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遊戯王GX 正直者の革命 第九話 働きアリ (空気だって常に仕事してるんだから、GO!ハロワ)
作者:レプラ◆23VAxH8p.bY   2012/08/12(日) 22:41公開   ID:COM0Ehm5TwM
 コンコン、ガチャ。

「やあやあおはよう三沢っち」

「......今は夜中の三時半だったと思うのですが」

「そうだな」

「............俺が起きていなかったら、一体どうするつもりだったのですか?」

「@wikiに接続してるの確認してから来た。嘘だけど。寝てたらひたすらお前の生徒手帳にメール送りつけ続けるつもりだった」

「やめてください」

「で、調子はどうだ?」

「悪くはありません。ただ、なにぶん数が多くて」

「うんうん、そうだよなー。で、今回、そんな多忙な三沢君に......」

 バタン、ガチャ。(ドアを閉められて鍵をかけられた音)

 カチャ。(俺が慌てず騒がず鍵を開けた音)

「ちょ、なんで俺の部屋の鍵を!?」

「そう言うお前はなぜ窓枠に足を掛けている」

「先輩には俺がどれだけ大変な思いをしているのかが分かっていないんです!
 コメントアウトすべき所を削除したりするヤツ、同じようなページがあるのに勝手に作るヤツ、議論の場で全く関係ないことを話したり貶し合ったりー!!!!」

「バカヤロー、そんなの俺も同じだ!!あのクソデザイナーども、ランク4の2体エクシーズで相手の魔法マジックトラップ全破壊とか、ピーピングして1枚ハンデスとか、相手のモンスター全部デッキに戻したり、手札3枚引いたり......なめてんのか!!!」

 ガシッ。

 互いに無言でシェイクハンズ。そこには何物にも代えがたい絆があった。

「と、いうことは、別に、時間がかかることではありませんよね?」

 そう、そこには何物にも代えがたい絆があるのだ。だから、

「あの......先輩?」

「いや、かなり時間がかか......こら、逃げるな」

「は、離してください!先輩にだって、他のことをする時間なんてものは無いくらい忙しいということぐらい、分かっているでしょう!?」

「ハッハッハ、いや、なーに。俺が自分でやってもいいんだが、自分より忙しそうにしている奴がいると、少し救われる気がして、な」

「鬼ー!悪魔ー!人で無しー!!」

 何物にも代えがたい絆があるからこそ、まるで悪友のように、互いを躊躇なく生贄に捧げられるのである。多分。

                   
                   ◆

「で、テストプレイヤーの契約してたよな?」

「そんなものしなければよかった。俺は今、心からそう思っています」

「あきらめろ。恨むなら俺の甘言にまんまと釣られた自分を恨め」

「か、甘言!?まんまと釣られた!?」

「聞き流せ。俺の話は話半分に聞くぐらいが十分だって、よーくわかっただろ?」

「身に沁みました。それで、テストプレイヤーですか」

「ああ。今回はこのデッキを使ってほしい」

「デッキですか?あれ?でも持った感じ、40枚無い気がするのですが」

「そうだ。よく気がついたな。5ポイントやろう。ちなみに1000ポイント貯まったら肩揉み、10000ポイントで土下座してやろう」

「いりません。それより早く説明してください」

「ええー!こうやって夜中にだらだらくっちゃべってるのが楽しいのにー」

「俺はもう三日徹夜していて疲れてるんです。早くしないと大声で『助けてくれー!旭先輩に襲われるー!!』と叫びますよ」

「良く聞け三沢!これこそが、数ヵ月後にI2社から発売される予定の、初の構築不済ずまずデッキだ!」

「それはもはやデッキでは無いのでは?」

 ごもっとも。てかこいつ、切り替え早くなったな。俺のせいか。

「確かにそうだ、が、カード枚数を抑えることで少しでも購入しやすい価格の商品にしたんだ。それでいて、必要不可欠なカードは収録したつもりだ。前回のようにデッキ丸々1つ売ると、批判が大きそうだったしな」

「なるほど。それで、いつまでに何戦ほどすればいいのですか?」

「週5戦のペースとすると......40戦以上ってところかな」

「きついですね......」

「とりあえずそれを2つ渡しておく。週に最低一度、軽く構成を変えてくれ。あ、それと、これがそのデッキに入っているカードの制限だ」

「!!まだ開発中のカードにまで制限を!?」

「強すぎるカードには制限を。当然だろ?」

「......もう少し弱く作れればよいのでは?」

「............」

「............」

 キー、バタン。

 うわーん、三沢君とOCGのバカー!!




                    ◆

 数日後

「俺のターン、ドロー。俺は手札から、魔法マジックカード 光の援軍を発動。デッキの上からカードを3枚墓地へ送ることで、デッキから、ライトロードと名のつくモンスター1体を手札に加える。俺はデッキから、ライトロード・マジシャン ライラを手札に加える。続いて、手札から、魔法マジックカード ソーラー・エクスチェンジを発動。手札からライトロード1体を捨て、デッキからカードを2枚ドロー、その後デッキの上からカードを2枚墓地へ送る」
 
 動く動く。さすがライロ。さすが三沢っち。

「さらに手札から、裁きの龍ジャッジメント・ドラグーンを特殊召喚!このモンスターは、自分の墓地にライトロードが4種類以上いる場合のみ、特殊召喚できる。俺の墓地には、光の援軍とソーラー・エクスチェンジによって墓地へ送られたライトロードが計4種類存在する。裁きの龍の効果を発動。1000ライフポイントを払い、このカード以外のフィールド上のカードを全て破壊する。
 まだだ。俺は、墓地の闇属性モンスター カオス・ソーサラーと光属性モンスター ライトロード・ドラゴン グラゴニスをゲームから除外し、手札から、カオス・ソーサラーを特殊召喚!そして手札から、ライトロード・マジシャン ライラを召喚。
 バトル、3体のモンスターで、ダイレクトアタック!!」

「......」
 
 
 結論:俺がバカだった。

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■作者からのメッセージ
 デュエルアカデミアの生徒手帳はハイテクです。画像撮影して送ったりできますし、普通に生徒手帳らしく校則見れたりもします。

 それにしても、ライフ6000で裁きの龍は鬼畜ですよねー。確2ですし。
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