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マブラヴ 転生者による歴史改変 17話
作者:ぜんくう◆7RWKYcvP01c   2012/07/08(日) 08:57公開   ID:eoF2Dat1HnA
 ついにというかようやくというか14歳になった。西暦は1988年だ。

 最近は忙しすぎて目が回るような日常を送っている。
 それというのもの去年出会った、因果律死亡確定戦隊マブレンジャー(仮称)たちのせいだ。
 えらい不吉な名前だが、実際そうなんだからしょうがない。
 おまけに全員が全員2002年1月1日に死亡ってなんの冗談だよ。笑えない、全くもって笑えない。
 とらえず順番に紹介してみよう。

 まずはマブレッド。
 真面目すぎるのが玉に瑕、だがその胸に秘める正義の想いは誰にも負けない
 榊千鶴。
 特殊技能情報
 ・委員長(Ver.Ex)
 ・委員長(Ver.AL)
 ・指揮官適正
 特殊属性
 マブラヴExサブヒロイン
 マブラヴALメインキャラクタ(ある意味サブヒロイン)
 AL支配因果律規定事項
 ・2002年1月1日 死亡確定

 次にマブブルー。
 クールビューティーだが世間知らず故どこか締まらないことがあるが気にしない
 御剣冥夜。
 特殊技能情報
 ・無限鬼道流(Ver.Ex)
 ・無限鬼道流(Ver.AL)
 ・剣術適正
 特殊属性
 マブラヴExメインヒロイン
 マブラヴALメインキャラクタ(ある意味サブヒロイン)
 AL支配因果律規定事項
 ・2002年1月1日 死亡確定

 次にマブブラック。
 常に冷静、常にクール、悪く言えばよくわからん不思議っ子
 彩峰慧。
 特殊技能情報
 ・ツンデレ?(Ver.Ex)
 ・ツンデレ?(Ver.AL)
 ・近接格闘適正
 特殊属性
 マブラヴExサブヒロイン
 マブラヴALメインキャラクタ(ある意味サブヒロイン)
 AL支配因果律規定事項
 ・2002年1月1日 死亡確定

 次にマブピンク。
 重力に反した髪型、目に毒な色彩の髪、しかしてその実態は戦隊の癒し役けんマスコット。
 玉瀬壬姫
 特殊技能情報
 ・タマ(Ver.Ex)
 ・タマ(Ver.AL)
 ・遠距離攻撃適正
 特殊属性
 マブラヴExサブヒロイン
 マブラヴALメインキャラクタ(ある意味サブヒロイン)
 AL支配因果律規定事項
 ・2002年1月1日 死亡確定

 最後がマブグリーン。
 父親譲りのマイペース、良くも悪くもストレスフリー。
 鎧衣美琴。
 特殊技能情報
 ・男の娘(Ver.Ex)
 ・馬耳東風(Ver.AL)
 ・生存技術適正
 特殊属性
 マブラヴExサブヒロイン
 マブラヴALメインキャラクタ(ある意味サブヒロイン)
 AL支配因果律規定事項
 ・2002年1月1日 死亡確定

 なんか特殊技能が突っ込みありまくりだな。
 千鶴の「委員長」ってなんだよ。あれか、学級委員長とか、あんなのりか?つーか、なんでそれが特殊技能なんだよ。
 冥夜の「無限鬼道流」ってのは、なんでも自分が学んでいる流派らしいからまだわかる。つーか、なにげにこいつだけ、Exでメインヒロインなんだよな。ALではメインキャラクタに格下げになってるけど。
 だが慧の「ツンデレ?」ってなんだ?なんで「?」がついてるんだよ、わけがわからないよ。
 おまけに壬姫のタマだよ。もうね、わけがわからん。想像すらつかん。だれか教えてくれ。
 とどめが美琴の「男の娘」と「馬耳東風」だ。なにがなにやらもうおれは考えるのを止めた。
 こいつらに正常を期待するのは間違っている。おれが下した判断はそれだった。

 さて次はこいつらをどうしたものか、おれは考えに考えた。
 一番いいのがおれが帝都に移って、徹底的に鍛え上げることだ。
 まりもについては、ある程度修練が軌道にのってきたので、あとは自分でも何とでもなる。
 だが、これはおれの我が儘でしかないが、まりものそばいにいる、まりもを守る、それはおれの誓いだ。
 従っておれが柊町を離れるという選択肢はなし。
 となると、残りの選択肢は限られてくる。その中には、見て見ぬ振りをする、というのもあるが、それは選ぶことはできない。
 そもそもそんな選択肢を選ぶくらいなら、最初からまりもを見捨てている。
 それとこれとは別?
 端から見たら別かもしれない。だがおれの中では同じことだった。
 わかっていながら見捨てる。救えるかもしれないのに手を差し伸べない。
 その行動をとった時点でおれは今のおれではなくなる。
 というわけで、今ところ選択肢は2つ。
 1つは、全員を柊町に移住させる。
 当然これはなし、だ。そもそも、移住させる理由がない。将来あなたの娘が2002年1月1日に死ぬことが確定しているので、なんて説明はさすがのおれでもできない。
 ということで残された手段が、今眼前に広がる光景なわけだ。

 「ししょう、彩峰さんが言うことをききません」

 「むう、ししょうのようにうまく剣を振るうことはわたしではまだ無理か」

 「榊はまじめすぎ。わたしたちはまだこども。ししょう、遊ぶことも重要?」

 「はわわ、ししょう、このほんみきにはまだ無理です〜」

 「あ、ししょー。みてみて、この山菜けっこうおいしいんですよ」

 見て分かっていただけるだろうか?いや、分かられたら、それはそれで驚きではあるんだが。
 まあ、ようするにカオス、混沌だ。
 そりゃあ、目的も説明せずに子供を5人も一カ所に集めればこうなるわな。忘れていた、子供のパワー。

 「あー、おまえら、落ち着け、つーか、とりあえずおれの言うことを聞け」

 「「はーい」」

 とりあえず全員集合した、5人をじろりと見下ろす。

 「さっき言ったように、修行中はおれのことは師匠と呼べ。いいか、これはけじめだ。遊んでいるときは、立花殿、竜也さん、りゅーさん、りゅーちゃん、りゅうさま、りゅうにい、にいにい、にーさま、にいちゃん、あにい、あ、ちなみにおすすめはりゅうにいさまだ、というように好きに呼んでいい」

 なぜか途端に場に白けたような雰囲気がただよう。
 あれ?なんで?

 「ししょう、どうして兄よばわりを一押しするのですか?ばかじゃないですか?」

 「わ、わたしは、ししょうを兄としてうやまうことにていこうはないのですが、あねうえのことを考えると先んじてそう呼ぶのにはすこし抵抗が」

 「さすがに、それはない」

 「ししょうがおにいさん?あんまり考えたくないな〜。だってなんかすごいことになりそうだし」

 「あはは、ししょう、冗談うまいね」

 なんだろう、ひどく貶されたような気がする。気のせいだよね、きっと。なんか景色がゆがんで見えるけど、これも気のせいだよね。

 「あれ?ししょう、どうして泣いてるんですか?」

 「むっ、ししょうが泣くとはいったいどんなことが?」

 「いがいに泣き虫?」

 「泣き虫さんはめーですよ」

 「あはは、ししょう、泣き虫だね」

 労りの言葉がないって、けっこう辛いのね。今度から、まりもにも優しく接しよう。うん、そうしよう。
 ああ、夕呼は別だ。やつには労りなんて必要ねえ。

 まあ、見て分からないかもしれないが、通い師匠をすることにした。もちろん、帝都と柊町を通うわけだ。
 移動については、人気がないところを選んで、時には空を飛んで、時には地を走っての行軍になる。
 ちなみに最速だと1時間ちょいだ。
 前世では、通勤時間が1時間ちょいだったから、まあ特に問題ない。なにせ、鍛錬代わりにもなるしな。
 問題があるといえば、飛行しているところを他人に目撃された場合だが、まあ目の錯覚だと思うだろう。なにせ、空飛ぶ人間なんて笑い話の種にしかならないからな。

 「というわけで、おれは今からおまえらを鍛える。異論は認めない。文句はあるだろうが、ここは潔く諦めてくれると有り難い。というか、諦めろ」

 一方的なおれの宣言に各々反論がでる。

 「ししょう、かってにそんなことを決められてもこまります」

 「むぅ、ししょうに教えをこうのはわたしにとって是非もないことなのですが、りょうしんにだまってというわけには」

 「いっぽうてきな強制にはだんこきょひ」

 「ししょう、みきはつらいのはいやだよ」

 「ん〜、じゆうな時間がなくなるのはいやだな」

 くそう、好き勝手いいやがって。そういや、まりものときはどうだったっけ?
 あ、思い出した、口八丁でごまかしたんだ。
 あのときのまりもは純粋でかわいかったな。それが今となっては偉い反抗的というか、突っ込み属性を取得したというか。
 こいつらを口先でごまかす?うーん、千鶴あたりが手強そうだな。慧とか美琴なんて話ても聞かなさそうだし。冥夜、壬姫あたりはなんとかなるか。
 ここは一つ、圧倒的なものを見せてやろうではないか。

 「いいか、おまえら。これを見ろ」

 指さした先には樹齢40年くらいの針葉樹が立っている。

 「あの木をここから一歩も動かずに倒してやる、見ていろ!」

 手を差し向け、気を収束、発射する。
 命中した瞬間、木の幹がはじけ飛び、そのまま後ろに倒れていく。
 その光景を驚愕の目でマブレンジャーたちが見ていた。
 目を丸くして口を半開きにしている。

 「おれの鍛錬をやり遂げたら、これくらい軽いもんだ。で、どうする?これから世界はさらなるBETAの侵攻にさらされるだろう。この力があれば、それに抗うことも可能だ。そのチャンスがおまえたちの目の前にぶら下がっているんだ。それをみすみす見逃すつもりか?修行は厳しい、それは確かだ。だが、約束しよう。それに見合ったものを手に入れることができると。おまえたちに戦う力を与えてやると」

 おれはマブレンジャーたち一人一人の顔を見つめた。
 驚愕から、興味と困惑が入り交じったもの、そして強い意志を灯したものへとその瞳が変わっていく。
 そう、それでいい。未来を切り開くのは自分のその手なのだから。

 「意志は決まったか?ならば問おう、おれのことを師匠と認め修行に励むか?」

 「「はいっ、ししょう!」」

 一糸乱れぬ声が、公園に響き渡った。
 ちなみ、木を勝手に倒したということで、こってりと管理人から絞られたのは秘密だ。

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