で、あれから特に何事もなかったので入学式的なものが終了した次の日までカット。ちなみに当日は歓迎会があったから、さすがに行けなかった。
さて、それじゃあ早速三沢キュンの部屋に「おーい!」......無視無視。いずれYou!Go! する奴なんて知らない。逃げよう。
「ちょっと待ってくれよー!!」
しかし回り込まれてしまった。
「デュエルしよーぜ!旭先輩、で合ってるよな?」
メンドクセー。いや、別にデュエルぐらいやってもいいんだが、今は主人公より
魔改造予定キャラの方が優先順位が高い。
「......昼飯食い終わったらレッド寮に行ってやるから、それまで待ってろ。」
「よっしゃー!!早く来てくれよ、旭先輩!」
そう言って駆け出す。レッド寮のある方向とも校舎がある方向とも違うのだが、大丈夫だろうか。いや、それよりも今は三沢だ。
◆
ノックをする。
「はい、誰です......旭先輩!!」
「正式に契約を結びに来た。入れてくれるか?」
「ええ、もちろんです!」
◆
「よし、これで契約はほぼ終了だな。後は控え取って本社に送らなきゃならんが。あ、また忘れるとこだった。この前のファミレスの代金、ごめんな。奢るとか言ったのに。5千円で足りるか?多くても気にするなよ?詫びも入ってるから。」
「は、はい。」
「それから、これはIDカードとバッジだ。」
「これは?」
「バッジは、まあ、見ての通り、I2社と契約してる証だ。テストプレイヤーだから、未発売カードも使用している、ということを他の奴らに知らせる、という役割を持っている。
で、IDカードは、遊戯王デュエルモンスターズ@wiki(Japan)に接続するためのIDが書かれている。一応、身分証明書にもなるな。」
「それが例の検索サイトですか。」
「ああ。アクセスには、現段階ではそのIDとパスワードが必要だ。パスワードは今から言う。お前なら覚えられるだろう?」
「はい。もちろんです。」
ちなみに、パスワードとは、『オキシゲドン』『ハイドロゲドン』『ボンディング−H2O』『ウォーター・ドラゴン』のナンバーだ。やっぱ三沢と言えばこいつらだからな。
「じゃ、俺は帰る。今日からアクセスして大丈夫だからな。何かあったらすぐ言えよ。」
さて、昼飯食って
E・HERO使いボコリに行くか。
◆
「遅いぜ、旭先輩!」
「お前が早過ぎるんだよ。飯はしっかり噛んで食え。」
「そんなことより早く始めようぜ!」
「ちょっと待て。」
「なんだよ、旭先輩。まさかトイレか〜?」
「アホ。ちげーよ。
十代、お前に戦うデッキを選ばせてやる。」
「え?2つもデッキ持ってるのか?」
「@いやになるデッキ
Aカッコいいデッキ どっちがいい?」
「うーん............よし、じゃあ、カッコいいデッキだ!」
<十代サイド>
「「デュエル!」」
「俺のターン、ドロー。俺は手札から、E・HERO クレイマンを、守備表示で召喚。カードを二枚セットして、ターンエンドだ。」
守備力が2000もあれば、大丈夫なはず。
「ドロー、スタンバイ、メインフェイズ。
十代、お前にE・HEROの真の戦い方を見せてやる。」
E・HEROの真の戦い方?なんだそれ?
「俺は手札から、E−エマージェンシーコールを発動。デッキからE・HERO エアーマンを手札に加える。そして召喚。」
な、なんだこのE・HERO!?見たことないぞ!?
「これはI2社で開発中のカードだ。
エアーマンの効果。召喚・特殊召喚成功時、デッキからHEROと名のついたモンスター一体を手札に加える。俺はE・HERO オーシャンを選択。」
ちょ、それ、むちゃくちゃ強くないか!?後、オーシャンってなんだ!?それも開発中のカードなのか!?
「続いて俺は、手札の沼地の魔神王を捨て、デッキから融合を手札に加え、融合を発動。チェーンは?」
「え?な、ないけど......」
「手札のオーシャンと場のエアーマンを融合。アブソルートZeroを融合召喚。バトルフェイズ。クレイマンを攻撃、
瞬間氷結!」
くっそー、こんなにすぐにクレイマンがやられるなんて。
「でも俺だって負けねーぜ。
罠発動、ヒーロー・シグナル!自分の場のモンスターが戦闘で破壊された時、手札かデッキから、レベル4以下のE・HERO一体を特殊召喚する。俺はデッキから、E・HERO スパークマンを守備表示で特殊召喚する!」
「カードを一枚セット、ターンエンド。」
「俺のターン、ドロー!」
よし、これなら!
「俺は手札から、スパークマンを攻撃表示に変更する。そして俺は、装備魔法 スパークガンをスパークマンに装備!スパークガンの効果で、アブソルートZeroを守備表示に変更。
更に俺は、手札から、融合を発動!俺は、E・HERO フェザーマンとE・HERO バーストレディを手札融合!来い、マイフェイバリットカード、E・HERO フレイム・ウィングマン!バトル、フレイム・ウィングマンで「速攻魔法 融合解除を発動。」しまった!」
融合解除でフレイム・ウィングマンが「対象はアブソルートZero」......へ?なんでだ?フレイム・ウィングマンにすれば、俺の場のモンスターはスパークマンだけになるのに。
「不思議そうな顔をしてるな。まぁ見てろ。
効果で、アブソルートZeroをエクストラデッキに戻す。その後、墓地からエアーマンとオーシャンを特殊召喚。エアーマンの効果。自分の場に存在するこいつ以外のHEROの数まで、場の魔法・罠カードを破壊する。俺の場にはオーシャンがいる。お前の場の伏せカードを破壊。」
「そ、そんな効果まで!?」
しまった、ヒーロースピリッツが!これが狙いか。
「続いて、アブソルートZeroの効果。」
え?まだあるのか!?
「このカードが場から離れた時、相手の場に存在するモンスターを全て破壊する。」
............は、はぁーっ!?場を離れただけで相手の場のモンスターが全滅ってどういうことだよ!?
「お、俺は、カードを一枚セットして、ターンエンド......」
「ドロー、スタンバイ。スタンバイフェイズ時、オーシャンの効果。自分のスタンバイフェイズ時に自分の場または自分の墓地に存在するHEROと名のついたモンスター1体を、持ち主の手札に戻すことができる。この効果で俺は、エアーマンを手札に戻し、再び召喚。効果で十代の伏せカードを破壊。」
くそっ、融合解除が。
「メインフェイズを終了。
バトルフェイズ。俺はオーシャンとエアーマンでダイレクトアタック。」
「くっ。」
十代:6000→4500→2700
「メイン2。手札からカードを一枚セットし、ターンエンド。」
「俺のターン、ドロー!!」
よし、貪欲な壺か。
「俺は手札から、貪欲な壺を発動!自分の墓地のモンスター5枚をデッキに戻して、2枚ドローする。 俺は墓地の、クレイマン、フェザーマン、バーストレディ、スパークマン、フレイム・ウィングマンをデッキに戻して2枚ドロー!」
ドローしたカードは......ミラフォとヒーローバリアか!これで次のターン、耐えられそうだな。
「俺はカードを2枚セットして、E・HERO ワイルドマンを守備表示で召喚。ターンエンドだ!」
「ドロー、スタンバイ、メインフェイズ。
もう1体オーシャンを召喚。
更に俺は、手札から魔法カード シールドクラッシュを発動。お前の場の守備表示モンスターを破壊。」
「くっ、ワイルドマンが......」
これでヒーローバリアが使えなくなっちまった!?でも、
「バトル、エアーマンでダイレクトアタック。」
「へへ、残念だったな。俺は
罠カードを発動するぜ。聖なるバリア ミラーフォース!これで先輩のモンスターは全滅だぜ!」
俺がそういうと、先輩はぷっ、と吹き出した。
「な、なんで笑うんだよ〜。俺、なにか変なこと言ったか〜?」
「い、いや、悪い悪い。モロ、フラグだったからさ。」
ふらぐ?どういう意味だ?
「あー、いや、気にすんな。それより再開するぞ。
いいか、十代、相手のプレイングについて少しぐらい頭を働かせろ。俺はなぜ、エアーマンの効果で伏せカードを破壊しなかったのか、なぜ、無駄にオーシャンを召喚したのか。
その答えがこれだ!俺は伏せていた速攻魔法 マスクチェンジを発動。対象はオーシャン。更にもう一枚、マスクチェンジを発動!対象はもう一体のオーシャン。」
「それも開発中のカードか?」
「ああ、その通りだ。
マスクチェンジは、自分の場のHEROと名のついたモンスター1体を選択して発動されるカードだ。そして、選択したモンスターを墓地へ送り、選択したモンスターと同じ属性のM・HEROと名のついたモンスター1体を、エクストラデッキから特殊召喚する。
俺はエクストラデッキから、M・HERO ヴェイパーを2体、攻撃表示で変身召喚!」
「攻撃力2400!?すっげーぜ、旭先輩!俺も変身召喚やってみてー!
......って、あれ?まだミラフォの効果、発動してないよな?なーんだ、どっちみち全滅じゃん。」
「なめるな。M・HERO ヴェイパーは、カード効果では破壊されない。よって、ミラフォで破壊されるのはエアーマンだけだ。」
ヴェイパーの攻撃力は2400、ってことは......
「もしかして、俺の負け?」
「俺は、2体のヴェイパーで、十代にダイレクトアタック、フリアティクエクスプロージョン!!」
「ぐぁぁぁー!!」
十代:2700→300→0(−2100)
◆
うん。何気にノーダメージだったな。合計8100ダメージだし、元の世界のルールでも俺の勝ちだ。
「はぁー、また負けちまった......」
「また?そんなに負け続きなのか?」
「ああ。この前のルール変更と新しい禁止・制限の時から、なんっか調子悪くてさ......」
予想通り、チートドローが減少してしまったようだ。
「バブルマンもデッキに入れられなくなったし、融合モンスターも15枚しか入れられないし......」
あ、本気で落ち込んでる。さすがにやりすぎたか。でも、あそこで手を抜くわけにはいかなかったしな。うーん......よし、決めた。
「十代、今から俺の部屋に来い。さっき使ってたカード、見せてやるよ」
「ホントか!行く行く!」
こうして俺の、十代魔改造計画が始まってしまった。