十代、ホモの弟、コアラ、牛乳(読み方はご自由に)、レッド寮の寮長であり錬金術の教師でもある大徳寺先生と一緒にピクニック、もとい遺跡見学に行ったらいきなり異世界に来ちゃって墓守達に捕まって俺達助けるために十代が墓守の長と儀式(デュエル)することになりましたまる
「それにしても、棺桶の中って想像通り狭っ苦しくて硬くて嫌な感じだな。吸血鬼の気が知れない」
「何呑気なこと言ってるんすか!アニキが負けちゃったら僕達全員死んじゃうんすよ!?」
「大丈夫大丈夫。十代は多分負けないし、俺はスタングレネードやらなんやら持ってるから、少なくとも俺だけは逃げ切れるはずだ。何も問題は無い」
「どこがっすか!むしろ問題しかないっすよ!」
「しっ、静かにするんだな。デュエルが始まるみたいだぞ」
「「デュエル!」」
「先攻は私が貰おう。ドロー!
私は手札から、フィールド魔法 王家の眠る谷−ネクロバレーを発動。このカードが存在する限り、フィールド上の墓守の攻撃力・守備力は500ポイントアップし、墓地のカードに効果が及ぶ魔法・罠・効果モンスターの効果は無効化され、お互いに墓地のカードをゲームから除外できない」
「へぇ、面白いカード使うな、おっさん」
「フッ、おっさん、か。まぁいい。すぐにその減らず口も叩けなくしてやろう。私はモンスターをセット。カードを二枚セットする。
そして、手札から、
魔法カード 王家の生け贄を発動!王家の眠る谷−ネクロバレーが自分の場に存在している時に発動することができる。この効果により、互いのプレイヤーは、手札にあるモンスターカードを全て墓地に捨てる!」
おお。結構展開速いな。これは見ごたえのあるデュエルになりそうだ。
とでも思ったか!
「私は手札の墓守の大神官を手札から捨てる。さぁ、お前も早く手札のモンスターを全て捨てろ!」
「......................................................」
「どうした。驚愕のあまり、身体が動かなくなってしまったのか?」
「..........................................」
「何か言うがよい。それともまさか、口まで利けなくなってしまったのか?」
「..............................えっと、その、わ、
悪い」
「む?」
「俺の手札、
魔法カードしかなくってさ.............」
「なんだと!?」
おおっ!さすがE・HEROデッキ。サーチカード&融合関連魔法カードの多さは伊達じゃない。
「すごいっす、アニキ!」
「さすが十代君だにゃ〜」
「いぇ、いぇーい」
一瞬、何とも言えない空気が漂う。それを振り払うように、十代はぶるぶると首を振った。
「タ、ターンエンドで、いいんだよな?い、いくぜ。俺のターン、ドロー。
俺は手札から、
魔法カード E−エマージェンシーコール、増援、融合賢者を発動。デッキから、E・HERO エアーマン、オーシャン、融合を手札に加える。
そして、エアーマンを召喚。デッキから、E・HERO ネクロダークマンを手札に加える。
さらに、手札から、融合を発動!ネクロダークマンとオーシャンを、手札融合。来い、E・HERO アブソルートZero!」
「よし、アニキのエースカードだ!」
フレイム・ウィングマン............ガンバ。
「ほぉ、なるほど。なかなかのモンスターだ。だが、たいしたことはない」
「まだまだー!俺は手札から、速攻魔法 マスク・チェンジを発動!自分の場のHERO1体を生贄に捧げ、そのモンスターと同じ属性のM・HEROと名のついたモンスター1体をエクストラデッキから特殊召喚する。
俺は、水属性のアブソルートZeroを生贄に捧げ、変身召喚!M・HERO アシッド!」
「攻撃力2600?その程度、我ら墓守の敵ではない」
「それはどうかな。俺は、アブソルートZeroとアシッドの効果を発動!
アブソルートZeroがフィールド上を離れたとき、相手の場のモンスターを全て破壊する。さらに、アシッドが特殊召喚に成功した時、相手フィールド上の魔法・罠カードを全て破壊し、相手フィールド上の全てのモンスターの攻撃力を、300ポイントダウンさせる。絶対零度&Acid rain!」
「な、こ、これは!!?!」
一瞬で焦土と化すフィールド。伏せは......ミラフォとマジシャンズ・サークル、偵察者か。
「へへ。これでネクロバレーは無くなったぜ。
俺は手札から、
魔法カード 戦士の生還と
融合回収を発動!」
「し、しまった!」
「
融合回収の効果で墓地の融合と、融合素材モンスター一体を、戦士の生還の効果で墓地の戦士族モンスターを手札に加える。
俺は、墓地からオーシャン、ネクロダークマン、融合を回収する。
そして、もう一度融合を発動!オーシャンとネクロダークマンを、手札融合。来い、E・HERO エスクリダオ!エスクリダオは、闇属性モンスターとE・HEROの融合モンスターだ。そして、エスクリダオの攻撃力は、自分の墓地のE・HERO一体につき、100ポイントアップする。ダーク・コンセントレイション!」
攻撃力2800か......相変わらず微妙だな。
「馬鹿な!?」
「いっけえ、アニキ!」
「おう!エアーマンで、ダイレクトアタック!」
「くっ」
墓守の長:6000→4200
「アシッドで攻撃、Acid burret!」
「ぐぁぁぁぁぁぁぁっ」
墓守の長:4200→1600
「これでとどめだ!エスクリダオで、攻撃、Dark diffusion!」
「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ」
墓守の長:1600→0(−1200)
◆
十代のまさかのワンショットキルのおかげで(あるいはせいで)、若干引きぎみで、俺達は解放された。
「ハッハッハ、まさかたった1ターンで倒されてしまうとは。こんなことは初めてだ」
「そりゃそうだ。それで、どっちに行けば元の世界に戻れる? あっち?そっか、ありがとさん。よし、じゃあ、さっさと帰るぞ!」
「待ってくれよ、センパイ!」
「待ってくれー。俺、走るのは苦手なんだなー」
「私もなんだにゃ〜」
「お、おい、ちょっと待て!
む、行ってしまったか。この闇のアイテムの片割れをやろうと思ったのだが............まあよい。これが彼らの手に渡らなかったということは、これは彼らには必要ないのだろう」