだろう。

 「なッ!?」

 ラウラの表情が驚愕に染まる。

 白式の単一使用能力:零落白夜を発動させ、一撃を入れた。
 
 逆袈裟切りを受けたラウラだが、やられていなかった。
 
 「カウンターか……」
 
 一夏が一撃を入れる瞬間、ラウラもワイヤーブレードによるカウンターを入れつつ後退していた。
 
 「くっ、貴様ァ!!」

 激昂したラウラがAICを発動させようとするも

 「させないよ!」
 
 横からの弾幕によって阻まれた。
 
 シャルが一夏の隣に並ぶ
 
 「シャル、箒は?」
 
 「お休み中だよ」
 
 シャルが視線を送った先には、アリーナの隅で悔しそうにしている箒の姿があった。
 
 「流石だな。」
 
 「ありがとう。でも、僕の助けはいらなかったんじゃない?」
 
 「そうかもな」
 
 シャルと共にラウラへと突撃する一夏
 
 「調子に乗るな!!」

 プラズマ手刀を展開しながら、AICで動きを止めようとして来るラウラだが、片方を止めようとすれば、片方が阻止してくる為に完全に押されていた。
 
 そして一夏最速の刺突攻撃がラウラの腹に突き刺さった。
 
 「ガハッ!!」
 
 その衝撃で大きく吹き飛ばされるラウラ
 
 “こんな…こんな所で負けるのか、私は…!”

 意識が朦朧として行く中でラウラは思った。
 
 “私は負けられない!負ける訳にはいかない!!”

 彼女の脳裏に浮かぶのは、自分の教官であった頃、弟の事を話す織斑千冬の表情
 
 その表情は自分の憧れであるモノとは全く違った。
 
 “敗北させると決めたのだ!あの男を!!”
 
 ならば、こんな所で負ける訳にはいかない。
 
 あの男を倒す為の力が欲しい
 
 その時、声が聞こえた。
 
 
 “君は力を求めているのかな?”
 
 
 “そうだ。”
 

 “何物にも負けぬ力を望むのかな?”


 “言うまでもない、力があるのなら、それを得られるのなら、私など…空っぽの私など、何から何までくれてやる。だから、力を……比類なき最強の力を寄こせ!”


 “では、差し上げよう”



Damage Level・・・・・D.

Mind Condition・・・・・Uplift.

Certification・・・・・Clear.


《 Valkyrie Trace System 》・・・・・・・boot.


「AAAAAAAAAAAAAAAAAAHHHHHHHHHH!!!!!!!」

 

「何だと?」

「ッ!?い、一体何が!?」
 
 突如、嘗てのシュライバーを思い出させる絶叫が響き、一夏とシャルが眼を見開き、その光景を見る。
 
 ラウラのISの装甲がぐにゃりと溶け、どろどろの水銀の様な物になってラウラを飲み込んで行った。
 
 無意識に一夏は憎悪の感情をこめて呟いていた。
 
 「また貴様か……カール・クラフト……」
 
 雪片を握る拳に力が籠る。
 
 更にソレの手に握られていたのは
 
 「『雪片』……」
 
 それを理解した一夏は無言で雪片を中段に構える。
 
 「______!」

 次の瞬間、水銀のISが必中の間合いから放った一撃が一夏に襲い掛かった。
 
 「ぐッ___!!!」
 
 雪片弐型で防ぐが、その衝撃で雪片弐型が弾かれてしまう。
 
 そして敵はそのまま上段の構えへと移る。
 
 「____っ!」
 
 一夏に縦一直線の落とすような鋭い斬撃が襲い掛かる。
 
 「ふん!!」
 
 だが、一夏もまた英雄(エインフェリア)なのだ。

 振り下ろされた剣の側面に全力の拳を当てて、軌道を逸らした。
 
 その隙に一気に後退する一夏
 
 すると銀色のISから、あの声が聞こえた。
 
 “成程、単なる劣化品ではこの程度か……”
 
 「カール……クラフト……」
 
 あの万年無表情の一夏の顔が怒りで歪む。
 
 “では、面白いモノへと変えようか”
 
 すると、水銀のISの口が開き、ニタァ…と哂ったかの様に思った。
 
 次の瞬間、ラウラの声でソレは詠った。

 Nur die Person, die die Bewunderung bloß weiß
___ただ憧れを知る者だけが

Ich verstehe meine Schmerzen
___わたしの苦しみをわかってくれるのです

Ich verstehe meine Schmerzen
___あらゆる喜び、幸せから隔てられ

Es wird von jeder Freude, Glück, getrennt
___私ははるか遠くの青い空を見つめています

Wie es! Die Person, die ich mich liebe, und versteht es
___ああ! 私を愛し、わかってくれる人は

Ich bin in etwas abgelegener Stelle nicht zu wissen
___どこかわからない遠い所にいる

Ich verliere das Bewußtsein, wenn ich denke, damit
___そう思うと私は気が遠くなり

Es wird eine Brust gerissen
___胸をかきむしられるのです

Nur die Person, die die Bewunderung bloß weiß
___ただ憧れを知る者だけが

Ich verstehe meine Schmerzen
___わたしの苦しみをわかってくれるのです

Briah
___創造

Bewunderung Absolute Macht
___憧憬する絶対的な力


轟ッ!!と水銀のISから放たれる禍々しさが増した途端

「_____ッ!!?」
 
一夏は切られていた。

その一撃は『白式』の装甲を容易く切り裂き、一夏の腕の肉も切り裂いていた。

「____一夏ッ!!」

「逃げろ、シャル!!」
 
即座に銃口を敵に向けるシャル

「____え?」

直後、武器ごと体を切られていた。

「シャル!!!」

形振り構わずシャルの名を叫びながら、瞬時加速(イグニッションブースト)で接近して敵を全力で殴り飛ばした。

一夏はシャルを抱き寄せて、切られた場所の確認をする。

「ぼ、僕なら大丈夫だよ」

顔を紅くしながらも答えるシャル

『ラファール』の装甲と武装を切り裂いた一撃は絶対防御を貫通する程の物だったが、シャル自身に怪我は無かった。

どうやら武装と装甲を切り裂いたお蔭で刃がシャル自身には僅かに届いたに過ぎなかったらしい

結果としてシャルのISスーツを切り裂くに留まったのは幸運だった。

少し胸が見えそうな感じで、他人に見られたら性別がバレそうである。

「二人とも、大丈夫か!?」

『打鉄』を纏った箒が一夏とシャルの元にやって来た。

一夏の腕の傷は深いモノでは無いが、血が流れていた。

が、そんなモノ一夏には大して問題では無い

「ああ・・問題ない。シャルもいけるな?」

「うん、大丈夫だよ。」

シャルをさりげなく後ろに隠して箒に言う一夏

「だが、アレは一体……!?」

「姉さんのデータだ。」

「何だと?」

箒の疑問に答える一夏

「あれは姉さんのデータだ。姉さんだけの物なんだ…それを……」

この様な表情を見せる一夏を箒は初めて見た。

それ程までに許せないのであろう

水銀のISはアリーナの中央に立ったまま微動だにしない。 

「お前はいつも千冬さん千冬さんだな………」

「それだけじゃない、アレに振り回されているラウラも気に入らん。」

強さとは攻撃力では無い、そんなものは強いとは言わない。ただの暴力なだけだ。

「絶対防御も関係無し………いや、絶対防御をもってしても、この有様か」

絶対防御を貫通する程の斬撃

あの男が手を加えたのならば不可能では無いのだろう

「だが、どう戦うつもりだ?アレは捉えるのですら困難だぞ」

明らかに織斑千冬のデータを完全に再現する所か、人としての枷を外した状態で再現している。

あれでは取り込まれているラウラも不味い筈だ。

『非常事態発令!非常事態発令!トーナメントの全試合を中止。状況をレベルDと認定、鎮圧のため、教師部隊を送り込む!来賓、生徒はすぐ避難すること!繰り返す!』

その放送に一夏は心中で冷淡に告げる。

“アレは教師達では止められん。逆に殺されるぞ”

そう思った途端

凄まじい轟音と共にアリーナに二機のISがやって来た。

「あれは!?」

「まさか!?」

箒とシャルが驚きを隠せない声で呟いた。

「許可を出したか、ハイドリヒ」

水銀のISに立ちふさがるのは

巨大なスラスターが特徴の白いIS『暴風纏う破壊獣(リングヴィ・ヴァナルガンド)』を纏った少女

聖槍十三騎士団・黒円卓第十二位『悪名高き狼(フローズヴィトニル)』アンナ・シュライバー



騎士の様な外見が特徴の空色のIS『戦雷の聖剣(スルーズ・ワルキューレ)』を纏う女性

聖槍十三騎士団・黒円卓第五位『戦乙女(ヴァルキュリア)』ベアトリス・ヴァルトルート・フォン・キルヒアイゼン

この二人が水銀に立ち向かう

「クラフト、ボクの姉妹にこんな事して許さないよ」

「全く、貴方は趣味の悪い事ばかりしますね。メルクリウス」

“ふ、君達とは余り語り合うつもりも無いのだがね”

嘲笑するかの様に水銀の男は言う。

「それは此方もですよ!!」

「ラウラを返してもらうよ!!」

ベアトリスがその手にISの名と同じ剣『戦雷の聖剣(スルーズ・ワルキューレ)』を展開して切りかかり、水銀のISと壮絶な剣の戦いが繰り広げられる。

更にそこへとシュライバーが突撃して二丁の拳銃で水銀のISに射撃するが、銃弾が全て切り落とされてしまう

「くっ、厄介すぎる。」

「流石はブリュンヒルデだね!」

二人とも創造は使えない。

何故なら両者の創造は威力もだが、貫通力が有りすぎて飲み込まれているラウラまでダメージを与えてしまう。

それでは元も子もない。

だからと言ってこのままではラウラの身も危ない

「くっ、どうすれば…」

「ザミエルなら……切り捨てるのかな?」

嘗ての彼女等、主にシュライバーならこの様な事を絶対にしなかった筈である。

しかし今のシュライバーが姉妹や仲間と言った存在を大事にしている。

故に全力が出せない。

しかし水銀のISは容赦無く攻撃をし続ける。

「ぐぅ……!」

「ヴァルキュリア!」

剣を打ち合っていたベアトリスも徐々に押されてきている。

彼女を援護すべく一夏が加わる。

「マキナ卿!」

「手を貸す」

「ありがとうございます!」

流石に二人の剣撃を受け続けるのは厳しいのか水銀のISは防戦一方となっていた。

「僕も手伝うよ」

更にシャルが加わって支援攻撃をする。

水銀のISにベアトリスと一夏が剣を振るい、そこへシュライバーとシャルが援護射撃を浴びせる。

完全に押している状況になっている。

そして一夏がこの恐怖劇に幕を降ろすべく詠う。

Tod! Sterben Einz‘ ge Gnade!
___死よ 死の幕引きこそ唯一の救い

Die schreckliche Wunde, das Gift, ersterbe,
___この毒に穢れ蝕まれた心臓が動きを止め

das es zernagt, erstarre daS Herz!
___忌まわしき毒も傷も跡形もなく消え去るように

Hire bin ich, die off‘ ne Wunde hier!
___この開いた傷口 癒えぬ病巣を見るがいい

Das mich vergiftet, hier fliesst mein Blut:
___滴り落ちる血のしずくを 全身に巡る呪詛の毒を

Heraus die Waffe! Taucht eure Schwerte.
___武器を執れ 剣を突き刺せ

tief, tief bis ans Heft!
___深く 深く 柄まで通れと

Auf! lhr Helden:
___さぁ 騎士達よ

Totet den Sunder mit seiner Qual,
___罪人にその苦悩もろとも止めを刺せば

von selbst dann leuchtet euch wohl der Gral!
___至高の光はおのずからその上に照り輝いて降りるだろう

Briah
___創造

Miðgarðr Völsunga Saga
___人世界・終焉変生

単一使用能力:零落白夜を発動した状態で雪片弐型が『白式』の腕に融合する。

「終わりだ。」

ベアトリスの剣撃とシュライバーとシャルの弾幕によって動きを封じられた所へ

幕引きの拳が水銀のISへと突き刺さる。

「ギ………ガ、ガ」

紫電を撒き散らしながら、水銀のISはボロボロと崩壊してゆく。

そして、即座に創造を解除した手で、崩壊してゆく水銀からラウラを引きずり出した。

その瞬間、一夏とラウラの目が合った。金色に輝く彼女の左目と。

それはひどく弱っていた。

まるで捨てられた子犬の様な瞳で、怯えているように、助けを求めるようにも思えた。

そんな彼女を一夏は

「もう大丈夫だ……」

優しく抱きしめ、泣いている幼子にするように優しい言葉をかけるのだった。

ラウラはその言葉と一夏の優しい表情に安らぎを覚えながら意識を失うのだった。






とある学園の一室にはラインハルトがいた。

「ふむ、カールよ。これも卿が仕組んだ事なのだな」

“お楽しみいただけたかな?”

「確かに楽しめたと言えば楽しめたのであろうな。だが、それよりも卿に何の目的があってこの様な事をしているのかが気になるのだが?」

黄金の双眸が影法師の男を射抜く

“今のところは話せないのだよ、ハイドリヒ”

くくく、と哂う水銀の男にラインハルトは言う

「ならば、卿との雌雄を決するのは未だに先と言う事か…」

“その通り、君も以前よりも劣っている事位は分かるだろう?”

「自覚はしている。」

“では、再び相対する時こそ、私たちの雌雄を決する時だ……”

そう言い残して彼は消えて行った。

それと入れ替わるようにエレオノーレが部屋に入って来た。

「失礼します。ハイドリヒ卿」

黄金の獣が赤騎士に問う

「ザミエル、どうだったか?」

「騒動のドサクサに紛れてハイドリヒ卿暗殺を行おうとしていたのが三名いました。」

「成程、マキナの方には?」

「特にこれと言った動きは無い様子でした。」

成程……とラインハルトは考える。

「亡国企業は現れずか……報告後ご苦労だった。下がって良い」

「ハッ、それでは」

敬礼を返して出て行くエレオノーレ。

ラインハルトは恋人同然の女性の様子を思い出す。

「卿も元気そうで何よりだ……ブリュンヒルデ…いや、織斑千冬」

そう呟いたラインハルトの表情は何処か満足げだった………



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獣殿と千冬は恋人です
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