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インフィニット・ストラトス・クン・ポケット 第九球 結末と結果と精神と
作者:作者   2012/08/06(月) 17:50公開   ID:Kj5KwqVsk/2
《サアアアアア……》


シャワーの音が響き渡る。
その中でただボーっとシャワーを浴び続ける人物がいた。

「……」

その人物の名前はセシリア・オルコット。

「……」

ただ淡々とシャワーを浴び続ける。

(織斑……一夏……)

セシリアは今日の敗北のことを思い出す。
一夏は何度か敗北を決意する場面はあった。
だが一夏は驚くことにすべてを超えたのだ。

(あの人こそ私の求める……)

セシリアは顔を赤らめる。

そしてただセシリアは考えるだけだった。

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ところ変わって男子寮の食堂。
そこでは一夏と平次による祝勝会が開かれていた。

「いやぁ、お疲れ様でやんすよ一夏君!」
「いやぁ、俺も何が何だか……」

そういう二人の前に豪華な料理が運ばれる。

「洋中和……バラバラだな」
「まぁ気にしないでいいでやんすよ。ほら、これでも食べるでやんす」

そう言ってその中の一つを平次は一夏に差し出す。

「酢豚、か。酢豚ねぇ……」
「どうかしたでやんすか?」
「い、いや……うん……」

そう言って一夏は顔をうつ向かせる。

「と、とにかくもらうよ」
「どんどん食うやんす」

そう言って平次も適当に食べ始める。

「それにしても平次君気前イイよね。こんなにもごちそうを用意してくれるなんて」
「まぁ、気にしないでいいでやんすよ。オイラのおごりでやんすよ」

そう言って平次は一夏の背中をたたく。

(いいやつだなぁ、平次君は……しかし、酢豚……か)

そんなことを考えながら一夏は酢豚を食べる。

「何うまそうな物食ってるでやんすかいただいてやるでやんす!」
「あ、荷田、お前何勝手に食べてるでやんすか!」
「別にいいじゃないかでやんす」
「よくないでやんす!」

そうしてやんすやんすと争いが始まった。

「騒がしいなぁ……休まらないなぁ……」

そう言いながら騒ぐ二人をよそに一夏は酢豚をつつく。

「パイナップルが入ってる……あいつなら入れないよな……」

かちゃかちゃとパイナップルをよける。

「あいつ今頃何してんのかなぁ……」

一夏はそうつぶやいた。

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そして時は立ち、次の日の朝。
一年一組。時はHR。

「では、一年一組代表は織斑一夏君に決定です。あ、一繋がりでいい感じですね!」

真耶が笑顔でそう言う。

「ん〜なっちゃったんだよねぇ……」
「いまさら考え込んでも遅いでやんすよ」

一夏の考える声に平次が語る。

「勢いでなっちゃった感じだし、俺は辞退してオルコットが……」
「いいえ、私などがご主人様の代わりに代表などおこがましいですわ!」

一夏の言葉に反応したセシリアが声高々にはっする。

「え、ご主人様?」
「何、織斑君てばそう言うのが……」
「手が早いね〜」

《ざわ・・ざわ・・》

クラスがざわめきだす。

「お、オルコットさん? ご主人様とは?」
「何をおっしゃいますか。お約束だったではありませんか」
「え?」

一夏は少し考え込む。

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【数日前】

「やってやる。やってやるよ!」
「言っておきますけど、わざと負けたりしたらわたくしの小間使い―――いえ、奴隷にしますわよ」
「ならおれが勝ってお前を奴隷にしてやるよ!」
「いいますわね! まぁ、ありえないですけど。万が一、万が一ですがわたくしに勝てたら一生奴隷になって差し上げますわ!」

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「はっ!? そんなことも言っていたような……」
「私、イギリス貴族の誇りにかけて一度言ったことは守りますわ!」
「え、あ、そう? できれぱご主人様という呼び方はやめて……」

一夏は困り顔でたじろぐ。

「では一夏様とお呼びしますわ」
「それが打開策なのか……解決したのか、これが……」

一夏は帽子のつばを持ちながら俯く。

「これからもよろしくお願いしますわ♪」
「ドンマイでやんす」
「トホホ……」

一夏はあきらめるしかなかった。


続く


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