「あー、眠。」
昨夜は徹夜だった。
「HEROデッキにハネクリボー入れるな!」
「罠カード入れ過ぎなんだよ!」
「サポートカードも入れ過ぎ!もっとサーチカード入れろ!」
「エクストラにエクシーズも1,2枚は入れとけ!」
「ヒーロー見参?ふざけるな!」
などという言葉にもめげずに上級HEROやらなんやらを突っ込むやつがいたのだ。一応、最初にテストプレイヤーの契約しておいたのに。
あー、それにしても良い天気だ。日差しが気持ち良い。その上、外を歩いていると、1年前まではめったに聞こえてこなかった素晴らしい悲鳴が聞こえてくる。
「カオスエクシーズチェンジ、迅雷の騎士ガイアドラグーン!(貫通持ち)」 「俺のマシュマロンがー!」
「ダイガスタ・フェニックスの効果、ダーク・シムルグを2回攻撃に!」
「ぎゃーー!」
「サイバー・エンド・ドラゴンの攻撃力を0に!これで終わりだ、インフィニティ・キャノン!」
「ぐぁぁぁぁぁーーー!!」
などなど。みなさん大いにエクシズってる。
..................良い子のみんなは最後のは無かったことにしよう。
さて、授業は午後からだし、それまで何をしようか、と考えながら、当てもなくぶらぶらしていると、デュエルフィールドの方から、「オベリスクの紋章」とか、「実技試験で」とか聞こえてきた。少し分かりにくいけど、これ、原作の、万丈目と十代が初めて会う場面だな。時間ずれてるけど、それはしょうがないか。よし、ちょっと暇つぶしでもしていきますか。
◆
「110番、お前はまだE・HEROを使っているのか?」
あれ?セリフ違う。翔もいない。さては十代、一旦寮に戻らずに直接来やがったな。
「ああ、当然だぜ。俺のHEROは、最高の仲間達だぜ」
最近大規模なリストラが行われましたが。
「はっ、馬鹿め、やはりオシリスレッドのドロップアウトボーイだな」
いやいや、E・HERO結構強いよ。エアーマンとかアブソルートとか
Great TORNADOとか。まだ発売してないけど。
「融合なんてもう古い。いいか、時代はエクシーズだ!」
............こいつもか。
「おい、万丈目、ちょっといいか?」
「誰だ。
!!お、おはようございます、旭先輩!ほら、お前たちも挨拶しろ」
「「おはようございます!」」
取り巻き共々深々と礼をする。
え?ここって、エクシーズなんてシステム作ってしかも去年までイエローだった俺に「この成り上がりが!」みたいな蔑みの視線向けてくる場面じゃないのか?それが普通だろ、M《万丈目的に》K《考えて》。
「............万丈目、お前、エクシーズ好きか?」
「はい、もちろんです!」
「ちなみにどんなところが?」
「高攻撃力でガンガン攻撃できるところです」
「一番好きなエクシーズモンスターは?」
「No《ナンバーズ》.33 先史遺産《オーパーツ》−超兵器 マシュ=マックです!」
おk。把握した。こいつ、高攻撃力モンスター好きなだけだ。
「あ、あの、旭先輩」
「ん?なんだ?」
若干の気持ち悪さを覚えながらも返事をする。
「サインお願いします!」
「ああ、別にいいけど」
とりあえず書く。これでもサインの練習を重ねてきたのだ。自意識過剰言うな。前も言った通り、I2社のイベントに引っ張り回されて、会長に無理矢理書けるようにさせられたのだ。
それにしても多いな。
「......7枚もあるが、どうしてだ?」
「1枚は自分、4枚が家族の分、残りは後ろの2人の分です」
それは、よかった。保存用観賞用使用用とかじゃなくって。いや、使用用ってなんだよ。語呂悪いんだよ馬鹿。
「ほれ、書けたぞ」
「ありがとうございます」
「ところで万丈目、さっき、融合の悪口を言ってたな」
「は、はい」
「確かに時代に載ってはいない。だが、それなりに強い融合モンスターもいるぞ。ちょうどいい。試しに十代とデュエルしてみろ。意外と苦戦するかもしれないぞ」
「い、いえ、しかし、「勝ったらまだ発売していないエクシーズモンスターをやるぞ」よし、さっさと始めるぞ、ドロップアウトボーイ!」