「どう思いますか、先輩?」
突然三沢が、俺に話しかけてきた。
「何がだ?」
「この、七星門の鍵とか、セブンスターズとか、学園の地下に眠る三幻魔のカードとか、そういう諸々のことです」
ああ、なるほど。確かに、胡散臭いよなー。セブンスターズが三幻魔のカード手に入れるために俺達とデュエルして、鍵手に入れようとするなんて。
「三沢は神のカードの力とか、カードの精霊とか、信じない派?」
「いえ、そういう訳では............」
そこまで話した時、部屋の中に突然、結界のようなものが広がって、そして、
◆
気がつくと俺は、透明な球状の膜に周りを覆われて、マグマの海の上にいた。
マグマの海の3メートルぐらい上には、光の足場がある。要するに、原作通り。
原作と違うのは、ダークネス(JOIN)の前に立っているのが、三沢だということだ。
「誰だお前は!」
三沢が叫んだ。
「我が名はダークネス。三沢大地、貴様が私の最初の相手だ」
あ、もしかして、十代が闇のアイテム貰い忘れたせいで、対戦相手変わっちまったのかな?いや、実は狙ってたけど。
「その胸に揺れる七星門の鍵、貴様からそのカギを奪ってみせよう。闇のデュエルで」
「闇のデュエル!?」
「そう、闇のデュエルは既に始まっている。あれを見ろ」
「!!先輩!」
お、やっと気付いたか。俺はにこやかに手を振ってやる。
「光の檻に守られてはいるが、あの壁は時間とともに消滅する。デュエルが長引けば、彼はマグマの中」
「くっ、汚いぞ、ダークネス!」
「生半可なことは言うなよ、三沢大地。七星門の鍵を賭けたこの戦い、貴様には、全能力を出しきって戦ってもらう。これは、そのために用意した舞台。
さらに、貴様と私、どちらか負けた方が、その魂をこのカードに封印される。お互いの魂を、いや、命をも懸けて、我々はこのデュエルに挑まねばならない。
それが、この私の闇のデュエル」
..................ダークネスが口を開くたびに、三沢の目が胡散臭いものを見る目に変わっていく。アニメの十代と違って、闇のデュエルを経験したことがないし、しょうがないだろう。
「さあ、始めようか」
「「デュエル!」」
「私の先攻だ、ドロー。
私は手札から、
黒竜の
雛を召喚」
早っ!展開早っ!原作では普通に二体生贄で出したのに。
「
黒竜の
雛の効果を発動。自分の場の表側表示のこのカードを墓地へ送り、手札から
真紅眼の黒竜 一体を特殊召喚する。出でよ、
真紅眼の黒竜!!」
マグマの中から炎の竜と化して無駄に派手に登場する。ただのバニラのくせに、なんという扱いの良さ。
「そして私は、手札から、
魔法カード
黒炎弾を発動。自分の場の
真紅眼の黒竜の元々の攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。2400ポイントのダメージを受けろ!黒・炎・弾!」
「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁっ」
三沢:6000→3600
うわっ、痛そー。絶対火傷するよな、あれ。三沢は痛みと混乱で、倒れたまま起き上がれないでいる。
「ううっ、いったい、何が............」
「最初に言ったはずだ。魂と命を懸けた戦いだと。だから文字通り、命を削ってもらう。三沢大地、これが闇のデュエルだ!
黒炎弾を発動したターン、
真紅眼の黒竜は攻撃できない。だが、先攻のプレイヤーは元々攻撃できない。
私はカードを一枚セットし、ターンエンドだ」
「俺のターン、ドロー!スタンバイ、メインフェイズ。俺は手札から、マシンナーズ・ギアフレームを召喚する」
お、三沢は俺が渡した構築不済デッキ第二弾のマシンナーズデッキで戦うのか。
「マシンナーズ・ギアフレームの効果を発動。このモンスターが召喚に成功した時、自分のデッキから、マシンナーズ・ギアフレーム以外のマシンナーズモンスター1体を手札に加える事ができる。俺は、マシンナーズ・フォートレスを手札に加える。
そして、マシンナーズ・フォートレスの効果を発動。このカードは、手札の機械族モンスターをレベルの合計が8以上になるように捨て、手札または墓地から特殊召喚する事ができる。俺は、手札のレベル7、マシンナーズ・フォートレスと、レベル2、マシンナーズ・ピースキーパーを捨て、墓地からマシンナーズ・フォートレスを特殊召喚。
バトル、マシンナーズ・フォートレスで、
真紅眼の黒竜を攻撃!」
ダークネス:6000→5900
「ならば、リバースカードオープン!
罠カード レッドアイズ・スピリッツ。自分の場のレッドアイズと名のついたモンスターが破壊され墓地へ送られた時に発動
できる。このターンに破壊されたレッドアイズと名のついたモンスター一体を、召喚条件を無視して自分フィールド上に特殊召喚する。甦れ、
真紅眼の黒竜!」
攻撃力1800のマシンナーズ・ギアフレームじゃ、追撃は無理か。
「くっ、バトルを終了。メインフェイズ2に入る。
俺は、マシンナーズ・ギアフレームのユニオン効果を発動。1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に装備カード扱いとして、このモンスターを自分の場の機械族モンスターに装備、または装備を解除して表側攻撃表示で特殊召喚する事ができる。俺は、マシンナーズ・フォートレスに装備する。
カードを一枚セット。ターンエンド」
「私のターン、ドロー。
私は手札から、スタンピング・クラッシュを発動。自分フィールド上にドラゴン族モンスターが存在する場合のみ発動する事ができる。フィールド上の魔法・罠カード一枚を選択して破壊し、そのコントローラーに500ポイントダメージを与える。私は、貴様の伏せカードを破壊する」
「ぐぁぁぁぁぁっ」
三沢:3600→3100
破壊されたのは............ゲットライド! か。自分の墓地のユニオンモンスター一体を、自分フィールド上に表側表示で存在する装備可能なモンスターに装備する
罠だな。今、三沢の墓地には、ユニオンモンスターのマシンナーズ・ピースキーパーがいる、が、「一体のモンスターが装備できるユニオンは一枚まで」という制約があるから、みすみす破壊されてしまった。残念。
「さらに私は、
真紅眼の黒竜を生贄に捧げ、このモンスターを特殊召喚する。我がレッドアイズの進化は究極を目指す............出でよ、
真紅眼の闇竜!」
............なんか地味。ダークネスのエースモンスターなのに、素材の方が登場が派手という。
「ドラゴン達の地底からの叫びが、ダークネスドラゴンの血となり肉となる............
真紅眼の闇竜の攻撃力は、墓地のドラゴン族モンスター一体につき、300ポイントアップする。よって、
真紅眼の闇竜の攻撃力は3000となる。
闇の恐ろしさを、とくと知るがよい。
真紅眼の闇竜で、マシンナーズ・フォートレスを攻撃、ダークネス・ギガ・フレイム!」
「ぐぁぁぁぁぁっ」
三沢:3100→2600
「はぁ、はぁ、ユニオンモンスター、マシンナーズ・ギアフレームの効果。装備モンスターが破壊される場合、代わりにこのカードを破壊する」
「私はカードを一枚セットし、ターンエンドだ」
「俺のターン、ドロー!スタンバイ、メインフェイズ。
俺は手札から、スクラップ・リサイクラーを、守備表示で召か、くっ」
身体がぐらつき、倒れそうになるも、なんとか耐える三沢。
「はぁ、はぁ、召喚し、効果を発動。このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、自分のデッキから機械族モンスター一体を選択して墓地へ送る事ができる。俺はデッキから、マシンナーズ・フォートレスを墓地へ送る。ターンエンド」
「私のターン、ドロー。私は手札から、ボマー・ドラゴンを召喚」
まずいな。マシンナーズ・フォートレスには、戦闘で破壊され墓地へ送られた時、相手フィールド上のカード1枚を破壊する効果がある。だからわざわざ、あの手のパワーデッキに入りがちなで破壊されるのを防ぐために攻撃表示にしておいたのに、これじゃあ全く意味がない。
ついでに、ボマー・ドラゴンの効果は対象を取らないから、マシンナーズ・フォートレスの、『自分の場のこのカードが相手の効果モンスターの効果の対象になった時、相手の手札を確認して1枚捨てる』効果も無意味。
「バトル、ボマー・ドラゴンで、マシンナース・フォートレスを攻撃。
ボマー・ドラゴンの効果を発動。このカードの攻撃によって発生するお互いの戦闘ダメージは0になる。さらに、このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、このカードを破壊したモンスターを破壊する」
「くっ」
「ボマー・ドラゴンが墓地へ送られたことにより、
真紅眼の闇竜の攻撃力は、さらに300ポイント上昇する。
真紅眼の闇竜で、スクラップ・リサイクラーを攻撃」
全滅か。さすがにそろそろなんとかしないとやばいな。
「俺のターン、ドロー!よし、スタンバイ、メインフェイズ。このモンスターは、相手フィールド上にモンスターが存在し、自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、手札から特殊召喚できる。来い、サイバー・ドラゴン!」
「その程度のモンスターで一体何を............」
「更に俺は、自分の場及び自分の墓地の機械族・光属性モンスターを全てゲームから除外し、サイバー・エルタニンを守備表示で特殊召喚する。そして、サーバー・エルタニアンの効果を発動。このカードが特殊召喚に成功した時、このカード以外のフィールド上に表側表示で存在するモンスターを全て墓地へ送る!」
「なんだと!!」
白い悪魔のごとき極太レーザーアーンド大量のミサイルによって焦土と化すフィールド。ソリッドビジョンってやっぱいいよな〜と思える光景だ。これのせいで派手なデッキが好まれるのはいただけないが。
「サイバー・エルタニアンの攻撃力・守備力は、このカードの特殊召喚時にゲームから除外したモンスターの数×500ポイントになる。よって守備力は500ポイントとなる。ターンエンド」
「私のターン、ドロー。私は手札から、
仮面竜を召喚」
ここでリクルーター引くとか、ホントいい引きしてるよなー。う、うらやましくなんかないんだからね!
「サイバー・エルタニアンを攻撃。ターンエンド」
「俺のターン、ドロー!
俺は手札から、レッド・ガジェットを、守備表示で召喚。効果を発動。このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、デッキからイエロー・ガジェット一体を手札に加える事ができる」
レッドか。レッドの守備力は、ガジェ三兄弟の中で最も高い1500 。
仮面竜の攻撃力1400では突破できない。
「私のターン、ドロー。その程度で守りを固めたつもりか............なめられたものだ。
私は手札から、スピア・ドラゴンを召喚。
バトル、スピア・ドラゴンで、レッド・ガジェットを攻撃。スピア・クラッシュ!」
「くっ」
「スピア・ドラゴンが守備モンスターを攻撃したとき、攻撃力が守備力を上回っていれば、その数値だけ、相手にダメージを与える。400ポイントのダメージを受けてもらおう」
「ぐぁぁぁぁぁっ」
三沢:2600→2200
「だがその後、スピア・ドラゴンは守備表示に変更される。
続いて、
仮面竜でダイレクトアタック!」
「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ」
三沢:2200→800
三沢は膝から崩れ落ちた。その息は荒い。
「はぁ、はぁ、くっ、はぁ、はぁ、はぁ」
だが、まだその眼から闘志は消えてはいない。
「俺の、ターン!ドロー!
俺は手札から、シュレツダーを召喚!」
いいねいいね。ここで準アタッカー級の除去持ち引くか。久々に見ごたえのあるデュエルだな。
「シュレツダーの効果を発動。手札から機械族モンスター1体を墓地へ送って発動する。墓地へ送ったモンスターのレベル以下の、相手の場の表側表示ンスター一体を破壊する。
俺は手札のレベル4の機械族、イエロー・ガジェットを墓地へ送り、レベル3の
仮面竜を破壊する!」
「
仮面竜!?」
シュレツダーの手が伸び、イエロー・ガジェットと
仮面竜を掴むと、イエロー・ガジェットをぼりぼり食べながら
仮面竜を頭部のシュレッダーに放り込む。
何というシュールな光景。千切れた翼やら尻尾やらが落ちてるのもまたシュール。
「ちっ」
「そして俺は、シュレツダーで、守備表示のスピア・ドラゴンに攻撃。ターンエンド」
よしよし。なんとかなったか。問題は返しのターンだけど............
「私のターン、ドロー。私はカードを一枚セットして、ターンエンドだ」
え?あー、ちょっと嫌な予感。
◆
「俺のターン、ドロー、スタンバイ、メインフェイズ」
ドローカードは............悪くない。
さて、どうするか。
俺は現在の手札から叩きだせるダメージ量を計算し、その後の展開を考える。
堅実にいくことにしよう。
「バトル、シュレツダーでダイレクトアタック」
「くっ」
ダークネス:5900→4300
よし、何もなかったか。
「俺はカードを一枚セットして、ターンエンド」
「私のターン、ドロー。遊びはここまでだ。三沢大地」
「なに!?」
「私は、永続
罠 リビングデッドの呼び声を発動。
真紅眼の黒竜を、墓地から特殊召喚」
くっ、またか。でも、それくらいなら...,.........
「さらに、私は、このカードを発動する。
魔法カード 死者転生を発動」
!!あれは、二ターン目に伏せたカード!?ブラフだったのか。
「手札を1枚捨てることで、自分の墓地に存在するモンスター一体を手札に加えることが
できる。私は、手札の抹殺の使徒を捨て、墓地の
真紅眼の闇竜を手札に加える」
今、ダークネスの墓地のドラゴン族モンスターの数は..................まずい!!
「聞こえる............墓地に眠りしドラゴンたちの私に囁く声が。もう一度灼熱の炎で、この大地を焼き尽くしたいと焦がれている。その願いをかなえる究極のドラゴン、今ここに再び現れよ、
真紅眼の闇竜!
私の墓地のドラゴン族モンスターは五体。よって攻撃力は1500ポイントアップし、3900!
バトル、
真紅眼の闇竜で、ダイレクトアタック。味わうがいい、三沢大地。黒き竜の咆哮を、マグマの灼熱を!骨まで焼き尽くせ!ダークネス・ギガ・フレイム!」
「三沢、耐えろ!」
言われなくても!
「俺は、速攻魔法 リミッター解除を発動!自分フィールド上に表側表示で存在する全ての機械族モンスターの攻撃力は倍になり、この効果を受けたモンスターはエンドフェイズ時に破壊される。ぐ、ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ」
三沢:800→100(3200−3900)
既に満身創痍の身体に、さらに激痛が走る。身体の力が抜け、気がつくと、俺は地面に倒れていた。
起き上がれないでいる俺に、ダークネスが、声をかけて来る。
「サレンダーしろ、三沢大地。心配するな。あいつの命は救ってやろう。お前の苦痛もすぐに終わる」
ダークネスの言葉が、ゆっくりと俺の心に沁み込んでいく。ヤツの言う通り、サレンダーしてしまおうか。そうすれば、少なくとも先輩の命は、助かるのだから。俺は、サレンダーするために、左腕のデュエルディスクに手をかける。
だが、突然、先輩が叫んだ。
「このバカ三沢!もしサレンダーしたらお前のPCの中のエロ画像フォルダの中身ぶちまけるぞ!」
.........................そんなものは無い。断じて無いのだが、
そのあまりのいつもの先輩らしさに、思わず笑ってしまう。いつの間にか、俺の心を包んでいた絶望は取り払われていた。
俺は起き上がり、膝をつく。立ち上がることはできない。
手札を確認する。俺の手札にあるのは、マシンナーズ・ピースキーパーと、速攻魔法 コンビネーション・アタック。コンビネーション・アタックは、ユニオンモンスターを装備したモンスターが戦闘を行ったバトルフェイズ時、ユニオンモンスターを装備して戦闘を行ったモンスター一体を選択し、装備されたユニオンを解除することで、選択したモンスターに追加攻撃を与えるカードだ。
つまり現状では、マシンナーズ・ピースキーパーを守備表示で出して耐えるしかない。
ピースキーパーには、破壊され墓地へ送られた時、デッキからユニオンモンスター一体を手札に加える効果がある。運が良ければ、次のターン、マシンナーズ・フォートレスを出し、その効果で何とか
真紅眼の闇竜を処理することも可能かもしれない。だが、あまりに運任せな戦術であることは否めない。
せめて十代ほどの引きがあれば...................そう思いつつ、ドローしたカードを見た俺は、驚愕した。俺のドローカードは-------死者蘇生だった。
朦朧としていた頭脳が急速に回転を始める。
俺が蘇生するのはもちろん、レッド・ガジェットだ。その効果でデッキからイエロー・ガジェットを手札に加え、召喚。デッキからグリーン・ガジェットを手札に加える。
そして、エクシーズ召喚を行い、ホープ→ホープレイと繋げる。俺の残りライフは100 。ホープレイの効果を使用することで、
真紅眼の闇竜の攻撃力は900まで下がり、ホープレイの攻撃力を4000にまで引き上げる。
ダークネスの残りライフ4300を削りきることはできないが、状況はぐっと楽になる。よし。
「俺は手札から、
魔法カード 死者蘇生を発動!俺は、墓地から「スクラップ・リサイクラー!」スクラップ・リサイクラーを、..................え?」
俺の言葉に反応し、デュエルディスクは墓地のスクラップ・リサイクラーを吐き出す。
「.........................................................................あ、アホかー!!!!なんてことしでかしてくれたんですか、先輩!!死にたいんですか、ええ!?こんなモンス、うっ、ゲホッ、ゲホッ」
「おいおい、落ち着けって、三沢。これでお前の勝利は確定したんだからさ」
どうやら、先輩は暑さで頭がおかしくなってしまったらしい。元から少し壊れぎみだったような気もするが。
混乱している俺に、先輩は畳みかけるように言う。
「いいか、三沢。英雄になる方法は簡単だ。『残りライフ100でドローカードを引く』たったこれだけだ」
狂っている。そう思わずにはいられない。だが、今俺に出来ることは、確かにそれだけだ。
「くっ、俺は、スクラップ・リサイクラーの効果を発動。このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、自分のデッキから機械族モンスター一体を墓地へ送る事ができる。俺は、デッキから、マシンナーズ・ピースキーパーを墓地へ。
さらに、スクラップ・リサイクラーの第二の効果を発動。一ターンに一度、自分の墓地の機械族・地属性・レベル4モンスター二体をデッキに戻す事で、デッキからカードを一枚ドローすることができる。俺は、墓地のシュレツダーとマシンナーズ・ギアフレームをデッキに戻し、ドロー!」
!!この場面で貪欲な壺!?
「お、俺は、
魔法カード 貪欲な壺を発動。自分の墓地のモンスター五体をデッキに加え、デッキからカードを二枚ドローする。俺は、墓地のレッド・ガジェット、イエロー・ガジェット、マシンナーズ・フォートレス、サイバー・エルタニアン、マシンナーズ・ピースキーパーをデッキに戻し、二枚ドロー!」
「ちっ、死にぞこないが。どれだけ手札があろうと、我がレッドアイズを越えることなど不可能!」
そんな言葉も、今の俺には、全く届かない。俺は、自分がドローしたカードを見て、こう感じた。まるで、まるで俺の勝利のために、集まって来たみたいじゃないか!
先輩のほうを見る。すると先輩は、いつものようににやにやと笑いながら、言った。
「三沢...................ぶっ放せ!!」
その言葉に俺は、
「はい!」
力強く答える。
いける、これなら!!
「何をするつもりだ」
身構えるダークネス。
「いくぞ、ダークネス!俺の墓地のモンスターが機械族のみの場合、このモンスターは手札から特殊召喚できる。来い、ネジマキシキガミ!」
「む、攻撃力100のモンスターだと?血迷ったか」
「モンスターは攻撃力だけじゃない!ネジマキシキガミの効果を発動。一ターンに一度、相手フィールド上の表側表示モンスター一体の攻撃力を、エンドフェイズ時まで0にする。これにより、
真紅眼の闇竜の攻撃力は0となる!」
「なんだと!?」
「さらに、俺は手札から、レベル8の機械族モンスター、マシンナーズ・カノンを捨て、墓地からマシンナーズ・フォートレスを特殊召喚。
そして、手札からマシンナーズ・ピースキーパーを召喚し、マシンナーズ・フォートレスにユニオンする。
バトルフェイズ。マシンナーズ・フォートレスで、
真紅眼の闇竜に攻撃!」
「くっ」
ダークネス:4300→1800
「まだだ!俺は手札から、速攻魔法 コンビネーション・アタックを発動。マシンナーズ・ピースキーパーのユニオンを解除し、マシンナーズ・フォートレスで再度攻撃する!」
「まさか、この私が!?」
「くらえ、インフィニティ・アーテラリー・ファイア!!」
「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁっ」
ダークネス:1800→0(−700)
◆
勝った、のか。
気がつくと、周りのマグマの海は消え去り、山の中腹にいた。
俺は安堵し、倒れる。意識が闇へと沈む中、俺は先輩の声を聞いた。
「お疲れさん、三沢」